×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
産まれた時間とかに上げてみた。
ハッピーバースデートゥーミーっ!
なのでここに書く事がないよ…
むむむ〜…
あとで追記でも書くかな?
というわけで!
いままでで一番甘いの目指してみたけど、成功したかな?
恋人設定
ハッピーバースデートゥーミーっ!
なのでここに書く事がないよ…
むむむ〜…
あとで追記でも書くかな?
というわけで!
いままでで一番甘いの目指してみたけど、成功したかな?
恋人設定
あいつが風邪を引いた…
昨日起きた、突然の雷雨が原因だろう。
傘も持たずに出かけた君は、雨の中走って帰ってきた。
迎えに行こうとしたのだが、彼女からの電話で、
「来なくていい」
…といわれ、しぶしぶ家で待つことにしたのだ。
だが、まさかこんなことになるとは…
やっぱり迎えに行けばよかった…
ピピッ…と電子音が聞こえる。
晴香の脇から体温計を引き抜くと、文字盤に表示された数字を唱えた。
「38度…」
もう少し高いのだが、晴香を安心させようと低めに嘘をつく。
体温計からベッドの上に視線を移すと、そこには晴香が寝ていた。
頬を火照らせ、潤んだ瞳をこちらに向けている。
「大丈夫…だよ」
ニコリと微笑んで見せているのか、笑えていない笑みを浮かべた。
「…どこが大丈夫なんだ?38度もあるんだぞ」
溜め息混じりに言うと、ベッドサイドに置かれた小棚の上から薬箱を開ける。
中から冷却シートを一枚取り出し、ペラリと透明なシートを剥がす。
「…貼るぞ」
一言断り、返事を待たずに晴香の前髪を上げた。
そしてそこにペタリと冷却シートを貼り付ける。
「ひゃっ!」
突然の冷たさにビックリしたのか、ビクリと体を揺らした。
「ちゃんと一言断っただろ?」
そう言いながら、優しく優しく額に貼られた冷却シートを撫でる。
「ん…」
コクリと小さく頷くも、しょぼんと口元まで布団を上げた。
「良い子だ」
小さく微笑み、晴香の髪を少々荒々しく撫でる。
だが晴香は文句も言わず、布団の中で幸せそうに笑った。
「もっと…撫でて?」
おねだりをするかのように、上目遣いで八雲を見上げる。
「…はいはい」
クスリと小さく笑うと、お望み通り、何度も撫でてやった。
すると安心したように晴香は八雲を見つめる。
「晴香…」
そんな晴香が愛おしく感じ、そっと身を倒して唇を奪おうとした。
「めっ」
唇に晴香の白くて細い指が触れる。
キスを中断されてしまった八雲は、何か言いたげに口を結んだ。
「風邪、移っちゃうから…め。だよ?」
「………」
だが八雲は、諦めきれないらしく、身を倒したままで固まっている。
「今日だけは言う事聞いて?…ね?」
晴香の指が、唇から頬を滑り撫でていく。
「風邪…治ったら、好きなだけキスして良いか?」
「ほどほど…だよ?」
熱があるというのに、くすりと小さく微笑んだ。
その笑みが八雲の心情を乱しているのを、晴香は知らない。
「…今は、これで我慢する」
八雲は晴香の手に手を重ねて、自らの頬に擦り寄せた。
母親にすがる、子供のように。
晴香はというと、八雲の珍しい甘えに、目をまん丸くさせている。
「これくらい…良いだろ」
そんな晴香を見てか、八雲はふてくされたようにそっぽを向いた。
「そうだね…」
ニコリと口元を緩め、晴香は八雲の開いた手を取る。
「?」
不思議そうに身を任せていると、八雲の手がいつもより熱い晴香の頬に触れた。
そして、晴香は気持ちよさそうにその手に擦りよる。
「…これなら、風邪移らないもんね」
「そうだな…」
そんな言葉に八雲は幸せそうに答えると、晴香の頬を優しく撫でた。
