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鼻を噛んで怒られないのは忠誠らしい。
「かぷ」
「!?」
はい、昨日はすみませんでした!
結局電波が悪く、昨日は途中保存のまんまにしていました…
なので一つ前に昨日の分をあげました!
空麗爛さんへの御返事は、一つ前です!
さて、今現在空麗欄さん宅で絵チャ中です。
電波飛ぶなよーっと祈っております。
現に一度、飛びましたがね。
水無月さん、綾さん。
御返事は明日、必ずいたしますね!
本当は書きたいのですが、これ以上重くなると固まりそうなので…
さて、久しぶりな初心八雲君。
あれです、いつかの子守唄ネタの。
恋人設定・初心
「冷えるねぇ…」
晴香はごろりと半回転し、ベッドの下にいる八雲を見下ろす。
「…そうだな」
見下ろされた八雲は文庫本を読みながら、眠たそうに大あくび。
床に敷かれた布団の上に座っているため、晴香と同じ目線に顔がある。
「明日…毛布出そっかな…」
確か…押し入れの中に仕舞って置いたはずだ。
「あるのか?」
少し驚いた表情をした八雲に、晴香はむっと口を歪めて反論する。
「な…失礼な!毛布くらいあります!八雲君の分もあるんだからね!」
「毛布…か」
確認するように復唱し、手にしていた文庫本に栞を挟んで閉じた。
「毛布なんて掛けて寝るの…何年ぶりだろうか…」
どこか遠くを見て言う八雲は、昔話を語る老人にも見えて、クスリと笑ってしまう。
案の定八雲に睨まれ、慌てて顔を引き締めた。
「そ、そんなに毛布で寝てないの?」
話を逸らすように訪ねてみれば、意外にも八雲が乗ってくる。
「大学に入ってからはな…あまり家に帰ってなかったし、ずっと寝袋生活だった」
自らの生活を思い返して苦笑いを浮かべた八雲は、どことなく幸せそうだった。
それは、昔の生活と今の生活を比べた結果であろう…
電気を消して数十分。
目の前には、オレンジ色の豆電球が小さな光を灯していた。
八雲の寝息が数分前から耳に届いている。
ころりと寝転がり、八雲が見える位置まで移動をした。
ベッドに寝たままでも見える八雲の寝顔は、予想通りかわいい。
「………」
豆電球が明るすぎて眠れない、なんて文句を言っていたのはどうなったのであろうか。
深い眠りについているのか、小さな寝息が耳に届く。
「私も寝よ…」
そんな八雲の寝顔を見て、再び睡魔が襲ってきた。
しめしめと布団に潜り込んだが、なかなか眠れない。
そのうち睡魔もどこかへ消えてしまった。
「はー…」
晴香が眠れないのには、訳があった。
自分の体を抱きしめるように、布団の中で小さくなる。
「寒いなぁ…」
八雲を起こさないように小声で呟きながら身震いをし、晴香はますます丸くなった。
手を合わせて摩擦を起こそうとするが、冷え切った手はなかなか温まらない。
暖房を付けようにも、一時期エアコンを使っておらず、掃除が必要。
もし付けたりなんかしたら、部屋中に埃が舞うに決まっている。
…明日にでも、八雲君に掃除をしてもらおう。
「…いまから毛布、出してもらおうかな」
本当のところは、日干しをしてからの方が良いのだが…
布団から出るのが辛かったが、意を決してゆっくりと起きあがった。
ベッドの上に座っただけで、ずいぶんと八雲が下に見える。
晴香が話しかけようと、口を開いたとき。
…見てしまった。
「………」
「んぅ……」
夢を見ているのか、口をもごもごとさせながら、幸せそうに笑っている八雲を。
こんなにも幸せそうに眠る人を起こせるわけがなく、愕然と肩を落とす。
「…一人で出せるかな」
確か、毛布は高い場所の奥に仕舞ってあるはずだ。
明るいときならまだしも、見通しが悪い暗闇では、取ることは出来ないに近い。
「…やっぱり我慢するしかないのかな」
溜め息を吐くと、晴香は再び布団の中に潜り込んだ。
ベッドの中央ではなく、八雲が見える端に寄る。
だが、一度主を無くしてしまった布団は、ヒンヤリと冷めてしまっていた。
「うぅ…」
小さく唸り、震える奥歯をぎゅっと噛み締める。
せめて、湯たんぽのようなものがあれば…
「………」
その時目に入ったのが、目の前でスヤスヤと眠る八雲。
寝袋生活をしていたため、寒さに強いのであろうか。
目の錯覚かは知らないが、とても暖かそうに見えた。
「…見つけた」
私だけの湯たんぽ…
八雲はカーテンの隙間から覗く、太陽の光のせいで目を覚ました。
