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今日で2009年も終わりですねぇ…
こんにちは!珍しく夕方に参上しましたカンナです!
あ…改まって書くと、何を書けば良いか分からなくなってきました…
とりあえず、一年間ありがとうございました!
次に現れる時は2010年なんですね…とうとう二桁になってしまうのかー
あと91年、0が並ぶことは無いんですね。
そう思うと寂しいですな…
今年最後は八晴です。皆さん楽しめるよう、ほのぼのというか甘々です。
皆さん、よいお年をー!!
八晴:新婚設定
こんにちは!珍しく夕方に参上しましたカンナです!
あ…改まって書くと、何を書けば良いか分からなくなってきました…
とりあえず、一年間ありがとうございました!
次に現れる時は2010年なんですね…とうとう二桁になってしまうのかー
あと91年、0が並ぶことは無いんですね。
そう思うと寂しいですな…
今年最後は八晴です。皆さん楽しめるよう、ほのぼのというか甘々です。
皆さん、よいお年をー!!
八晴:新婚設定
12月31日、今日は一年の終わりである大晦日。
「晴香ちゃん、お砂糖取ってくれる?」
「あ、はい!」
「砂糖と間違えて塩を渡すなよ」
「もう!お料理の出来ない八雲君は黙ってて!」
晴香は八雲と二人で、後藤家にお邪魔していた。
「…料理くらい、僕だって作れる」
「そう言ってこの間、お鍋にお焦げ作ったのはどこの誰よ」
「………」
勝った。
珍しく勝利を掴めた晴香は、台所でガッツポーズを決めた。
隣で野菜を切る敦子が、くすくすと笑う。
「なぁに?八雲君、お鍋にお焦げ作っちゃったの?」
「そうなんですよ!カレーくらい僕一人で出来る〜とか言ってたくせに」
「あらあら…八雲君は主夫になれないわねぇ」
「この間だって、シャツを裏返さないで干しちゃって、色が落ちて…」
「お喋りはその辺にしておけよ」
まだまだ話したいことは山盛りあると言うのに、後ろから口を塞がれる。
居間に居たであるはずの八雲のご登場だ。
「八雲君、家事は駄目駄目なのかしら?」
「…家事はこいつの仕事なんで、僕には必要ありません」
「じゃ、もし晴香ちゃんに逃げられたら、何にも出来ないで大変でしょうねぇ」
顔は見えなくても、八雲が不機嫌になったのが分かる。
オーラというか何というか…
背中からひしひしと伝わってくる何かが、どす黒い。
「お兄ちゃーん!おままごとの続きー!」
ナイスタイミングで、直が八雲を呼ぶ。
「……いま行く」
口から手が離れ、ほっと胸を撫で下ろす。
大股でズカズカ台所を去っていく八雲を確認すると、敦子が吹き出した。
「八雲君も随分丸くなったわね〜」
「そうですか?私にはそうは思えませんけど…」
実際に、今でもからかわれたりちょっかいを出されたりと大変だ。
夜なんかもう、たまったもんじゃない。
そんなことを思っている中、敦子がくすりと怪しげな笑みを浮かべた。
「いじめ甲斐があるほど可愛いくなっちゃって」
「あ、ははは…」
敦子さんが言うと冗談に聞こえませんよ。
その返事が敦子から返ってくることはなかった…
おせち料理を作って、晩ご飯を食べて。
実家から送られてきた年越し蕎麦を茹でて、それを食べて。
そうこうしている間に、長針はぐるりぐると回り。
『さぁ〜て!とうとう今年も残り10分となりました!!』
気付けば、今年も残り10分となっていた。
「何だか、今年は長く感じたな…」
テーブルを囲み、テレビを眺める血の繋がらない家族五人。
「年を取ると時間を長く感じるって言いますよね、後藤さん」
晴香の隣で日本酒をちょびちょび飲む八雲が、鼻で笑う。
「っるせーよ」
「あら、私は年老いたあなたも好きよ?」
「敦子まで俺を年寄り扱いすんなよ!」
「お父さん、おじいちゃんなの?」
「な、奈緒までそんな…」
目の前で成される微笑ましい光景に、晴香は口元を緩めた。
「どうした?」
さすがと言うべきか…
晴香のちょっとした変化にもすぐに気付く八雲。
「ううん。ただ、家族って良いなって」
「…そうだな」
柄にも無い返事に、八雲の顔を凝視する。
すると、我に返ったのか気まずそうに口を歪めて黙り込んでしまった。
「ふふふっ、かわいい」
「っ……かわいいってな」
後藤家の三人が話に夢中なのを良いことに、少しからかってやる。
それに気付いている八雲が、負けじと耳に触れてきた。
「ひゃっ」
その気が無くても、ついそんな声が出てしまう。