「八雲君の手…冷たくって気持ちいい…」
「そうか?」
晴香の手に重ねた手を取り、自らの手を見つめる。
体温なんて見てもわからないのに、今はそうしていたかった。
そしてその手も晴香の頬に触れる。
「あ…気持ちいい…」
「………」
何故かその言葉に、八雲は固まった。
そしてそんな考えを捨てるように、両手に力を入れる。
「いひゃいっ!」
「す、すまない…」
慌てて謝るが、晴香は拗ねたように頬を膨らませていた。
「…寝れるまで、なでなでしてくれないと許さないっ」
それだけ言うと、ぷいっと八雲に背中を向ける。
「………」
しばらく無言でいたら、ちらちらとこちらを窺う晴香と目が合った。
ビクンと肩を揺らしたかと思うと、再びそっぽを向かれる。
「…わかりましたよ。お嬢様」
八雲はそう言い、晴香の頭に手を伸ばす。
晴香はそれを心地良さそうに受け取った…
「痛っ…」
反射的に指を加えると、口の中に広がる、鉄の味。
痛みが引いたのを頃合いに、そっと指を引き抜く。
指の先端には、細長い切れ込みと、そこから浮き出る赤。
「…五カ所目…」
八雲は大きく溜め息を吐き捨て、テーブルの上に散らばった絆創膏を手に取る。
眠ってしまった晴香からそっと離れ、八雲はお粥を作ることにしたのだ。
調理法はどうにかレシピを見つけて大丈夫だったのだが、先ほどから八雲は怪我三昧である。
お粥なんて包丁を使うことが余りないというのに、八雲の指には絆創膏だらけ。
左右の指、合わせて半分の指に絆創膏が巻かれている。
「くそっ…」
ぐしゃぐしゃになった絆創膏を丸め、ゴミ箱に捨てた。
左指ならばまだ巻きやすいのだが、いまは右指だ。
なれない左手は、右指に絆創膏を貼れないでいる。
「出来た…」
お粥ではなく、絆創膏を貼ることが。
こんな小さなことなのに、何故か達成感が凄く大きい。
「…よし、頑張るぞ」
八雲はガッツポーズをして自身を応援すると、包丁に手をかけた。
布団の中の晴香は、小さな寝息をたてていた。
額に脂汗をかき、気のせいか寝息も荒い。
そっと頬に触れてみると、苦しそうに身をよじる。
…熱は、まだ下がる気配がない。
「はるか…」
愛おしそうに、何度も何度も髪を撫でる。
「ん…」
すると小さく身を捩り、そっと瞼が開く。
そして何か言おうとしているのか、微かに口も開いた。
「ん?」
口元に耳を寄せ、八雲はどうにか聞き取ろうとする。
「…おはよう」
「………」
そんな言葉に八雲は身を離すと、そこにはにへら〜っと笑う晴香。
「おはようございます。眠り姫」
そうおどけて見せるが、晴香は楽しそうに笑うばかり。
「私の王子様ぁっ」
まるで抱っこを求める子供のように、両手を伸ばす。
八雲はおとなしくそれに答えてやる。
ぎゅっ…と背中に腕を回し、優しく抱きしめた。
やはりその身体は熱く、熱があることをひしひしと伝えてくる。
「私の八雲君…」
寝ぼけているのか知らないが、猫のように擦りよってきた。
「…夢の世界から帰ってこい」
ツン…と晴香の額にデコピンを送る。
するとあっさり離れる晴香の身体。
「あぅ〜…痛い」
病人か、と疑いたくなるくらいの勢いで、ゴロゴロとベッドの上で転がる。
「…お粥、作ったけど食べるか?」
「あ、八雲君だ…」
今頃気付いたのか、それとも寝ぼけが覚めたのか。
思わず溜め息をつきそうになるのを堪える。
「………。…食べるか?」
「ん…」
コクリと頷くと、数分前を再生したように両手を伸ばす晴香。
「………」
八雲は無言で悩んでいたが、望み通りに抱きしめ、それから上半身を上げさせた。
「八雲君が作ってくれたの?」
わくわくと目を輝かせ、お粥を待つ。
