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「ちよーこー!ちよーこたべりゅー!!」
「食べるんじゃない、作るんだろ」
「たーべーうーのっ!」
「…一枚だけだぞ」
「わーい!」
「……これで静かになる…」
思ってみれば昨日、久しぶりの晴香でしたね。
絵の方です、絵の。
もっとまともなの描けばよかった…orz
うーむ…「html」と「htm」の違いがわからぬぇ…
こういうときはやふーの豆知識。
毎度お世話になります。
どうしようかどうしよう。
サイト名と名前を変えようかどうしよう…
か…変えても混乱しません…よね?
あうあう…お話書けなかった…あ、昨日というか今日ね。
バレンタインは前日に書いて上げ続けていたので…
まさかのバレンタイン祭り休祭!
というわけで、普通なお話です。
予備があと一つしかない…orz
恋人未満
「何故…」
何故なんだろうか。
「どうしたの?」
なんでこんな馬鹿に…
「いや…別に…」
恋をしたのだろうか。
映画研究同好会。
外も寒ければ、暖房器具が無い内も寒い。
唯一の暖房具であるコートを羽織り、八雲は溜め息を吐いた。
「あ、ハート型みっけ」
こんなにも寒いというのに、目の前の馬鹿はアイスなんぞ食っている。
「最後に食べよーっと」
チョコに包まれた、小さな一口サイズのアイス。
ハート型を見つけただとか何とかで、一人はしゃいでいた。
「…こんなにも寒いのに、よくアイスなんか食えるな」
「冬だからこそ、たまに食べたくなるじゃない」
机の上に置かれた棒菓子を頂く。
それは、アイスを食べないと読んだ晴香からの差し入れ。
悔しいが見事にあたり、こうして頂いている。
「…理解出来ないな」
「理解しなくても良いですよーだっ!」
子供みたいに舌を出し、あかんべえをしてくる。
はいはいと構ってやり、八雲は棒菓子に手を伸ばした。
口にくわえて、一口分噛み折る。
スルーされたことに頬を膨らました晴香が、何やら文句を言っている。
聞いてないフリをして、実はしっかり聞いている。
「ちょっと!聞いてるの!?」
「聞いてない」
こうも素直になれないのは…何故だろうか。
幼い頃に母親に殺され掛け、中学時代に先生を失ったから?
…数年も経っているのだ。
そろそろ、素直になっても良いんじゃないか自分。
…いや違う。
恋に臆病なだけなのか。
「はぁ…」
「?どうしたの、溜め息なんて吐いて…」
幸せ逃げるよ?という心配をしてくれるのは、目の前の君だけだろう。
なら、君が幸せにしてくれ。
「…ほっとけ」
「なーんか…八雲君、やさぐれてる?」
「そんなことは無い」
「悩みがあるなら、小沢晴香お姉ちゃんがどーんと聞いてあげるよ?」
小沢晴香に恋したんですが、どうすれば良いでしょうか。
「君なんかに言っても、時間の無駄だ」
張本人なんかに聞けるか。
「えー…でも、誰かに言ったら楽になる〜って言うじゃない」
「それは君みたいなお気楽の人間のみに使われる言葉だ」
「ちょ…なんか馬鹿にされてる気がするんですけど」
「馬鹿にしてるからな」
いつの間にか食べ終えてしまった棒菓子を、再度いただく。
この棒菓子のように、僕の恋も折れてしまうのだろうか…
自らのクサい言葉に、八雲は眉を寄せた。
「…じゃ、たまには八雲君も馬鹿になれば良いじゃない」
「………」
馬鹿による馬鹿な発言に、棒菓子をくわえたまま晴香を凝視する。
「君は…」
「な、なに?」
「やっぱり馬鹿だな」
食べかけだった棒菓子を、ポリポリ食べ始める。
チョコレートとクッキーがマッチしていて、とても美味しい。
「馬鹿馬鹿言わないで!」
棒菓子を奪おうと、箱に手を伸ばす晴香。
「事実を言って、何が悪い?」
だが、その前にこちらが奪ってやった。
「少しくらい分けてよ!私が買ってきたんだから」
「いやだね。これは僕が貰ったんだ」
大人げないと思いながらも、つい張り合ってしまう。
もしも彼女ではなく後藤さんだったら、罵詈雑言を並べて終わらせる。
…けれども、相手が彼女だと…つい張り合ってしまう。
