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ちょ…どうしよう。
タイトルに何を書けば良いのかわからぬぇ…
と…とりあえず今日のお話についてを書こう。うん。そうしよう。

…タイトルは良いけど、ここに何を書けば良いんだ!!
今日のお話について書けば良いのかな?
ネタバレしない程度に書けば良いのかな?
ぐはーっ、むずかしい…

※シマちゃんさんへのコメントは、日記の方にて御返事します。


とりあえず、今日のお話をネタバレしない程度にカタレヤ!
斉藤晴香〜って、よく聞くけれど小沢八雲〜は聞きませんよねぇ…
多分ね、八雲は晴香と一緒にいられるなら名字なんて関係ないと思うんです!
なんてったって、奴は晴香ラヴですから!!

…あんまり語れなかったorz
ま、まぁね。少しずつ馴れてけば良いよね!

さて、刹那さんがまた新たなパロを始めたようです。

婿入り探偵八雲

別に、彼女と居られるなら名前なんてどうでも良かった。

良かったのだが…


「小沢八雲…」


改めて口にしてみると、なんだか落ち着かなかった。





彼女と付き合いだしてから、一生を共にしていくのか…とよく考えていた。

こんな僕のために泣いてくれて、笑ってくれて…愛してくれて。


あの頃は未来を予想して、一人楽しんだっけ。

でも。

でも、まさか…


自分が婿入りするとは、思ってもいなかった。


しかも、住居は長野県戸隠…彼女の実家。

職業…蕎麦屋の手伝い。



必要なものは、事前に送ったおかげで、荷物は少ない。
手持ちの荷物は、貴重品と…お土産くらいだ。

誰への?
彼女…ではなく、彼女と僕の両親への。

「良い?お母さんがからかってきても、無視していいから」

彼女の住む街に移動中のバスの中。
窓側に座った晴香から、そんな助言。

先ほどから、小沢家で暮らす際の注意事を聞かされていた。


お母さんの言葉は真に受けるな。

夜の営みについて聞かれたら、ノーコメント。

…すべてが母、恵子との接し方についてであった。


「ん…あぁ」

溜め息混じりの気のない返事を返し、通路側の八雲は足元に視線を落とす。


彼女の両親も、結婚することには許してくれた。
けれども、やはり気まずい。

何せ、自分でも認めるこの人間不信。
そして、義理だとしても両親が出来るということ。

新しい飼い主の家に行く子犬の気持ちだ。

「お母さんは良いとして…問題はお父さんだね…」

「………」

言われて、結婚報告をしに行ったときのことを思い出す。
一発目はパーで叩かれ、二発目はグーで殴られた。

お許しをもらったときには夜も更け、ついでに頬も腫れていた。

思い出すだけでも、頬が痛い。
痛みはとっくに治ったにも関わらず、冷たい手のひらで頬に触れた。

「…なんで、こんなに嫌われたんだ…」

口にするつもりはなかったが、ポロリと漏れた本音。

「やっぱり…この目が……」

そのまま肌を撫で、左瞼を指で触る。


恐れられ、忌み嫌われた僕の左目。

コンタクトを外しても、最近では余り恐れられなくなったが…
やはり、怖いという人はいるのだろう。

「………」

それが…彼女の父親。
だから、僕はこんなにも殴られたのだ。

そりゃそうだ。

彼女との間の子供が、僕みたいに目が赤い…という可能性は高い。

普通の生活を望む者には、僕は邪魔者…


そんな八雲の暗い思考を途切るように、晴香は腕を組みながら唸った。

「八雲君の目より…私がその目を“綺麗”って言ったのが原因かも…」

困ったように眉を八の字にし、苦笑を浮かべる晴香。
意味が分からないと眉を寄せ、晴香を凝視する。

「…なんだそれ?」

「お父さんね、私が好きになった俳優とか絶対嫌いだもん」

娘が好きになった異性は、誰であっても認めない。

そんな、一般的父親なのだろう。

「…で、君が好きな俳優って…誰だ?」

僕は、そんなの知らないぞ。
ちなみにだが、彼女に好かれる他の男なんて…僕も嫌いだ。

「八雲君とお父さん、似てるからすぐに仲良しになれると思うよ!」

八雲の問いかけを無視し、満面の笑みを浮かべる。
無視されたことも忘れてしまうような、そんな天使のほほえみ。

「……待て。似てるのか?」

「うん。私が言うのも何だけど…娘思いなところとか」

八雲君の場合、奈緒ちゃんだけどね。

そう言われて、結婚宣言しに言った時の一裕の顔を思い出す。
連鎖的に想像するのは、奈緒が知らない男を連れ「結婚します」という姿。

「………」

「ほら、そっくり」

「うるさい」

肘掛けに肘をつき、目をそらした。


バスの中には、一人の老婆と運転手しかいない。

誰の忘れ物か。それとも捨てたのか。
どこかの観光地のパンフレットが落ちていた。


「今までの街とは…大違いだな」

静かな雰囲気に堪えきれず、ぽつりと呟く。


今までの街でバスに乗ると、席に座れないこともあった。

それが、こうも人がいないと…
どこか知らない世界に連れて行かれそうな気がした。

「あ…次、降りるよ」

窓側の晴香が、停車ボタンを押す。
車内に設置された停車ボタンに、赤いランプが灯された。

足下に置いた荷物を膝の上に乗せ、降りる準備は万端。

「そうだ!」

忘れ物をしたかのように声を上げる晴香を、横目で窺う。

「寂しくなったら、いつでも言ってね?」

「…は?」

真意を訪ねる前に停車し、晴香に押されるようにしてバスを降りた。
ドアが閉まり、振り返りもせず去っていくバス。

初めはバスの排気ガス臭かったが、みるみるうちに浄化されていく。

まるで森の中にいるかのような、心地よさ。
つい深呼吸をしてしまうのも、無理はない。

「あぁー…空気がおいしい…」

「そうだな」

僕としては、君が作ってくれたカレーライスの方がおいしい…とは言えない。

いや、それよりも君が一番おいしい。

昨日も、引っ越し前夜だというのに、おいしく食べさせてもらった。

味付けは何もせず…そのまま生でがぶりと。

あの時の思い出を味わいたくて、晴香の手を取った。

「やっ…八雲君?」

「…なんだ?」

手を離して欲しいのか、目で訴えてくる。
だが、それに気付かないフリをして、ますます強く手を握った。

すると、それがスイッチだったかのように、赤くなる晴香の頬。

「うぅ…誰が見てるかわかんないんだから…自重してよ」

「誰もいないじゃないか」

「もう…ばかっ」

目を伏せた晴香から荷物を奪い、彼女の…僕らの家に向かう。

結婚報告後も、何度か来ていたので、道はだいたい覚えている。


「ここが…僕が暮らす街…」

「分からないことがあったら、いつでも言ってね?」

「…了解」

はっきり言って、わからないことだらけだ。

「ゆっくりゆっくり…覚えてけばいいからね?」

「あぁ…」


彼女と一緒なら、何もかも、乗り越えられるような気がした…





END。



戸隠ってどんなとこなんでしょうかねぇ…
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無題
すっごい山の中ですよ。
コンビニに車で行ったり、隣の家まで徒歩何分とかかかるくらい離れていたりします。
戸隠は・・・ 2009/03/07(Sat)22:09:53 編集
無題
こんにちは。。

新しいお話ですねウキウキ
晴香ちゃんのお父さんがついに登場?!
続き楽しみにしてます☆
TOMO 2009/03/08(Sun)13:16:59 編集
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