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ブログ始めてから三ヶ月目!どうにか無休で今日まで過ごしてます…
それと、来客数四万人ありがとうございます!

まずはテンプ変えました。
少し右にグラデーションかかってるけど…見にくくありませんよね?
一行の文字が増えたので、長文が見やすくなったかと…

次!拍手変えました。
今回はバイト話のあの後…というか八雲風呂版。
あと、甘味無しを目指して書いたもの。
それといつか書いたのど飴ネタの二日前。

あと、投票箱も変えました。
どんなのを増やして欲しいか…です。
お暇でしたら、どうぞ御投票ください。


さて、本日はお祝い小説。
あの八雲サイトのお母さんの一人!
はとさん宅が二周年なのですよ!なのではとさんのみフリーです!
少し遅れましたが、どうぞ。

二周年おめでとうございます!

恋人設定

「っ…なんで僕だけこんなに荷物を持たないといけないんですかっ!」

八雲は大きく肩を上下させながら、目の前を歩く背中を睨む。


その手には中がぎゅうぎゅうに詰められ、膨れ上がったビニール袋。
それが左右の手に持たされていた。



それは五時間くらい前のこと。

休日ということもあり、八雲はのんびりとソファーに寝転がっていた。

たまには何もしないでこう過ごすのも良いな…
と八雲が瞼を閉じかけた時だ。

「八雲君っ!」

ぎしりとソファーが軋む音と同時にそんな声。
八雲はゆっくり瞼を開けると、そこには晴香のドアップの顔。
「…どうした?」
内心ドキドキとしながらも八雲は平常心を保ちながらそう訪ねる。
「みてみて、スーパーで安売りだって!」
スーパーの安売り、と言う言葉を強く強調する晴香。
晴香は八雲の顔にチラシを突きつける。
八雲はそれを受け取るとチラシを隅から見ていく。

梅雨時セール!
と無駄に大きな文字で上の方に書かれていた。
商品の写真には、所々にボールペンで丸がつけてある。
晴香がめぼしいものにサインをつけておいたのだろう。


それよりも安売りという言葉に反応するなんて…妻らしくなってきたな…
と八雲はのんきに思っていた。
そして晴香が八雲に言いにきたということは、行きたい…というわけだ。
それはキラキラと輝く瞳を見てもわかった。
「…行くか」
八雲は腰を上げるとソファーにしっかりと座る。
そんなたった三文字に晴香はパァッ…と表情を明るくさせた。
「あ、あのね。ここなんだけど…」

チラシの隅に書かれた小さな地図。
それを見た刹那、八雲の表情が歪んだ。

晴香が見ていたチラシは、隣街のスーパーのもの。
要するに徒歩や自転車では行けない…というわけだ。
八雲は無言で晴香を見つめる。
晴香もそのことを知っているのか、眉を八の字にしながら首を傾げた。
「…叔父さんに車、借りてくか…」
パァッ…と八雲の言葉に晴香は表情を明るめた。


その後、準備をし終わり一心のもとに向かった二人。
事情を説明して車を借りようとしたが、何故かオマケに一心と奈緒がついてきたのだ。



そこまではまだマシだったのかもしれない。

車で来たこともあってか、晴香の買い物の量は普段の倍にまでいっている。
一心の方も多かったが、車をいつでも使えるということもあり、晴香の量まではいかなかった。

だがレジを過ぎてから荷物を車にまで運ばないといけないことを思い出した晴香。

八雲は文句を言いながらも、結局その荷物を車まで運ぶことになった。



そして現在に戻る。

先頭を切って歩いていた一心がこちらを振り返った。

「はっはっはっ。八雲はちょうど色々なことで体力が多い年代だからな」
色々なことってなんだ、と八雲は聞きたかったがこの場に奈緒がいることを思い出し、口を結う。
「八雲君、やっぱり持とうか?」
自分のせいもあってか、八雲のペースに合わせて歩く晴香。
本当は大丈夫だ、とか言いたいところだったが、指が千切れんばかりに痛い。
格好悪いが晴香に助けを求めようとした。
「駄目だぞ、八雲。女の子に力仕事を任せるなんて…最低な男だぞ?」
「………」
だがその前に一心の痛い言葉。
八雲はぐっ…と奥歯を噛み締めると言葉を飲み込んだ。
「奈緒も持とうか?」

奈緒にまで心配されるとは…

八雲は少し虚しくなり、溜め息を吐いた。
「…やっぱり僕一人で持ちます…」
「それでこそ男だぞ、八雲」
一心は軽快に笑うとスタスタ先を歩いていってしまった。
慌てて八雲もその後を追おうとするが、荷物の重さに負けてしまう。

八雲はうなだれると見えなくなってしまった一心を呪う。
急いでしまったぶん、汗をかいてしまったし疲れた。
「奈緒…先に行ってていいぞ…」
「でも…」
奈緒は迷うように八雲と車がある方を交互に見つめる。
ここからなら奈緒も一人で行ける距離だ。
「暑いだろ、僕は大丈夫だから安心しろ…」
「う…うん」
奈緒は後ろめたそうに何度も振り返りながら消えていった。

「君もいいぞ…」
「やっぱり持つよ!」
晴香がそう言ったかと思うと、突然片方の袋が軽くなる。
見ると一生懸命に持ち上げようとしていた。
「駄目だ!重いんだぞ!」
「じ…じゃあ半分っ」
「半分?」
晴香の言葉の意味が分からず、八雲は首を傾げる。
「その、持つ方一個貸してっ」
そう言った晴香はビニール袋の持ち手のところを一個引く。
意外にするりと八雲の手から離れたそれを晴香はぎゅっ…と握った。
「これで半分こ…」
少し恥ずかしいのか、微かに頬が赤い。

晴香が言う半分こというのは、一つのビニール袋の持ち手を二人で持つ…というのであった。

そんな発想に八雲は頬を緩めながらも止めはしない。
「…しょうがないな」
そして晴香に半分持たせた状態で八雲は歩き出した。

八雲の顔が幸せに満ちていたのは言うまでもない…



「おー、遅かったじゃないか〜」

車に到着して一番に聞こえた一心の声。
一心はのんきに運転席から手を振っていた。
「なんだい?どこに寄り道してきたんだ?」
そう言いながらニヤニヤとやけに楽しそうに笑う。
「…寄り道なんてする暇ありませんでしたよ」
八雲は呆れたようにそう答えるとトランクに向かう。



「…それにしても嬉しそうだな…」
一心はそう呟くと、二人が持つビニール袋に目を向ける。
お互いの手の甲を離れないようにピッタリとくっつけていた。
「お兄ちゃんたち仲良しだね」
いつの間にか一心の膝の上にちょこんと座っていた奈緒。
そしてそんなことを呟きながら二人の様子を窓から覗き込んでいた。

トランクの前では、八雲と晴香が一生懸命に荷物を詰めていた。


END。



一つのものを二人で〜が書きたかったんです。
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