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発売おめでとうございます!(昨日)

カノンノ…カノンノ可愛いです。小動物も可愛いです。
それにしても、前回のカノンノと何か関係はあるんですかね?
どっちのカノンノも好きです。
3が出るとしたら…次は緑白とかかな?(服の色

そして皆さん見ましたか?見ましたよね!
某お方様の狼八雲を!!!
もう本当にありがとうございます!とらじまさん!(あ

とらじまさん宅のトロが明日出て行ってしまうとか…
私 も そ う で す 。
何だかんだで、いなくなると聞くと寂しいです…
二回目だとわかっていても、寂しいです。
今度は…帰ってきてくれるかな?

それにしても、トロはシュールと言うか…怖い事をいうから怖い。

「モモンガが濡れても、電子レンジに入れちゃ駄目なんだよ〜」

→どうして?

「モモンガを電子レンジに入れると、パーンって破裂しちゃうのにゃ!」

…怖ぇ。

明日はYM会最終日!刹那由多はもう一作書き終える事が出来るのか!?
半分…半分は終わってるんです。
よし、頑張るぞ!

そして、明日の9時より「YM会後夜祭チャット」が開かれます!
提案者(でいいのかしら)なので、参加したいと思います。予定がずれない限り…
チャットなので、物書き絵描きさんじゃなくても気軽に参加出来ますよ^^
リンクは、左下あたりにあるYM会祭バナーよりどうぞ!


