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前回の秋直ポッキーゲームの続きです。やっぱり続いちゃったんだぜ☆


前回は…なんだか色々と直ちゃんに頑張ってもらったので。
今回は秋山に(ある意味)頑張ってもらいました!

一つ前のお話を読んでいなくても大丈夫だと思いますが、読んでいた方が分かりやすい。
〜前回までのあらすじ〜…みたいなのが苦手なんだ(´・ω・`)


さて、前回の続きってことをわきまえて。

秋直:恋人設定

「………」


秋山深一は、正直戸惑っていた。



戸惑いの原因はそう、目の前のカンザキナオが原因…



11月11日の……曜日は忘れた。

まぁ曜日なんて関係ないから飛ばして、11月11日。



ポッキーゲームをしたいと言ってきたのは馬鹿正直のカンザキナオさん。

恋人たちのゲームという嘘の言葉に、ルールも知らず騙されたらしい。


…そんな訳で、手取り足取りの個人レッスンをしようと思ったのだが…



「んーっ」


「………」



目の前でこうも真っ赤な顔をされては、手も足も出なかった。






本当はすぐに騙される直に、罰の意味を込めて口付けてやろうと思っていた。
けれど、ぎゅっと目を閉じ眉を寄せ、顔の中心に集まっていくパーツたち。


あ、息止めてるな。
と気付き、棒菓子に歯を立てて引っ張る。

いとも簡単に抜けた拍子に、魂も抜けたのではないか。
そう思えてしまう顔が、目の前にあった。

だが、現状に気付いた直は、続いて目を輝かせる。


「あ、秋山さんの負けですね!」

「今のはノーカウント。息止めんなよ」

「えー…」

コロコロ変わる表情に苦笑しながら、置き場所に困った棒菓子を口に入れた。

ゲームを再開するのではなく、ポリポリと噛み砕いていく。
ふと、チョコレートともクッキーとも違う味に気が付いた。


何だろうか、この味。

味わおうとしたが、その味はすぐに口の中に消えてしまった。


「秋山さん!二回戦目はじめましょう!」

「あ…」


箱から棒菓子を出す少女を見て、その味が何なの何か気が付いた。


「?…秋山さん?」

「あー…」


気付いた途端やってくる、照れくささ。
心臓がむずむずと痒くなって、つい口を押さえた。


「どうしたんですか?秋山さん」

「んー…いやぁ…」


何、俺ってこんな純粋だっけ?

間接キス…ってだけで、こんな嬉しがる人間だっけ?