恨めしい気持ちで八雲を睨むが、肩を少し上げて「何か?」と目で言われた。
「…もうっ」
改めてテレビから一番離れている席で良かったと、ビールに手を付ける。
テレビの中では、今年一年の感想を芸人や俳優たちが話していた。
「言っておくがな、奈緒!俺はまだ若い!」
「奈緒の方がもっと若いよー!」
テレビと晴香たちとの間には、後藤家の父と娘が討論をしてる。
それを眺める母の目は、とても優しいものであった。
母と子…それに父親がいる、暖かい家庭。
「ホームシックか?」
八雲がくすりと笑い、からかうような眼差しで見てくる。
「違いますよーだ!…そういう八雲君こそ…」
そこまで口にして、慌てて塞ぐ。
「……気にするな」
とつぜん頭が重くなり、がしがしと言う音と共に揺れる視界。
あぁ、撫でられているんだな。
そう感じた途端、熱い何かがこみ上げてきた。
「…泣くなよ」
「泣いてない、もん」
うそだ。泣いてる。
思わず、唇を噛みしめて俯いた。
『さぁ!2009年もあと一分です!』
耳に届くは、アナウンサーの声と歓声。
親と子の家族の声。
「ったく…」
それと、愛しいだんなさまの声……
『残り10秒!』
9
8
7
6
5
4
3
2
1…
「!」
時が変わると同時に感じたのは……
『あけましておめでとうございます!』
唇に触れた、愛しい貴方のくちびる…
「もうっ!もし見られたらどうするのよ!」
「新年の一言目がそれか?」
「あ…」
しまった…と、口を被う。
彼が触れた、甘いくちびる…
すると、手首を捕まれ畳の上に押しつけられる拳。
「…あけましておめでとう?」
ちゅ。
「あけましておめでとーございますっ」
お返事はくちびるに、キスのお返事を。
「あらあら…新年早々、ずいぶんと仲の宜しいこと」
「あ、敦子さん!?」
「ったく…俺たちが見てるの知っててそれって…」
「え…えぇっ!?知ってたって……八雲君!?」
「お姉ちゃん…お兄ちゃんとちゅーしてた!」
「な、奈緒ちゃんまで!?」
「あぁ、そうだ」
「うぅっ……?」
「来年は我が子にお年玉、よろしくお願いしますね」
それまでに作っておきますから。
そんな台詞、「ご飯作っておきますから」みたいに言わないで!
あけましておめでとうより早く。
早く早く伝えたいことがあるんだ。
END。
これにて今年度の更新終わり!
一年間本当にありがとうございました!
足を運んで下さった方、全てにありがとうございます!
2009年ラストは、家族愛をテーマに書きました。
…嘘です。書いてから「あれ、これって家族愛テーマで良くね?」
と思いました。
うん、大晦日は家族で過ごすものです。
本当に一年、ありがとうございました!
来年も何卒、よろしくお願いします!
みなさん、良いお年をーっ!
「晴香ちゃん、お砂糖取ってくれる?」
「あ、はい!」
「砂糖と間違えて塩を渡すなよ」
「もう!お料理の出来ない八雲君は黙ってて!」
晴香は八雲と二人で、後藤家にお邪魔していた。
「…料理くらい、僕だって作れる」
「そう言ってこの間、お鍋にお焦げ作ったのはどこの誰よ」
「………」
勝った。
珍しく勝利を掴めた晴香は、台所でガッツポーズを決めた。
隣で野菜を切る敦子が、くすくすと笑う。
「なぁに?八雲君、お鍋にお焦げ作っちゃったの?」
「そうなんですよ!カレーくらい僕一人で出来る〜とか言ってたくせに」
「あらあら…八雲君は主夫になれないわねぇ」
「この間だって、シャツを裏返さないで干しちゃって、色が落ちて…」
「お喋りはその辺にしておけよ」
まだまだ話したいことは山盛りあると言うのに、後ろから口を塞がれる。
居間に居たであるはずの八雲のご登場だ。
「八雲君、家事は駄目駄目なのかしら?」
「…家事はこいつの仕事なんで、僕には必要ありません」
「じゃ、もし晴香ちゃんに逃げられたら、何にも出来ないで大変でしょうねぇ」
顔は見えなくても、八雲が不機嫌になったのが分かる。
オーラというか何というか…
背中からひしひしと伝わってくる何かが、どす黒い。
「お兄ちゃーん!おままごとの続きー!」
ナイスタイミングで、直が八雲を呼ぶ。
「……いま行く」
口から手が離れ、ほっと胸を撫で下ろす。
大股でズカズカ台所を去っていく八雲を確認すると、敦子が吹き出した。
「八雲君も随分丸くなったわね〜」
「そうですか?私にはそうは思えませんけど…」
実際に、今でもからかわれたりちょっかいを出されたりと大変だ。
夜なんかもう、たまったもんじゃない。
そんなことを思っている中、敦子がくすりと怪しげな笑みを浮かべた。
