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へい。今日でここを初めて0.5周年です。
0.5ってなんじゃって方。初めて半年ってことです。

どうせだったらオリジ始めようと思いましたが、やめました。
うん…なんか自己満足な作品になったので。
まぁ、ここの作品は全て自己満足なんだけどね。
見たい人…いないもんね?

よつばと2〜4、8巻買いました!
お友達さんから全巻借りたんで…ね。
巻数飛ばしても大丈夫なのだ!

今月のお小遣い、使い果たしました…
月に千円とちょっと。
三ヶ月分図書カードで貰ってるんですよ。三千円分。

よつばちゃんかわいいなぁ…
小さい子かわいいんですよ!
これ読んでると、幼児化なネタが溜まるや溜まる。


さて、0.5周年記念で続くか知らんパロディスタート!
はるかたんわんこ。

きょうのはるか。

「まったく…また天気予報外れたな…」

舌打ち混じりに溜め息を吐きながら、八雲は走っていた。

呟いていた通り、天気予報は外れて土砂降りの大雨。
この時期、よく天気が変わってはいたが、今日まで最低な日はない。
確か洗濯物を干しっぱなしで出かけた気がする。

…まぁ良い。
とりあえず、どこかで傘を調達しなければ…



いぬ、ひろいました。



「ありがとうございましたー」
そんな声を背に、八雲は空を見上げた。
コンビニで傘を買ったが、これからもっと酷くなりそうだ。


…これは、早く帰った方がいいな。


そう決めると、八雲は暗い路地裏に足を進めた。

この道が近道なのは前々から知っていた。

野犬が出るとの噂があるのと同時に…
…この道には死んだ人間の魂が現れるというものだった。

この左目は見えてしまうのだ…

そのせいもあり、あまり入る気にはならなかったのだ。



路地裏の道は街頭がないせいか、昼間来たときよりも暗く、怪しい雰囲気を漂わせていた。

こんな不気味なところだ。
人っ子一人、見えやしない。

いまのところ、野犬も魂も見えない。


ドラマの殺人現場に使われそうだな…


そんなのんきなことを考えながら、駆け足で家目掛けて走った。


「きゅ…」


そんなとき雨音に紛れて聴こえた、微かな音。

野犬でもない、死んだ人間の魂でもない。
後ろを振り返って見るも、誰もいない。

視界に写るのは、殺風景な塀と電信柱。
そして誰が捨てたかわからない、空き缶が風に揺れるだけ。

「気のせい…か」

自分自身にそう言い聞かせ、再び帰路につこうとした。

「…きゅ……きゅう…」
今度は確かに聴こえた。
再び振り返り、数歩来た道を戻ってみる。
「きゅっ…」
まるで呼ばれたように感じたのは、気のせいだろうか…
音のした方を向くと、そこには寂れた電信柱。
「…きゅぅ」
そのまま視線を下に向ける。
そこには濡れてぐしゃぐしゃになったダンボールと、薄汚れたタオルの山…
「…やっぱり気のせい、か」
電線が軋んでいたのかもな。
そう言い聞かせ、視線を上げようとしたとき。

微かにだが、確かにタオルが動いた。

「……?」
じっ…と目を凝らし、ダンボールの側にしゃがみこんでみる。


…そこには、タオルの隙間からこちらを窺う少女の姿。

…いや、少女にしては幼すぎる。
幼児くらいであろうか…
顔を窺おうとするも、頭から被った大きなタオルのせいでよく見えない。
「おい…?」
おそるおそる話しかけて見ると、少女は頭を上げた。
するりとタオルが落ちる。
「っ!?」
その頭には、髪と同じ…茶色ね垂れた耳が付いていた…
動物のような…そう、犬の耳が。
「野犬…じゃないよな」
右目で見える。
死んだ人間の魂でもない。
「捨て犬…か?」
「きゅっ」
まるで返事を返したかのような鳴き声。

その犬は、澄んだ青がかった黒い瞳を持っていた…

「まだ子犬か」
子犬なのに捨てるだなんて…

感じるのは人間の自分勝手さ。

飼っている犬に子供が出来たけど、面倒が見切れず捨てたのか?
捨てたくなかったとしても、捨てたのには変わらない。


拾ってくれるのを期待しているのか、雨に濡れた尻尾が揺れた。
思わず拾いたくなってしまうが、八雲の住むアパートがペット禁止なのを思い出す。
「…ごめん」
ここで拾って、また捨てるようなことになれば、僕も…

これ以上ここにいては駄目だ。

振り切るように首を振ると、八雲は鞄の中を漁る。
「あった…」

使い古したタオルで悪いが、少しでも温かくなれば…

八雲は子犬に触れないように、タオルを側に置いてやる。
そして雨が掛からないような傘を置き、逃げるように去っていった。


願わくば、良い家族が見つかりますように…



家に帰ってからも、八雲は忘れようと一心に気を紛らわそうとしていた。


狭い風呂に入り、お湯に浸かる。
「…あいつ、寒くないかな」

米を焚き、晩御飯を作る。
「腹…空いてないかな」

出会ってしまったのが最後。
結局、忘れることなんて出来ないんだ。

そして思い出すのは、路地裏に出てくる野犬の話…
「今ごろ…。……まさか、な」
コンロの火を止め、八雲は息を呑んだ。


やっぱり、見捨てることなんて出来ないんだ。



息が上がった八雲は、大きく肩を揺らしながら塀に手をついた。
「っはぁ…確かここだったはず…」
電信柱の影から、ビニール傘が覗く。
深呼吸をし、ゆっくりとビニール傘の元に歩いた。
「………」
そして、その下を窺う。

ダンボール箱の中のタオルの中は…空だった。

「…遅かった、か」

何故、こんなにも悲しいのかはわからない。
何故、こんなにも自分に怒っているのかもわからない。

ただ思い出すのは、あの子犬の瞳。
弱々しいながらも、懸命に生きようとしていた。
それを僕は…っ

「くそっ」
ぎゅっと唇を噛み締める。
鉄のような地の味がした。
…僕が生きている証拠。
「…ゅ」
耳に届いたのは、小さな鳴き声と、降り止まぬ雨の音。
…そして、足に感じる暖かさ。
「っ!?」
慌てて足元を見ると、そこには濡れ細った小さな体。
頭には茶色い耳が、弱々しく垂れていた。
「だ、大丈夫か!?」
しゃがみ込み、その体が雨に打たれないようにする。
「……きゅ…」
鳴き声からしても、ずいぶんと弱っていることが確認出来た。
「なんで傘の下にいなかったんだ!」
その体を抱き上げ、子犬が体に巻いていたタオルごと抱きしめる。
オマケのように、子犬が持っていた八雲のタオルもついてきた。
小さい体が、小刻みに震えている。

どうにか落ち着こうと、子犬がやって来た方を向いた。

その先には…

「…僕の家」

「…ゅ」

返事をするように子犬が鳴いたが、その声は雨に紛れて消えていった…



誰にも見つからないようにアパートに駆け込むと、一目散に風呂場に駆け込んだ。
取りあえず、体を温めることが優先と考えたがら…
「………」
そこで改めて気付く。
子犬が服を着ていないことに…
「ま、まぁ…犬だから、な」
少女じゃなくて子犬。
少女じゃなくて子犬。

そう自分に唱えながら、八雲は汚れた子犬の小さな体を洗い始めた…



雨の日のそんな出会いをした、八雲君なのでした。



END。



つづくか知らん。
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