さて、糸電話って不思議ですよね。
あんな細い糸を通して声が聞こえて…

恋人未満

「良い?ちゃんと張らせないと意味ないんだからね!」

「………」


ドアの向こうから覗く晴香に、八雲は溜め息を吐く。

そして、机の上に置かれた赤色の紙コップを見下ろした…



寒さが酷くなってきた、一月の終わり。

八雲のすみか、映画研究同好会にて。

唯一の防寒着であるコートを羽織り、ポケットに手を突っ込む。
数日前に彼女から貰ったカイロが、冷えて固まっていた。

「………」

捨てようかと手に取り、部屋の隅に置かれたゴミ箱を狙う。
だが、彼女がくれたもの…となると、なかなか手が動かない。

「…僕ってやつは…」

自分自身に苦笑し、気付かなかったことにしてポケットに戻した。


彼女に対して、好意はある。

何度か、この思いを伝えようかと思った。

でも…あと一歩。
あと一歩、勇気が出ない。


「あー…もう…」

この気持ちを晴らしたくて髪を掻き回した。
けれども、結果は髪がぐしゃぐしゃになっただけ。

「はぁ…」

何度目かの溜め息を吐き、パイプ椅子にもたれ掛かった。
そうこうしていても、考えてしまうのは彼女のこと。


今日は来るだろうか…

おやつは何だろう…

また、カイロをくれるだろうか。

もし来たら、なんて皮肉を言ってやろう。


来るとは限らないのに、ついそんなことを考えてしまう。

…これが、恋ってやつなのか。

ちょうど頬が緩んだとき、タイミングを見計らったかのようにノック音。
頬を叩くように引き締め、ドアの方に目を向けた。

「やぁ!」

聞こえた声に、心が高鳴る。
開いたドアの先には、満面の笑みを浮かべた晴香がいた。

「君も暇人だな」

「暇じゃないわよ」

「…用も無く来る奴が、よくそんなことを言えるな」

「だって、八雲君に会いに行くのが用だもの」

「………」

そんな言葉が嬉しくて、どこか照れくさくて、そっぽを向いた。

「もう!またこんな寒い部屋にいて…風邪ひいてもしらないんだからね!」

「…君がドアを開けっ放しにするからだろ」

「あ!」

今更気が付いたのか、慌ててドアを閉める。
てへへ…と漫画みたいに舌を出し、向かい合ったの椅子に座ってきた。

…いつの間にか彼女の場所になった、目の前の椅子。

「…で、君の用とはなんだ?」

「あ、そうだった」

飲み物やお菓子を取り出すのを止め、鞄の中を漁り出す。
随分と漁った結果、中から取り出したのは…

「じゃじゃーん!」


紙コップ…が、二つ。

赤と青の色違い。

「…紙コップ?」

紙コップの何でも無い。
そこにあったのは、30個100円で買えるような、普通の色付き紙コップ。

ビーカーに嫌気がさして、紙コップを持ってきてくれたのだろうか。

「よく見てみなさい!」
「………」

胸まで反らされる意味が分からず、言われたままによく見てみる。
極々普通の、赤と青の紙コップだ。

「…手にとって見てみなさい!」

言われたままに、手前に置かれた…赤色の紙コップを手に取ってみる。
すると、不思議なことに青色の紙コップも付いてきた。

…まるで、僕についてくる君みたいに…

「………」

赤と青の紙コップを手に取ってみると、その理由がわかった。

紙コップの底には、小さな穴が開いていて、そこに細い細い糸が通っている。
それは、離れまいと互いを結んでいるようだった…

「これは…」

そして、それには見覚えがあった。

「糸電話です!」


子供の頃、誰だって作ったと思う。

実際、僕は作った。

…まだ、母さんと暮らしているときに。


「…で、これがどうした?」

糸電話を机の上に放り、足を組む。
嫌な予感が脳裏をよぎり、その予感が当たらないように祈る。

「え…えっと…」

指をツイツイとツツき、こちらの様子を窺う晴香。

「八雲君と…糸電話でもしようかな〜…なんて」

「………」

予想はバッチリ当たり、八雲は頭を抱えた。
軽く目眩がしたのは、言うまでもない。

「だめ?」

片目を開けて見た晴香は、上目遣いになり小首を傾げていた。

「……勝手にしろ」

じっと見つめているのが堪えられず、机に顔を伏せる。
喜び、万歳三唱をする声が耳に届く。

段々と彼女に甘くなる自分に、八雲は少々戸惑っていた。


「えっと、じゃ…私は外に行くね!」

そういうと、青色の紙コップを持って部屋を出て行った…
一人になれ、ゆっくりと起き上がる。


胸がほっとしたのに、心が寂しいのは何故だろうか。


「良い?ちゃんと張らせないと意味ないんだからね!」

「………」

聞こえた声に、寂しいものが消えた。


…どうやら、心の開いたスペースには、彼女が必要みたいだ。

パズルのピースみたいに、たった一つしかない。


「八雲君、ちゃんと紙コップに耳あててる?」

糸電話は始まっていたらしく、頬を膨らました晴香が顔を覗かせてきた。
それを聞き、紙コップに口をあてる。

「うまく作れてないんじゃないか?」

紙コップに向かって話した言葉に、晴香はドアを閉めた。
完全には閉めず、糸が通る道を残し。

「余計なお世話ですよーだっ!」

大声で怒鳴っているため、はっきりと聞こえた。
…明らかに、糸電話からではない。

「…大声を出したら、糸電話の意味がないと思うが?」

〈あわわわわー、聞こえませーん〉

「………」

ドアの向こうで、笑っているのが目に見えた。

「聞こえないなら仕方ない。切るか」

〈あ!だ、だめ!待って!〉

「おかけになった電話は、電波の届かない場所か電源が入っていないため…」

〈もう!意地悪な八雲君なんて嫌い!〉

「…じゃ、意地悪じゃない僕は?」

僕は…

〈え…〉

僕は一体、何を言ってるんだ。

「…どうなんだよ」

立ち上がり、足音を立てないようにドアに向かう。

〈ちょ、ちょっと待って!それって…〉

ドアノブに手をかけ、そこで留まる。

「優しい僕は、好きなのか?」

〈たっ…只今、留守にしております!ピーと鳴りましたら、ご用件を…〉

「………」


このドアを開けたら、きっと変わる。

僕らの関係が。


〈ピー〉

…ご用件、言ってやろうじゃないか。


「僕は、君が好きだ」


ドアを開けた先にいたのは、コンクリート地面に腰を下ろした晴香。

いつもの白い肌は、首まで真っ赤に染まっていた。
…きっと、僕も同じくらい赤いんだろう。


「え、えっと…」

「…只今、留守にしております。ピーと鳴りましたら、ご用件を…」

「………」

「ピー」


耳に当てた赤色の紙コップ。

口元に添えられた青色の紙コップ。


「…──────」


糸を通して紙コップから聞こえたのは…


〈…私も好きです〉


END。



八雲が乙女チック。
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