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「うぎゅっ…ぐちゅん」
「…いいこだったな」
お菓子はもらえたけれど、痛いものは痛い、晴香ちゃんなのでした。
注射打ってきましたよー。インフルエンザのやつ。
お菓子もらえました。
当たり前のように打ち終わったらナースさんがくれました。
おっとっともらいました。
待ち時間暇で、血圧計っていたら小さいこの姉妹が二人やってきましたよ。
か…かわいいじゃないか、この野郎っ!(堪
血圧、低かったのに標準値に戻ったー!
そしてですね…家に帰ってみたら、鳥が卵産んでました。
お…お前らいつのまにっ!
どっちだ!どっちがお父さんなのだっ!
なんか最近、太ってるかと思ったんですよ…
寒くなるし、子育て大変だよなぁ…とか思って、週末に巣出そうと思ってたのに…
…まぁ、赤ちゃんが生まれてくるのを祈る!
冷たいしいないと思うけど…
さて、カイロ…冬の必需品。
貼るのと貼らないの、ダブルで使うと最強です。
恋人未満
「やっぱり…赤繋がりで、八雲君はトナカイが良いと思うの」
「は?やるなら僕がサンタだ。で、君が真っ赤な鼻のトナカイだな」
「邪魔するぜ」
「わ、私のどこが赤いのよ!」
「ほら、そうやってすぐ怒ったり泣いたり…君の顔はいつも赤いぞ?」
「う〜っ…違うもん!それは全部八雲君が悪いの!」
「…おい」
今までは二つだった声が、三つになる。
二人がドアの方を振り返れば、そこには後藤の姿。
よく見れば、後ろに石井がドアに半分隠れて居た。
「…後藤さん」
八雲の冷めた声が聞こえる。
見なくてもわかる、声だけでなく表情も冷めているのであろう。
「おう、なんだ」
「Uターンして下さい」
「あいにく、俺にはハンドルが付いてなくてな。まっすぐにしか進まないんだ」
「………」
黙り込んだのが、どうやら八雲の諦めた証拠。
だが、まだ諦め切れていないようで、後藤を睨み付けていた。
「事件ですか?」
このまま八雲が黙っていては話は続かず、私から口を開く。
八雲に睨まれるが、あっさり無視。
「晴香ちゃん正解!」
「てへへ〜」
八雲の舌打ちが、晴香の耳にも届いた。
…やっぱり、付いてかなければよかったかもしれない。
事件現場に行くとのことで、晴香も付いてきたが…
先ほどから、三人の姿が見えない。
「………」
三人が居るのは、黄色いロープの内側。
一般市民である晴香が入ることの出来ない、事件の世界。
晴香がいるのは、近くに置いてあったベンチ。
古いベンチなのか、所々木が割れている。
溜め息をひとつ吐くと同時に、腹も溜め息をひとつ。
「…あとで後藤さんに夕飯奢ってもらお」
北風が落ち葉を巻き上げ、思わず鼻をすする。
そういえば、八雲君はいつものシャツ一枚だったけど…
寒くないのかな?
