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…まぁ、いつものことですね!

とりあえず頑張ります。
がんばりマッする。

そういえば。
私はお話を書くとともに、あとがきも書いてたりします。
そのせいか、こっちのテンションとあっちのテンションの上下が酷い\(^o^)/
お返事も最近、携帯で打ってるからなぁ…


高校生日記

「暑い…」


楽しい楽しい夏休み。


彼女を作って、海に出かけて、熱い熱い燃える夏を過ごす。


…そんな青春真っ盛りな高校ライフが僕を待つわけはなく。


今日もまた、アイスを求めて冷凍庫を漁っていた。



「…おかしい」


ポツリと呟いた八雲は、眉を寄せた。


冷凍庫には“ぼくの”と書かれたアイスキャンディーの空箱。

ぼくの=僕のアイスキャンディー。


昨日は確かに残っていた。

少なくとも一本は残っていたはずのアイスキャンディー。

だが、目の前の空箱は事実を訴えているわけで…


「まさか…」


嫌な予感がした八雲は、ある場所に向かって走った。





「…やっぱり」


「あ、やひゅもひゅん」


あ、やひゅもひゅん。
…じゃないだろ。


「…なんだそれは」


八雲が見下ろした先には、居候泣き虫トラブルメーカー…晴香がいた。

縁側に俯せになって寝そべり、珍しく読書をしている。
静かに読書だなんて、うるさくなくて結構なこと。

だが、いくつか問題がある。


問題その1。


「それは僕のアイスキャンディーだ!」

「あ、ひょーなの?」

こいつがくわえているのは、捜し求めていた僕のアイスキャンディー。

イチゴ味、練乳入りという甘いもの好きな僕にとっては最高なもの。
中に入った練乳が、まるでかき氷を食べているような感覚に落ちる。


「っ…ひょーなのじゃない!」

ズカズカと部屋に上がり、晴香を見下ろす。
見下ろされた晴香は、アイスキャンディーを口にくわえながら目で追った。


問題その2。


「それに、ここは僕の部屋だ!」

「えー、八雲君の部屋兼、私の部屋でしょ?」

「いいや。ここは正真正銘、僕の部屋だ!」

けちー。
頬を膨らまし、床に肘をついてそっぽを向かれる。

ガリガリと髪を掻き回した八雲は、倒れるように腰を下ろした。


「んーっ!おいしー」


問題その3。


「………」


夏限定、ノースリーブに短パンという…際どい服装。
イチゴ味と、これまた何かを狙ったかのようなアイスキャンディー。

短パンに至っては、際どいところまで見え。
ノースリーブのシャツは胸元を隠す役割しかせず。

まるで、下着姿で彷徨いている部屋着姿のOLのようだ。


ドキドキと高鳴る鼓動がうるさくて、熱くなる身体が嫌になって。

目を逸らす。


「んーっ…身体中痛いー」

普段本を読まない奴が読むから疲れるんだ…
晴香は本を置くと、寝転がったまま腰を上げての猫ののびのびポーズ。


「………」

すぐに戻ってしまう眼差しに、中学生並みの性欲に自己嫌悪。
人類の三大欲であるコイツのコントロールは、未だにうまくいかない。


「ん……ふぅ、ん…」

厭らしい声と水音を立てながら、アイスキャンディーをスクロールする。

天然なのかワザとなのか…
コイツが来てからの毎日は、悩ましい日々が続いている。



「…僕の平凡な日々を返せよ、馬鹿野郎」

「なんで馬鹿呼ばわりされなくちゃいけないのよ!」

「その無い胸に手を当てて、よーく考えろ!」

「すっ、少しはあるんだから!」


そんなこと言うなら、今すぐ剥いて確認してやろうか!?

喉元まで出かけた言葉を、八雲は呑み込むので精一杯であった…





「………」

あれほど葛藤し、何となくだが警告したのにも関わらず…
目の前には、未だにアイスキャンディーをくわえる少女が一人。


「…君は一体、何がしたいんだ…」

埒が明かず、溜め息混じりに訪ねた。

これ以上やられては、こちらの身が持たない。
持たせる自信がない。

「なんか…こうやると、八雲君が喜んでくれるから…?」

「誰が喜ぶんだ馬鹿」

確かに、最初は喜んだ。

だが、おかずは多すぎては駄目なのだ。

いくらおいしいおかずでも、主食が底を付いては生殺しなだけ。
指をくわえて主食が溜まるのを待つしかない。

「クラスの子が、八雲君はこういうの好きそう…って言ってたのに…」

「誰だそれは」

「乙女の秘密ですーっ」

「…喜ぶわけないだろ」

してもらってるならまだしも、見てるだけだなんて…


「えー…じゃあ、どうしたら喜んでくれるのよ」

それを僕に聞くな。

「…黙って、好きなように食え」

「それじゃあつまらないじゃない」

「つまらなくて結構」

それに、アイスキャンディーを食べるのに、喜ぶも喜ばないもないだろ。


「…じゃ、好きなように食べますよーだ」

「あぁ、そうしてくれ」

助かった…
八雲は胸を撫で下ろし、堪えた自分自身を褒め称えた。


よいしょと起き上がった晴香は、つまらなそうに。
本当につまらなそうにアイスキャンディーを食べ始めた。

「………」

つまらなそうに目を細め、つまらなそうに僕を睨む。
そのつまらなそうな眼差しに耐えきれず、八雲は目を反らした。


…別に、僕は悪いことをした覚えなんて無い。

逆に“好きなように食べろ”と、自由を与えた身だ。


僕を睨むな。

僕を恨むな。


「はぁ…」

八雲を睨むのにも飽きたのか、後ろにばたりと倒れる晴香。
座っている僕からすれば、良い眺めであったりなかったり…


「…つまんない」

カリッと、彼女の歯がアイスキャンディーを襲う。
ポキッと、アイスキャンディーの先端が割れ折れた。

「…つまらなくて結構」

本日二度目のセリフ。

そのセリフを言い終えるのが早かったか…
アイスキャンディーの逆襲が早かったか。


ぽたり。


そんな音を立てながら、アイスキャンディーから白いものがこぼれ落ちた。
白いものは、自身に負けじと白い彼女の胸元に垂れていき…


「ひゃっ!」

「っ!」


晴香がぴょんと飛び起きた。

「つ、冷たいっ」

何を求めているのか、僕に手を振る晴香。
だが生憎。
僕の思考回廊は彼女の胸元に浮かんだ白のせいで、フルストップ。

「ティッシュ!八雲君、ティッシュ!」

「なっ…ま、まだティッシュは必要ない!」

「必要ありまくりよ!」

あぁそうだった。
彼女に必要なんだ。

理性を保ちだした瞳で、部屋の隅に放られたティッシュを探し投げる。

「痛っ」

「僕のアイスキャンディーを食べた罰だ」

「…もう」


晴香も、それ以上は何も言わなかった。





「あーあ…べとべとする…」

「っ……」



その日から、イチゴ味のアイスキャンディーを買うことが増えたという…



END。



夏と言えばアイスキャンディーギャグ話!
今年は高校生くんにがんばってもらいました^^

いつにも増して、むらむら度が増しております。
だって夏だもの。

やっぱ下なギャグは書いてて楽しいです!
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