眩しさから眉を寄せるようにぎゅっと目を瞑り、影を求めるように丸くなる。
すると何かが頭にぶつかった。
「……?」
そっと目を開ければ、そこには見慣れた栗色…
けれども寝起きということもあり、気にせず目を閉じた。
だが、感覚も起きてくるのと同時に、腕の中のぬくもりに気付く。
嫌な予感がした八雲は、おそるおそる目を開けた。
目の前には…やはり栗色。
その正体は…
「すー…すー…」
「なっ!?」
小沢晴香であった。
自分の胸に顔を押し付け、心地良さそうに眠る晴香の寝顔に、八雲の思考は強制停止。
まるで母親の腕の中で眠るかのような、赤子を見ているようだ。
安心しきった笑みを浮かべ、時々ごにょごにょと口を動かしていた。
パジャマは着ているが、滅多に近付くことのないその距離は、お互いの熱が伝わりやすい。
実際に、八雲のパジャマを握る手の温もりが、パジャマを通して伝わってくる。
…まるで、素肌に手が置かれているかのように。
「ぅん……やくも、くん…」
「っ!?」
その寝言が、八雲の強制再生ボタンを押したみたいだ。
みるみるうちに真っ赤に染まっていく八雲の顔。
頬だけではなく、耳も首も…顔全体が真っ赤に染まる。
「なっ…なにをしてるんだっ!」
パジャマを掴んでいた晴香の手を、無理矢理引き剥がす。
そして勢い良く起き上がり、布団の上に座った。
「んう…?」
目は開いていたが、まだ寝ぼけているようだ。
ぼんやりとした目が、天井の電気を見つめていた。
「おい!起きろ!」
真っ赤な顔のまま、晴香の肩を揺らせば、素直にこちらを向いてくる。
「…おはよ」
慌てる八雲に比べ、晴香は普段通りに目を擦って笑顔を浮かべてきた。
「おはようじゃない!な、なんで人の布団の中にっ…」
「だって…寒かったから」
寒い寒いと呟きながら、八雲の布団を肩まで上げる。
「寒かったってな!こっちは僕の布団で…」
「元はと言えば、私の家の布団だよ」
騒ぐ八雲を煩いと言いたげに、口をへの字に歪めて睨む。
「っ……」
そこを付かれては痛いところだ。
「ん〜っ。八雲君が寝てた場所、あったか〜いっ」
ふふふと笑い、布団に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。
「…あんまり嗅ぐな」
「八雲君の匂い〜っ」
「っ…だからやめろって!」
男の布団に潜り込んだことに対してはどうなんだ!
なんて質問を飲み込み、八雲は二度寝を我慢することになった…
END。
初心な八雲も大好きです。
晴香はごろりと半回転し、ベッドの下にいる八雲を見下ろす。
「…そうだな」
見下ろされた八雲は文庫本を読みながら、眠たそうに大あくび。
床に敷かれた布団の上に座っているため、晴香と同じ目線に顔がある。
「明日…毛布出そっかな…」
確か…押し入れの中に仕舞って置いたはずだ。
「あるのか?」
少し驚いた表情をした八雲に、晴香はむっと口を歪めて反論する。
「な…失礼な!毛布くらいあります!八雲君の分もあるんだからね!」
「毛布…か」
確認するように復唱し、手にしていた文庫本に栞を挟んで閉じた。
「毛布なんて掛けて寝るの…何年ぶりだろうか…」
どこか遠くを見て言う八雲は、昔話を語る老人にも見えて、クスリと笑ってしまう。
案の定八雲に睨まれ、慌てて顔を引き締めた。
「そ、そんなに毛布で寝てないの?」
話を逸らすように訪ねてみれば、意外にも八雲が乗ってくる。
「大学に入ってからはな…あまり家に帰ってなかったし、ずっと寝袋生活だった」
自らの生活を思い返して苦笑いを浮かべた八雲は、どことなく幸せそうだった。
それは、昔の生活と今の生活を比べた結果であろう…
電気を消して数十分。
目の前には、オレンジ色の豆電球が小さな光を灯していた。
八雲の寝息が数分前から耳に届いている。
ころりと寝転がり、八雲が見える位置まで移動をした。
ベッドに寝たままでも見える八雲の寝顔は、予想通りかわいい。
「………」
豆電球が明るすぎて眠れない、なんて文句を言っていたのはどうなったのであろうか。
深い眠りについているのか、小さな寝息が耳に届く。
「私も寝よ…」
そんな八雲の寝顔を見て、再び睡魔が襲ってきた。
しめしめと布団に潜り込んだが、なかなか眠れない。
そのうち睡魔もどこかへ消えてしまった。
「はー…」
晴香が眠れないのには、訳があった。
自分の体を抱きしめるように、布団の中で小さくなる。
