忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


ハロウィン祭!
幼稚園に通いましょう。

「やきゅもきゅん!幼稚園行ってきまーす!」
「帽子忘れてるぞ〜」

今日はごろごろしていました!
明日はお出かけの予定♪
本屋に行って、ダヴィンチ買いたい!

さて、現在空麗爛さんのお宅で絵チャ中。
最後までいれるかなぁ…
いたいです!


さて、久しぶりな気がするよ。
普通のお話がね。

新婚設定

二人は、後藤家に来ていた。

土曜日ということに甘え、一泊するつもりで。


そして奈緒が寝静まった頃、残った成人メンバーは…


晩酌中であった…



「さいとーはるかっ!うったいまぁ〜す!」

「よ!しんこんさん!ヒューヒュー」

「あら?八雲君ももっと呑めば良いじゃない」

「いえ…僕は…」

八雲の声を掻き消すかのように聞こえた歌は、晴香のもの。

いつもは天使のように優しい歌声が、今は酔っ払いの怒鳴り歌。

どこかで良く聴く歌のはずが、酔っ払いが歌ったせいでまったく別の歌に聞こえる。

「………」

苦笑を浮かべて隣を見上げれば、歌声の主の晴香が、拳を握りながら歌っていた。
頬はほんのり赤く染まり、目はぼんやりとしていて、焦点が合っていない。
そして、意味の分からない踊りまでし、空の手でマイクも握っている。
「おちたーなみだぁもっ、みないふりぃ〜」
目が合った途端、こちらを向いてウインクをされた。
「バキューン」と口で発砲音を鳴らし、八雲を手の銃で打ち付ける。
「………」
我が妻ながら、段々と痛々しく見えてきてしまい、目をそらした。
「おい八雲!撃たれたんなら倒れろよぉ」
正面席に座った後藤が、晴香を真似てウインクと弾を飛ばしてくる。
「うぇっ…」
思わず口元を押さえ、畳に手を突いてしまう。
「おぉ!ノーベル賞ものの演技だなっ」
豪快な大口で笑い飛ばし、グラスのビールを飲み干した。
ますます顔の赤みが増す。
「………」
演技じゃないと言いたかったが、酔っ払いに正論を言ったところで無駄だと知っている。
溜め息をひとつ吐き、その言葉を飲み込んだ。
「まったく、お互い大変な相手を選んじゃったみたいねぇ」
「…そうですね」
八雲の隣、晴香の正面に座った敦子が、呆れ顔で酒を呑む。

ここにいる八雲以外の中で、唯一まともな人間。
まともな人が二人だけだが、一人よりはマシだ…と、八雲は心の中で呟いた。

「…ま、僕はそんなところも含めて、彼女を選んだんですけどね…」
「あら?お互い様ね」
ふふふ、と柔らかい笑顔を浮かべる。

どことなく母さんを思い出すのは、やはり母親…だからであろうか。

「ためいきのかぁーずだけ、たばねたぶーうけぇ!」

「………」

隣で歌う酔っ払いも、いつか母親に…

「採点よろしくぅー」
きらっ…と、ウインクを飛ばして人差し指と小指を立てる。

…それは一体、何のポーズだ。

「おい採点係!採点してやれ!」
ビシッと人差し指を突きつけられる。
しばらく無言が続いたが、二人の視線に堪えきれず、しぶしぶ髪を掻き回した。
「100点…で良いんじゃないか?」
本当は0点と言いたかったが、そう言ってしまえば、文句を言われそうだったので止め。
予想通り晴香は、ぴょんぴょんと跳ね回って喜んでいる。
「んじゃ、さいとーはるかっ!アンコールにお答えして、一肌脱いじゃいまぁす!」
ビシッと敬礼を決め、誰もアンコールしていないのに一肌脱ぎ出した。

シャツのボタンに触れ、上から一つずつ外しに…

…本当に一肌脱ぎだした。

「ちょ…待ておいこら!」
慌てて立ち上がり、晴香の両手を押さえる。
むっとした目で睨まれたが、そんなの関係ない。
「君は…何をしようとしているのか、分かってるのか!?」
僕だけの前でなら両手を上げて万々歳だが、ここは他人の…酔っ払い中年親父の目の前。
そんな場所で脱がれるなど、あってはいけないこと。
「ファンのアンコールにお答えするのが、アイドルってやつよ」
ちっちっちっ、と人差し指を左右に揺らし、ニヤリと笑う。
「誰がアイドルで誰がファンだ!」
君のファンは、僕だけで充分だ!
なんて言葉が出かけ、慌てて口を塞ぐ。
…ファンクラブが出来たら、会員番号一番は譲らない。
「…八雲君が脱げば良いんだ。そっか、そうしよう!」
パンと手を叩き、良いアイデアだと何度も頷く晴香。
それに比べて八雲は、意味が分からないと、晴香の言葉を復唱する。

僕が……脱げば…良い?