床に座り、位置的に晴香を見上げた。
「他に誰がいる?」
ベッドサイドにある小棚の上から、お茶碗とスプーンを取る。
「八雲君がいる」
テヘヘと子供のような笑みを浮かべた晴香。
酔っ払いを相手にしているような感覚に襲われる。
「おかゆっおかゆっ」
歌を歌うようなテンポでお粥を連呼する晴香。
八雲はというと、スプーンで一口分をすくい、冷ますように息を吹きかけた。
「…?」
ある時、作詞作曲晴香自作のお粥のテーマソングが途切れる。
「八雲君、指どうしたの?」
ちょこんと、スプーンを持つ八雲の指に触れる。
そこには絆創膏が貼られていた。
「べ…別に、これは…」
茶碗とスプーンを小棚の上に置き、隠すように両手を背中に回す。
「隠さないで」
何時になく真剣な声に、八雲は負け、しぶしぶ両手を晴香に見せた。
「包丁で、怪我しちゃったの?」
その指にそっと触れ、位置的に八雲を見下ろす。
「…どうせ僕は料理なんて出来ないんだ」
ふてくされたようにそっぽを向き、微かに頬を染める。
そんな八雲の言葉に返ってきたものは、意外なものだった。
ちゅっ…
「っ!?」
指に柔らかいものが触れ、慌てて振り返る。
そこには指先にキスをする晴香。
慌てた八雲を見て、クスリと笑いながらそこから離れた。
「早く治るおまじない」
熱伝導苦しいというのに、晴香の笑みは満面の笑顔。
無理して笑ってる雰囲気もなく、心からの笑みだった。
「…傷口から移ったら、君のせいだからな」
なんとも言えず、八雲は照れ隠し混じりにそう口にする。
「んっ」
子供のような笑みを浮かべ、絆創膏の貼られた指先をカプリとくわえた。
そんな行動にむず痒さを感じ、それを止める。
晴香は何やら文句を言いたげだったが、それはすぐに収まった。
前髪を掻き分け、火照った額を露わにすると、そこに触れる。
ちゅ…
八雲の唇で…
「…早く治るおまじないだ」
「…はいっ」
そこには顔を赤くした、二人の姿が残っていた。
「早くっ…早くちょうだい?」
「慌てるな。冷まさないと駄目だろ」
END。
早く治るおまじない…が書きたかったんです。
あと料理苦手な八雲も。
昨日起きた、突然の雷雨が原因だろう。
傘も持たずに出かけた君は、雨の中走って帰ってきた。
迎えに行こうとしたのだが、彼女からの電話で、
「来なくていい」
…といわれ、しぶしぶ家で待つことにしたのだ。
だが、まさかこんなことになるとは…
やっぱり迎えに行けばよかった…
ピピッ…と電子音が聞こえる。
晴香の脇から体温計を引き抜くと、文字盤に表示された数字を唱えた。
「38度…」
もう少し高いのだが、晴香を安心させようと低めに嘘をつく。
体温計からベッドの上に視線を移すと、そこには晴香が寝ていた。
頬を火照らせ、潤んだ瞳をこちらに向けている。
「大丈夫…だよ」
ニコリと微笑んで見せているのか、笑えていない笑みを浮かべた。
「…どこが大丈夫なんだ?38度もあるんだぞ」
溜め息混じりに言うと、ベッドサイドに置かれた小棚の上から薬箱を開ける。
中から冷却シートを一枚取り出し、ペラリと透明なシートを剥がす。
「…貼るぞ」
一言断り、返事を待たずに晴香の前髪を上げた。
そしてそこにペタリと冷却シートを貼り付ける。
「ひゃっ!」
突然の冷たさにビックリしたのか、ビクリと体を揺らした。
「ちゃんと一言断っただろ?」
そう言いながら、優しく優しく額に貼られた冷却シートを撫でる。
「ん…」
コクリと小さく頷くも、しょぼんと口元まで布団を上げた。
「良い子だ」
小さく微笑み、晴香の髪を少々荒々しく撫でる。
だが晴香は文句も言わず、布団の中で幸せそうに笑った。
「もっと…撫でて?」
