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脱ぎたてほやほや、あったかぱんちゅ。

(ナツヲさんに)好評だったので、描いてみました。
いや…でも、これだとトランクスだよな…
し、仕方ないじゃないか!アニーがトランクス一丁でうろついてたんだから!


さて、昨日今日続き事後ネタ。
というより、最近パロ書いてない…

恋人設定

私たちが同居生活しているというのは…誰にも秘密。

それだけではない。

私たちが付き合っているというのも…

誰にも秘密だ。



朝。

スズメがチュンチュンと、ベランダで鳴いているのが聞こえる。

起きなくちゃ…

そうは思うのだが、なかなか動かない体。
不思議に思い、目を開けてみると…

「っ!?」

陶器のように白い胸板が、目の前に見えた。
慌てて見上げてみれば、斉藤八雲の寝顔があった。

…そこで思い出した。

私は、八雲君と恋人同士なんだって。

ついでに言うと、昨夜の出来事も。

「そうだ、私…」

そっと視線を下ろすと、何も身に着けていない互いの裸体。
一瞬、絵画か何かを見ているのではないかという錯覚を覚えた。

女性のような彼の身体ばかりに目が行っているのに気付き、慌てて目をそらす。

「あ…」

そらした先に見えた、数々の傷跡が目に入る。

雪降る寒い中、拷問された跡。
フラッシュバックするのは、死体のように冷たい八雲。

「………」

生きているのを確かめたくて、晴香は胸板に顔を埋めた。

彼の腕の中というのは、どうしてこんなにも安心するのであろうか。
先ほどまでの不安が、風に吹かれたかのように飛んでいった。

「………」

その温もりに思い出すのは、昨夜の出来事。

恋人同士、同居生活だ…
恋人らしいことは、何度かした。

けれども、まだまだ慣れる見込みは無い。

そんな私に比べて、八雲はどんどんと上達していく。

どこで情報を掴んでくるのか知らないが…
ここのところ、激しさが増した気がする。

私が弱いところもすぐ見つけてしまうし…
逆に八雲が弱いところは見つけられない。
探そうとしたら、罰だとか躾だとかで…激しさは増すばかり。

「八雲君のえっち…」

寝ているのを良いことに、文句を言ってやる。

表向きには欲が無いように見せかけて、こいつは欲望の塊だ。
これで、欲の無い人間はいない…ということを証明できた。

「…八雲君も起きないし…朝ご飯でも作ろうかな」

確か、昨日の夕飯の残りがあったはず…

腰に回された腕を解き、ベッドの上に腰を下ろす。

八雲が寝ているのを確認してから、晴香は裸体のまま大きく伸びをした。
こんな姿、八雲に見つかってしまったら…次に起きるのは昼過ぎだろう。

「さて…と」

布団の中からぐしゃぐしゃになったパジャマを取り出し、袖を通す。

「あ…これ、八雲君のだ」

一回り大きいことに気付き、声を出す。
晴香が着ているのは、この間お揃いで買った…
八雲のパジャマであった。

だが、ボタンを止め終えてしまった今。
脱いで自分の寝間着を着る…というのは面倒くさい。

「…ま、いっか」

どうせ、八雲はすぐにワイシャツに着替えるだろうし。
あの八雲でも、同じパジャマを着るというのは恥ずかしいらしく…
いつもすぐに着替えてしまう。

晴香がベッドから降りようとしたそのとき。

リズミカルな現代調な音楽が流れ出した。

その源に辿り着くまで、それほどの時間は有さない。
理由は簡単。
なんてったって、それは携帯の着信音なのだから。

枕元に置かれた二人の携帯。
片方は晴香のもので、もう片方は八雲のもの。

着信音と、携帯が光っているからして、鳴っているのは晴香の方。

八雲を起こしたくないため、相手も確認せずに慌てて出た。

「はい、小沢です」

〈おぉ、晴香ちゃんか〉

この声は…

「後藤さんですか?」

ベッドサイドに腰を下ろし、会話を続ける。

〈おぅ、俺だ〉

オレオレ詐欺が流行っているが、この声は後藤で間違いは無い。

「こんな朝から…何か用ですか?」

〈そうだったそうだった……八雲、近くにいねぇか?〉

