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満点+5点なだけなのに、凄く幸せな気分になります。
え?私ですか?…105点なんて取ったこと無いですよ^^

新しいパロとか書きたいです…前々から言ってた、シスター&狼男だとか。
狼さん(by.赤ずきん)も、実は狼男だった〜とか考えてたんですよ。
満月の夜だけ、狼になる〜とかね。でもすっかり忘れてた。

あれですね!猫と中身が入れ替わってしまった八雲のお話とか書きたい。
八雲の身体には猫が入ってるから、べたべた晴香に甘えちゃって…
それで、猫の八雲は嫉妬しちゃうとかね!でも一緒にお風呂に入れさせてもらったり!!

今日のお話は、はりゅかっかです。
何だかんだで、一番書きやすかったりします!
なんというか…身近な下らないネタを、そのまんまお話に出来るので^^


今日はお勉強です。
お勉強な晴香です。

きょうのはるか

参考書を資料にレポートを進めていく八雲。

そんな八雲を、向かい側から眺める未確認生物が一人…

タオルをくわえ、じーっと八雲のことを見つめていた。


「やきゅーもきゅん」

口を開けた拍子に落ちるタオル。

慌てて畳の上から拾い上げると、どんと机の上に乗せてくる。

「………」

どんと置かれた瞬間、振動によって曲がる字。

しかも、タオルが参考書の上に乗り、見れたもんじゃない。

「やきゅー…もっきゅん!」

曲がった字を消し、新たに書こうとしたら、続いて第二派。

「………」

八雲は無言で消しゴムを手にすると、それをノートではなく晴香に構えた。

「やーきゅーっ!」

自分の方を向いてくれたのが嬉しいらしく、目を輝かせ尻尾を揺らす。

そんな晴香に向かって、八雲は容赦なく消しゴムを投げた。

「きゅっ」

ぺちんと音を立て、ぺたんと尻餅。

跳ね返ってきた消しゴムは、机の上で何度か転がり止まる。

「……どうした?」

「おでこ……いたいいたい」

ポカーンと口を開け、小さな額を撫でている。

どうやら、僕が投げた消しゴムは、晴香の額に当たったらしい。

「…きっと、うるさくしてたからバチが当たったんだな」

「ばち?」

「あぁ、バチだ。…痛い思いをしたくないなら、静かにしてろ」

「らじゃー…」

しばらく納得いかないという顔をしていたが、三分もしたら上機嫌だった…





「なに…ちてる、のー?」

膝に入り混み、レポートと八雲を交互に見る。

「勉強だ。勉強」

「おべんと、ちってる!おちゃんぽ!」

もちかちて…おちゃんぽ?
期待が籠もった純粋な目での、キラキラビーム。

「弁当じゃない…べ・ん・きょ・う!…だ」

「べ・ん・きょ!…だっ!」

「…正解」

後ろから頭を撫で、止まっていた手を動かし出す。
少しやりにくいが、やらない訳にはいかない。

「べんきょ…」

シャーペンを持つ手に伸びる手。
逃げるように八雲は、シャーペンを持つ右手を挙げた。

それを追いかけるようにやってくる眼差し。

「べんきょー…」

「お勉強…でも良いぞ」

無いだろうが、もし人様に出会ったとき、悪い印象を持たせないように。

くるりと身体を半回転させ、八雲の膝に跨るように座る。
パタパタ揺れる尻尾に、嫌な予感がした。


「お、べんきょー…はりゅ…も、ちたい!」

「無理だ」


言われるであろう言葉を予想し、八雲は即答で断った。
断られた晴香は、ぷくーっと頬を膨らまし不機嫌を表す。

「はりゅも!べんきょ、ちゅる!」

「君に出来るわけがないだろ」

「でけるもん!」

「でけるじゃない。できるだ」

「でけっ…できるもん!」

「無理だ」

一文字に結んだ口が、段々とへの字に歪む。
ついでに言うと、眉も八の字に歪む…
そして、うるうる潤む瞳。

「でけるもんっ!」


そう言うと八雲に背を向け、机に転がっていた鉛筆を手に取り…

レポートに力任せに何かを書いていった。


「ちょ…待て!」

慌てて晴香の脇に手を入れ、高い高いをするように持ち上げた。

「きーっ!ききぃー!」

「………」

机の上のレポートには、大きな丸が何重にもなって描かれていた…



「はりゅ、べんきょーちゅるー!」

「…まったく」

深い深い溜め息を吐いた八雲は、一旦晴香を置く。
すかさずレポートに駆けていったので、晴香の届かない机の真ん中にずらす。

「おーべーんーきょー!」

一生懸命に手を伸ばすも、レポートには届かない。

机の上には乗らないとしつけてあるので、たぶん取られる心配はないだろう。

晴香がレポートと戦っている隙に、学校に持って行っている鞄を引き寄せた。

その中から、いらない紙を探す。裏面が白い…

「…あった」

いつだったかもらった、サークル勧誘のチラシ。
サークルには入る気のない八雲には、まったく関係のないもの。

「おい…」