「…君は季節外れのアイスでも食べてれば良いだろ」
「ぶー…だって、こういうのは少し溶かした方が美味しいんだもん」
何故、張り合ってしまうのかは分からない。
「…美味いものは先に食べておいた方が良いぞ」
…もしかしたら、無くしていた青春とやらを味わいたいのか?僕は。
「八雲君って、美味しいものは先に食べる派なんだ〜」
同年代の奴らと、下らないことでじゃれあう時間…
「…そういう君は、後に残す派なんだな」
「最後に食べるのが最高なのよ!」
…まぁ、それなりに良いかもな。
「誰かに食べられても、知らないからな」
「死守しますから、心配は無用です!」
自分らしくない考えに振り回されたせいで、その隙に棒菓子を奪われた。
「へっへーん!奪っちゃった」
そのまま「ファーストキスだったりして」と繋がりそうなフレーズ。
ファーストキス…か。
この年になっても、キスをしたことのない男って…
「君は…キスとか、したことあるのか?」
「な、何よ急に…」
やはり年頃の女性。
ほんのり頬を染め、引きつった笑みを浮かべる。
子供みたいな仕草をするくせに、中身は立派な女性なのだ。
「だから…君はキスをしたことがあるのか?」
「………」
スロー再生のように、ゆっくりと横を向く晴香。
「したこと…無いのか」
「うるさい」
「ということは、付き合った男もいないのか?」
「………」
小さく頷いたのを、八雲は見逃さなかった。
「なるほど…」
というわけは、あっちの方もまだなワケだな。
…全て、お互い様のようだ。
「な…なんなのよ。人の恋路に頭突っ込んできて…」
「…馬鹿に…なってみようか」
「は?」
晴香の驚きには、我ながら共感出来た。
いつもの僕なら、こんなこと…言わないししない。
「小沢晴香お姉ちゃんとやら」
「は、はいっ!」
「僕の悩み事を聴いてくれるか?」
「よっ…喜んでっ」
笑えてない笑顔で喜んでなんて言われても、正直信用がない。
…だが、こいつは僕が唯一信用した馬鹿…
そして…
「好きな人が出来たんだ」
唯一恋した相手。
「………」
はっきり言って、どれだけの時間黙っていたのか分からない。
時が動き出した合図は、晴香の奇声。
「えぇぇぇっ!?」
「うるさい。黙れ」
「だ…だって八雲君に好きな人って…」
「左目が赤くて幽霊が見える以外、僕は普通の男なんだぞ」
恋のひとつやふたつ…
ひとつだけど。
「え…えっと、その相手は…知り合い?」
「あぁ、そうだ」
「それじゃ…あの、大学の人?」
「そうだな」
「う…うーんと…身近な人?」
「身近だ」
「私の…知ってる人?」
「というより…」
「というより?」
「小沢晴香だ」
不器用な告白は、素直な告白。
恋愛初心者は、お互い様なのだから。
END。
めざせ、八雲崩壊。
何故なんだろうか。
「どうしたの?」
なんでこんな馬鹿に…
「いや…別に…」
恋をしたのだろうか。
映画研究同好会。
外も寒ければ、暖房器具が無い内も寒い。
唯一の暖房具であるコートを羽織り、八雲は溜め息を吐いた。
「あ、ハート型みっけ」
こんなにも寒いというのに、目の前の馬鹿はアイスなんぞ食っている。
「最後に食べよーっと」
チョコに包まれた、小さな一口サイズのアイス。
ハート型を見つけただとか何とかで、一人はしゃいでいた。
「…こんなにも寒いのに、よくアイスなんか食えるな」
「冬だからこそ、たまに食べたくなるじゃない」
机の上に置かれた棒菓子を頂く。
それは、アイスを食べないと読んだ晴香からの差し入れ。
悔しいが見事にあたり、こうして頂いている。
「…理解出来ないな」
「理解しなくても良いですよーだっ!」
子供みたいに舌を出し、あかんべえをしてくる。
はいはいと構ってやり、八雲は棒菓子に手を伸ばした。
口にくわえて、一口分噛み折る。
スルーされたことに頬を膨らました晴香が、何やら文句を言っている。
聞いてないフリをして、実はしっかり聞いている。
「ちょっと!聞いてるの!?」
「聞いてない」
こうも素直になれないのは…何故だろうか。
幼い頃に母親に殺され掛け、中学時代に先生を失ったから?
