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ですね!学校の桜を見て思い出しました。
「花見ネタ書いてぬぇ!!」ってね。

あ、拍手御礼で書いてましたね!
って言っても、花見話と言えるほどの花見話ではなかったのですが。
もう一話くらい花見話が書きたい…

今年は、神レベルの某お方様の桜の花びらが口に入るお話が…ね。
強烈過ぎました!!もう、今年の春はそれで乗り越えられる気がした!!
花粉症とか、妄想癖とか!!妄想癖は治らなかった!!
いや、春はまだこれからだ!!

今年は花見に行けませんでした…正しくは、今年「も」なんですけどね。
数年前までは、自転車走らせて河原の桜見に行ったなぁ…
花見って、行っても結局人だらけで…席も取れなくて…あまり良い思い出がない^^
まぁ…でも、桜見るだけでも花見だしね!

なので、ちょっと離れた小川に行くのが一番でした。
何故かそこは人が少ないんですよねぇ…
お花見って言っても、お菓子持って友達と秘密基地作って遊んで…
結局いつも通りでしたねww


さて、お花見話。
八雲は花見が嫌いそうな気がします。

恋人未満

桜の木の下。


僕は、寄りかかるように一人寂しく座っていた…



花見の場所取りのために。





大きく広げられたブルーシートの上に、足を伸ばして座る八雲。
ひらひらと舞い落ちる桜の花びらを見ては、溜め息を吐いていた。

「…なんで僕がこんなことに…」


今日もまた、のんびりと寝坊でもしようかと思った今朝。
携帯電話がうるさく鳴り響き起こされた。

後藤からならば無視したところだが、相手はあのトラブルメーカー。
ここで無視をして、後に事件に繋がったら大変なので…仕方なく出た。

そのお喋りな口から出たのは、「花見をするから、場所を取っといてくれ」…

用件だけを口にし、切れたかと思いきやの来客。

朝っぱらから誰だ…と思えば、ついさっきまで電話をしていた小沢晴香…
文句の一つを言おうとした前に、ブルーシートを押しつけて帰っていった。

…無視をしても良かったのだが、後に文句を言われたら面倒くさい。


そんなわけで、僕はここにいる。

随分と大きなブルーシートだが、他に誰か来るのだろうか。
脳裏に、後藤夫妻と今はあの家に暮らす奈緒の姿が浮かんだ。

「あいつら…か」

ポツリと呟いた八雲は、桜の木に寄りかかる。


人の集まる場所に、霊も集まる…

お花見シーズン真っ盛りの公園には、人が山のようにいた。
その中にいる霊も、同じようにいっぱいいるが…
普段と違うように見える。

「あいつらが酔うわけないのにな…」

苦笑を浮かべ、空を見上げるように上を見上げた。
桜の花びらが、風に揺られてヒラヒラ舞い落ちる。


桜を見て思い出すのは…

「先生…」

口にしてから気恥ずかしくなり、溜め息を吐きながら俯いた。

僕には、桜に良い思い出はない…ということ。


本来なら、今すぐにでもこの場から立ち去りたい。

けれど、立ち上がろうとする度に浮かび上がるあいつの顔。
そのせいで、立ち去ることができないでいた。

「ったく……君はどこまで僕に迷惑をかける気だ…」

「誰がいつ、八雲君に迷惑かけたのかしら?」

その声に、なぜか胸が高鳴り、ゆっくりと顔を上げた。

そこにいたのは、春らしいワンピースを着た晴香の姿…

「…思い出すのも嫌になるくらい、迷惑かけられた」

「もうっ!結果オーライなことばかりだったんだから良いでしょ?」

不満を口にしながら、手にした大きなクーラーボックスをブルーシートに置く。

「結果が悪くなったことの方が多い気がするが?」

「それにしても…」

しっかり口にしたはずなのに、まるでその話は終わったみたいにスルーされた。

「ちゃんと場所取りしておいてくれるだなんて…珍しいね!」

子供みたいに無邪気に笑い、クーラーボックスを漁る。

「…取っておかなかったら、君がぎゃんぎゃんうるさいからな」

「私を犬みたいに言わないで」

そういうと、ビール缶を両手にちょこんと隣に座ってくる。
拳二個分の距離に、何故か胸が高鳴った。

「飲む?」

「飲まない」

ぐいっと押し返し、目が合わせられなくなってそっぽを向いた。


…一体僕は、この距離間に何を感じたのだろうか。

「じゃ、酎ハイ飲む?」

「…その辺ぶらぶらしてくる」

正体不明の気まずさに、これ以上こいつと居たくなくて…
立ち上がった。

「えー!これから敦子さんがご馳走持ってきてくれるのにーっ」

「やっぱり来るのか…」

予想通りのことに苦笑を浮かべ、止まっていた足を動かそうとする。
その瞬間、がしっと足に何かがしがみついてきた。

「こんなとこに、乙女を一人にする気っ!?」

「乙女なんてどこにいる」

「こ・こ・で・す!ここっ!」

自称乙女を無視し、振り払おうと必死になる。

「…知らないわよ?こんなとこに乙女一人残して…」

払おうと必死になる足に、ぐいっと胸が押しつけられる。

「知らない男にナンパされて連れて行かれちゃうかもよ?」

これがCなのか…と考える自分に自己嫌悪。
なんだか歩く気にもなれず、晴香の隣に腰を下ろした。

シートの上に置かれた酎ハイを手にし、プルタブを開ける。