「秋山さ〜ん?」

「ちょっとたんま。顔洗ってくる」


顔洗って、この緩みきった表情引き締めてくるからさ。



「大丈夫ですかー?」

「うん、大丈夫だから来ないでね」



洗面所の鏡に映った表情は、ポーカーフェイスとはかけ離れたものだった。






「さぁ!二回戦目の始まりです!」


数十分前の、カンザキナオの真っ赤な顔はどこへやら。
格好を付けたいのか、ディーラーの真似をしている暢気振り。


勝った者の言うことを、負けた者が聞く。
という王様ゲームもどきのルールに夢中で、本来の意味を忘れてるな…


いつの間にか、攻守交代してしまったようで。
主導権だけは渡したくない秋山は「よしやるぞ」と頬を叩いた。


「あ、そういえばこのゲーム…」

「どうした?」

「どっちも離さなかったら、引き分けなんですか?」

その質問を真顔でしてくるから、カンザキナオは恐い。

「…離さなかったら、どうなると思う?」

「えっと…いつかは相手にぶつかっちゃう訳だから…」


あ。


そんな声とともに、ぼんと真っ赤に染まる直。

これでこそ、馬鹿正直のカンザキナオだ。


「え、えぇっと…離さないってことは、最後は相手の唇に…」

「要はキスしちゃうってこと」

手っ取り早く結論を出してやると、泣きそうな顔で見つめてきた。
その間に、手に取った棒菓子を箱に戻そうとするのを見逃さない。


「ほら、二回戦目を始めるんじゃないの?」

棒菓子を箱ごと奪い、そのうちの一本を唇と唇の間に挟んだ。


君から…っていうのも、良いかもしれない。


口にしようとしない直を見て、痺れを切らして無理矢理に距離を縮める。

「!」

そして頭を捕まえ、小さな口に棒菓子をくわえさせた。

後ろに逃がさないように、後頭部をしっかりと押さえる。
無理に急かす訳でもなく、あくまで彼女から近付いてくるのを待つ。


「………」



案外それは、すぐに来た。

ちょっとずつ、ちょっとずつだが近付いてくる顔。

恨めしそうに睨んでいるくせに、期待を含んでいるかのような表情。


潤んだ瞳と赤い頬に、目の前がくらくらとしてきた。

あとちょっと。唇が触れたら、軽く肩を押してみよう。

キスから押し倒しまでの間が、早すぎるかもしれない。
いやいや、手繋ぎから今の関係までが遅すぎたんだ。

急ぐ理由は無いけれど、止まる理由だって無いんだから。


自分自身にそう言い聞かせていたとき。



くすんと言う音が、近くで聞こえた。

近距離過ぎてぼやけた焦点を合わせると、力強く目を閉じた直がいた。


「…!」


微かな揺れに気付いた直が、うっすら目を開ける。
瞬間、ぼろぼろと涙の粒がこぼれ落ちた。

それと共に、自らの勢いやら欲望やらも一緒にこぼれ落ちた気がする。




まだ幼い女の子に、何してんだよ…




そう思い、すぐに棒菓子に歯を立てた。


ぽきっ…と音を立てて割れたクッキーを、煩悩と一緒に噛み砕く。


「あきやま、さん…?」

「あーうん、ごめんね」


部屋の隅に転がったティッシュを一枚取り、荒々しく涙を拭い取ってやる。

「や、お化粧崩れちゃいますっ!」

「化粧なんかしてたんだ」

あ、ほんとだ。赤い顔がもっと赤くなった。


「……もうっ」

解放された直は、腕を組んでぷりぷりと拗ねてしまった。


ティッシュには、化粧が落ちた跡。

小桜色の、彼女の口紅。


「あ!」

しばらくそれを見つめていたが、声を上げられ現実に戻る。

「…どうした?」

それを惜しみながらも、ゴミ箱に投げ捨てる。

ナイスシュート。彼女が帰ったら、もう一度眺めようかな。


「私の勝ちですね!」

「ん…あぁ、そうだな」


堪えられなくって、俺が折っちゃったから。


「約束、覚えてますか…?」

「……はいはい」


お馬さんごっこがしたいの?それとも、たかいたかい?

甘ったるい気分を変えようと、煙草をくわえる。
やっぱ、あんな甘い菓子より、俺には煙草の方が合っている。






「キス、してください!」



「ぶっ」





……なに、お前さ。



俺の苦労、わかってんの?






END。



ポッキーゲーム秋直版の続きでした!

黒くなったりへたれったり…
何書きたかったんだ自分\(^o^)/

秋山は直ちゃんのこと、近所の子供のように見ていると良いです。
いつまでも子供かと思ってたら、いつの間にか大人になっちゃってたー…
みたいな?(聞くな

つい最近まで飴ちゃんで喜んでいたのに…みたいな!
…でも直ちゃんは喜ぶんでしょうね。飴ちゃん^^

この後は多分きっと書かない(書かねぇぞ、絶対書かねーぞ)と思いますが…
きっと、キスだけじゃ物足りなくなった秋山さんがごーとぅーざべっどで。
翌朝、直ちゃんの口紅付きティッシュがわかんなくなっちゃってるよ。

しょぼーんしょぼ山さん(´・ω・`)
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