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早かったですねぇ…2009年。それよりも年賀状書かなくては。
クリスマスまであと一週間以上ありますがクリスマスイブ話。
12月の後半ってお祭り(?)だらけですよね!!
クリスマスに大晦日、大掃除やら年賀状やら…
最低でもクリスマスと大晦日話は書きたいです。
…よし、頑張ろう。
…そんな訳で、クリスマスイブのお話。
直ちゃんはサンタさんを信じている体で。
秋直:恋人設定
クリスマスまであと一週間以上ありますがクリスマスイブ話。
12月の後半ってお祭り(?)だらけですよね!!
クリスマスに大晦日、大掃除やら年賀状やら…
最低でもクリスマスと大晦日話は書きたいです。
…よし、頑張ろう。
…そんな訳で、クリスマスイブのお話。
直ちゃんはサンタさんを信じている体で。
秋直:恋人設定
緑と赤のコントラスト。
七色に輝くイルミネーション。
深緑色の大木のてっぺんには大きなスター。
黄金色をした天使が、それを見て笑っていた。
「あ、秋山さん!あっちにサンタさんがいますよ!」
…そう、今日はクリスマスイブ……
「…行ってきな」
と、許可を貰った少女は、一目散に白い付け髭に赤い服を着たアルバイトの…
基い、サンタクロースの元へと駆けていった。
サンタクロースを囲む子供たちの中に、大きな大人が一人。
あれが恋人だなんて…数年前の自分に見せつけてやりたい。
苦笑を浮かべた秋山は、煙草に火を付け白い煙を吐いた。
目が向かうのは、大きなクリスマスツリーの前にいるサンタと直。
年に一度のクリスマス。
それに乗っかってか、商店街はクリスマスセールなるものをやっていて。
商店街のど真ん中には巨大なクリスマスツリー。
スピーカーからはクリスマスソングの大合唱。
キラキラと輝く装飾品たちが、あちらこちらに吊されて。
地味に錆び付いていた商店街が、今日は化けたように輝いていた。
「秋山さーん!」
名前を呼ばれ現実に帰ってくると、ちょうど直が駆けてくる所であった。
赤い風船を片手に、満面の笑みで手を振りながら駆けてくる。
正直、恥ずかしい思いもあったが、堪えて手を振り返す。
「サンタさんに風船をもらっちゃいました!」
「良かったな」
「はい!サンタさんから直接プレゼントを貰ったのなんて初めてです!」
意外と若そうだったのに白いお髭で…苦労なさってるんですね。
「………」
まさか…な。
秋山の脳裏にある考えが浮かんだが、慌てて振り払う。
「…君の所には、まだサンタが来るのか?」
「サンタさんは子供にしかプレゼントをあげないんですよ?」
「あぁ……じゃ、いつまで来てた?」
「…お父さんが入院した頃から、うちには来なくなっちゃったんです…」
やっぱり親と一緒か一緒じゃないかが、子供と大人の境目なんですかね…
伏せられた瞳があまりにも切なくて、半分残った煙草を携帯灰皿に押し込む。
「…そんなことないよ。俺んとこ、中学になったら来なくなったから」
「え……そ、そんなに早くですか?」
多分、世の中だいたいの家庭がそうであろう。
サンタなんかいないと言った友達と喧嘩して、必死に信じたサンタクロース。
けれど、いつの間にか俺もその友達みたいになって。
サンタクロースなんて、いない。
気付いたらそう言っていた。
いるかいないかなんて、誰にも分からないのに。
「こ、今年は来ますよ!」
「まぁ、君のとこには来るだろうね」
子供の夢を叶えるサンタクロースが、目の前の少女を裏切るはずがない。
「秋山さんのところにも来ます!…そうだ、今から頼んできます!」
「え…ちょっと…」
秋山の静止も聞かず、短期バイトのサンタクロースの元に走る直。
ペコペコ頭を下げては、こちらを指さして何やら頼み込んでいる。
…あぁほら、サンタクロースを困らせちゃ駄目だろ。
頼りなく眉を八の字に下げ、泣きそうな顔して助けを求めてるじゃないか。
これ以上見てられず、ツリーの下のサンタと直の元に向かう。
「…もう良いから」
「でもっ…」
あぁ、こっちも泣きそうだ。
「もう良いから、な?」
「……はい」
すみませんとサンタに謝った二人は、その場をあとにした。
それから二人は、商店街内をうろうろ歩き回っていた。
地元の商店街など、普段はデートスポットにもならないだろう。
けれど、このクリスマス一色の本日。
それだけのことなのに、カップルが多数見られた。
…ベンチに並んで座る秋山と直も、そのうちの一組であったりする。
「サンタさん…」
隣に腰掛けた直が、ぽつりと呟く。
まだ気にしているようで、伏せられた瞳はうるうると潤んでいた。
何がどうしてこうなってしまったんだ。
「ぐすっ」
「泣くなよ…」
せっかくのクリスマスイブなのに。
せっかくの、デートなのに…
ポケットからハンカチを出し、彼女の涙を拭ってやる。
けれども涙は止まることなく、ぽろぽろ落ちていく。
「どうしま、しょ…」
「何が?」
ひっくひっく言う間に、直が口を開けた。
「も、元詐欺師にはあげないとか…決まりがあったら…」
「………」
「サンタ界のガイドブックに、ひっく…書かれていたらどうしましょう」
あまりにも真面目な顔で言われ、ついつい笑ってしまった。
「わ、笑わないでくださいよぉ!」
「ごめんごめん」
別に馬鹿にした訳じゃないんだよ。
愛おしさのあまりつい笑っちゃったんだ。
「サンタさん…サンタさんが」
それから数十分。
直は未だに泣き続け、いい加減秋山も痺れを切らしていた。
「そんなサンタサンタ言うなって」
「だって……だってだって、サンタさんっ…」
ああまた。泣いちゃうの?
