×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
〜魔女っこ八雲の放流日記〜
…そんなサブタイトルないよ!
今回で書きたいお話、終わるかと思いましたが…
書ききれなかったーorz
お話、三つほどあげさせてもらいましたー…(ぼそり
それにしても、獣人パロ多いなぁ…と思う今日この頃。
狼さんにはりゅかに魔女八雲に…
あと晴香魔女の猫八雲。
八雲の獣人パロ多っ\(^o^)/
さてさて、まだまだ続く(と思う)よ!
魔女っこ八雲シリーズ!
魔女っこ八雲
…そんなサブタイトルないよ!
今回で書きたいお話、終わるかと思いましたが…
書ききれなかったーorz
お話、三つほどあげさせてもらいましたー…(ぼそり
それにしても、獣人パロ多いなぁ…と思う今日この頃。
狼さんにはりゅかに魔女八雲に…
あと晴香魔女の猫八雲。
八雲の獣人パロ多っ\(^o^)/
さてさて、まだまだ続く(と思う)よ!
魔女っこ八雲シリーズ!
魔女っこ八雲
「きゃぁぁああああっ!!」
前回までのあらすじを、一言にまとめろと言うならば…
雨の日に出会った黒猫が、目の前で全裸の成人男性に変化しました。
と言うのが、一番分かりやすく、尚且つ正しい。
甲高い悲鳴が聞こえて数十分。
晴香は、未だに現状を理解出来ないでいた。
「…暑い」
「我慢しなさい!」
目の前に座る男…
バスタオルでぐるぐる巻きにされた男に一喝。
すると、うるさいと言わんばかりに耳に指を入れられた。
「まったく…一体君はなんなんだ」
「それはこっちのセリフよ!」
もうお嫁に行けないっ…
焼けるように真っ赤な顔を両手で隠し、晴香は俯いて震えた。
怪我した黒猫に手当てをしてあげて、何気なく赤い瞳を見つめて…
“きれい”と言った途端、ぼん!…だ。
…マジックショーじゃないんだから。まったく…
抱っこをしていた猫は、いま目の前でふてくされる男に変わって…
全裸の彼に、私は最善の処置と、タオルでぐるぐる巻きにした。
「…暑い」
「なら、服を着なさいよっ!」
真っ赤な顔を隠すように俯き、大声で怒鳴りつける。
タオルがそんなに嫌なら、服を着れば良い。
「……着たら、取っても良いのか?」
「そりゃ、着たら取っても良いけど…」
ここに、彼にピッタリの服などある訳がない。
「…よし」
おもむろに立ち上がる姿に、視線が追いかける。
だが、タオル一枚と言うことを思い出し、慌てて目を伏せた。
やけに白い肌と、やけにきれいな赤い瞳。
…もしかしたら、女の子なんじゃないか。
そんな考えが浮かび上がり、いつの間にか溜まっていた唾液をごくり。
恐る恐る視線をあげる。
「服……服…」
ぼそぼそと、眉間を叩きながら呟く彼。
…やっぱり、正真正銘の男だ。
そんなに筋肉質な訳ではないが、雰囲気からして男である。
それに、猫から人へと変化したとき、確かに…
「…よし」
やけに自信に満ちた声で、晴香の思考は中断された。
す…と静かに腕を上げたかと思えば、中指と親指を合わす。
パチン。
乾いた音が部屋に響いた。
…彼は、一体何がしたいのだろうか。
顔を覆う指の隙間から、その様子を眺めていた晴香は小首を傾げる。
気付けば、ぼんやりと美しい姿に見ほれていた…
「…なんだ、気持ち悪い」
「きっ、気持ち悪いってね…っ!」
失礼極まりない発言に、声を上げたとき。
男の手から、タオルが離れた。
ひらひらと舞い落ちず、すとんと重力に任せて落ちるタオル。
裸にタオル一枚の男のはずだ。
悲鳴を上げるのが普通のはずなのに…
「……?」
その姿に、目を疑った。
タオルの下は、袖を通しただけの白いワイシャツと…
これまた足を通しただけのジーンズ。
「よし…サイズは丁度良いな」
…目の前にいるこいつは、一体なんだ。
「あなた…マジシャンか何かなの?」
シャツのボタンを、上から一つずつ止めていく男。
「あぁ、実はそうだ」
「嘘!」
「嘘だ」
「ばっ…ばかにしてるんですか!?」
