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久しぶりの更新の早さーっ!!…やっぱり、前回の四話の影響が凄いんだなうん。

思ってみれば、一期の四話も凄かったですね…SM話^^
今更すぎるかも知れませんが、SM話書きたいです!
あ、本格的なSMじゃなくってSMなお話をする二人を…っとまぁ王道な、ね!

今日は五話ですね〜
俺の天使は直しかいないゲーム…(違
噂によると、原作の四回戦らしいですね。
…やっぱり大人の事情とやらで名前変わったのかな…


さて、良い夫婦の日話!
私の中の良い夫婦は、新婚よりも熟年な雰囲気。

秋直:新婚設定

日曜日の正午過ぎ。

ちょっと早いお昼ご飯を食べた秋山は、ソファーに深く座っていた。

特にすることもなく、朝刊を二度見しているときのことだった。


「秋山さん秋山さん」

「ん?」


エプロンを付けた直が、たたたと駆けてくる。

秋山の隣に腰を掛けた直の手には、何故かカレンダー。



「今日は良い夫婦の日ですね!」



22日…を指差した直は、宝物を見つけた子供のような無邪気な笑み。

返事をするのも忘れて、俺の側頭部と彼女の後頭部をコツンとぶつけた。


ちょっと幸せすぎて、照れくさくって。






「痛いですよ〜、秋山さぁん」

「ごめんごめん」

頭を押さえ、涙目で訴えてくる直。

怒った彼女も好きだけれど、今はそんな彼女を見たくなくて。
柔らかい黒髪を掻き分け、頭皮にキスを落とす。

「はい、痛いの痛いの飛んでった」

「子供扱いしないで下さい」

じゃ、そんな幸せそうに笑わないで下さい。



「…で、良い夫婦の日だっけ?」

「あぁ、そうなんですよ!」

びしっと指差されたカレンダー、22日のマス。
ご丁寧に赤色のペンで囲い、彼女の文字で“いい夫婦の日”…と書いてある。

「11月22日で良い夫婦…ね」

「はい、11月22日で良い夫婦なんです!」

「………」


そこで会話はストップ。


良い夫婦の日だからと言って、何をすれば良いんだ。

直の求めていることが分からず、頭を捻る。


「好き」とか「愛してる」とか言えばいいのか?

そんなの、毎日言ってる。
…ベッドの中で無意識にとか、寝ている彼女の耳元で。


名前を呼んで欲しい…とか?

そんなの、毎日言ってる。
…ベッドの中で無意識にとか、寝ている彼女の耳元で。


ソファーの上には、少女に悩む青年と青年を見つめる少女がいた。



「それで、君は何を言いたいの?」

両手を上げて降参のポーズ。

「いえ、だからと言って何と言う訳じゃ無いんですが…」

直の言葉を聞き、秋山は眉を寄せた。
これでは、あそこまで悩んでいた自分が馬鹿みたいじゃないか。

皮肉でも言おうと口を開きかけたとき、直が先に口を開いた。

「秋山さん、11月22日は何の日か知ってますか?」

「…だから、良い夫婦の」

「ぶっぶー!」

両腕でバツを作り、大ハズレでーす秋山さんマイナス5てーん。のお言葉。

…大ハズレじゃないだろ。
もし別の日だとしても、11月22日は良い夫婦の日なんだから。
せめて、マイナス1点にしろ。

「それでは正解は何なんですか?司会のアキヤマナオさん」

降参したのが嬉しいのか、乗ってきてくれたことが嬉しいのか。
両目を輝かせる直を横目に、コーヒーの入ったマグカップを手に取る。

さぞかし素晴らしい答えなんだろうな。
と、彼女の淹れてくれたコーヒーを味わっていたとき。



「わんわんにゃんにゃんの日ですよ!」


「ぶっ」



コーヒーを噴き出す変わりに、むせ返る。
ゴホゴホと咳き込む秋山を見た直が、慌てて背中をさする。

年ですか…?と訪ねる少女に、年じゃねーよと返事を返して。


「…で、なんだっけ?」

「わんわんにゃんにゃんの日です」

真顔で言うと、カレンダーの11月を差して「わんわんです」。
22日を差して「にゃんにゃんです」と、ご丁寧に解説付き。

「あー…うん、そーですね」

「真面目に聞いて下さい!」

「俺はいつだって真面目だよ」


ただね、あまりに子供思考で呆れちゃっただけなの。


続けて言いそうになるのを慌てて答える。

「…本当ですか?」

「ほんと」


でもって、その子供みたいな無邪気さがあまりに可愛くて仕方がないんだ。


「秋山さんは犬派ですか?猫派ですか?」

それで満足してくれたらしい直が、次なる質問を問いかける。

「うーん、猫の方が好きかな」

「あぁ、秋山さん猫っぽいですもんね!」

「あんま構ってこないとことか、楽で良いし」

って、飼う訳じゃないのになに話してるんだろうな。
そして、くすくす笑いながら、彼女を振り返ると…


「………」

「………」


いつもは目が合うはずなのに、そこには直の黒い髪がよく見えた。

膝を抱えてソファーに座り、秋山に背を向けている。
背中が“構いません”と語っていた。


そんな直に秋山苦笑を浮かべ、同じくソファーの上に膝を乗せる。



「なお」



滅多に呼ばれない名前に、直の背中がピクリと跳ねた。


「お前だけはトクベツだから…」


髪に触れ、優しく解く。

それでも直の顔は、こちらを振り返ってはくれない。



「……構ってくれないと、俺が拗ねちゃうよ」


ちょっと前のめりになって、直を抱きしめた。
バランスを取るように彼女に寄りかかり、肩に顔を埋める。

シャンプーの、甘い甘い匂い。
同じシャンプーを使ってみても、俺にこの匂いは出ない。

「あっ、あああ秋山さんっ…」

「構ってくれる?」

「か、構います!構ってあげますから離し」

て…が聞こえる前に、後ろに倒れる。もちろん、彼女もセットで。
ソファーに背中を付いたのに続き、短な悲鳴と一緒に直が胸元に倒れてくる。

「ひどいですー」

腕の中で身体を捻り、どうにか仰向けになる直。

「ん?」

それに気付いた秋山は、薄目でそれを確認する。

「?」

「……柔らか」

「なにがですか?」

「あ、起き上がらない方が良いよ」

あとちょっとで見えちゃうから。

「?」

それでも理解出来ない直を、秋山は精一杯に抱きしめた。
それに戸惑いながらも、胸に手を置き擦りよってくる直。


「…てへへ」


暖かくて柔らかくて、下から抱くことなんて滅多になくて。

秋山はしばらく、直を抱きしめ続けていた。






「ニャンニャンの日、か…」

「わんわんにゃんにゃんの日ですよ?」

「あれ、ニャンニャン知らない?」

「にゃんにゃんじゃないんですか?」

「あー…これがジェネレーションギャップってやつ?」

「わんわんにゃんにゃんは今の子供も使いますよ!」

「……もしかして、ABCとかも知らない?」

「む、バカにしないで下さい!ABCくらい知ってます!」

「じゃ、Aは何でBは何で…Cは、ナニ?」

「AもBもCも、アルファベットです!」

「…やっぱり」

「何なんですかー秋山さーん?」

「…ニャンニャン知りたい?」

「はい!」

「そう……じゃ、逃げんなよ」



手取り足取りナニ取り…教えてやるから、さ。


覚悟しろよ?






END。



11月22日はわんわんにゃんにゃんの日だなって。
それでもって良い夫婦の日だなって。

ジェネレーションギャップ…
というより、直ちゃんが知らないだけですかね。
恋のレッスンABC。
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