渡したハンカチをぎゅっと握りしめ、膝の上をじっと見つめている。
秋山はガリガリ髪を掻き回し、ぐいと直の顔を覗き込んだ。
「…俺よりサンタが好きなわけ?」
「え…?」
久しぶりに聞こえた泣き声以外の声は、すっとんきょんな声だった。
「さっきからサンタサンタって……デートってこと忘れてんじゃねーの?」
口が勝手に動き、言葉を成していく。
これはもしかしたら、嫉妬というものなのかもしれない。
何に?サンタクロースに?
サンタクロースに妬いてるのか俺は?
「クリスマスなんかより、君とのデートのが楽しみだったのにさ…」
それが、サンタのせいでこんなんなっちゃってさ。
「……つまんねー」
ちょっと言い過ぎちゃったかな。
気付けばこちらを見上げている直。
その頭に手を乗せて撫で回した。
ごめんの意味も込めて。
「す、すみませんでした…」
「やっと泣き止んだな」
「おかげさまで…」
今になって恥ずかしくなってきたらしく、真っ赤になった顔を伏せている。
抱き締めたくなる勢いを堪え、代わりに彼女の手を握りしめてみた。
「あ…」
それに気付いた直が、真っ赤な顔をあげる。
「てへへ」
…こっち見るなばか。
「あの…」
「なに?」
「本当にプレゼント良いんですか…?」
私、さっきのサンタさんにもう一度頼んできますよ?
「…サンタなんかよりさ」
「?」
「カンザキサンタからのプレゼントの方が楽しみなんだけど?」
「!」
「ほら、よく恋人にクリスマスプレゼントあげるだろ?」
「……あ、ああああの!ちょっと別行動しましょう!」
「いいですよ、カンザキナオさん」
楽しみにしてるからさ、俺だけのためにプレゼント選んできてよ。
カンザキサンタさん?
END。
直ちゃんはまだサンタさんを信じていると思います。
もしくは「そんなのもう信じてるわけないじゃないですかあ」
と言いながら、毎年ミルクとクッキーとニンジンを置いていそうです。
…秋山さんは良いお兄さんになると思います。
メリークリスマースイーブ!
七色に輝くイルミネーション。
深緑色の大木のてっぺんには大きなスター。
黄金色をした天使が、それを見て笑っていた。
「あ、秋山さん!あっちにサンタさんがいますよ!」
…そう、今日はクリスマスイブ……
「…行ってきな」
と、許可を貰った少女は、一目散に白い付け髭に赤い服を着たアルバイトの…
基い、サンタクロースの元へと駆けていった。
サンタクロースを囲む子供たちの中に、大きな大人が一人。
あれが恋人だなんて…数年前の自分に見せつけてやりたい。
苦笑を浮かべた秋山は、煙草に火を付け白い煙を吐いた。
目が向かうのは、大きなクリスマスツリーの前にいるサンタと直。
年に一度のクリスマス。
それに乗っかってか、商店街はクリスマスセールなるものをやっていて。
商店街のど真ん中には巨大なクリスマスツリー。
スピーカーからはクリスマスソングの大合唱。
キラキラと輝く装飾品たちが、あちらこちらに吊されて。
地味に錆び付いていた商店街が、今日は化けたように輝いていた。
「秋山さーん!」
名前を呼ばれ現実に帰ってくると、ちょうど直が駆けてくる所であった。
赤い風船を片手に、満面の笑みで手を振りながら駆けてくる。
正直、恥ずかしい思いもあったが、堪えて手を振り返す。
「サンタさんに風船をもらっちゃいました!」
「良かったな」
「はい!サンタさんから直接プレゼントを貰ったのなんて初めてです!」
意外と若そうだったのに白いお髭で…苦労なさってるんですね。
「………」
まさか…な。
秋山の脳裏にある考えが浮かんだが、慌てて振り払う。
「…君の所には、まだサンタが来るのか?」
「サンタさんは子供にしかプレゼントをあげないんですよ?」
「あぁ……じゃ、いつまで来てた?」
「…お父さんが入院した頃から、うちには来なくなっちゃったんです…」
やっぱり親と一緒か一緒じゃないかが、子供と大人の境目なんですかね…
伏せられた瞳があまりにも切なくて、半分残った煙草を携帯灰皿に押し込む。
「…そんなことないよ。俺んとこ、中学になったら来なくなったから」
「え……そ、そんなに早くですか?」
多分、世の中だいたいの家庭がそうであろう。
サンタなんかいないと言った友達と喧嘩して、必死に信じたサンタクロース。
けれど、いつの間にか俺もその友達みたいになって。
サンタクロースなんて、いない。
気付いたらそう言っていた。