こちらが怒っているのにも関わらず…
何事も無かったように、ジーンズのファスナーも締める。
「疑わない君が悪い」
「…じゃ、あなたは何なんですか?」
「普通、自分から名乗るものだろ」
誰も名前は聞いていない。
あなたは何なのか。
…それを聞いているだけだ。
「…疑うことを知らない、小沢晴香です」
「よく分かってるじゃないか」
そんなことに拍手を貰っても嬉しくない。
「…で、あなたは?」
「斉藤八雲。ただの魔法使いさ」
全て止めたボタンがキツいらしく、上から三つほど外す。
シャツから覗く鎖骨があまりにも綺麗で、つい見つめてしまった。
へぇ、魔法使い…ね。
……魔法、使い…
「えええぇぇぇっ!?」
本日二度目の晴香の悲鳴に、本日二度目の耳に指を突っ込む八雲なる男。
「…君は悲鳴を上げるのが趣味なのか?」
「ま、魔法使い!?」
急いで立ち上がり、整ったその顔に詰め寄る。
「嘘だ」そんなを解答を待ったが、八雲は溜め息で返した。
「…君は聞いていなかったのか?」
僕は魔法使いだ…って。
「し、信じられないもん」
心の奥底では信じていただろう。
だって、目の前で猫から人間に変わったり、服を出したり…
「信じるも信じないも、君に任せるよ」
ガリガリと髪を掻き回し、近い晴香を押し返そうとする。
だがどうしたのか、腹を抱えるように丸まった。
「っ……」
「…どうしたの?」
視線を合わせるようにしゃがみ込む。
どうやら、けがをしていた右手が痛むようだ。
包帯が取れかかり、血が滲んでいた。
「…ほら、かして」
そう言うと晴香は、返事も待たずに八雲の右手を手にした。
鳩が豆鉄砲くらったような表情の八雲を放り、救急箱から消毒薬を出す。
「…滲みると思うけど、暴れないでね」
「子供じゃないんだ。平気に決まってるだろ」
「…さっきは暴れたくせに」
八雲はそれっきり黙り込んでしまった。
うるさいよりはマシだと、晴香は消毒薬を塗る。
平気だ。なんて言っていたが、やはり滲みるらしく、右手に力が入る。
「…ごめんね」
「何か言ったか?」
「なんでもない」
包帯を巻きながら、晴香は八雲の手をじっと見つめていた。
数十分前は、真っ黒な手に同じことをしていた。
それが今となっては、真っ白な手に同じことを…
「……なんで、あんなところで倒れてたんですか?」
「追われてた」
「誰に?」
「内緒」
「じゃ、なんで怪我をしてたんですか?」
「内緒」
「……本当に魔法使いなのかしら?」
ぼそりと心の中で吐いたつもりなのだが…
ついつい口にしてしまった。
「………」
八雲がものすごい喧騒で睨んでくる。
怪しまれたくないなら、ちゃんと証明してもらいたいものだ。
「なら、君に魔法を掛けてやろう」
「へ?」
包帯を巻き終えてすぐのこと。
突然のことに、すっとんきょんな声が出た。
「間抜けな声だな」という感想がくると思いきや、八雲からの言葉は皆無。
代わりにやけに真剣な表情で、眉間を指で叩いていた。
「…よし」
すっ…と、白くて細い指が顔に近付いてくる。
すぐにでも指パッチンをしそうな雰囲気。
…私はいったい、どんな魔法を掛けられるのだろうか。
まさか、猫になっちゃうとか…
そう思った刹那。
白くて細い指が、ぺちんと額を叩いた。
これでは指パッチンじゃなくて、デコピンだ。
「…よし、終了」
「ど、どんな魔法を掛けたのよ!」
ひりひり痛む額を押さえる。
…デコピンだからって甘く見ていた。
意外にも痛いじゃないか。バカ野郎。
「君が僕に恋する魔法」
「…は?」
今日はこんな声を出してばかりだ。
…あと、悲鳴も。
「だから、君が僕に恋する魔法」
さっきまで普通に言葉が出ていたというのに。
一瞬にして、言葉を失った。
「なっ、ななな…」
君が僕に恋する魔法…
ってことは、私がこいつを好きになる…という訳なのか。
自分でも気が付かない間に、首まで真っ赤に染まった。
だが、発言者である八雲は眠たそうに欠伸をしては髪を掻くばかり。
