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ゲームしてました…
昨日の宣言通り、大神です。
昔話や神話好きの方は是非!オススメですよ。

今日は二試合目から見ましたよ。
鹿児島工と平安が引き分けで延長ですね〜。
どっきどきですよ!
春休みに入ってから毎日見てますよ!高校野球!

あ、明日はもしかしたらお泊まりです。
母の実家にもしかしたらお泊まりなので…
また投稿時間の設定…もしかしたら携帯から更新するつもりです。


本日はお題〜。

白黒ごっこ. さまからお借りした
『斉藤八雲と小沢晴香で8つのお題』より

新婚設定

3・太陽

「八雲君」
「………」
「八雲くーん。お散歩行かない?」
「………君は」
「ん?」
「朝っぱらから何言ってる…」


重たい瞼をこじ開け、枕元の時計を見つめる。
「…4時…じゃないか…」
「うん」
「君は午前と午後を間違えてる…」
八雲は瞼を静かに下ろす。
「間違えてないもん!」
晴香は八雲の上にまたがると頬をペチペチと叩く。
雪山の中ならば大歓迎だが、ここは家だ。布団の中だ。
八雲はしぶしぶ体を上げ、目を擦りもう一度時計を見る。
…見間違いじゃない。
確かに4時だ。
八雲は寝起きもあり、自然と睨みつけるように晴香を見る。
「べ、別に朝から散歩しちゃいけない訳じゃないんだし…」
晴香は八雲の視線に怯みながらしゅんと俯いてしまう。
八雲は晴香を上から下まで見渡す。
行くき満々らしく、私服である。
その姿を見て、断ることができるわけのない八雲は深く溜め息を吐く。
それを呆れの溜め息だと思った晴香はピクリと体を縮めた。
「…わかった。」
「いいのっ!?」
晴香は顔を上げると八雲の顔を見つめた。
八雲の足に跨っている晴香の顔はやけに近い距離にいる。
微かに頬を染めた八雲は目をそらし、それを隠した。
「…コンビニでパンでも買って、河原で食べようか…」
「うん!…八雲君大好き!」
晴香は満面の笑みを浮かべると八雲に抱きつき、頬を擦り寄せた。

…駄目だぞ、僕。



その後、すぐに着替えた八雲は晴香に引かれるように外へ飛び出した。

「なんで突然散歩なんだ?」
八雲は隣を歩く晴香を見下ろす。

コート着てきてよかった…

いくら世間が桜が開花したと言っても、こんな時間はまだまだ冬のようなわけで…
吐く息は白かった…

「朝早くに起きちゃって…まだ太陽が昇ってなかったの」
「…で?」
「八雲君にも見せたかったの!」
晴香はそういうと八雲に腕をぎゅっと抱きついた。

………は?

「それだけ…か?」
「うん!」
晴香はてへへ〜、といいながら頬を赤らめた。

可愛いとは思う。いや、可愛いな。うん。

そんな当たり前の事はいい。
それだけの理由で僕は朝から起こされ、散歩にきているのか?