暖を求めて、自動販売機で買ってきたホットココアの缶を握った。
「寒いっ…」
「だから付いてくるなって言ったんだ…」
独り言に返してくれたのは、呆れ半分な声。
顔を上げてみれば、やっぱり呆れ顔の八雲がいた。
「終わったの?」
「…まだだ」
欠伸を噛み殺し、隣に腰を下ろす。
軋んだのは、八雲の体重が重いわけではなく、ベンチが古くたびれてるから。
「こんなところで油売ってていいの?」
「今は休憩だ。…君じゃないんだから、ちゃんと働いてる」
「はいはいそーですね。私は役に立ちませんよーだっ」
腹いせにわき腹をつついてやったら、びくんと跳ねて睨まれた。
負けじと「あっかんべー」と舌を出す。
「君は子供か?」
「私が子供だったら、年下の八雲君は赤ん坊ね」
「…数ヶ月早く産まれただけで威張るな」
少し悔しいのか、苦虫を噛んだみたいな顔。
なるほど、八雲君も事実には叶わないのか。
ニヤリと笑い、もっといじめてやろうとした。
「くしっ」
だが、文句も怒りも…全て小さなくしゃみで吹っ飛んだ。
「………」
そんな可愛いくしゃみをしたのは、目の前にいるひねくれ者。
「くそっ…あんな寒い場所に行かせるから…」
文句を言いながら、鼻をすする音。
「あとで夕飯でも奢ってもらうか…」
「いまの…八雲君のくしゃみ?」
「君は隣人のくしゃみもわからないのか?」
顎を上げて、馬鹿にしたみたいに見下ろしてくる。
「わからなくないけど…」
突っかかってこなかったのに驚いたのか、ぽかんと口を半開く。
その上にある整った鼻から、何か垂れて…
「や、八雲君!鼻水がっ…」
「うぐっ」
晴香に言われ、八雲は慌てて鼻をすする。
だが、一度垂れたものはなかなか戻らない。
「まったく…」
手間のかかる子だ、本当。
…なんて、私の子供じゃないんだけど。
鞄の中を漁り、ポケットティッシュを八雲に差し出す。
八雲はというと、意味が分からないのか眉を寄せて鼻をすするばかり。
「ティッシュ、使って良いから」
「………」
けれども、八雲はティッシュを受け取ろうとしない。
晴香とティッシュを交互に見つめては、鼻をすするだけ。
「あーもうっ!」
段々とイライラし、ティッシュを雑に数枚取る。
「!?」
そして、八雲の頭を押さえつけて、鼻にティッシュを押し付けた。
「ほら、ちーん!って」
「ば、ばかっ!鼻くらい一人で…」
「しないから私がしてるの!ほら、早く!」
「かむ!かむから離せ!」
「駄目っ!」
「っぅ…」
八雲が諦めるまで、あと数秒…
「素直になれば可愛いんだから」
ティッシュをゴミ箱に捨て、八雲の隣に座る。
八雲はというと、肘掛けに肘を突いて頭を押さえていた。
俯いていてはっきりとは確認できないが、真っ赤な顔をしている。
髪から覗く耳が赤いから、きっとそうなんだろう。
「八雲君?」
「………」
「…八雲君」
「…んだよ」
じろりとこちらを睨んできたが、真っ赤な顔で言われても迫力がない。
「はい」
ポケットに仕舞って置いたティッシュを、八雲に渡す。
「………」
僕には必要ない…みたいな顔で、こっちを睨んできた。
「…私がいない間に鼻垂れたら、後藤さんに笑われちゃうよ?」
だから持ってて、と無理矢理八雲の手に握らせる。
「…怪我の常習犯である君がティッシュを持ってないと」
皮肉ってはいるが、要は心配しているみたいだ。
「そういうときのために、私は二個持ってるんですぅ」
すかさず鞄から、ポケットティッシュを出す。
それを見て安心したのか、戸惑いながらもティッシュを受け取った。
「………」
「もう!いつまでもそんな格好でいるから、風邪引くんだよ?」
「しょうがないだろ。コート、おじ…後藤さんちに預けたまんまなんだから…」
少し寂しそうに…悲しそうに身を縮めた。
「…まったく」
まだあったかな…
鞄の中を漁り、お目当てのものを探す。
冬に消費量が多い…
使い捨てのアレ。
「あったあった」
包装を破り、軽く振る。
「八雲君、手出して」
「………」
「怪しいものじゃないから、ね?」