「…ということで、今日は泊まらせてもらう」
「えぇっ!?」
いくらなんでも、展開が早すぎる。
あわあわと落ち着こうとする晴香を放り、八雲は指を鳴らした。
煙に囲まれた八雲は猫に変化し、ぱたりと倒れる。
「にゃー」
グーパーグーパーと、晴香の足を揉む猫の右手。
まるで「包帯を巻き直せ」と言っているようで…
「…わかりましたよ、化け猫さん」
取れ掛けた包帯を、晴香は再び巻き直した。
END。
にゃんこもみもみグーパーグーパー。
前回までのあらすじを、一言にまとめろと言うならば…
雨の日に出会った黒猫が、目の前で全裸の成人男性に変化しました。
と言うのが、一番分かりやすく、尚且つ正しい。
甲高い悲鳴が聞こえて数十分。
晴香は、未だに現状を理解出来ないでいた。
「…暑い」
「我慢しなさい!」
目の前に座る男…
バスタオルでぐるぐる巻きにされた男に一喝。
すると、うるさいと言わんばかりに耳に指を入れられた。
「まったく…一体君はなんなんだ」
「それはこっちのセリフよ!」
もうお嫁に行けないっ…
焼けるように真っ赤な顔を両手で隠し、晴香は俯いて震えた。
怪我した黒猫に手当てをしてあげて、何気なく赤い瞳を見つめて…
“きれい”と言った途端、ぼん!…だ。
…マジックショーじゃないんだから。まったく…
抱っこをしていた猫は、いま目の前でふてくされる男に変わって…
全裸の彼に、私は最善の処置と、タオルでぐるぐる巻きにした。
「…暑い」
「なら、服を着なさいよっ!」
真っ赤な顔を隠すように俯き、大声で怒鳴りつける。
タオルがそんなに嫌なら、服を着れば良い。
「……着たら、取っても良いのか?」
「そりゃ、着たら取っても良いけど…」
ここに、彼にピッタリの服などある訳がない。
「…よし」
おもむろに立ち上がる姿に、視線が追いかける。
だが、タオル一枚と言うことを思い出し、慌てて目を伏せた。
やけに白い肌と、やけにきれいな赤い瞳。
…もしかしたら、女の子なんじゃないか。
そんな考えが浮かび上がり、いつの間にか溜まっていた唾液をごくり。
恐る恐る視線をあげる。
「服……服…」
ぼそぼそと、眉間を叩きながら呟く彼。
…やっぱり、正真正銘の男だ。
そんなに筋肉質な訳ではないが、雰囲気からして男である。
それに、猫から人へと変化したとき、確かに…
「…よし」
やけに自信に満ちた声で、晴香の思考は中断された。
す…と静かに腕を上げたかと思えば、中指と親指を合わす。
パチン。
乾いた音が部屋に響いた。
…彼は、一体何がしたいのだろうか。
顔を覆う指の隙間から、その様子を眺めていた晴香は小首を傾げる。
気付けば、ぼんやりと美しい姿に見ほれていた…
「…なんだ、気持ち悪い」
「きっ、気持ち悪いってね…っ!」
失礼極まりない発言に、声を上げたとき。
男の手から、タオルが離れた。
ひらひらと舞い落ちず、すとんと重力に任せて落ちるタオル。
裸にタオル一枚の男のはずだ。
悲鳴を上げるのが普通のはずなのに…
「……?」
その姿に、目を疑った。
タオルの下は、袖を通しただけの白いワイシャツと…
これまた足を通しただけのジーンズ。
「よし…サイズは丁度良いな」
…目の前にいるこいつは、一体なんだ。
「あなた…マジシャンか何かなの?」
シャツのボタンを、上から一つずつ止めていく男。
「あぁ、実はそうだ」
「嘘!」
「嘘だ」
「ばっ…ばかにしてるんですか!?」
こちらが怒っているのにも関わらず…
何事も無かったように、ジーンズのファスナーも締める。
「疑わない君が悪い」
「…じゃ、あなたは何なんですか?」
「普通、自分から名乗るものだろ」
誰も名前は聞いていない。
あなたは何なのか。
…それを聞いているだけだ。
「…疑うことを知らない、小沢晴香です」
「よく分かってるじゃないか」
そんなことに拍手を貰っても嬉しくない。
「…で、あなたは?」
「斉藤八雲。ただの魔法使いさ」
全て止めたボタンがキツいらしく、上から三つほど外す。
