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このへんな生きものは まだ八雲の家にいるのです。たぶん。
トトロが好きです。
話も人たちも好きです。
我が家にある数少ないDVDの一枚です。
久しぶりに見てみましたが…いつになっても面白いですね!
今、ジブリ美術館でメイとこねこバスやってるみたいですね…
見に行こうかな?
幼稚園の頃、午前中は市民プールに行って帰ってくると必ず見ていたらしいです。
…確かによく見ていたなぁ…
金曜ロードーショーでやってたのをビデオに撮って。
あぁ…魔女の宅急便も見たいですなぁ…
*御返事
>私も〜の方
おおお!まさかのまさか!
某ラジオのリスナー様がいたのですね!しかもご購入!
もう16組全員良いですよね!
そうですよねぇ…最近、ラジオを聞く人が少なくて…
私もどうにか、お友達さん一人がリスナーになってくれました^^
ふふっ♪こうやって同志がいると嬉しいですねぇ〜
テンションあげあげです!今日も聞いてますよ!
コメントありがとうございました!
さて、お留守番って言葉…よく考えるとかっこいいですよね。
留守の番人ですよ!(何
きょうのはるか
深刻そうな顔で、カレンダーとにらめっこする八雲。
晴香はというと、夜の日課とされたラジオでの日本語レッスン中。
『やっぱ告白されたあと、キスしたんだろ〜?』
「きゅ」
『してませんって、本当っ!』
「もきゅ〜」
「日本語レッスン…なのか?」
今日は恋愛話らしい。
彼女と付き合いだしたリスナーと、パーソナルティーが話をしている。
『んで、今はどこまで進んだんだ?』
「………」
教育上、イケナイ単語を聴かせないように、八雲も耳を傾けていた。
…いつかはそういうことも教えないといけないが…
まだ早い。
まだ早いんだ。
ラジオが曲に入りだした頃、八雲はもう一度カレンダーと向き合う。
「………」
「やきゅもきゅん!」
「?」
「きちゅってなに?」
「ぶっ!」
確か…いや、明日は講義がある日…
ひとりでおるすばんできるかな。
朝起きたら、やっぱり隣には晴香が添い寝をしている。
昨日はキス…の説明をするのに、随分と時間をかけた。
納得したかと思えば「きちゅちゅるー!」とか言ってきて…
…まぁ、ギリギリのところで止めたから良かったものの。
あと少しでも遅れていたら、僕のファーストキスを犬に奪われるところだった。
好きな人としかキスはしてはいけないと教えれば、またもやキスしようと…
簡単にキスなんてするな…と教えたが、本当に大丈夫であろうか…
…それよりも、僕は彼女の好きな人…なのだろうか。
悩ましい溜め息を吐くと、可愛らしい寝顔を確認する。
恋とか愛とか…まだ関係ないお年頃。
好き…っていうのも、それは保護者としてであろう。
もう一度頭を撫でてから、八雲はそっと布団を出ようとした。
けれども、その前にパチリと目を覚ましてしまう。
「…おはよう」
起きてしまっては仕方ないと、しつけのために朝のご挨拶。
だが、寝ぼけ眼の晴香は、ぼんやりと天井を見つめるばかり。
突然両手を伸ばしたかと思えば、バタンと落とす。
「もきゅ」
「……起きたか?」
「もきゅきゅ…きゅふー」
「………」
「きゅっ…きゅきゅん」
寝言なのか…寝言は寝て言えとは、このことだ。
「……おはよう」
もう一度声を掛けたら、ぺたんと垂れていた耳がピンと立つ。
どうやら、これが起きた合図だったみたいだ。
横目で八雲を確認すると、ごろりと寝返り。
そのままゴロゴロとベッドの上を寝て回ったかと思えば、勢いよく起き上がった。
…いつキスに襲われてもいいように、防御を構える。
「おはよーごじゃじゃまちゅ!」
やはり寝ぼけているのか、敬礼を決めながらの挨拶。
「…おはよう」
笑いを堪えながら、敬礼に返してやった。
すると後ろにバタンと倒れる晴香。
後ろに壁が無くて、本当に良かった。
もしもあったら…泣き声と涙の台風直撃。
「やきゅもきゅん…ぐー」
今の「ぐー」は、眠いの「ぐー」だな。
ここ二三日で、随分と晴香語をマスターしたと思う。
それに比べて晴香は…
まだ日本語の基礎すら覚えていないみたいだ。
そして、無駄なことばかり覚えていく。
「…もう少し寝てろ」
「きゅ」
垂れ耳が付いた頭を数回撫でたら、晴香はおとなしく夢の世界にお出かけしに行った…