「じゃ、八雲君に一肌脱いでもらいまーすっ!」

「へっ?」

八雲の声は、晴香の頭突きによって飛ばされた…

背中と後頭部…それから腰に痛みが走る。
「っ……」
腹を抱えるように、横を向こうとした時…
足に何かがのっかってきた。
「?」
その正体を確かめようとする前に、晴香の顔が覗く。

目の前には晴香の顔と…天井…

「って…何をしてるんだ!」
立ち上がろうとするが、晴香が足に乗っていては、うまく動けない。
「八雲君に一肌脱いでもらっちゃいまぁ〜す!」
そんな言葉で固まっている間に、シャツのボタンが全て外される。
「あらぁ?さすが若い子…良い身体つきしちゃって…」
八雲の視界に、敦子が現れた。
何やら楽しそうにニヤニヤと笑っている。
「あ…敦子さんっ…助け」
ニコリと笑った笑みは、八雲ではなく、晴香に向かった。
次の瞬間、両手首を掴まれ、頭の上に持っていかれる。
晴香の手は、ジーパンのチャックに触れているから、この手は…
「晴香ちゃん、手伝うわね?」

敦子の頬は…酔い、赤く染まっていた…

「ごきょーりょく、ありがとーございまぁ〜すっ!」
「ご、後藤さん!」
一番借りを作りたくない人だが、今は関係ない。
このままでは、この二人に脱がされてしまう。
…だが、八雲が望んでいた返事は返ってこなかった。
「あの人、もう寝ちゃったわよ」
「八晴君が一肌脱いじゃいますっ!」
歌うような声と共に、ジジジ…というチャックを下ろす音…
「っ!ば、ばかっ!やめろ!」
「一肌脱いでくれるんでしょ?」
ニヤリと笑った晴香は、一気にジーパンを脱がした。

「っう…!」

「ふ〜ん…最近の若い子は、こんなの穿いてるのねぇ」

「八雲君…もう一肌脱いじゃう?」

「あら、楽しみね」

「こ…これ以上脱いだらっ…」

「とりゃ!」

「み…見るなーっ!」


八雲の悲鳴は、深い深い夜に消えていった…



チュンチュンとスズメの鳴き声が、どこからか聞こえた。
目を擦りながら起きあがると、大きく伸びをする。
「ん〜!よく寝た!」
目を開けると、眩しさに一度目を閉じてしまうが、再び開く。
「………」
てっきり寝室で眠っているかと思ったそこは、後藤家の居間。
目の前のちゃぶ台には、ビールやチューハイの空き缶が転がっていた。
「そうだ…後藤さんちに泊まってたんだ…」
視界がはっきりしてくるのと同時に、記憶も蘇ってくる。

「………」

だが、酒を飲み始めたところから、記憶がぷっつんだ。

その時、隙間風が肌を撫でていき、思わず身震いをする。
触れた肌がやけに柔らかく、小首を傾げながら自身を見下ろすと…

「き…きゃーっ!?」

何故か、全裸だった…

慌てて近くに転がっていたブランケットを引きずろうとする。
けれども、何かが重石になっているのか、びくともしない。
「?」
そちらを見てみると、ブランケットの隙間から八雲の髪が覗いていた。
その周りには、沢山のお酒の缶…
「や…八雲君がやったの!?」
八雲の肩を揺らすと、起きていたのか、じろりと睨まれた。
「…僕が脱がされたんだよ」
目の下には寝不足なのか、隈が出来ている。
「誰に!」
あの八雲君が!
「君に!」
そう怒鳴られ、ブランケットを頭まで被られた。
「そ…そんなわけないよ!早く出てきてよ、八雲君!八雲君ったら!」

晴香の呼びかけを無視し、しばらく八雲は出て来なかった…



「ん〜…昨日は飲みすぎたなぁ!何も覚えてねーよ!」

「私もよ〜。何があったのかしら?」

「ねぇ、八雲君。何があったの?」

「言いたくないっ!」

「…ちゃんと本番までには出て行ってあげたんだから…」

「っ…ま、まさか敦子さん、覚えて…」

「さぁ?一肌も二肌も脱いだ八雲君のことなんて…」

「っ!?」

「安心しなさい。八雲君のは晴香ちゃんだけのものだから、見てないわよ」


END。



酔いで忘れようとしたようですが、八雲は忘れられなかったみたいです。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
[279]  [278]  [277]  [276]  [275]  [274]  [273]  [272]  [271]  [270]  [269
カレンダー
09 2025/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
朝田よる
性別:
非公開
ブログ内検索
最新コメント
[05/23 ひなき]
[09/13 murasame]
[07/19 delia]
[06/27 delia]
[05/20 delia]
忍者ブログ [PR]