いるかいないかなんて、誰にも分からないのに。
「こ、今年は来ますよ!」
「まぁ、君のとこには来るだろうね」
子供の夢を叶えるサンタクロースが、目の前の少女を裏切るはずがない。
「秋山さんのところにも来ます!…そうだ、今から頼んできます!」
「え…ちょっと…」
秋山の静止も聞かず、短期バイトのサンタクロースの元に走る直。
ペコペコ頭を下げては、こちらを指さして何やら頼み込んでいる。
…あぁほら、サンタクロースを困らせちゃ駄目だろ。
頼りなく眉を八の字に下げ、泣きそうな顔して助けを求めてるじゃないか。
これ以上見てられず、ツリーの下のサンタと直の元に向かう。
「…もう良いから」
「でもっ…」
あぁ、こっちも泣きそうだ。
「もう良いから、な?」
「……はい」
すみませんとサンタに謝った二人は、その場をあとにした。
それから二人は、商店街内をうろうろ歩き回っていた。
地元の商店街など、普段はデートスポットにもならないだろう。
けれど、このクリスマス一色の本日。
それだけのことなのに、カップルが多数見られた。
…ベンチに並んで座る秋山と直も、そのうちの一組であったりする。
「サンタさん…」
隣に腰掛けた直が、ぽつりと呟く。
まだ気にしているようで、伏せられた瞳はうるうると潤んでいた。
何がどうしてこうなってしまったんだ。
「ぐすっ」
「泣くなよ…」
せっかくのクリスマスイブなのに。
せっかくの、デートなのに…
ポケットからハンカチを出し、彼女の涙を拭ってやる。
けれども涙は止まることなく、ぽろぽろ落ちていく。
「どうしま、しょ…」
「何が?」
ひっくひっく言う間に、直が口を開けた。
「も、元詐欺師にはあげないとか…決まりがあったら…」
「………」
「サンタ界のガイドブックに、ひっく…書かれていたらどうしましょう」
あまりにも真面目な顔で言われ、ついつい笑ってしまった。
「わ、笑わないでくださいよぉ!」
「ごめんごめん」
別に馬鹿にした訳じゃないんだよ。
愛おしさのあまりつい笑っちゃったんだ。
「サンタさん…サンタさんが」
それから数十分。
直は未だに泣き続け、いい加減秋山も痺れを切らしていた。
「そんなサンタサンタ言うなって」
「だって……だってだって、サンタさんっ…」
ああまた。泣いちゃうの?
渡したハンカチをぎゅっと握りしめ、膝の上をじっと見つめている。
秋山はガリガリ髪を掻き回し、ぐいと直の顔を覗き込んだ。
「…俺よりサンタが好きなわけ?」
「え…?」
久しぶりに聞こえた泣き声以外の声は、すっとんきょんな声だった。
「さっきからサンタサンタって……デートってこと忘れてんじゃねーの?」
口が勝手に動き、言葉を成していく。
これはもしかしたら、嫉妬というものなのかもしれない。
何に?サンタクロースに?
サンタクロースに妬いてるのか俺は?
「クリスマスなんかより、君とのデートのが楽しみだったのにさ…」
それが、サンタのせいでこんなんなっちゃってさ。
「……つまんねー」
ちょっと言い過ぎちゃったかな。
気付けばこちらを見上げている直。
その頭に手を乗せて撫で回した。
ごめんの意味も込めて。
「す、すみませんでした…」
「やっと泣き止んだな」
「おかげさまで…」
今になって恥ずかしくなってきたらしく、真っ赤になった顔を伏せている。
抱き締めたくなる勢いを堪え、代わりに彼女の手を握りしめてみた。
「あ…」
それに気付いた直が、真っ赤な顔をあげる。
「てへへ」
…こっち見るなばか。
「あの…」
「なに?」
「本当にプレゼント良いんですか…?」
私、さっきのサンタさんにもう一度頼んできますよ?
「…サンタなんかよりさ」
「?」
「カンザキサンタからのプレゼントの方が楽しみなんだけど?」
「!」
「ほら、よく恋人にクリスマスプレゼントあげるだろ?」
「……あ、ああああの!ちょっと別行動しましょう!」
「いいですよ、カンザキナオさん」
楽しみにしてるからさ、俺だけのためにプレゼント選んできてよ。
カンザキサンタさん?
END。
直ちゃんはまだサンタさんを信じていると思います。
もしくは「そんなのもう信じてるわけないじゃないですかあ」
と言いながら、毎年ミルクとクッキーとニンジンを置いていそうです。
…秋山さんは良いお兄さんになると思います。
メリークリスマースイーブ!
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