「寒いなぁ…」
八雲を起こさないように小声で呟きながら身震いをし、晴香はますます丸くなった。
手を合わせて摩擦を起こそうとするが、冷え切った手はなかなか温まらない。
暖房を付けようにも、一時期エアコンを使っておらず、掃除が必要。
もし付けたりなんかしたら、部屋中に埃が舞うに決まっている。
…明日にでも、八雲君に掃除をしてもらおう。
「…いまから毛布、出してもらおうかな」
本当のところは、日干しをしてからの方が良いのだが…
布団から出るのが辛かったが、意を決してゆっくりと起きあがった。
ベッドの上に座っただけで、ずいぶんと八雲が下に見える。
晴香が話しかけようと、口を開いたとき。
…見てしまった。
「………」
「んぅ……」
夢を見ているのか、口をもごもごとさせながら、幸せそうに笑っている八雲を。
こんなにも幸せそうに眠る人を起こせるわけがなく、愕然と肩を落とす。
「…一人で出せるかな」
確か、毛布は高い場所の奥に仕舞ってあるはずだ。
明るいときならまだしも、見通しが悪い暗闇では、取ることは出来ないに近い。
「…やっぱり我慢するしかないのかな」
溜め息を吐くと、晴香は再び布団の中に潜り込んだ。
ベッドの中央ではなく、八雲が見える端に寄る。
だが、一度主を無くしてしまった布団は、ヒンヤリと冷めてしまっていた。
「うぅ…」
小さく唸り、震える奥歯をぎゅっと噛み締める。
せめて、湯たんぽのようなものがあれば…
「………」
その時目に入ったのが、目の前でスヤスヤと眠る八雲。
寝袋生活をしていたため、寒さに強いのであろうか。
目の錯覚かは知らないが、とても暖かそうに見えた。
「…見つけた」
私だけの湯たんぽ…
八雲はカーテンの隙間から覗く、太陽の光のせいで目を覚ました。
眩しさから眉を寄せるようにぎゅっと目を瞑り、影を求めるように丸くなる。
すると何かが頭にぶつかった。
「……?」
そっと目を開ければ、そこには見慣れた栗色…
けれども寝起きということもあり、気にせず目を閉じた。
だが、感覚も起きてくるのと同時に、腕の中のぬくもりに気付く。
嫌な予感がした八雲は、おそるおそる目を開けた。
目の前には…やはり栗色。
その正体は…
「すー…すー…」
「なっ!?」
小沢晴香であった。
自分の胸に顔を押し付け、心地良さそうに眠る晴香の寝顔に、八雲の思考は強制停止。
まるで母親の腕の中で眠るかのような、赤子を見ているようだ。
安心しきった笑みを浮かべ、時々ごにょごにょと口を動かしていた。
パジャマは着ているが、滅多に近付くことのないその距離は、お互いの熱が伝わりやすい。
実際に、八雲のパジャマを握る手の温もりが、パジャマを通して伝わってくる。
…まるで、素肌に手が置かれているかのように。
「ぅん……やくも、くん…」
「っ!?」
その寝言が、八雲の強制再生ボタンを押したみたいだ。
みるみるうちに真っ赤に染まっていく八雲の顔。
頬だけではなく、耳も首も…顔全体が真っ赤に染まる。
「なっ…なにをしてるんだっ!」
パジャマを掴んでいた晴香の手を、無理矢理引き剥がす。
そして勢い良く起き上がり、布団の上に座った。
「んう…?」
目は開いていたが、まだ寝ぼけているようだ。
ぼんやりとした目が、天井の電気を見つめていた。
「おい!起きろ!」
真っ赤な顔のまま、晴香の肩を揺らせば、素直にこちらを向いてくる。
「…おはよ」
慌てる八雲に比べ、晴香は普段通りに目を擦って笑顔を浮かべてきた。
「おはようじゃない!な、なんで人の布団の中にっ…」
「だって…寒かったから」
寒い寒いと呟きながら、八雲の布団を肩まで上げる。
「寒かったってな!こっちは僕の布団で…」
「元はと言えば、私の家の布団だよ」
騒ぐ八雲を煩いと言いたげに、口をへの字に歪めて睨む。
「っ……」
そこを付かれては痛いところだ。
「ん〜っ。八雲君が寝てた場所、あったか〜いっ」
ふふふと笑い、布団に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。
「…あんまり嗅ぐな」
「八雲君の匂い〜っ」
「っ…だからやめろって!」
男の布団に潜り込んだことに対してはどうなんだ!
なんて質問を飲み込み、八雲は二度寝を我慢することになった…
END。
初心な八雲も大好きです。
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