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「乳にバナナを挟む?」

「ぶっ」

いやぁ…昨日は空麗爛さん宅で絵チャをしてきました!
なんだか知りませんが、二時過ぎまで^^
最後なんて私、刹那由多じゃなかったですもの!(分かる人には分かる。
あくまで、執事ですから^^


さて、バレンタイン翌日ですが…
例によって、お話内は前日で。戻っちゃった!

サラリーマン

こんなにも、家に帰るのが憂鬱なのは…

年に数回だけだろう。

喧嘩をした日だとか、残業で遅くなった日だとか…

それから…バレンタインデーだとか。



2月13日…

バレンタインデー前日。



今年は土曜日がバレンタインのため、金曜日の今日。

社内に桃色の空気が充満していた。


普通、奥さんもいると知られている僕が貰うのは、義理チョコだけなのだが…

貰ったチョコの中には、明らかに本命らしきものも混じっていた。

実際、隣の席の独身男と比べてみたが…
量も大きさも、僕が勝っていた。


本命のチョコをあげてくる奴らは…

「…僕があいつを裏切るとでも思ってるのか?」

そんなの、この世が終わったとしてもあり得ない。
僕は彼女で満足しているし、不満なところなんて一つとしてない。

「………」

そんなこんなしている間に、八雲は家の玄関に付いてしまった。
パンパンに膨れた紙袋を見下ろし、髪を掻き回す。


腕時計で確認した時刻は、日付が変わる12時ちょい前。

これは誰かの戦略か。
疑いたくなるくらい偶然に、残業を任されることになった。

しかも、晴香に連絡をすることができなかった…


バレンタインに、連絡もなく帰宅が遅い旦那様…

「…別に、疚しいことをしてたわけじゃないんだ…」

堂々として入ればいい。堂々と。

そんな誓いを胸にたて、八雲は玄関ベルを鳴らした。
それから鍵を使ってドアを開ける。

いつもは開けっ放しのはずのチェーンが、珍しく掛かっており、ドアが開かない。
チェーンを掛けるようになってくれたのは関心だが、不安が胸をよぎる。

「お、おーい…」

微かに開いたドアの隙間から、声をかけてみる。
だが、返ってくる返事は皆無。

もう一度ベルを鳴らしてみるも、中から晴香がやってくる雰囲気はない。

「まさか…何かあったんじゃないよな…」

慌てて携帯を取ろうと、カバンを抱えたとき。
チェーンを掛けたまま、中から晴香が覗いてきた。

「ぶ、無事だったのか…」

安心したのも束の間。

チョコが入った紙袋を捉えた瞬間、明らかに晴香の表情が変わった。
元から元気が無いようだったが、ますます暗くなる。

「開けて…くれないか?」

「………」

ドアが一旦閉まり、再び開く。
玄関で迎えてくれた晴香に、いつものような笑顔はなかった。

「た、ただいま…」

「……おかえり」

帰宅時恒例のキスをしようとするが、するりと逃げられる。
もう一度…と手を伸ばすも、野良猫のように部屋の奥に逃げられた。

「………」


原因といえば。

紙袋いっぱいの、バレンタインチョコレート。

それから、帰宅時間…12時ちょい前。



リビングに向かい、晴香の姿を探す。

豪邸ではなく、ただのマンションだ…
すぐに晴香の居場所は見つかった。

ソファーに足を抱えながら、クッションを抱えて座っている。
まるで隣に座れと言わんばかりに、端に寄って…

本当はスーツを着替えたかったが、優先順位は晴香が先。
微かに曇ったメガネを取るのも忘れて、八雲は晴香の隣に腰を下ろした。

荷物を置いてくるのも忘れたため、カバンと紙袋を足下に置く。
自然とカバンの下に紙袋が行ったのは…偶然だと信じよう。

「あー……えっと…」

何を話して良いかわからず、何度もそればかり繰り返す。

「八雲君が…いけないんだもんっ」

そうこうしている間に、晴香から口を開いてきてくれた。

「…すまない、今回は僕がいけなかった…」

帰りが遅くなるのを、連絡出来なかったのは僕のせい。

小刻みに震える肩に手を伸ばし、引き寄せようとする。
けれども、その手は虚しく、ぺちんと弾かれてしまった。

…相当、怒っているみたいだな。

拒絶されたことに対しての悲しさからか、つい俯いてしまう。
何を話していいのかわからなくなった八雲は、ただただ口を結うことしか出来なかった…

その間にも、晴香の嗚咽は増すばかり。
嗚咽が聞こえるたびに、八雲の胸は締め付けられた。

「八雲君がっ…」

「………」

「八雲君が、かっこよすぎるからいけないのよっ」

「……は?」

晴香の口から聞こえた言葉に、八雲は耳を疑った。
顔を上げた先に見えた晴香は、真っ赤に頬を染めている…

「八雲君がかっこいいから…チョコいっぱい貰ってきて…」

「………」

どうやら、彼女の怒りの矛先は…

バレンタインチョコらしい。

「なんで…そんなにかっこいいのよっ!」

そんなことにムキになる晴香が可愛くて、つい八雲は噴き出してしまう。

「………」

何よ…と睨まれ、慌てて引き締める。
けれども一度緩んだ頬は、なかなか引き締まってくれず…

「ま、真面目に言ってるんだよ!」

「はいはい、かっこ良すぎてすまないな」

「八雲君のばーかっ!ばーかばーかばーかっ!」

「…そんなにバカバカ言うなんて…お仕置きが必要だな」

ニヤリと口端を上げると、晴香を力一杯抱きしめた。
そのまま勢いに任せて、ソファーの上に倒れ込む二人。

「ちょ…怒ってるんだから!」

「じゃ、君が可愛すぎて…僕も怒ってる」

スーツということも忘れ、晴香に擦り付く。

「真似しないで!」

「真似なんてしてない」

擦り付くのにメガネが邪魔で、机の上に置いた。

「あまえんぼーめっ!」

「甘えん坊で結構」

そのうち晴香の怒りも薄れ、良い年した大人のじゃれあいが始まった。



今思えば、彼女も本気では怒っていなかったのだろう。

もし本気で怒っていたなら、口すら聞いてくれないだろうから…



「ん…そういえば、君からチョコ…貰ってない」

「…ほしい?」

ソファーに俯せる晴香の上に、べったりとのしかかる八雲。

…まるでマウンティングだな。
確かに、強いのは君より僕だ。

「…ほしい」

ぺろりと首を舐めてやると、「やん」と声を上げる。
その声がもっと聞きたくて、ソファーと晴香の体の間に手を入れた。

「…えっち」

「聞こえない」

途中、スーツということを思い出したが、深く考えないことにした。
たまには、違う服装もいいだろう。

「バレンタイン…」

「ん?」

「チョコよりも、君が食べたいな…」

「召し上がれ?」


腰を上げてきた晴香に、八雲は満足げに笑った。



「ぁんっ……スーツ…よごれ、ちゃ…」

「…後で、全部脱げばっ…問題ない」

「ぁっ…ぁ…っあ」

「明日は…休み、だしな…」


僕の限界がくるまで、愛してやろう。



マウンティングは、いつしか交尾へ…



END。



ねんじゅーはつじょーきっ!
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