…数年も経っているのだ。
そろそろ、素直になっても良いんじゃないか自分。
…いや違う。
恋に臆病なだけなのか。
「はぁ…」
「?どうしたの、溜め息なんて吐いて…」
幸せ逃げるよ?という心配をしてくれるのは、目の前の君だけだろう。
なら、君が幸せにしてくれ。
「…ほっとけ」
「なーんか…八雲君、やさぐれてる?」
「そんなことは無い」
「悩みがあるなら、小沢晴香お姉ちゃんがどーんと聞いてあげるよ?」
小沢晴香に恋したんですが、どうすれば良いでしょうか。
「君なんかに言っても、時間の無駄だ」
張本人なんかに聞けるか。
「えー…でも、誰かに言ったら楽になる〜って言うじゃない」
「それは君みたいなお気楽の人間のみに使われる言葉だ」
「ちょ…なんか馬鹿にされてる気がするんですけど」
「馬鹿にしてるからな」
いつの間にか食べ終えてしまった棒菓子を、再度いただく。
この棒菓子のように、僕の恋も折れてしまうのだろうか…
自らのクサい言葉に、八雲は眉を寄せた。
「…じゃ、たまには八雲君も馬鹿になれば良いじゃない」
「………」
馬鹿による馬鹿な発言に、棒菓子をくわえたまま晴香を凝視する。
「君は…」
「な、なに?」
「やっぱり馬鹿だな」
食べかけだった棒菓子を、ポリポリ食べ始める。
チョコレートとクッキーがマッチしていて、とても美味しい。
「馬鹿馬鹿言わないで!」
棒菓子を奪おうと、箱に手を伸ばす晴香。
「事実を言って、何が悪い?」
だが、その前にこちらが奪ってやった。
「少しくらい分けてよ!私が買ってきたんだから」
「いやだね。これは僕が貰ったんだ」
大人げないと思いながらも、つい張り合ってしまう。
もしも彼女ではなく後藤さんだったら、罵詈雑言を並べて終わらせる。
…けれども、相手が彼女だと…つい張り合ってしまう。
「…君は季節外れのアイスでも食べてれば良いだろ」
「ぶー…だって、こういうのは少し溶かした方が美味しいんだもん」
何故、張り合ってしまうのかは分からない。
「…美味いものは先に食べておいた方が良いぞ」
…もしかしたら、無くしていた青春とやらを味わいたいのか?僕は。
「八雲君って、美味しいものは先に食べる派なんだ〜」
同年代の奴らと、下らないことでじゃれあう時間…
「…そういう君は、後に残す派なんだな」
「最後に食べるのが最高なのよ!」
…まぁ、それなりに良いかもな。
「誰かに食べられても、知らないからな」
「死守しますから、心配は無用です!」
自分らしくない考えに振り回されたせいで、その隙に棒菓子を奪われた。
「へっへーん!奪っちゃった」
そのまま「ファーストキスだったりして」と繋がりそうなフレーズ。
ファーストキス…か。
この年になっても、キスをしたことのない男って…
「君は…キスとか、したことあるのか?」
「な、何よ急に…」
やはり年頃の女性。
ほんのり頬を染め、引きつった笑みを浮かべる。
子供みたいな仕草をするくせに、中身は立派な女性なのだ。
「だから…君はキスをしたことがあるのか?」
「………」
スロー再生のように、ゆっくりと横を向く晴香。
「したこと…無いのか」
「うるさい」
「ということは、付き合った男もいないのか?」
「………」
小さく頷いたのを、八雲は見逃さなかった。
「なるほど…」
というわけは、あっちの方もまだなワケだな。
…全て、お互い様のようだ。
「な…なんなのよ。人の恋路に頭突っ込んできて…」
「…馬鹿に…なってみようか」
「は?」
晴香の驚きには、我ながら共感出来た。
いつもの僕なら、こんなこと…言わないししない。
「小沢晴香お姉ちゃんとやら」
「は、はいっ!」
「僕の悩み事を聴いてくれるか?」
「よっ…喜んでっ」
笑えてない笑顔で喜んでなんて言われても、正直信用がない。
…だが、こいつは僕が唯一信用した馬鹿…
そして…
「好きな人が出来たんだ」
唯一恋した相手。
「………」
はっきり言って、どれだけの時間黙っていたのか分からない。
時が動き出した合図は、晴香の奇声。
「えぇぇぇっ!?」
「うるさい。黙れ」
「だ…だって八雲君に好きな人って…」
「左目が赤くて幽霊が見える以外、僕は普通の男なんだぞ」
恋のひとつやふたつ…
ひとつだけど。
「え…えっと、その相手は…知り合い?」
「あぁ、そうだ」
「それじゃ…あの、大学の人?」
「そうだな」
「う…うーんと…身近な人?」
「身近だ」
「私の…知ってる人?」
「というより…」
「というより?」
「小沢晴香だ」
不器用な告白は、素直な告白。
恋愛初心者は、お互い様なのだから。
END。
めざせ、八雲崩壊。
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