シャツから覗く鎖骨があまりにも綺麗で、つい見つめてしまった。
へぇ、魔法使い…ね。
……魔法、使い…
「えええぇぇぇっ!?」
本日二度目の晴香の悲鳴に、本日二度目の耳に指を突っ込む八雲なる男。
「…君は悲鳴を上げるのが趣味なのか?」
「ま、魔法使い!?」
急いで立ち上がり、整ったその顔に詰め寄る。
「嘘だ」そんなを解答を待ったが、八雲は溜め息で返した。
「…君は聞いていなかったのか?」
僕は魔法使いだ…って。
「し、信じられないもん」
心の奥底では信じていただろう。
だって、目の前で猫から人間に変わったり、服を出したり…
「信じるも信じないも、君に任せるよ」
ガリガリと髪を掻き回し、近い晴香を押し返そうとする。
だがどうしたのか、腹を抱えるように丸まった。
「っ……」
「…どうしたの?」
視線を合わせるようにしゃがみ込む。
どうやら、けがをしていた右手が痛むようだ。
包帯が取れかかり、血が滲んでいた。
「…ほら、かして」
そう言うと晴香は、返事も待たずに八雲の右手を手にした。
鳩が豆鉄砲くらったような表情の八雲を放り、救急箱から消毒薬を出す。
「…滲みると思うけど、暴れないでね」
「子供じゃないんだ。平気に決まってるだろ」
「…さっきは暴れたくせに」
八雲はそれっきり黙り込んでしまった。
うるさいよりはマシだと、晴香は消毒薬を塗る。
平気だ。なんて言っていたが、やはり滲みるらしく、右手に力が入る。
「…ごめんね」
「何か言ったか?」
「なんでもない」
包帯を巻きながら、晴香は八雲の手をじっと見つめていた。
数十分前は、真っ黒な手に同じことをしていた。
それが今となっては、真っ白な手に同じことを…
「……なんで、あんなところで倒れてたんですか?」
「追われてた」
「誰に?」
「内緒」
「じゃ、なんで怪我をしてたんですか?」
「内緒」
「……本当に魔法使いなのかしら?」
ぼそりと心の中で吐いたつもりなのだが…
ついつい口にしてしまった。
「………」
八雲がものすごい喧騒で睨んでくる。
怪しまれたくないなら、ちゃんと証明してもらいたいものだ。
「なら、君に魔法を掛けてやろう」
「へ?」
包帯を巻き終えてすぐのこと。
突然のことに、すっとんきょんな声が出た。
「間抜けな声だな」という感想がくると思いきや、八雲からの言葉は皆無。
代わりにやけに真剣な表情で、眉間を指で叩いていた。
「…よし」
すっ…と、白くて細い指が顔に近付いてくる。
すぐにでも指パッチンをしそうな雰囲気。
…私はいったい、どんな魔法を掛けられるのだろうか。
まさか、猫になっちゃうとか…
そう思った刹那。
白くて細い指が、ぺちんと額を叩いた。
これでは指パッチンじゃなくて、デコピンだ。
「…よし、終了」
「ど、どんな魔法を掛けたのよ!」
ひりひり痛む額を押さえる。
…デコピンだからって甘く見ていた。
意外にも痛いじゃないか。バカ野郎。
「君が僕に恋する魔法」
「…は?」
今日はこんな声を出してばかりだ。
…あと、悲鳴も。
「だから、君が僕に恋する魔法」
さっきまで普通に言葉が出ていたというのに。
一瞬にして、言葉を失った。
「なっ、ななな…」
君が僕に恋する魔法…
ってことは、私がこいつを好きになる…という訳なのか。
自分でも気が付かない間に、首まで真っ赤に染まった。
だが、発言者である八雲は眠たそうに欠伸をしては髪を掻くばかり。
「…ということで、今日は泊まらせてもらう」
「えぇっ!?」
いくらなんでも、展開が早すぎる。
あわあわと落ち着こうとする晴香を放り、八雲は指を鳴らした。
煙に囲まれた八雲は猫に変化し、ぱたりと倒れる。
「にゃー」
グーパーグーパーと、晴香の足を揉む猫の右手。
まるで「包帯を巻き直せ」と言っているようで…
「…わかりましたよ、化け猫さん」
取れ掛けた包帯を、晴香は再び巻き直した。
END。
にゃんこもみもみグーパーグーパー。
PR
この記事にコメントする