さて…どうしたものか。
朝ご飯を作りながら、八雲はずっと頭を捻らせていた。
といっても、食パンをオーブンで焼くだけ。
その間に、晴香のホットミルクを準備する。
「………」
講義を休むことは…あまりしたくない。
それに、今日休んだところで、明日もあるのだ。
…一日中、一緒に居られる日の方が少ない。
「…つれてくか」
いやいや、そういうわけにはいかない。
あんなにも人がたくさんいる場所に突然連れていくのはあまりにも危険だ。
緊張のあまり泣き出してしまったりするかもしれない。
犬耳幼女であることがバレたりなんかしたら、どこの国家機関に連れて行かれるか…
それよりも一番心配なのは、迷子にならないか…である。
「…まずはじめに、講義中はどうすれば良いんだ…」
根本的な部分が駄目だと気付き、八雲は溜め息を吐いた。
牛乳にガムシロップを混ぜて、甘く味付け。
それをレンジに入れて、自動ボタンで暖める。
「…叔父さんちに預けるか…」
だが何も話していない。
連れていったら、説明に一日を費やしてしまうであろう。
「やっぱり、お留守番…か」
「おはよーごじゃままちゅ!」
そんな声に足元を見れば、いつの間にかそこにいた晴香と目が合う。
にこーっと笑ったかと思ったら、その眼差しは八雲から電子レンジに移動。
「…きゅ、もきゅ」
一体、いつになったら電子レンジに飽きてくれるのであろうか。
垂れた耳をぴんと立たせて、電子レンジ内のオレンジ色の世界を見つめる。
興奮気味のその瞳は、いつもより大きく見開かれていた。
また音が鳴ったら、飛びついてくるんだろうな。
そんな予想をして苦笑いを浮かべていると、先にオーブントースターが音を鳴らした。
「もきゅっ!?」
別の機械から音が鳴るとは思っていなかったらしく、いつもよりも大きく体が跳ねる。
それと同時に、尻尾が爆発したみたいに膨れ上がり逆立った。
そしてあんぐりと驚いた表情のまま、オーブントースターを見つめた。
だが、続いて電子レンジが鳴る。
「もきょっ!?」
驚きのあまり両手をばたつかせ、慌ただしく部屋中を不安定な足取りで走り回る。
どうせ躓いて転ぶだろう…と、予想したがなかなか転ばない。
いつになったら止まるのか見ていたら、冷蔵庫に衝突してやっと止まった。
「だ…大丈夫か?」
痛々しい音が冷蔵庫と晴香の間で鳴り、少し心配になる。
晴香はぺたんと尻餅をつき、ぐるぐると目を回して居るみたいだ。
「もきゅ〜」
「………」
本当に、ひとりで留守番をさせてもいいのであろうか。
「きゅぅ〜」
冷蔵庫の前で目を回す晴香に、八雲は深い深い溜め息を吐いた。
ぐるぐるとまわる世界の中、一生懸命八雲のもとに歩こうとした、晴香ちゃんなのでした。
END。
ぐるぐまわーるぐーるぐまわーる。
晴香はというと、夜の日課とされたラジオでの日本語レッスン中。
『やっぱ告白されたあと、キスしたんだろ〜?』
「きゅ」
『してませんって、本当っ!』
「もきゅ〜」
「日本語レッスン…なのか?」
今日は恋愛話らしい。
彼女と付き合いだしたリスナーと、パーソナルティーが話をしている。
『んで、今はどこまで進んだんだ?』
「………」
教育上、イケナイ単語を聴かせないように、八雲も耳を傾けていた。
…いつかはそういうことも教えないといけないが…
まだ早い。
まだ早いんだ。
ラジオが曲に入りだした頃、八雲はもう一度カレンダーと向き合う。
「………」
「やきゅもきゅん!」
「?」
「きちゅってなに?」
「ぶっ!」
確か…いや、明日は講義がある日…
ひとりでおるすばんできるかな。
朝起きたら、やっぱり隣には晴香が添い寝をしている。
昨日はキス…の説明をするのに、随分と時間をかけた。
納得したかと思えば「きちゅちゅるー!」とか言ってきて…
…まぁ、ギリギリのところで止めたから良かったものの。
あと少しでも遅れていたら、僕のファーストキスを犬に奪われるところだった。
好きな人としかキスはしてはいけないと教えれば、またもやキスしようと…
簡単にキスなんてするな…と教えたが、本当に大丈夫であろうか…
…それよりも、僕は彼女の好きな人…なのだろうか。
悩ましい溜め息を吐くと、可愛らしい寝顔を確認する。
恋とか愛とか…まだ関係ないお年頃。
好き…っていうのも、それは保護者としてであろう。
もう一度頭を撫でてから、八雲はそっと布団を出ようとした。