「いじめ甲斐があるほど可愛いくなっちゃって」
「あ、ははは…」
敦子さんが言うと冗談に聞こえませんよ。
その返事が敦子から返ってくることはなかった…
おせち料理を作って、晩ご飯を食べて。
実家から送られてきた年越し蕎麦を茹でて、それを食べて。
そうこうしている間に、長針はぐるりぐると回り。
『さぁ〜て!とうとう今年も残り10分となりました!!』
気付けば、今年も残り10分となっていた。
「何だか、今年は長く感じたな…」
テーブルを囲み、テレビを眺める血の繋がらない家族五人。
「年を取ると時間を長く感じるって言いますよね、後藤さん」
晴香の隣で日本酒をちょびちょび飲む八雲が、鼻で笑う。
「っるせーよ」
「あら、私は年老いたあなたも好きよ?」
「敦子まで俺を年寄り扱いすんなよ!」
「お父さん、おじいちゃんなの?」
「な、奈緒までそんな…」
目の前で成される微笑ましい光景に、晴香は口元を緩めた。
「どうした?」
さすがと言うべきか…
晴香のちょっとした変化にもすぐに気付く八雲。
「ううん。ただ、家族って良いなって」
「…そうだな」
柄にも無い返事に、八雲の顔を凝視する。
すると、我に返ったのか気まずそうに口を歪めて黙り込んでしまった。
「ふふふっ、かわいい」
「っ……かわいいってな」
後藤家の三人が話に夢中なのを良いことに、少しからかってやる。
それに気付いている八雲が、負けじと耳に触れてきた。
「ひゃっ」
その気が無くても、ついそんな声が出てしまう。
恨めしい気持ちで八雲を睨むが、肩を少し上げて「何か?」と目で言われた。
「…もうっ」
改めてテレビから一番離れている席で良かったと、ビールに手を付ける。
テレビの中では、今年一年の感想を芸人や俳優たちが話していた。
「言っておくがな、奈緒!俺はまだ若い!」
「奈緒の方がもっと若いよー!」
テレビと晴香たちとの間には、後藤家の父と娘が討論をしてる。
それを眺める母の目は、とても優しいものであった。
母と子…それに父親がいる、暖かい家庭。
「ホームシックか?」
八雲がくすりと笑い、からかうような眼差しで見てくる。
「違いますよーだ!…そういう八雲君こそ…」
そこまで口にして、慌てて塞ぐ。
「……気にするな」
とつぜん頭が重くなり、がしがしと言う音と共に揺れる視界。
あぁ、撫でられているんだな。
そう感じた途端、熱い何かがこみ上げてきた。
「…泣くなよ」
「泣いてない、もん」
うそだ。泣いてる。
思わず、唇を噛みしめて俯いた。
『さぁ!2009年もあと一分です!』
耳に届くは、アナウンサーの声と歓声。
親と子の家族の声。
「ったく…」
それと、愛しいだんなさまの声……
『残り10秒!』
9
8
7
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2
1…
「!」
時が変わると同時に感じたのは……
『あけましておめでとうございます!』
唇に触れた、愛しい貴方のくちびる…
「もうっ!もし見られたらどうするのよ!」
「新年の一言目がそれか?」
「あ…」
しまった…と、口を被う。
彼が触れた、甘いくちびる…
すると、手首を捕まれ畳の上に押しつけられる拳。
「…あけましておめでとう?」
ちゅ。
「あけましておめでとーございますっ」
お返事はくちびるに、キスのお返事を。
「あらあら…新年早々、ずいぶんと仲の宜しいこと」
「あ、敦子さん!?」
「ったく…俺たちが見てるの知っててそれって…」
「え…えぇっ!?知ってたって……八雲君!?」
「お姉ちゃん…お兄ちゃんとちゅーしてた!」
「な、奈緒ちゃんまで!?」
「あぁ、そうだ」
「うぅっ……?」
「来年は我が子にお年玉、よろしくお願いしますね」
それまでに作っておきますから。
そんな台詞、「ご飯作っておきますから」みたいに言わないで!
あけましておめでとうより早く。
早く早く伝えたいことがあるんだ。
END。
これにて今年度の更新終わり!
一年間本当にありがとうございました!
足を運んで下さった方、全てにありがとうございます!
2009年ラストは、家族愛をテーマに書きました。
…嘘です。書いてから「あれ、これって家族愛テーマで良くね?」
と思いました。
うん、大晦日は家族で過ごすものです。
本当に一年、ありがとうございました!
来年も何卒、よろしくお願いします!
みなさん、良いお年をーっ!
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