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豆が咲きました。

うぅ…時間が無い為、節分っぽい絵が描けなかった描けなかったです。
明日頃にでもリベンジしたいです!
まめしばー。

恵方巻き食べましたよ〜
黙って食べるそうなので、黙って食べました。
東北東向いて食べました。

そして…恵方巻きに入れた、ネギトロのせいか…
腹が痛くなりました。
うぅ…生魚は苦手なのですよ。
でも食っちゃうんだぜ。腹いてー…


さて、お話の方は節分万歳!
節分について調べていたら、地方によって違うんですね…

サラリーマン

「……ただいま」

会社からの帰り道。

八雲はブツブツと独り言を口にしていた。


いつも晴香から「おかえり」を言われてしまう。

なので、今日こそは先に「ただいま」を言おうとしていたのだ。


「ただいま……ただいま、か…」

性に合わない挨拶に頭を悩ませる。


たった四文字なのに…

それが言えない僕って…どれだけへたれなんだ。


「はぁ…」

そんな些細なことに悩んでいる間に、自宅マンションに着いてしまった。



「………」

玄関を…開けようとしていた。

いや、正確には開けたい。

開けて、あいつより先に「ただいま」と言いたい。

それなのに、八雲は玄関前で足を止めていた。


理由は簡単。

何故か…何故か知らないが、二人の愛の巣入り口である玄関に…

木の枝に刺さった、魚の頭が飾られていた。


これは新種の嫌がらせであろうか。

…ご近所トラブルなど、起こしたことがない。
逆に…自分で言うのも何だが、好かれていると思う。

とりあえずドアの前から退けようと、足先で木の枝が刺さった缶をずらす。
チャイムを鳴らしてから、手にした鍵を使いドアを開けて家に上がる。

「………」

もう一度、枝に刺さった魚の頭を振り返る。
気のせいか魚と目があった気がして、寒気がした。

「あ、おかえりなさい!」

そんな寒気を吹き飛ばしてくれる笑みを浮かべた晴香が、こちらに駆けてくる。

先に「おかえり」を言われてしまったことよりも先に、八雲は口を開けた。

「な、なんだ!あの生魚は!?」

「生魚?」

玄関前の物体を知らないのか、きょとんと小首を傾げる晴香。
見せようか見せまいか悩む間に、横を通り抜けて見に行く。

「あぁ…これね」

よいしょと缶ごと持ち上げ、笑みを向けられた。

「イワシの頭を柊の枝に差すじゃない」

「…なんで」

「なんでって……節分だから?」

「せつ…ぶん…」

そういえば、今日は二月三日であった。
そうと分かれば、イワシの頭と柊の意味がわかった。

節分の日、鬼が出ると言われ…それを追い返すだとかなんとか。

「…なるほど」

「というわけで、今日は恵方巻きが夕飯です!」

早速準備しなくちゃ、と台所に足を向けた晴香の肩を、思い出したと掴む。
振り返った刹那、「ただいま」のキスをした。

「ただいま」

「……おかえり」

不意打ちに真っ赤になった晴香は、隠すように台所に駆け込んだ。
その姿が微笑ましくて小さく笑い、八雲もスーツを着替えに寝室に向かった。



準備がまだとのことで、先に風呂に入ってきた。
上がってリビングに向かってみると、テーブルの上に恵方巻き。
準備が良いことに、もう豆が升箱に入っていた。

「…随分と大きいな」

僕の口に入ったとしても、彼女の口に入るのだろうか。
それに、長さもある。

「てへへ〜。腕によりをかけて作りました!」

エプロンを外し、先に席に着く晴香。
向かい合うようにして八雲も座り、手を合わせて「いただきます」をした。

「えーっと…恵方巻きって、今年はどっちを向くんだっけ…」

早速食べようと、伸ばしかけた手を引っ込める。
テレビの上に置かれた新聞を取り、確認。

「っと……東」

「東は…こっちだね!」

「東…東北東だそうだ」

「と、東北東!?」

混乱し、あわあわと慌てる晴香に、東北東を指さしてやる。