けれども、その前にパチリと目を覚ましてしまう。
「…おはよう」
起きてしまっては仕方ないと、しつけのために朝のご挨拶。
だが、寝ぼけ眼の晴香は、ぼんやりと天井を見つめるばかり。
突然両手を伸ばしたかと思えば、バタンと落とす。
「もきゅ」
「……起きたか?」
「もきゅきゅ…きゅふー」
「………」
「きゅっ…きゅきゅん」
寝言なのか…寝言は寝て言えとは、このことだ。
「……おはよう」
もう一度声を掛けたら、ぺたんと垂れていた耳がピンと立つ。
どうやら、これが起きた合図だったみたいだ。
横目で八雲を確認すると、ごろりと寝返り。
そのままゴロゴロとベッドの上を寝て回ったかと思えば、勢いよく起き上がった。
…いつキスに襲われてもいいように、防御を構える。
「おはよーごじゃじゃまちゅ!」
やはり寝ぼけているのか、敬礼を決めながらの挨拶。
「…おはよう」
笑いを堪えながら、敬礼に返してやった。
すると後ろにバタンと倒れる晴香。
後ろに壁が無くて、本当に良かった。
もしもあったら…泣き声と涙の台風直撃。
「やきゅもきゅん…ぐー」
今の「ぐー」は、眠いの「ぐー」だな。
ここ二三日で、随分と晴香語をマスターしたと思う。
それに比べて晴香は…
まだ日本語の基礎すら覚えていないみたいだ。
そして、無駄なことばかり覚えていく。
「…もう少し寝てろ」
「きゅ」
垂れ耳が付いた頭を数回撫でたら、晴香はおとなしく夢の世界にお出かけしに行った…
さて…どうしたものか。
朝ご飯を作りながら、八雲はずっと頭を捻らせていた。
といっても、食パンをオーブンで焼くだけ。
その間に、晴香のホットミルクを準備する。
「………」
講義を休むことは…あまりしたくない。
それに、今日休んだところで、明日もあるのだ。
…一日中、一緒に居られる日の方が少ない。
「…つれてくか」
いやいや、そういうわけにはいかない。
あんなにも人がたくさんいる場所に突然連れていくのはあまりにも危険だ。
緊張のあまり泣き出してしまったりするかもしれない。
犬耳幼女であることがバレたりなんかしたら、どこの国家機関に連れて行かれるか…
それよりも一番心配なのは、迷子にならないか…である。
「…まずはじめに、講義中はどうすれば良いんだ…」
根本的な部分が駄目だと気付き、八雲は溜め息を吐いた。
牛乳にガムシロップを混ぜて、甘く味付け。
それをレンジに入れて、自動ボタンで暖める。
「…叔父さんちに預けるか…」
だが何も話していない。
連れていったら、説明に一日を費やしてしまうであろう。
「やっぱり、お留守番…か」
「おはよーごじゃままちゅ!」
そんな声に足元を見れば、いつの間にかそこにいた晴香と目が合う。
にこーっと笑ったかと思ったら、その眼差しは八雲から電子レンジに移動。
「…きゅ、もきゅ」
一体、いつになったら電子レンジに飽きてくれるのであろうか。
垂れた耳をぴんと立たせて、電子レンジ内のオレンジ色の世界を見つめる。
興奮気味のその瞳は、いつもより大きく見開かれていた。
また音が鳴ったら、飛びついてくるんだろうな。
そんな予想をして苦笑いを浮かべていると、先にオーブントースターが音を鳴らした。
「もきゅっ!?」
別の機械から音が鳴るとは思っていなかったらしく、いつもよりも大きく体が跳ねる。
それと同時に、尻尾が爆発したみたいに膨れ上がり逆立った。
そしてあんぐりと驚いた表情のまま、オーブントースターを見つめた。
だが、続いて電子レンジが鳴る。
「もきょっ!?」
驚きのあまり両手をばたつかせ、慌ただしく部屋中を不安定な足取りで走り回る。
どうせ躓いて転ぶだろう…と、予想したがなかなか転ばない。
いつになったら止まるのか見ていたら、冷蔵庫に衝突してやっと止まった。
「だ…大丈夫か?」
痛々しい音が冷蔵庫と晴香の間で鳴り、少し心配になる。
晴香はぺたんと尻餅をつき、ぐるぐると目を回して居るみたいだ。
「もきゅ〜」
「………」
本当に、ひとりで留守番をさせてもいいのであろうか。
「きゅぅ〜」
冷蔵庫の前で目を回す晴香に、八雲は深い深い溜め息を吐いた。
ぐるぐるとまわる世界の中、一生懸命八雲のもとに歩こうとした、晴香ちゃんなのでした。
END。
ぐるぐまわーるぐーるぐまわーる。
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