「…ん」
八雲の手を取り、ソレを握らせる。
「?」
開いた手の中にあったのは…
「カイロ。最後の一個なんだから、大切に扱ってよね」
「…良いのか?」
「私はお腹に貼ってますからね」
コートを捲り、見せようとしてきた晴香を慌てて止める。
「その…えっと、ありがとう」
珍しく八雲が頭を下げた。
きっと明日は雨だな。
照れくさそうに髪を掻き回す八雲は、やっぱり頬が赤かった。
「ほら、早く後藤さんのお手伝いしてきなさい!」
ぴょんとベンチから下り、ココアの缶をゴミ箱に捨てる。
未だにベンチに座る八雲を無理矢理立たせ、背中を押す。
「…行ってきます」
「行ってらっしゃい」
晴香は笑顔で送り届けると、暇つぶしがてらに昼寝を始めた…
「お、ずいぶんと暖かそうなもんもってるじゃねぇか」
「後藤さんだって、腹に暖かそうなものをいっぱい抱えて…」
「脂肪があるって言いてぇのか?」
「さぁ?」
「…まぁいい。少し俺にも…」
「駄目です」
「んでだよ」
「これは…僕が貰ったんですから…」
「は?」
END。
冬にカイロは欠かせない。
「は?やるなら僕がサンタだ。で、君が真っ赤な鼻のトナカイだな」
「邪魔するぜ」
「わ、私のどこが赤いのよ!」
「ほら、そうやってすぐ怒ったり泣いたり…君の顔はいつも赤いぞ?」
「う〜っ…違うもん!それは全部八雲君が悪いの!」
「…おい」
今までは二つだった声が、三つになる。
二人がドアの方を振り返れば、そこには後藤の姿。
よく見れば、後ろに石井がドアに半分隠れて居た。
「…後藤さん」
八雲の冷めた声が聞こえる。
見なくてもわかる、声だけでなく表情も冷めているのであろう。
「おう、なんだ」
「Uターンして下さい」
「あいにく、俺にはハンドルが付いてなくてな。まっすぐにしか進まないんだ」
「………」
黙り込んだのが、どうやら八雲の諦めた証拠。
だが、まだ諦め切れていないようで、後藤を睨み付けていた。
「事件ですか?」
このまま八雲が黙っていては話は続かず、私から口を開く。
八雲に睨まれるが、あっさり無視。
「晴香ちゃん正解!」
「てへへ〜」
八雲の舌打ちが、晴香の耳にも届いた。
…やっぱり、付いてかなければよかったかもしれない。
事件現場に行くとのことで、晴香も付いてきたが…
先ほどから、三人の姿が見えない。
「………」
三人が居るのは、黄色いロープの内側。
一般市民である晴香が入ることの出来ない、事件の世界。
晴香がいるのは、近くに置いてあったベンチ。
古いベンチなのか、所々木が割れている。
溜め息をひとつ吐くと同時に、腹も溜め息をひとつ。
「…あとで後藤さんに夕飯奢ってもらお」
北風が落ち葉を巻き上げ、思わず鼻をすする。
そういえば、八雲君はいつものシャツ一枚だったけど…
寒くないのかな?
暖を求めて、自動販売機で買ってきたホットココアの缶を握った。
「寒いっ…」
「だから付いてくるなって言ったんだ…」
独り言に返してくれたのは、呆れ半分な声。
顔を上げてみれば、やっぱり呆れ顔の八雲がいた。
「終わったの?」
「…まだだ」
欠伸を噛み殺し、隣に腰を下ろす。
軋んだのは、八雲の体重が重いわけではなく、ベンチが古くたびれてるから。
「こんなところで油売ってていいの?」
「今は休憩だ。…君じゃないんだから、ちゃんと働いてる」
「はいはいそーですね。私は役に立ちませんよーだっ」
腹いせにわき腹をつついてやったら、びくんと跳ねて睨まれた。
負けじと「あっかんべー」と舌を出す。
「君は子供か?」
「私が子供だったら、年下の八雲君は赤ん坊ね」
「…数ヶ月早く産まれただけで威張るな」
少し悔しいのか、苦虫を噛んだみたいな顔。
なるほど、八雲君も事実には叶わないのか。
ニヤリと笑い、もっといじめてやろうとした。
「くしっ」
だが、文句も怒りも…全て小さなくしゃみで吹っ飛んだ。
「………」
そんな可愛いくしゃみをしたのは、目の前にいるひねくれ者。
「くそっ…あんな寒い場所に行かせるから…」
文句を言いながら、鼻をすする音。
