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夏…夏と言えば、八雲の誕生日。
夏って何故か、管理人様方の誕生日が多いですよねぇ…
私もその中の一人だったりします^^
と言うより、夏生まれの方々が多い気がする…
友人も夏生まれですし、その弟くんも夏生まれ。
そしていとこも夏生まれ。
でも、夏生まれの悲しいのはなかなか祝ってもられないことですよ。
というか、誕生日を忘れられているというか…悲しすな。
さてさて。そんな夏生まれの八雲君。
晴香ちゃんに祝ってもらっているご様子です。
新婚設定
夏って何故か、管理人様方の誕生日が多いですよねぇ…
私もその中の一人だったりします^^
と言うより、夏生まれの方々が多い気がする…
友人も夏生まれですし、その弟くんも夏生まれ。
そしていとこも夏生まれ。
でも、夏生まれの悲しいのはなかなか祝ってもられないことですよ。
というか、誕生日を忘れられているというか…悲しすな。
さてさて。そんな夏生まれの八雲君。
晴香ちゃんに祝ってもらっているご様子です。
新婚設定
「出てって!」
奥さんにそう言われ、言葉通りに家から追い出された旦那さま。
普段ならば「出てけ」の言葉に、深く傷つくものの…
「………」
今日はどこか、嬉しかったりした。
なんてったって、僕の誕生日なのだから…
8月3日…
誕生日当日。
朝から叩き起こされて、些細なことで彼女が怒って。
「出てって!」と、追い出されて。
僕は素直に、それに従った。
理由は、昨年の同日に遡る…
楽しくなるはずだった、僕の誕生日。
ついさっきのように、些細なことで喧嘩して…追い出されて。
拗ねて帰ってきたら…
クラッカーを頭から被りながらのハッピーバースデー。
後から話を聞けば、誕生日会の準備をしたくて、僕を追い出したらしい。
「どうせ今年も…」
口が緩みむのを堪えるのに、精一杯だった。
さて、可愛い奥さまの準備は、いつ終わるのだろうか…
「お、八雲じゃねぇか」
幸せな雰囲気をぶち壊す、地に響くような声に、八雲は眉を寄せた。
無視する気満々に、歩く速度を早める。
「お兄ちゃん!」
だが、続けて聞こえてきた声に足を止めた。
振り返ると同時に、足に何かがぶつかってきた。
「奈緒!」
「よお、八雲!」
「久しぶり!お兄ちゃん!」
足にしがみつく奈緒を剥がし、しゃがみ込んで視線を合わせる。
「少し…大きくなったんじゃないか?」
「…おい」
「いつか、お兄ちゃんより大きくなるの!」
「聞いてんのか?」
「…そうか。頑張れよ」
「おいこら」
「うん!」
「聞けよ!」
上から響く、雷みたいな声に、八雲は耳に指を突っ込んだ。
「後藤さん。五月蝿いです」
「っ…てめぇが聞かねぇのがわりぃんだろ!」
「…そんなことより、朝っぱらから何なんですか?」
奈緒を抱き上げ、立ち上がる。
久しぶりに抱いた奈緒が重たくて、足がふらついた。
「ん、ちょっと買い物だ」
「敦子さんのご機嫌取りですか?」
「ちげえよ!…そういうお前はどうしたんだ?」
「僕は……」
開き掛けた口を閉ざす。
せっかくの誕生日。
熊なんかに邪魔されてたまるか。
「…散歩です」
奈緒を下ろし、欠伸をひとつしながら答える。
「んなこと言って、晴香ちゃんと喧嘩したんじゃねーのか?」
「どっかの熊と一緒にしないでください」
「っ…だから俺はだな!」
言い争う二人の間に入ったのは、奈緒であった。
「そうだよ!お父さんは、お兄ちゃんへの誕生日プレゼントを…」
「な、奈緒!」
後藤が慌てて奈緒の口を塞いだが、頭で喋る奈緒には効かず…
言い終えてから、奈緒の顔が青ざめていった。
「お、お父さん!早くお買いもの行こ!」
「あ、あぁ…そうだな!」
別れ際「また後でな」という言葉を聞いた…
日が沈みきった、夕方過ぎ。
家についた八雲が一番に見たのは…
「………」
旦那さまに向かって土下座をする、愛しい奥さまだった。
「ど、どうしたんだ?」
靴を脱ぎ捨て、晴香に駆け寄る。
「ごっ、ごめんなさい!」
だが、晴香が頭を上げることはなく…
八雲はその肩に触れた。
「…何があったんだ?」
「………」
またトラブルか?
トラブルを拾ってきたのか?