「あ、八雲君!ほらほら」
晴香はコートの裾を引くと、空を指差した。
八雲はそんな晴香に呆れ、苦笑しながらも晴香の指の差す方を振り返る。
「あ…」

はっきり言ってしまえば、呆れなんて簡単に吹き飛んだ。
いや、消えていったが良い例えだ。


遠くに見える高層ビルの間だから、自分の存在を主張する光があった。

どこかのカラスが鳴いた。

どこかの道でバイクが走る音がした。

どこかの家のカーテンが開いた。


普段からある光景なんだろう。
それを僕は初めて見た。

「ね?綺麗でしょ」
晴香は八雲とその光景の間に入り込むと顔を上げる。
「あぁ…そうだな」
八雲は優しく晴香の頭を撫でてやる。
すると気持ちよさそうに目を細めた。

…犬みたいだな、朝から散歩とか…
撫でられたら喜ぶところとか…

自然な動きで晴香を腕のなかに捕まえた八雲は、その髪の中に顔を埋める。

優しく香る…君の匂い…
「や、八雲君?」
晴香は突然の行動にドキドキしながらも、それに答えるように八雲の背中に手を回した。

「大胆…だね」
「どうせ誰も起きてないんだ…。これくらいいいだろ?」
腕の力を緩めると晴香を見下ろす八雲。
晴香は頬を染めながらもゆっくりと瞼を下ろす。

…唇に触れる柔らかいものは、外の空気に触れていた唇を暖めてくれた…



「君は何が食べたい?」
カゴに牛乳と食パンを入れた八雲は、隣に並んでいる晴香を見下ろす。


二人は目的地である河原とは一本離れた道を歩き、コンビニにきていたのだ。


商品が並ぶ棚を端からゆっくりと見ていく晴香。

その姿を見て、まるで子供が買うお菓子を悩んでる姿が浮かんだのは…
内緒にしておこう。

「あ、じゃあコレ」
晴香は棚からあんパンを取るとカゴに入れた。
「…朝からそんなものを食べるのか?」
「うん。たまには、ね?」
「そうか…」
八雲は微笑む晴香を見て、皮肉でも言おうとしたが止めてしまった。
そのままレジへ向かおうとする八雲の袖を晴香が引っ張り呼び止める。
「…八雲君は買わないの?」
晴香はぎゅっと裾を握ったまま離さなかった。
「僕は食パンにジャムでも塗って食べようと思ったんだが…」
「今日は特別なんだから…八雲君も買おうよ」
晴香は袖から手を離すと勝手に八雲の分まで選び始めた。
八雲はしぶしぶといった感じだが、その表情は柔らかいものであったのは誰も知らない。
「じゃあコレね!」
晴香はそれを取るとカゴの中に入れる。
八雲がそれを手に取ると瞬時に歪む顔。
「…ミルクパン」
袋には新商品!というシールが貼られていた。ようするに…
「君が食べたいんじゃないのか?」
「うっ…」
晴香が顔を引きつらせると八雲から顔をそらすように飲み物が並ぶコーナーへ向かった。
「…まったく」
八雲は小さく微笑みながらもその後を追った。

カゴにはミルクパンを入れて…



二人は河原の土手に並んで座り、朝ご飯を食べていた。
「おいしい!」
晴香はあんパンを頬張りながら川に目を向ける。
八雲もつられるように視線を川に向けた。
川の向こう側はビルやマンションが並んだ、住宅街が多いこちらがわとはまるで世界が違った。
「あ、もうあそこまできてる…」
晴香が目を向けた先には太陽が空に浮かんでいた。

ビルやマンションの上に…

八雲はコートのポケットにしまっていた携帯を出すと時間を確認する。
「…もう7時だからな…」
八雲はポケットに携帯をしまうと晴香が選んだミルクパンをひとかじりする。

…まぁまぁな味だな。

それを物欲しそうに見つめている瞳…

八雲は溜め息をつくと食べかけのそれを晴香に押し付ける。
「…いいの?」
「味見、したかったんだろ?」
八雲がそういうと晴香はミルクパンを受け取りパクリと口に含む。
しばらくモゴモゴと口を動かしていたが突然、頬を抑え一言。
「ん〜おいしい!」
晴香はそういうと八雲ねパンだという事を忘れたように頬張りだした。
八雲は小さく笑うとコンビニで買ったお茶のペットボトルを開け、一口飲んだ。
そして買っておいた食パンを開けるとそれを食べ始めた…


「ごめん…全部食べちゃって…」
晴香は溜め息をつきながら帰路を歩いていた。
「予想はついてたから心配するな」
数歩さきにいる八雲は励ましたつもりだったが、余計に晴香を悲しませてしまった。
「予想…してたんだ…」
晴香はがっくりと肩を落とし、俯きながら歩いていた。

…八雲君、怒ってるのかな…

「はぁ………いたっ!」
晴香は突然の痛みに頭を抑える。
振り返った八雲は慌てて晴香に駆け寄った。
「大丈夫か!?」
八雲は晴香の前髪を撫でるように後ろに回すと額を撫でる。
「っ!……」
「まったく…電柱に頭を打つなんて…」
八雲は赤くなった額を冷やすように手で優しく撫でる。

…八雲君に心配ばっかりかけちゃってる…

「っ!泣くほど痛いのか!」
八雲は晴香の目に浮かぶ涙を見て、そう叫ぶと慌てたようにあたりを見渡し近くの小さな公園に駆け込んだ。

ベンチに晴香を座らせた八雲は、ハンカチを出すとそれを水飲み場の水で濡らす。
それを晴香の額にあて、優しく頭を撫でる。
「大丈夫か?」
晴香の顔を覗き込む八雲の顔は、心配そうに歪んでいた。
「っ…泣いたのは、痛いからじゃないっ…」
晴香はしゃくりあげながらそれだけ言う。まだ瞳からは涙がこぼれ落ちていた。
「八雲君に、迷惑…たくさんかけちゃった…から」
晴香は洋服の袖で涙を拭うとポカーンとした顔の八雲を見上げる。
だがすぐに八雲は柔らかい表情になると額のハンカチを退ける。
「痛くないなら良かった」
そしてぎゅっと晴香を抱きしめた。
「迷惑なんてしてない。勝手にそう思われる方が、僕にとっては迷惑だがね」
八雲は晴香から体を離すといまだに赤く染まっている額にキスを落とした。
「…楽しかったぞ?いろんなものも見れたし…」
「いろんなもの?」
「…朝日なんて、久々に見たし…真っ赤な顔の君も見れたし…」
意地悪く笑った八雲は晴香からの返事を聞く前に唇を押し付け、舌を絡めた…


「帰ったら、もう一眠りしような?」

「ん…」


END。



太陽というより散歩?
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