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久しぶりに見てます。えぇ…もちろんニコ動で。
漫画が一巻だけ家にあるんだよなぁ…
アニメのね、動きがカッコいいのですよ!


今日のも、甘いです。
一心さん家でおままごと。そういえば私の幼稚園じゃお母さんごっこだったなぁ…お母さんごっこって、みんなお母さんじゃん!って年長でやっと気がついた。

甘・恋人設定

「それじゃあお願いするね」

一心は草履を履き終えると、ドアをガラガラと横に開ける。
その顔は、太陽の光をうけてか、いつも以上に穏やかな表情に思えた。
「はい。任せて下さい」
「君に任せたら厄介事が増える」
「なによー!」
玄関の一段高いところにいる八雲と晴香、八雲の足をぎゅっと掴んでいる奈緒がいた。
奈緒は楽しそうに二人が会話しているのを見上げている。
「八雲八雲」
一心は手招きして八雲を呼びつけた。
手はメガホンを作っていて、明らかに何か聞かれたくない事を言おうとしているようだ。
だが何故か一心の頬は先程よりも緩んでおり、まるでイタズラを決行しようとする少年のようにも思えた。
そんな一心を疑いながらも八雲は、玄関の片隅に置いていたサンダルを片足だけ雑に履くと身を乗り出す。
八雲の足を掴んでいた奈緒は素直に離れて晴香の横にトコトコと来た。
一心が八雲に小声で何か伝えていた。
こういうのは聞かない方がいいだろう、と気になりながらも晴香は奈緒を見下ろす。
奈緒も晴香を見上げており、目が合うと嬉しそうに笑った。
「晴香お姉ちゃん、遊ぼう?」
奈緒は愛らしい笑顔を浮かべながら晴香の腕を引っ張る。
「うん。何しようか?」
しゃがみこむと奈緒と目線を合わせる晴香。
ここから見る八雲は少し雰囲気が違ってドキッとした。
だが晴香がここにきた時の八雲の台詞を思い出し、何となく目をそらしてしまった。



晴香は今、斉藤家にお邪魔している。

一心が出かけるとかなんだで奈緒の世話を頼まれたのだ。

しかも帰りはいつになるか分からないそうなので、お泊まりセットを持ってきている。
八雲はその事を知らなかったらしく、晴香を見た瞬間嫌そうに顔を歪めたのだ。
そして一心に僕一人で十分だ。
こいつがくる意味はない。
と否定しきっていたが、一心と奈緒に押され、しぶしぶ首を縦にふった。
そんなに嫌だったのかな…私がくるの…



「それじゃあ、そろそろ行くね」
一心の声で晴香は目覚める。
いつのまにか二人は話が終わったらしく、一心は外に出てドアを閉めるところだった。
何故かサンダルを片足履いたまま固まっている八雲。
しかもよく見ると、肩が小さく震えている。
「あ、行ってらっしゃい」
そんな八雲に一瞬見とれながらも、晴香は慌てて立ち上がると小さく頭を下げた。
一心もそれに気付いてこちらも小さく頭を下げるとドアを閉める。

「家族ごっこ!おままごとしたい!」
奈緒はキラキラと目を輝かせ、晴香の服の袖を強く引っ張った。

「うん。おままごとしようか!」
晴香は奈緒に負けじと元気な声でそう言うと、奈緒は晴香が了承してくれたのがそんなに嬉しかったのか、ピョンピョンと両手を上げてジャンプをする。
奈緒が落ち着いたのを見計らうと、晴香は奈緒の手を取り居間へと足を進めた。
「お兄ちゃんもはやくー」
「あ、あぁ…」
奈緒に呼びかけられて初めて動き出した八雲は、サンダルを脱ぎ捨て溜め息をつく。
そして、いつの間にか居間についている二人の後をゆっくりと追った。

その顔は何故か赤く染まっていたのだが、誰も気がつかなかない……


「八雲お兄ちゃんがお父さんだね」
奈緒はコタツに入った晴香にニコニコと笑いかけていた。
「うん。そうだね」


それにしても懐かしいなぁ…おままごとなんて何年ぶりだろ。
最後にしたのは…お姉ちゃんとだ。
確かあの時も寒いからって、コタツの上でやったんだよなぁ…
いっつもお姉ちゃんがお母さん役で、拗ねたこともあったな…


「お姉ちゃんはそれでいい?」
「え?あぁ、うん」
思い出につかっていた晴香は、何だかわからないが一応うなづいておく。
そしていつの間にか晴香の隣に八雲が座っていた事に気がつき、少しドキッとした。
しかもその顔は不機嫌丸出しで何か言いたそうに晴香を睨んでいる。

