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なんだか、読み返してみるとすっごく馬鹿げた内容なんで削除!
凄いなぁ…ボタン一つで消えちまったよ。

まぁ、とりあえず熱じゃない風邪を引きました。
はっはは…疲れからでる熱みたいです。
ん?それって風邪なんじゃ…


さて、土用の丑なお話。
ウナギうまーっ!

高校生日記

「あつ…」

晴香は畳の上に寝転がる。


ただいまの時刻、正午を過ぎた頃。

昼飯にちょうど良い時間なのだが、食欲がわかない。
あれなのだ。夏バテ…なんだと思う。


冷房があたる涼しい場所を探すが、なかなか見つからない。
「…なにやってんだ?」
声がした方を振り返ると、居間の出入り口のところに八雲が立っていた。
こちらも暑そうに、胸元を手で扇いでいる。
「あ、八雲君。今日の分の宿題終わったの?」
「誰かさんとは違うからな」
鼻で笑われ、晴香は頬を膨らました。
文句を言ってやろうとしたが、止めておく。
八雲に口で勝てないのは百も承知。
唯一勝てるとすれば、擽ることなのだが、いまはやる気がしない。
倒れるように、八雲はちゃぶ台の前に腰を下ろした。
「暑い…」
そう口にすると、エアコンのリモコンを探し、温度を下げる。
晴香の方にも冷たい風がやってきた。
「涼しい…」
大きく息を吐きながら、後ろに倒れる。

ここに平和な時間が訪れた…



襖が開いたその先に、美雪が現れた。
腕には奈緒の姿。
「なに二人して伸びてるのよ」
呆れたように溜め息を吐き、八雲の正面に腰を下ろす。
「暑いんだ。しょうがないだろ」
寝転がりながら奈緒を呼ぶと、美雪の膝から降りて八雲の元に歩く。
よちよちと歩く姿。
ついこないだ歩くことを覚えた奈緒は、転びそうになりながらも嬉しそうな笑顔。
「奈緒も暑いよな?」
「あぅ」
八雲に返事を返し、奈緒も並んで寝転がる。

「そんなみんなにサプラーイズ」

軽快に笑いながら現れたのは、甚平姿の一心。
手には見かけない黒のお盆と、その上に重箱。
ズカズカと部屋の中に踏み入ると、開いた席にしゃがみこむ。
「サプライズって…どうせ何か取ったんでしょ?」
「正解。でも今日は豪華だぞ」
八雲の突っ込みを物ともせず、一心は重箱の蓋を開けた。
途端に鼻を擽る良い香り。
つられるように腰を上げた、高校生二人組。
「ウナギ…か?」
「八雲選手、二回連続正解っ」
奈緒は香りにというより、二人が起き上ったことにつられる。
一生懸命、机を助けに立ち上がった。
「あ!今日って二回目の土用の丑の日なんですよねっ」
パン…と手を叩き、目を輝かせる晴香。
そんな晴香を馬鹿にしたように、八雲は鼻で笑った。
「それくらい常識だろ。二回目の丑の日のことを二の丑って言うんだぞ」
知ってたか?と晴香に視線を向ける。
「し、知ってましたよーだっ」
べーっと舌を出す晴香だが、誰が見ても知らなかった人の反応だ。
「じゃあ何でウナギを食べるか知ってる?」
一心がウナギを並べる姿を眺めながら、そう口にする。
「…夏の暑さを越えるためだろ」
受け取った箸を二つに割り、八雲はウナギをほぐしはじめる。
そんな八雲を見て、晴香はニヤリと怪しく笑った。
「それもあるけど、八雲君には大活躍の精が出る…っていう意味なのよ」
鼻を高くして自慢気に言う。
だが八雲は、勝ち気のまま箸を突きつけた。
「何を勘違いしてる?精が出るっていうのは、お前が思ってるのとは違う意味なんだぞ」
「そ…そうなの?」
助けを求めて一心を見やるが、その首は悲しくも縦に振られた。
「なに変な事考えてたんだ?お・ざ・わ・君?」
上から見下ろすように、八雲は晴香を見つめる。
顔を染めた晴香は、恥ずかしそうに肩を縮めてしまった。
そんな晴香に助け舟を出したのは、ウナギにかぶりついていた美雪。
「でも晴香ちゃんの考えも合ってるわよ?」
まるで講師のように箸を振ると、八雲につきつけた。
「ウナギにはね、亜鉛が含まれて…子作りの際には良いのよ。八雲君?」
ニコリと目を細め、男が集っても無理はない笑顔を浮かべる。
「っ…そこで僕を見る理由がわかりませんね」
悔しそうに八雲は眉をひそめるも、どうにか立場を逆転させたい。
「これから役に立つ知識でしょ?」
「立つか立たないかは僕自身が決めることです」
「まぁまぁ、その辺にしとこうじゃないか」
静かな口喧嘩を止めたのは、奈緒にウナギを食べさせていた一心。
「………」
八雲は黙り込んだままウナギを食べていく。
「奈緒ちゃん、おいしい?」
隣に座る奈緒に話しかけると、言葉が通じたのかこくりと頷いた気がした。
「これでこの夏も乗り越えられるね〜」
柔らかい笑顔を浮かべ、晴香は骨を除いたウナギを食べさせる。
一生懸命食べる姿が可愛く、ウナギを全てあげたくなってしまった。
だが少量食べただけでもお腹が膨れた奈緒は、一心の膝を枕にすやすやと眠りだす。
「かわいいなぁ」
ふにっ…と頬を突つくと、笑顔を浮かべる奈緒。
「ごちそうさま」
そんな声が隣からした。
そちらを向いてみると、八雲が両手を合わせている。
「八雲君も膝枕してあげよっか?」
ふざけ半分にポンと膝を叩く。
どうせ馬鹿にされるんだろう…と思っていたのだ。
「ほう?」
だがそこにいた八雲の顔は、怪しげに笑っていた。
「ま…まって」
晴香は慌てて止めるが、八雲は止まろうとしない。
美雪に負けたことに対しての八つ当たりだろうか。
「じゃ、お邪魔します…」
ごろん…と転がると、晴香の膝の上でニヤリとほくそ笑む。
「ほら、奈緒みたいに食べさせろよ」
膝の上で王様気分に命令をする。
晴香には八雲の頭に、王冠が見えたような気がした。
「えっ!?そんなことは約束に入ってないよ…」
「そんなこと知らん」
金魚のように口を開けたまま、餌が来るのを待つ。
晴香は助けを求めて一心と美雪を見つめるが、二人して肩をすくめるだけ。
「八雲は開き直ったらそれを曲げないからなぁ…」
苦笑を浮かべ、一心は剃り上がった頭を掻き回す。
「晴香ちゃん、頑張りなさいよ」
美雪はというと、何故か親指を立ててウインクを投げ飛ばした。
「そ…そんなぁ…」
がくん…と俯くが、そこには八雲の顔。
早く、とせがむように口を開けたままだ。
「八雲君…子作りする気じゃないよね?」
心配ごとを口にすると、ニヤリと口を細める。
その笑みに、晴香は背中に嫌な汗を感じた。


「さぁ?今夜は注意するんだな」


END。



今回は八雲に攻めてもらいました。
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