「八雲君ですか?」

後ろを振り返れば、そこには裸体の八雲。
どうやら、晴香が出るときに布団が捲れてしまったのだろう。

「私のそばにいますけど…また事件ですか?」

寒そうに見え、布団をかけてやる。

また携帯の電源を入れてないな…

〈………〉

「どうしたんですか?」

電話が切れたのではないかと、疑うほど静かなスピーカー向こう。

〈いや…ちょっと聞いて良いか?〉

「?」

何だろうか…と、電話を持ち直す。

〈…こんな朝早くから…何で二人でいる?〉

「えっ…」

冷や汗がたらりと垂れる。

恐る恐る確認した時計が刻んでいのは、六時十二分。
言わなくても分かるだろうが、午前の…

付き合っているのを内緒にしている二人。
要はただのお友達関係。

そのお友達関係の男女が、こんな朝早くに一緒にいるということは…

〈まさか…付き合ってるのか、お前らっ!〉

「えっ…あ、あのっ…」

どうすれば良いのだろう。
このまま頭に浮かんだ言葉をそのまま口にしては、確実にボロが出る。

そう思ってしまうと口が動かなくなり、瞳には涙まで浮かんできた。

「…こんな朝っぱらから、近所迷惑もほどほどにしてください」

そんな晴香に助け舟を出したのは、今の今まで寝ていたはずの八雲。
晴香から携帯を取り上げたかと思うと、ベッドの上に座った。

裸で座っていることもあり、その姿は変質者に近い。
けれども、今の八雲にはどこか頼りがいがあった。

「僕らが付き合っている?…熊には妄想癖があるんでしたっけ?」

寝起きなのに、どこからこの皮肉が出てくるのか、謎で仕方なかった。
それよりも、そこまで否定されると逆に悲しい。

後藤の怒鳴り声が、晴香まで届く。
だが、何を言っているかまでは分からなかった。

「…熊は熊らしく、川で鮭でも取ってはいかがです?」

どんな会話をしているのか気になって、携帯に耳を寄せる。

〈んなことはどーでも良い〉

聞き取りずらいが、どうにか聞こえるから良しとしよう。

〈…なんでお前ら、一緒にいるんだ?〉

「課題を教えてくれって来てるんですよ」

〈こんな朝っぱらから?〉

「今日までが提出期限なんだそうです」

よくもまぁ、こうも次々と嘘が口から出てくるものだと驚きだ。

〈ってことは…お前の部屋にいるのか?〉

「そうですよ。こっちは朝っぱら起こされて……最悪な気分なんです」

〈………〉

やっと納得してくれたのか、スピーカーから声が聞こえなくなった。
安堵に胸を撫で下ろそうとしたとき…

〈…俺、いまお前の部屋にいるんだけど…〉

「………」

〈ちょ…待て。事件は良いから、お前らどこに…〉

ぶちっ…と、電話を切る八雲。
そしてそのまま、電源まで切った。

「や、八雲く…」

ん…と続くであっただろう言葉は、そこでぷつりと切れた。

熱い熱いキスをされて、ベッドに押し倒される。

「くそっ…元はと言えば、君が電話に出たのがいけないんだ!」

「え…ま、待って!八つ当たりは…」

「八つ当たりじゃない!」

怒鳴り声を上げた八雲は、苛立ちげに寝間着のボタンを外していく。

「待って!あれだけしたのに…」

「君が抱きついてきたり、裸で伸びたりするのがいけないんだ!」

「って…まさか狸寝入りしてたの!?」

「してたが、何か!?」

「っ…!?変態!スケベ!八雲君のえっちーっ!!」

「あぁ、僕はスケベで変態でえっちだ。だから…やらせてもらう!」

「開き直んないでよっ!」


その日、二人の携帯に着信できたものは誰もいない…


END。



八つ当たりの八は八雲の八ーっ!
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無題
後藤さんグッジョブ! 次の日には二人に鋭いツッコミをどうぞ(笑) 小説、毎日読ませて貰っています。風邪が流行っています。 体調に気をつけて下さいね
JUNYUU 2009/03/02(Mon)01:56:13 編集
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