「あ…さすが八雲君」

「…どうも」

新聞にちゃんと方位が書いてあったことは、内緒にしておこう。

八雲が戻ると、早速とばかりに大口を開けて恵方巻きを食べようとしていた。

「そういえば…恵方巻きを食べる時は、黙って食べないといけなかったな」

「あ…」

開けた口を閉じ、頭をこちらに向けた。

ちょうど東北東というのは、互いに横を向いた状態。

相手の背中を見たり、何もない壁を見たりすることはなく…
横目で相手を窺える形。

「じ、じゃあ…数分後に」

「…そうだな」

永遠の別れをするわけではないのに、顔は別れ際の表情。

二人は息を合わせるようにして、大口を開けた…


「………」


意外と…おいしいな。

まぁ、彼女が作ったのだ…当たり前か。


ちらりと横目で晴香を窺う、こちらが少しずつ食べているのに比べ…
晴香はまだまだスタート地点。

大口を開けるのにさえ、大変と言った顔だ。


「………」


自分で作ったというのに、本当に馬鹿だな。

…馬鹿だけど、可愛い。


「んっ…ぅん…」

「………」


そして、時々漏れる声が…

やけに艶っぽい。


火照った頬。

段々と涙目になる瞳。


何かに堪えるような、そんな表情…


きっと恵方巻きの形も手伝ったのだろう。

想像してしまうのは、きっと僕だけじゃない。

健康男子ならば、誰もが一度は妄想してしまう…


「…う、ん……んっ!」

「………」


そんな暴走と戦っているうちに、八雲は恵方巻きを食べ終えてしまった。
東北東ではなく、彼女の方を向いていたのは言うまでもない。

水が飲みたいだとかを忘れ、晴香の元に歩み寄る。

「んっ、んっ……?」

そんな八雲に気が付き、上目遣いで見上げられた。


立ち上がっている僕と、椅子に座った君…

位置的にもぴったりだとか、心の奥底で本能が燃えた。


「手伝って…やろうか?」

「……?」

拒否権の無い質問の意味に気付かず、小首を傾げる。
喋れないから、答えられないか…と、鼻で笑った。

「では…いただきます」

手を合わせた八雲は、言葉通りに「手伝い」をした…

「!」

晴香がくわえた方とは逆の方に、大きくかぶりつく。
慌てて押し返そうとする手を掴み、八雲は恵方巻きを食べ続けた。

「んぅっ…んっ」

いつだったか、晴香からしようと言ってきた…
ポッキーゲームとやらを思い出す。
あの後は…ポッキー以上に甘くて美味しいものを食べさせてもらった。

さて…今宵はどうなるか。


「ふぅ…っん…」

恵方巻きを食べ終わり、胸を撫で下ろす晴香。
だが、そんな一時もすぐに終了。

「っ!?」

恵方巻きに続いて入ってきたのは、やけに生暖かいもの…
目を開けた晴香が見たのは、目の前にいる八雲…

「んーっ!んんぅっ…」

反発したが利かず、いつものごとく…力が抜けるまで、それは続いた。

「っは…ぁん」

久しぶりの新鮮な空気に、むせ返りそうになるのを堪える。

「手伝ったんだから…お礼が欲しいな」

「…?」

「別に高いものをねだる訳じゃない」

「…じゃ…なに、よ」

「身体で良い」

「…よ、よく無いわよ!」

途端に咳き込んでしまい、水を飲もうとコップに手を伸ばす。
それとほぼ同時に、パジャマの裾から手が侵入してきた。

「ちょ…いやっ…」

「夫婦なんだ……ヤるのは別におかしくないだろ」

「お…鬼は外っ!鬼は外!」

指先に触れた升箱を引き寄せ、中に入った豆を八雲に投げる。

「あいにく、僕の中の鬼は…君が居る限りいなくならないようだ…」

「外!外に出しなさい!」

「外より、中が良い」

「何の話よっ!」

「出す場所…」

「ばか!そんな話なんて…ひゃぁっ」

「…ここにも、固い豆があるな…」

「や、八雲君の鬼ぃっ!!」


END。



僕の恵方巻きをくわえr(自重)とか言わせたかった…
…なんか、前もこんなこと言ってたような…
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