顔を上げて晴香に目を向けると…

「うぢぅ…」

諦めずにレポートに手を伸ばす晴香と目があった。
そんな晴香に、八雲は手招きで呼ぶ。

あんなにもレポートに夢中だったのに、あっさりたたた…と駆けてきた。

「よんだ?」

「呼んだ」

ちょこんと、ご丁寧に正座で座る晴香。
アホみたいに半開かれてる口に、指でも突っ込んでみたい。

いつだったか、息を吹きかけてやったら「ぷいぷい」怒られた。

「…ほら、斉藤先生からの宿題だ」

「ちゅきゅ…?」

「宿題。…決められた勉強を、決められた期間までにやってくることを言う」

「ちゅきゅだい…」

理解していないらしく、首を傾げる。

「…実際やった方が早いな」

先ほど鞄から出した、サークル勧誘のチラシを晴香に渡す。

チラシを渡された晴香は、くるくる回して理解しようとしていた。
だが、残念なことにくるくるでは理解出来ない。

「…こっちの、裏が白い方を使うんだ」

「ちろ…は、いろ!」

「…よく覚えてたな」

「ちゃちゅいろ!」

着ている八雲のシャツを、持ち主である八雲に見せつけてくる。

「……正解だ」

そう言い、ペンケースを漁る。
シャーペンは色々と危なさそうなので、先が丸くなった鉛筆を晴香に渡した。

「?」

「鉛筆って言うんだ。さっき使っただろ?」


僕の…やりかけのレポートに。


「えんぴちゅー」

「…それで、この紙に…そうだな……」


なんだか、幼稚園の先生になった気分だ。

いろんなものに興味があって、すぐに人がしていることを真似したがる…

…もしかして、こいつが「べんきょーちたい」と言ったのは、僕の影響なのか?


「これも、これも…かみ!」

晴香はというと、サークルのチラシと、自分の髪を交互に見ていた。

「よし。…その紙に、好きなものを描け」

「ちゅきな…」

描くものを見つけたのか、耳がピンと跳ねた。

「提出期限は……そうだな、僕のレポ…宿題が終わるまで。…わかったか?」

「らじゃ!」


びしっと敬礼を決めた晴香は、早速チラシの裏に何かを描き始める。


力強くぐーで握られた鉛筆を見て、八雲は小さく笑った…





「終わった…」

大きく伸びた途端、背骨の音を聞く前に、ぐいと紙を押しつけられた。

「でけた!」

キラキラ輝いた瞳と、パタパタ揺れる尻尾。

「どれ…」

晴香から紙を受け取った八雲は、眉を寄せた。


丸でほとんど描かれたそれ。

歪んだ大きな丸に、歪んだ小さな丸。

…“それ”が何か、八雲には到底理解出来なかった。


「てんちゅ!てんちゅっ!」

「てんちゅ?」

教えた覚えのない言葉に、眉間にしわが寄る。

「てんちゅう!」

「てんちゅう……てん、つ…いや、てん…すう?」

点数か…

どこで覚えてきたのか知らないが、点数でもやろう。
“それ”が何かは分からないが。


赤のボールペンを出し、紙の隅に点数を書いた。

「ほら」

返却をするが、文字の読めない晴香は、きょとん顔。
文字が読めないくせに点数を強請るとは…よく分からないやつだ。

「100点だよ」

「ひゃ…ひゃきゅ…」

「一番良い点数だ」

「!」

信じられないと、頬に書いた晴香。
正直、僕も信じられない。

だが…その頑張りに、100点をあげたかった。


「それにしても…なんだこれは」

「………」

分からなかったことに怒ったのか、突然ふぐみたいに膨らむ頬。
膨らまされても、分からないものは分からない。

僕は、うまさではなく頑張りに100点をあげたのだから。

「ぢぅ…ぢぢっ」

机の上に置いてあった赤のボールペンを手に取り、紙に丸を描いた。

「?」

「やきゅもきゅん!」

「なんだ?」

呼ばれたから返事を返したというのに、不満足だと地団太を踏んだ。


「はりゅは、やきゅもきゅん…が、ちゅきなのっ!」


「!」

突然の告白に、何故か胸が高鳴った。

告白されたことなんて、何度だってある。

こんな幼いやつを、恋愛対象としてなんか見ていないはずなのに…


この胸の高鳴りは、始めての感情であった。


頬をほんのり染めた晴香から、無理矢理赤ペンを奪う。

そのまま“100点”を横線で消した。

「きゅ?」

「訂正、だ」

消された100点の上に、数字を書く。

そして、それを晴香に返した。

「…なに?」

「100点より下だ」

「きゅ!?」

“下”と言われた晴香は、ショックなのか丸ばかりの絵を見つめた。





「…次は、もっとうまく描けよ」

「らじゃ…」





100点の上に書かれた数字は…


“105点”…





次回こそは100点を取ると誓った、晴香ちゃんなのでした。



END。




105点ってなんかすてきな響き…
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