やっぱり、こない方が良かったのかなぁ…

タッタッタッと部屋の隅に置かれているままごとセットを取りに行く奈緒。
そんな八雲に晴香は思い切って声をかけた。
嫌だったらちゃんと嫌だって言って欲しいという思いもあった。
「…なに?」
晴香がおそるおそる訪ねると、八雲はチラリと奈緒に視線を向ける。
そして奈緒が見ていないことを確認すると口を開いた。
「いいのか?」
「いいって?何が」
晴香が首を傾ける。

その台詞は普通、私が言うものじゃないの?

やけにわざとらしく溜め息をつく八雲。
そして再び晴香を睨みつけた。

え?何…やっぱり、帰った方がいい?

奈緒はおもちゃ箱と手書きの文字が書かれた箱をコタツの、一人分あいている席に置いた。
八雲が箱の中を覗くと中にはおままごとセットが一式入っている。
おままごとには必要不可欠なプラスチックでできた食品と食器など…
安全面を売りにした物がたくさん詰まっていた。

前より増えてないか?
…さては叔父さん、また買ったな…

そんな事を頭の片隅で考えながら、八雲は晴香に話を続けた。
「何がって、キャスティングだよ」
「キャスティング?役…だよね。それがどうしたの?」
八雲は晴香の質問には答えずに無言で奈緒を顎で指す。

役って…八雲君がお父さんで
「お父さん!ゴロゴロしないでお母さんの手伝いしなさい!」
「はいはい。お前もちゃんと手伝えよ」
八雲君はお父さんになりきっている…というか、いつもと口調が変わっただけでいつものような台詞を言っている。

奈緒ちゃんがお母さんで
「お母さん、お手伝いするね!朝ご飯は何?」
「やっぱり偉いな。さすがは僕の娘だ」
奈緒ちゃんは目を輝かせながら私に迫ってきた。

私が娘で……?
「えぇぇえっ!?」

私がお母さん!?

お姉ちゃんが譲ってくれなかったお母さん!?

普通、お母さんになりたがるんじゃないの!?

え、奈緒ちゃんが娘!?

八雲君がお父さんって事は、私の夫ってことで…結婚してるわけで。
私と八雲君が子供まで作ったって事!?

「お母さん?」
奈緒の耳から聞こえるものではない声、のおかげでやっと現実に戻ることができた。
だがそれもどこか遠くから話しかけられているように聞こえる。
「あ…ご、ごめんね。じ、じゃあ、朝ご飯はカレーにしましょう。奈緒ちゃん、材料選んでくれる?」
ニコニコ笑いながら平然を装って奈緒にそう言う。
だが顔は赤く、どうにか冷まそうと早く忘れようとした。
「うん!材料選ぶね!」
頼まれた事がとても嬉しいようで、目を輝かせる奈緒。
そして箱の中のプラスチックの食品からカレーの材料を真剣に選びはじめた。
「おい」
そんな不機嫌そうな声が聞こえ、振り返るとすぐ傍に八雲の体があった。
いつの間にか晴香のすぐ隣にきていた八雲は晴香が声をあげる前に腰に手を回すと引き寄せる。
そして耳に吐息がかかるほどに近付くと口をひらいたのだ。
「…僕は君と、本物の子供が作りたい」
その声は珍しくどこか甘く、晴香を真っ赤にするには十分であった。
八雲はすぐに耳から離れ、腰の手も外したが座る場所は戻らない。
「あれ、お父さんどうしたの?」
そんな二人に気がついたのか奈緒は右手に人参、左手に卵を持ちながら首を傾げた。
「あぁ、お父さんとお母さんは仲が良いからな。くっついてないといけないんだ」
八雲は楽しそうに笑いながらそう答えたが、晴香には意地悪な笑みにしか見えなかった。
「お母さん…大丈夫?」
奈緒は晴香が俯いているのに気がつき、眉を八の字にさげる。
「え、あぁ。うん、大丈夫だよ」
晴香は顔を上げたが、その顔は奈緒が余計に心配するような真っ赤な顔だった。


END。



オマケ。
八雲と一心の会話。

「八雲八雲」
「何ですか?」
「奈緒の前では控えめに」
「……」
「あと、帰りは遅いから奈緒が寝たら二人で仲良くしなさい。部屋の鍵も忘れないよう」(ウインク
「っ…」

おわり。


続きますよ。多分…。
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