「本当はねー、後藤さんちと一緒に来る予定だったの」

「…一緒に来れば良かったじゃないか」

ちらりと横目で晴香を見、酎ハイを一口飲む。

「でも、早く八雲君に会いたいから、きちゃった」

語尾にハートマークが聞こえたのは、僕だけであろうか…
いや、それよりも先に突っ込むべき場所があるだろう。

気付いたときにはもう遅く。
顔が燃えるように熱かった。

「…この酔っ払いめ」

「酔ってませーん!」

いつの間にか一本飲み終え、二本目のビールに手を伸ばす。

「…ほどほどにしとけよ」

「はーいっ」

りょーかいっ!と敬礼を決める辺り、酔っ払いであることを証明した。

呆れて溜め息を吐き、桜の木に寄りかかる。


することがなく、酎ハイを一口飲んで上を見上げた。

けれど、上を見ても、することは見つからない。

そのとき、ひらりひらりと舞い落ちた花びらが、口の中に入ってきた。

「んむっ」

取りだそうと懸命になるも、花びらは見つからない。

「八雲君…楽しくない?」

「は?」

振り返ると、触れそうなくらい近くにいる晴香。
慌てて後ろに下がろうとしたが、間に合わず頬に触れる指。

「なんだか、こわい顔してる」

いつもはおっちょこちょいで鈍感なくせに、こんなときだけ鋭い彼女。

その綺麗な瞳を見ていると、嘘を吐きたくても真を吐きそうになる。

「…花見は、嫌い…だからな」

「どうして?」

それに、微かな酔いも回っていたのだろう。

「見たくないものが見えるし、嫌なことは思い出すし…」

正直、やけになっていたのかもしれない。

「じゃあ…さ」


今になって見つけた、桜の花びら。

それを舌で押しだそうとしたとき…


「私が、良い思い出を上書きしてあげる…」


花びらには無い柔らかいものが、唇に触れた。


「きっ、君は酔ってるだろっ!?」

驚きのあまり、出しかけていた花びらを飲み込みそうになった。

そんな八雲なんか知らずと言うように、首に腕を回し、擦りよってくる晴香。

「ちゅーするとね〜、しあわせになるんだよぉ〜」

「そんなことよりっ…離れろ!」

桜より桃色気分な晴香を押し返そうとするが、全くと言って良いほど離れない。

僕の顔は、きっと桜よりも桃色で…真っ赤であろう。

「あーでもー、私はやくもくんぎゅーってする方がしあわせ〜」

「知るか!君の幸せの基準なんかっ」

落ち着こうと深呼吸を繰り返すも、それは溜め息となって出てきた。

「ちょっと早く来てみれば…楽しそうなことしてるじゃねぇか」

そんな嫌な笑い声に顔を上げれば、にやついた後藤の姿。
隣には幸せそうに微笑む、敦子と奈緒もいる。

「…何が楽しそうなんですか。…早くこの酔っ払いを退けて下さい」

頬の熱さが引いてきてくれたのが、まだ良かった。

「寝てる奴を起こしてまで退けたくねぇよ」

「……?」

その言葉に見てみれば、晴香は気持ちよさそうなくらい寝ていた…

「ラブラブな二人はほっといて、お花見始めちゃいましょ」

「おぉ、そうだったな」

クーラーボックスから、飲み物を出して並べる敦子。
目が合った刹那、変な意味がこもった笑みを向けられた。

“ラブラブ”を付けるところからして、絶対ワザとだ。

「…まったく」

溜め息を吐き、口の中の花びらを指で取る。

「ぅん……やく…」

半開いた口から出てくる言葉。

「………」

花びらをしばらく見つめ、それを彼女の唇に押しつけた。

「そのお喋りな口、しばらく塞いどけよ」

息苦しそうに眉を寄せた晴香を見て、八雲は小さく笑った。



僕は、とっくのとうに“幸せ”に上書きされている。



END。



そして、来年くらいには、発情期に襲われる…と。
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コメント
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無題
酔っぱらい晴香が可愛いですよ!!
さすが!刹那さんは八雲をわかってらっしゃる(笑)
来年…発情…
…ありです!!ぜひ来年版もお願いします!
シマちゃん 2009/04/10(Fri)22:04:19 編集
無題
酔っ払いの晴香・・・・つまりは目がトロンとしていてちょっと目がウルっとしていて
ポワポワな感じな雰囲気を出している訳ですね
あ~~~八雲に嫉妬www
来年版では二人っきりのお花見になることを楽しみにしています!!
光と影 2009/04/10(Fri)22:55:15 編集
無題
酔っ払い晴香ー!!
せ、刹那たんしゅてきぃ・・・!!!
来年は発情期・・・。
確実にお持ち帰りされる晴香ですね!
来年はぜひ大学の桜でお花見を!(部室近いから
色七東 2009/04/10(Fri)23:24:18 編集
自己紹介
あー、自己紹介してませんね。
・中3
・女
・少年誌好き
・ラノベも少々
・子ども好き(小3以下が特に)
・獣好き
・ラッドウィンプス好き

よろしくでーす
めめ 2010/07/01(Thu)00:22:42 編集
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