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腕時計買いました!いや…随分と前なんですがね…
うん…前過ぎました。

ちなみに、布っぽい生地です。
ビニールとかアルミ(?)だと、痒くなるんですよねぇ…
痒いと言うか、むずむずするというか。
そのうち忘れて、埃が積もった初代腕時計くんが部屋に飾られています^^

あ!久しぶりの浮上でしたね…
なんだかもうぐだぐだなのです。←結論
ふがふがふぬーんっ!!


ってな訳で、腕時計話です。
いやね、男女ペアルックな腕時計見つけたもんで…

新婚設定

「ねぇ…」

「ん?」

「いま、何時?」


これは…


「午前の…十時三十五分だな」


のどかな、斉藤家の休日のお話。





膝の中に収まるようにして座る晴香が、それを聞いて幸せそうに微笑んだ。

時間を教えてあげただけだというのに、この喜びよう…
普段ならば呆れているのだが、今回は同感し、共に微笑んでいる自分がいた。

「…じゃ、僕からも聞こうかな?」

彼女の細い手首を手に取り、長袖のシャツを捲ろうとする。

「もう!私が見るの!」

だが、上から乗せられた手によって塞がれてしまった。
大人しく手を退け、彼女の腰に手を回して抱き寄せる。


細くて、今にも折れてしまいそうな身体。

そんな身体だから、優しく抱きしめなくてはいけないのに…

つい、彼女を求めて、力強く抱きしめてしまう。


「…じゃ、改めて時間を聞こうか?」

彼女の身体を充分に堪能してから、八雲は晴香に訪ねた。

それを聞き、嬉しそうに無邪気な笑みを浮かべる晴香…
その笑みを見ただけで、心がきゅんとした。

「…まったく」

…こっちの事情も察して欲しいものだ。

「えーっとね。えーっとね」

晴香は長袖のシャツを捲ると、腕に巻かれた八雲と同じものに眼を落とす。

「十時…三十五分!」

見上げてくる晴香越しに見える、時計盤に刻まれた時刻。

八雲は小さく笑うと自らの袖も捲り、晴香の腕に腕をくっつけた。


同じ“十時三十五分”を差す、二本の腕時計。


「…おんなじだな」

「時間も…時計も、ね!」



二人の腕には、それぞれ腕時計がぐるりと巻かれていた。


お揃いの茶色のレザーベルト。

お揃いの輝く銀色の文字盤。


そう…それは、ペアルックの腕時計であった。


男性用と女性用のため、ベルトの太さは違うが…
チクタクと時を刻む二つの秒針は、同じ時を刻んでいた。

秒針までも、同じリズムで同じ秒を刻んでいる。



「てへへ、八雲君とお揃いーっ」

八雲の胸板に寄りかかり、見上げるように八雲を見る晴香。

「お揃いが、そんなにうれしいのか?」

頭に顎を乗せ、腰に腕を回して引き寄せる。
ふわりと匂ったシャンプーの香りを求め、晴香の髪に顔を埋めた。

「嬉しいに決まってるじゃない」

そう言うと、晴香は空に向かって手を伸ばした。
…室内にいるため、空というより天井にだが。

「八雲君は嬉しくないの?」

「……嬉しいに、決まってる」

伸ばされた腕に見とれていたため、少し返事が遅れた。

「…買って良かったか?」

この不景気の中、ペアルックの腕時計を買うというのは、少々痛かった。
現に、斉藤家では節約生活真っ只中である。

一番苦労しているのは、奥さんである晴香…

「うんっ!」

大きく頷かれたため、埋めていた髪から肩にずり落ちる。

「………」

思っても見なかった返事に、しばらく硬直していた。
溶けた頃には悔しさが溢れ、彼女の首に顔を埋めた。

「くすぐったいよぉ〜」

「もっとくすぐったくしてやるよ」

小さく笑い、腰に回していた手で、わき腹を小刻みに擽ってやる。
ピクンと可愛らしい反応の後、「ぶはっ」と噴きだした。

「ちょっ、やっ…くん!」

「僕はやっくんなんて名前じゃない」

「やだぁっ!や、やめっ…」

「やめない」

「やめ、…じゃなぃっ」

「やめないで欲しいのか?」

くすりと笑い、晴香の首を一舐め。

「やめてほしーのーっ」

