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いや…友達とですね、堂上と小牧ならどちらが良いかと言われまして…
これは迷う…。そして手塚を忘れてた…

アレなんですよね…
私、アニメ化される前は小牧のイメージが古泉君でした。
声もまるっきり…


今日は時間がないので、小説だけ上げておきます。
昨日の続きです。

恋人設定

女将たちの暖かな笑顔に見送られた二人。

少し離れた駐車場まで歩いていた。



鼻歌を口ずさみながら、スキップを踏む晴香。
そんな姿を後ろから八雲は見つめ、小さく笑う。

久しぶりの遠出は、晴香にとって楽しかったようだ。
「そんな歩き方してると、転ぶぞ」
叱るような言葉だが、口調はとても優しかった。
「大丈夫だよっ!転んだって八雲君が助けてくれるもんっ」
それほどまでに、八雲君を信じてるから!
振り返り際に晴香はそう言う。
その顔は幸せそうに緩んでいる。
「………」
それに比べ、八雲は何ともいい表せないような表情を浮かべていた。
そんな八雲を置いていくかのように、晴香は再びスキップを刻んでいく。
そんな晴香を追うように、八雲は慌てて足を動かした。
「…楽しかったか?」
「うんっ」
前を歩く晴香は振り返りもせずに頷く。
「…そうか」
安心したように小さく息を吐くと、小さな背中に追いつこうと速度を早める八雲。
「いろんな八雲君が見れたしっ」
「っ!」
晴香の言葉を聞き、八雲は思わず足を止めてしまう。
「どうしたの?八雲君」
足音が聞こえなくなったことに気付いた晴香は、足を止めると八雲を振り返る。
小首を傾げる晴香はとても可愛かったが、先ほどの発言のせいで可愛さも半減していた。
「…なんでもない」
溜め息混じりに八雲はそう口にすると、足を動かした。
晴香は不思議そうに首を傾げたままだったが、八雲が横を通過するのに気付き、慌ててその背中を追いかける。

立場逆転…とはこのことだろう。
微妙に意味が違う気がするが…
次は八雲が先頭をきって歩いていた。



車に乗るなり、八雲は大きくあくびをする。
それを見た晴香は慌てて助手席に乗ると八雲にすがりつく。
「居眠り運転なんて、駄目だからねっ!」
交通事故で実の姉を亡くしてしまったのだ…そういうことには敏感なのだろう。
「あぁ…」
八雲は安心させる意味も込めて、その頭を優しく撫でてやった。
「………」
晴香は無言で八雲の胸に顔を押し付ける。
クスン…そんな音が聴こえ、八雲は無言でその体を抱きしめた。
しばらくして八雲は、おそるおそるその顔を覗いてみる。
だが晴香は泣いてはおらず、幸せそうに頬を染めていた。
「………」
嘘泣き…か…
八雲は何か言おうとしたが、止めて置くことにした。



車を走らせて数分後。
持ってきていたお菓子は行きに全て食べてしまったのか、つまらなそうに外を眺めている晴香。
「ひーまー」
ボソリと呟くようにいうが、その言葉はどう聞いても八雲に向けられている。
「…それがどうした?」
運転をしているせいで晴香に目を向けられないが、視線がコチラに向いているのがわかる。
晴香は助手席に深く腰を降ろすと、恨めしそうに八雲を睨んだ。
睨まれる意味がわからず、横目で晴香を覗く。
「ひーまーなーのっ!」
ジタバタと子供のように手足をバタつかせる晴香。
「だから暇だと言われても、僕にどうしろというんだ!」
八雲のその回答を待っていました、と言うように晴香は目を輝かせた。
嫌な予感を感じ、八雲は表情を堅くする。
ちょうど信号が青になり、ブレーキをかけたときだ。

「遊ぼうよっ!」

「…は?」

予想だにしていなかった言葉に、八雲は眉間にシワを寄せてしまう。
そして赤信号を良いことに、八雲は晴香を振り返った。
「しりとりしようよ!」
子供のような言葉に、八雲の眉間のシワをは深くなるばかりだ。
「あ!青だよ」
晴香は信号を指差し、そう口にした。
八雲は慌ててアクセルを踏み、車を走らせる。
「じゃあ私からね。えっと…しりとりだから…。…りす!」
パチンと器用に指を鳴らし、ウインクを投げる晴香。
八雲はそのウインクをこれまた華麗に避けると、冷たい表情になる。
「僕はやらない」
「えー。なんでよー!」
ぷくーっと晴香の両頬がフグのように膨れる。
「僕に事故を起こしてほしくないんだろ?…だったら集中して運転させてくれ…」
そう言いながら、八雲はハンドルをきる。
高速道路の入り口が見えた。
「いじわるっ」
「いじわるで結構だ」
溜め息まじりにそう返すと、窓を開けて機械から券を受け取り、それを缶置き場に入れる。
そんな八雲をしばらく睨んでいたが、飽きてしまったように窓の外に視線を向けた。
「…ゆっくり寝てろ。…君だってあんまり寝てないんだろ?」
「私は八雲君とは違ってちゃんと寝てますよーだ」
その口調からして晴香が拗ねた…と八雲に伝わる。
どうしようかと溜め息を吐いたが、結局八雲は構わないことに決めた。


それからは無言の世界が車内を包んでいた。


「………」
時々晴香に見られているのを感じたが、八雲は無視をする。
すると晴香は缶置き場から券を取ると、暇そうにそれを眺めていた。


それからすぐだ。

小さな寝息が聞こえたのは…


「やっぱり寝たか…」
八雲は一時パーキングに車を止めた。
駐車場に止まった車内で、八雲は晴香の寝顔を見つめる。


安心しきっているのか…

気持ちよさそうに眠っていた。


「…このまま寝かせておくか…」
八雲はそう呟くと、少しの間休憩をとった。



晴香は結局、高速道路を降りるときも眠りについていた。

「す…すみません。すぐに取り返しますから…」
八雲は少し高い位置にいるそこそこの年の女性を振り返った。
そしてすぐに晴香の手からそれを奪おうとする。
「大丈夫よ。空いてるし…」
そういう女性はどこか困ったような…だが幸せそうな表情で車内の二人を見下ろしていた。


助手席に座る晴香はぐっすりと夢の中だ。
そして高速道路を出るために必要な券は、晴香の手の中にあった。

八雲はどうにかしてでもそれを取ろうとするが、晴香の手にはしっかりと鍵がかかっている。
そう簡単には取り出せそうにはない。

「っ…このっ!」
八雲は晴香の手から券を掴むと、勢いよく引っ張る。
「っ!?」
突然晴香の手が緩み、勢いをつけた八雲は頭を半開きになっていた窓ガラスにぶつけてしまう。
だがどうにか券は無事だ。
「す…すみません…」
八雲は身を縮めながらそれを渡し、財布から料金分のお金を支払う。

女性は最後まで笑いながら二人が乗る車を見送った。


END。



続く…かもです。
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