トラブルメーカーの奥様。
そんな彼女がトラブルを拾ってくることは、はじめから…
プロポーズしたときから、覚悟している。
だから…
「…怒らないから、正直に話せ」
口ごもる晴香の頭を撫でながら、八雲は一言口にした。
「…怒らない?」
八雲に促されるように、恐る恐る頭が上がる。
ちらりと見てきた瞳には、溢れんばかりの涙が浮かんでいた。
「あぁ、怒らない。約束する」
だから…話してごらん?
晴香の震える口が、きゅっと閉じた。
「あの、ね」
廊下だと言うことも忘れ、床に尻を付き膝の間に彼女を閉じこめる。
いつ、彼女に泣かれても、励ませるように…
だが、晴香の口から出された言葉に。
「ケーキのスポンジ…作るの失敗しちゃって…」
「………」
励ます気も失せた。
しばらく続いた静寂を破ったのは、旦那さまの溜め息声。
「…そんなことか」
正直、もっと深刻なものかと思っていた。
例えば、お揃いで買ったマグカップを割っただとか…
今度、一緒に見に行こうと約束した映画のチケットを捨ててしまっただとか…
「私にとっては…そんなことじゃないもん」
くすん。
「…せっかくの八雲君の誕生日なのにさ。…ケーキが無いなんて」
「…別に、誕生日だからって…絶対にケーキが必要とは限らないだろ?」
「そりゃそうだけどさ…」
去年、あんなに喜んでくれたじゃない。
誕生日なんて、年をとるだけだ。
って言ってた八雲君が、あんなに喜んでくれたじゃない。
「だから、今年も喜んでもらいたかったのっ…」
「晴香…」
彼女の瞳からこぼれ始めた涙は、止まることを知らず。
最善の処置というか何というか。
必然的に、僕は彼女を抱きしめた。
涙の後の抱擁タイム。
八雲は、晴香の髪を楽しむように撫でていた。
「…それにしても、君はいつまで経ってもドジだな」
「うっ…し、仕方ないじゃないっ」
腕の中の晴香が、僕の胸に顔を埋めながら見上げてくる。
「ドジでバカでマヌケで…トラブルメーカーで」
可愛くて、綺麗で…でもやっぱり可愛くて。
それは恥ずかしいので、省略させてもらった。
「そこまで言わなくっても…」
「僕の誕生日なんだ。たまには言いたいだけ言わせろ」
「………」
ぷっくり膨れた頬が、りんごのように赤く染まった。
上目遣いに染められた赤い頬。
腕の中の柔らかい身体…
それはまるで、ケーキのよう…
「……ケーキ」
「ん?」
「ケーキのトッピングは…無事か?」
「無事ってね…っ!大丈夫に決まってるでしょ!」
「そうか」
ならば。
「最高のスポンジケーキを見つけた」
最高のスポンジケーキには、何が一番合うのだろうか?
まぁ、どれを選んだって、メインは君だろうがな。
その日、後藤が誕生日プレゼントを渡すことは、出来なかったという…
END。
いや、思ってみれば誕生日企画でまともな八晴無かったな〜っと。
トッピング話、晴香編でした^^
ちなみに、一番合うトッピングは八雲の(ry
奥さんにそう言われ、言葉通りに家から追い出された旦那さま。
普段ならば「出てけ」の言葉に、深く傷つくものの…
「………」
今日はどこか、嬉しかったりした。
なんてったって、僕の誕生日なのだから…
8月3日…
誕生日当日。
朝から叩き起こされて、些細なことで彼女が怒って。
「出てって!」と、追い出されて。
僕は素直に、それに従った。
理由は、昨年の同日に遡る…
楽しくなるはずだった、僕の誕生日。
ついさっきのように、些細なことで喧嘩して…追い出されて。
拗ねて帰ってきたら…
クラッカーを頭から被りながらのハッピーバースデー。
後から話を聞けば、誕生日会の準備をしたくて、僕を追い出したらしい。
「どうせ今年も…」
口が緩みむのを堪えるのに、精一杯だった。
さて、可愛い奥さまの準備は、いつ終わるのだろうか…
「お、八雲じゃねぇか」
幸せな雰囲気をぶち壊す、地に響くような声に、八雲は眉を寄せた。
無視する気満々に、歩く速度を早める。
「お兄ちゃん!」
だが、続けて聞こえてきた声に足を止めた。
振り返ると同時に、足に何かがぶつかってきた。
「奈緒!」
「よお、八雲!」
「久しぶり!お兄ちゃん!」
足にしがみつく奈緒を剥がし、しゃがみ込んで視線を合わせる。
「少し…大きくなったんじゃないか?」
「…おい」
「いつか、お兄ちゃんより大きくなるの!」
「聞いてんのか?」
「…そうか。頑張れよ」
「おいこら」
「うん!」
「聞けよ!」
上から響く、雷みたいな声に、八雲は耳に指を突っ込んだ。
「後藤さん。五月蝿いです」