笑いを堪えるように…
もしくは堪えきれず、八雲にもたれ掛かるように擦り付く。

「………」

細いくせに柔らかな身体…
これが、女性特有という柔らかさなのだろう。

耳たぶを摘んだみたいな…
少し脂肪が付いてきた腹を摘むような、そんな感触だ。


「ぎ、ぎぶ〜っ」

いつの間にか向かい合わさるように、膝の中にいる晴香は…
八雲の首に手を回し、何かを堪えるように擦り付いていた。

「………」

無意識に柔らかな胸を押しつけられ…

腕の中で涙まで浮かべて堪えられては、理性が崩壊し始めて…


ついつい、イタズラをしたくなってしまった。


「……えい」

「ひゃうっ!?」

わき腹を擽っていた手を、するりと上に滑らせた。
ピクンと跳ねる晴香を見て、ニヤリと笑う八雲。

「や、やくもくん…?」

「なんだ?」

揉むことはせず、焦らすように正面から柔らかな胸を撫でる。

「な……なに…してる、の…?」

自分が置かれている立場に気付いたらしい。
一刻も早く離れたいらしく、頬を染めながら身体をもじもじとさせる。

「…ご想像にお任せします…っと」

一瞬、晴香が気を抜いたのを見逃さない。

「!」

晴香の身体の下に手を滑り込ませ、その身体を抱き上げた。

「やっ、やくもくん!」

「なんだ?」

「何してるのよっ!」

「ご想像に…」

「任せられません!」

ジタバタともがき、何としてでも八雲の腕から逃れようとする。



…捕まえた獲物は逃がさない。


それが、僕の座右の銘だ。


「僕がそう簡単に、君を逃がすとでも思ってるのか?」

「おっ、思ってないけど……でも!」

続くであろう言葉を塞ぐように、ベッドの上に落とす。
「きゃ」だか「ひゃ」だか、短い悲鳴を上げて落ちる身体。


…こいつが現状を理解する前に、トドメを刺して置かなくては。


真っ暗な寝室の中、見えないのを良いことに、八雲は不気味に笑った。

「はるか」

「っ!」

ベッドに上がり、獲物である晴香の上に馬乗りになる。
どうにかして離そうとしているのか、胸板を押してくる手。

その手を器用に絡み取ると、晴香の頭上に押しつけた。

「や…八雲君!」

暗闇に慣れてきた目が、ベッドの上の晴香を捉える。
見えない恐怖からか、あわあわと慌てふためいている。

堪えるように生唾を飲み、八雲は晴香の手首に目を向けた。

「まだお昼だよ!」

カーテンが閉まっているため、寝室は寄るみたいに真っ暗だけどな。

くすりと笑い、暗闇で光る白い手首に、そっと手をかける。

「愛し合うのに時間なんて関係ない…何度言えばわかるんだ?」

晴香の方はまだ目が慣れていないのか、キョロキョロ辺りを見渡すばかり。


その姿が、目隠しをされて震える小動物みたいで…


「かわいいよ」


食欲をそそった。





「ひゃっ!?」

「手首を舐めただけで、いちいち反応するな」

「な、なに!」

「……腕時計、外してるだけだ」

「なんで!?」

「傷つけたくないからに決まってるだろ…」

「っ…!」


時計よりも、君に…



END。



ペアルックってすてきだと思うんです…
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無題
お久しぶりです(日数的な意味で)

長らく更新がなかったので心配していました。
今回は随分とラヴ臭のする内容で見てるこっちが
(・∀・)ニヤニヤ してしまいました

色々大変な時期に差し掛かってきているとは思いますが、無理をなさらずに
光と影 2009/05/24(Sun)20:26:46 編集
無題
お久ぶりです!!
私はたまに、書く事から逃げてみたくなりますよ

新婚さんのラブラブにニヤケマスネ(笑)…そう言えば…自分もペアの時計を持ってたけど何処になおしたかな?
新婚すぎるとどうでも良くなりました(笑)
シマちゃん 2009/05/25(Mon)07:55:59 編集
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