おねだりをするかのように、上目遣いで八雲を見上げる。
「…はいはい」
クスリと小さく笑うと、お望み通り、何度も撫でてやった。
すると安心したように晴香は八雲を見つめる。
「晴香…」
そんな晴香が愛おしく感じ、そっと身を倒して唇を奪おうとした。
「めっ」
唇に晴香の白くて細い指が触れる。
キスを中断されてしまった八雲は、何か言いたげに口を結んだ。
「風邪、移っちゃうから…め。だよ?」
「………」
だが八雲は、諦めきれないらしく、身を倒したままで固まっている。
「今日だけは言う事聞いて?…ね?」
晴香の指が、唇から頬を滑り撫でていく。
「風邪…治ったら、好きなだけキスして良いか?」
「ほどほど…だよ?」
熱があるというのに、くすりと小さく微笑んだ。
その笑みが八雲の心情を乱しているのを、晴香は知らない。
「…今は、これで我慢する」
八雲は晴香の手に手を重ねて、自らの頬に擦り寄せた。
母親にすがる、子供のように。
晴香はというと、八雲の珍しい甘えに、目をまん丸くさせている。
「これくらい…良いだろ」
そんな晴香を見てか、八雲はふてくされたようにそっぽを向いた。
「そうだね…」
ニコリと口元を緩め、晴香は八雲の開いた手を取る。
「?」
不思議そうに身を任せていると、八雲の手がいつもより熱い晴香の頬に触れた。
そして、晴香は気持ちよさそうにその手に擦りよる。
「…これなら、風邪移らないもんね」
「そうだな…」
そんな言葉に八雲は幸せそうに答えると、晴香の頬を優しく撫でた。
「八雲君の手…冷たくって気持ちいい…」
「そうか?」
晴香の手に重ねた手を取り、自らの手を見つめる。
体温なんて見てもわからないのに、今はそうしていたかった。
そしてその手も晴香の頬に触れる。
「あ…気持ちいい…」
「………」
何故かその言葉に、八雲は固まった。
そしてそんな考えを捨てるように、両手に力を入れる。
「いひゃいっ!」
「す、すまない…」
慌てて謝るが、晴香は拗ねたように頬を膨らませていた。
「…寝れるまで、なでなでしてくれないと許さないっ」
それだけ言うと、ぷいっと八雲に背中を向ける。
「………」
しばらく無言でいたら、ちらちらとこちらを窺う晴香と目が合った。
ビクンと肩を揺らしたかと思うと、再びそっぽを向かれる。
「…わかりましたよ。お嬢様」
八雲はそう言い、晴香の頭に手を伸ばす。
晴香はそれを心地良さそうに受け取った…
「痛っ…」
反射的に指を加えると、口の中に広がる、鉄の味。
痛みが引いたのを頃合いに、そっと指を引き抜く。
指の先端には、細長い切れ込みと、そこから浮き出る赤。
「…五カ所目…」
八雲は大きく溜め息を吐き捨て、テーブルの上に散らばった絆創膏を手に取る。
眠ってしまった晴香からそっと離れ、八雲はお粥を作ることにしたのだ。
調理法はどうにかレシピを見つけて大丈夫だったのだが、先ほどから八雲は怪我三昧である。
お粥なんて包丁を使うことが余りないというのに、八雲の指には絆創膏だらけ。
左右の指、合わせて半分の指に絆創膏が巻かれている。
「くそっ…」
ぐしゃぐしゃになった絆創膏を丸め、ゴミ箱に捨てた。
左指ならばまだ巻きやすいのだが、いまは右指だ。
なれない左手は、右指に絆創膏を貼れないでいる。
「出来た…」
お粥ではなく、絆創膏を貼ることが。
こんな小さなことなのに、何故か達成感が凄く大きい。
「…よし、頑張るぞ」
八雲はガッツポーズをして自身を応援すると、包丁に手をかけた。
布団の中の晴香は、小さな寝息をたてていた。
額に脂汗をかき、気のせいか寝息も荒い。
そっと頬に触れてみると、苦しそうに身をよじる。
…熱は、まだ下がる気配がない。