「あとで夕飯でも奢ってもらうか…」
「いまの…八雲君のくしゃみ?」
「君は隣人のくしゃみもわからないのか?」
顎を上げて、馬鹿にしたみたいに見下ろしてくる。
「わからなくないけど…」
突っかかってこなかったのに驚いたのか、ぽかんと口を半開く。
その上にある整った鼻から、何か垂れて…
「や、八雲君!鼻水がっ…」
「うぐっ」
晴香に言われ、八雲は慌てて鼻をすする。
だが、一度垂れたものはなかなか戻らない。
「まったく…」
手間のかかる子だ、本当。
…なんて、私の子供じゃないんだけど。
鞄の中を漁り、ポケットティッシュを八雲に差し出す。
八雲はというと、意味が分からないのか眉を寄せて鼻をすするばかり。
「ティッシュ、使って良いから」
「………」
けれども、八雲はティッシュを受け取ろうとしない。
晴香とティッシュを交互に見つめては、鼻をすするだけ。
「あーもうっ!」
段々とイライラし、ティッシュを雑に数枚取る。
「!?」
そして、八雲の頭を押さえつけて、鼻にティッシュを押し付けた。
「ほら、ちーん!って」
「ば、ばかっ!鼻くらい一人で…」
「しないから私がしてるの!ほら、早く!」
「かむ!かむから離せ!」
「駄目っ!」
「っぅ…」
八雲が諦めるまで、あと数秒…
「素直になれば可愛いんだから」
ティッシュをゴミ箱に捨て、八雲の隣に座る。
八雲はというと、肘掛けに肘を突いて頭を押さえていた。
俯いていてはっきりとは確認できないが、真っ赤な顔をしている。
髪から覗く耳が赤いから、きっとそうなんだろう。
「八雲君?」
「………」
「…八雲君」
「…んだよ」
じろりとこちらを睨んできたが、真っ赤な顔で言われても迫力がない。
「はい」
ポケットに仕舞って置いたティッシュを、八雲に渡す。
「………」
僕には必要ない…みたいな顔で、こっちを睨んできた。
「…私がいない間に鼻垂れたら、後藤さんに笑われちゃうよ?」
だから持ってて、と無理矢理八雲の手に握らせる。
「…怪我の常習犯である君がティッシュを持ってないと」
皮肉ってはいるが、要は心配しているみたいだ。
「そういうときのために、私は二個持ってるんですぅ」
すかさず鞄から、ポケットティッシュを出す。
それを見て安心したのか、戸惑いながらもティッシュを受け取った。
「………」
「もう!いつまでもそんな格好でいるから、風邪引くんだよ?」
「しょうがないだろ。コート、おじ…後藤さんちに預けたまんまなんだから…」
少し寂しそうに…悲しそうに身を縮めた。
「…まったく」
まだあったかな…
鞄の中を漁り、お目当てのものを探す。
冬に消費量が多い…
使い捨てのアレ。
「あったあった」
包装を破り、軽く振る。
「八雲君、手出して」
「………」
「怪しいものじゃないから、ね?」
「…ん」
八雲の手を取り、ソレを握らせる。
「?」
開いた手の中にあったのは…
「カイロ。最後の一個なんだから、大切に扱ってよね」
「…良いのか?」
「私はお腹に貼ってますからね」
コートを捲り、見せようとしてきた晴香を慌てて止める。
「その…えっと、ありがとう」
珍しく八雲が頭を下げた。
きっと明日は雨だな。
照れくさそうに髪を掻き回す八雲は、やっぱり頬が赤かった。
「ほら、早く後藤さんのお手伝いしてきなさい!」
ぴょんとベンチから下り、ココアの缶をゴミ箱に捨てる。
未だにベンチに座る八雲を無理矢理立たせ、背中を押す。
「…行ってきます」
「行ってらっしゃい」
晴香は笑顔で送り届けると、暇つぶしがてらに昼寝を始めた…
「お、ずいぶんと暖かそうなもんもってるじゃねぇか」
「後藤さんだって、腹に暖かそうなものをいっぱい抱えて…」
「脂肪があるって言いてぇのか?」
「さぁ?」
「…まぁいい。少し俺にも…」
「駄目です」
「んでだよ」
「これは…僕が貰ったんですから…」
「は?」
END。
冬にカイロは欠かせない。
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