「っ…てめぇが聞かねぇのがわりぃんだろ!」
「…そんなことより、朝っぱらから何なんですか?」
奈緒を抱き上げ、立ち上がる。
久しぶりに抱いた奈緒が重たくて、足がふらついた。
「ん、ちょっと買い物だ」
「敦子さんのご機嫌取りですか?」
「ちげえよ!…そういうお前はどうしたんだ?」
「僕は……」
開き掛けた口を閉ざす。
せっかくの誕生日。
熊なんかに邪魔されてたまるか。
「…散歩です」
奈緒を下ろし、欠伸をひとつしながら答える。
「んなこと言って、晴香ちゃんと喧嘩したんじゃねーのか?」
「どっかの熊と一緒にしないでください」
「っ…だから俺はだな!」
言い争う二人の間に入ったのは、奈緒であった。
「そうだよ!お父さんは、お兄ちゃんへの誕生日プレゼントを…」
「な、奈緒!」
後藤が慌てて奈緒の口を塞いだが、頭で喋る奈緒には効かず…
言い終えてから、奈緒の顔が青ざめていった。
「お、お父さん!早くお買いもの行こ!」
「あ、あぁ…そうだな!」
別れ際「また後でな」という言葉を聞いた…
日が沈みきった、夕方過ぎ。
家についた八雲が一番に見たのは…
「………」
旦那さまに向かって土下座をする、愛しい奥さまだった。
「ど、どうしたんだ?」
靴を脱ぎ捨て、晴香に駆け寄る。
「ごっ、ごめんなさい!」
だが、晴香が頭を上げることはなく…
八雲はその肩に触れた。
「…何があったんだ?」
「………」
またトラブルか?
トラブルを拾ってきたのか?
トラブルメーカーの奥様。
そんな彼女がトラブルを拾ってくることは、はじめから…
プロポーズしたときから、覚悟している。
だから…
「…怒らないから、正直に話せ」
口ごもる晴香の頭を撫でながら、八雲は一言口にした。
「…怒らない?」
八雲に促されるように、恐る恐る頭が上がる。
ちらりと見てきた瞳には、溢れんばかりの涙が浮かんでいた。
「あぁ、怒らない。約束する」
だから…話してごらん?
晴香の震える口が、きゅっと閉じた。
「あの、ね」
廊下だと言うことも忘れ、床に尻を付き膝の間に彼女を閉じこめる。
いつ、彼女に泣かれても、励ませるように…
だが、晴香の口から出された言葉に。
「ケーキのスポンジ…作るの失敗しちゃって…」
「………」
励ます気も失せた。
しばらく続いた静寂を破ったのは、旦那さまの溜め息声。
「…そんなことか」
正直、もっと深刻なものかと思っていた。
例えば、お揃いで買ったマグカップを割っただとか…
今度、一緒に見に行こうと約束した映画のチケットを捨ててしまっただとか…
「私にとっては…そんなことじゃないもん」
くすん。
「…せっかくの八雲君の誕生日なのにさ。…ケーキが無いなんて」
「…別に、誕生日だからって…絶対にケーキが必要とは限らないだろ?」
「そりゃそうだけどさ…」
去年、あんなに喜んでくれたじゃない。
誕生日なんて、年をとるだけだ。
って言ってた八雲君が、あんなに喜んでくれたじゃない。
「だから、今年も喜んでもらいたかったのっ…」
「晴香…」
彼女の瞳からこぼれ始めた涙は、止まることを知らず。
最善の処置というか何というか。
必然的に、僕は彼女を抱きしめた。
涙の後の抱擁タイム。
八雲は、晴香の髪を楽しむように撫でていた。
「…それにしても、君はいつまで経ってもドジだな」
「うっ…し、仕方ないじゃないっ」
腕の中の晴香が、僕の胸に顔を埋めながら見上げてくる。
「ドジでバカでマヌケで…トラブルメーカーで」
可愛くて、綺麗で…でもやっぱり可愛くて。
それは恥ずかしいので、省略させてもらった。
「そこまで言わなくっても…」
「僕の誕生日なんだ。たまには言いたいだけ言わせろ」
「………」
ぷっくり膨れた頬が、りんごのように赤く染まった。
上目遣いに染められた赤い頬。
腕の中の柔らかい身体…
それはまるで、ケーキのよう…
「……ケーキ」
「ん?」
「ケーキのトッピングは…無事か?」
「無事ってね…っ!大丈夫に決まってるでしょ!」
「そうか」
ならば。
「最高のスポンジケーキを見つけた」
最高のスポンジケーキには、何が一番合うのだろうか?
まぁ、どれを選んだって、メインは君だろうがな。
その日、後藤が誕生日プレゼントを渡すことは、出来なかったという…
END。
いや、思ってみれば誕生日企画でまともな八晴無かったな〜っと。
トッピング話、晴香編でした^^
ちなみに、一番合うトッピングは八雲の(ry
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