「はるか…」
愛おしそうに、何度も何度も髪を撫でる。
「ん…」
すると小さく身を捩り、そっと瞼が開く。
そして何か言おうとしているのか、微かに口も開いた。
「ん?」
口元に耳を寄せ、八雲はどうにか聞き取ろうとする。
「…おはよう」
「………」
そんな言葉に八雲は身を離すと、そこにはにへら〜っと笑う晴香。
「おはようございます。眠り姫」
そうおどけて見せるが、晴香は楽しそうに笑うばかり。
「私の王子様ぁっ」
まるで抱っこを求める子供のように、両手を伸ばす。
八雲はおとなしくそれに答えてやる。
ぎゅっ…と背中に腕を回し、優しく抱きしめた。
やはりその身体は熱く、熱があることをひしひしと伝えてくる。
「私の八雲君…」
寝ぼけているのか知らないが、猫のように擦りよってきた。
「…夢の世界から帰ってこい」
ツン…と晴香の額にデコピンを送る。
するとあっさり離れる晴香の身体。
「あぅ〜…痛い」
病人か、と疑いたくなるくらいの勢いで、ゴロゴロとベッドの上で転がる。
「…お粥、作ったけど食べるか?」
「あ、八雲君だ…」
今頃気付いたのか、それとも寝ぼけが覚めたのか。
思わず溜め息をつきそうになるのを堪える。
「………。…食べるか?」
「ん…」
コクリと頷くと、数分前を再生したように両手を伸ばす晴香。
「………」
八雲は無言で悩んでいたが、望み通りに抱きしめ、それから上半身を上げさせた。
「八雲君が作ってくれたの?」
わくわくと目を輝かせ、お粥を待つ。
床に座り、位置的に晴香を見上げた。
「他に誰がいる?」
ベッドサイドにある小棚の上から、お茶碗とスプーンを取る。
「八雲君がいる」
テヘヘと子供のような笑みを浮かべた晴香。
酔っ払いを相手にしているような感覚に襲われる。
「おかゆっおかゆっ」
歌を歌うようなテンポでお粥を連呼する晴香。
八雲はというと、スプーンで一口分をすくい、冷ますように息を吹きかけた。
「…?」
ある時、作詞作曲晴香自作のお粥のテーマソングが途切れる。
「八雲君、指どうしたの?」
ちょこんと、スプーンを持つ八雲の指に触れる。
そこには絆創膏が貼られていた。
「べ…別に、これは…」
茶碗とスプーンを小棚の上に置き、隠すように両手を背中に回す。
「隠さないで」
何時になく真剣な声に、八雲は負け、しぶしぶ両手を晴香に見せた。
「包丁で、怪我しちゃったの?」
その指にそっと触れ、位置的に八雲を見下ろす。
「…どうせ僕は料理なんて出来ないんだ」
ふてくされたようにそっぽを向き、微かに頬を染める。
そんな八雲の言葉に返ってきたものは、意外なものだった。
ちゅっ…
「っ!?」
指に柔らかいものが触れ、慌てて振り返る。
そこには指先にキスをする晴香。
慌てた八雲を見て、クスリと笑いながらそこから離れた。
「早く治るおまじない」
熱伝導苦しいというのに、晴香の笑みは満面の笑顔。
無理して笑ってる雰囲気もなく、心からの笑みだった。
「…傷口から移ったら、君のせいだからな」
なんとも言えず、八雲は照れ隠し混じりにそう口にする。
「んっ」
子供のような笑みを浮かべ、絆創膏の貼られた指先をカプリとくわえた。
そんな行動にむず痒さを感じ、それを止める。
晴香は何やら文句を言いたげだったが、それはすぐに収まった。
前髪を掻き分け、火照った額を露わにすると、そこに触れる。
ちゅ…
八雲の唇で…
「…早く治るおまじないだ」
「…はいっ」
そこには顔を赤くした、二人の姿が残っていた。
「早くっ…早くちょうだい?」
「慌てるな。冷まさないと駄目だろ」
END。
早く治るおまじない…が書きたかったんです。
あと料理苦手な八雲も。
PR