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2010年1月10日に更新がしたかったんです…
明日も更新したい!1並び!
初詣…私は三年連続、干支みくじです。
陶器手のひらサイズで…可愛いんですよ!
さて、そんなこんなで初詣なお話。
LG:恋人未満
明日も更新したい!1並び!
初詣…私は三年連続、干支みくじです。
陶器手のひらサイズで…可愛いんですよ!
さて、そんなこんなで初詣なお話。
LG:恋人未満
「うわぁ…すごい人…」
毎年毎年、同じことを思い、同じ言葉を口走っているだろう。
神社に参拝しに来た直は、溢れかえる人を眺め息を飲み込んだ。
見渡す限り、人、人、人…
ゲートボール場のように、老いた者だけではない。
テーマパークのように、若い者だけではない。
日雇いの工事現場のように、男性だけではない。
バーゲンセールのように、女性だけではない。
老若男女、全ての人がこの神社に集まっているのだ。
「…よし」
頬をぺちんと叩いた直は勇気を振り絞り、人混みの中に飛び込んだ。
お参りをして、おみくじをして。
末吉だったことにふつうが一番ですよね、と改めて感じて。
昨年一年、お世話になった破魔矢とお守りとのお別れが悲しくて。
涙ながらにお別れをした直は、新たな破魔矢を買うためにとぼとぼ歩いていた。
だが、この人混み。
破魔矢だけは購入出来たが、お守りがまだ買えていない。
お守りを売っている仮設テントに近付いたかと思えば、遠ざかりの繰り返し。
「うーん…困りましたねぇ…」
「おい」
「?」
「こっちだって」
ぐい、と後ろに手を引かれ、慌てて振り返る。
するとそこには、秋山さんがいました。
「秋山さん!」
まさかこんな人混みの中で出会えるなんて!
新年早々の出会いに感動しながらも、直は思い出したかのように頭を下げた。
「あけましておめでとうございます!」
「あぁ……あけましておめでとう」
「今年もよろしくお願いしますね!」
「あんまり頼られても困るけどね」
「あ、すいません…」
「はははっ、じょーだんだから気にすんな」
「………」
出会えただけでなく、秋山さんの笑顔まで見ることが出来た…
きっとこれで、末吉の運を使い果たしてしまったのでしょうね。
「ところで君、さっきから何してるの?」
「お守りを買いたいんですが…なかなか買えなくて」
「へぇ…」
そう呟くと、秋山は辺りを見渡し苦笑いを浮かべた。
「…理由、知りたい?」
「は、はい!」
コクコクと頷き、頭一つ分大きな秋山を見上げる。
「お前、さっきから抜かされてるの。…気付いてなかったのか?」
「え…?」
秋山に指摘された直は、改めて行列を見直した。
…確かに、並んだときに目の前に居たおじさんが、随分と前にいる。
「き、気付きませんでした…」
私のせいで、後ろに並ぶ人たちも待たされた…
そう思うと罪悪感から涙が込み上げ、直は鼻をすすった。
「ったく……仕方ねーな」
また、ぐいと手を引かれた。
後ろにじゃなくて、今度は前に。
「!」
「俺も一緒に並んでやるから、泣くな」
「はいっ…」
ありがとうございます。
でもすみません。
今度は、嬉しくて泣きそうです。
「今日は本当にありがとうございました!」
深々と頭を下げた直に、秋山は苦笑いを浮かべて答えた。
「別に感謝されるようなことはしてないよ。どうせ、暇だったし」
それは事実。
お参りもしたことだし、帰ろうとしたときに彼女の姿を見つけた。
明らかに抜かされているのも関わらず、まったく気にしない彼女を…
「いえ!あのとき助けてもらわなければ、私はまだあの人混みの中でした!」
上がったかと思った頭は、また下がる。
こんな人がたくさんいる中だ。
少女が青年にペコペコ頭を下げる姿を見た、周りの目が痛い。
いい加減、話を逸らそう。
そう思った秋山は、とあることを思い出した。
「…そういえば、お守り二つも買ってたけど…どうして?」
「あぁ、これはですね…」
そう言いながら、ガサガサと小さな紙袋の中からお守りを出す。
一つは赤い、よく見かける形をしたお守り。
もう一つは…桃色の、オモチャみたいな色をしたお守り。
そして赤いお守りを仕舞い、桃色のお守りを見せてくる。
「これ、恋愛祈願のお守りなんです」
いかにも女の子なお守りを見せた直は、お守りと同じ桃色に頬を染めた。
「恋愛祈願…?」
「この神社、別名愛の神社って言われてるんですよ!」
知りませんでしたか?
「初耳、そんなの初めて聞いた」
「この神社に一緒に来た男女は、永遠に結ばれるそうなんです!」
「へぇ」
どうせ、そんなのはただの噂であろう。
最近じゃ、どこに行っても恋愛祈願のお守りなんて売ってるし。
恋だの愛だの大好きな若者に買ってもらおうと、必死なのが見え見えだ。
その桃色のお守りのデザインを見れば、一目瞭然。
そんな事実を言うか言わないかで迷い、結局言わないことにした。
「というわけで、こっちは何にでも良いお守りなんだそうです」
「ふーん」
赤い方のお守りの説明を終えた直は、二つのお守りを早速カバンにつける。
「そういえば、秋山さんはどんなお守りを?」
「俺?」
「はい!」
「買ってないよ。生憎、神には頼らない方だから」
一応、破魔矢は買ったけど。
「ええぇっ!?」
「………」
そんなに驚くようなことだろうか。
「お守りがあれば、拳銃でバーンと撃たれたときにもへっちゃらなんですよ!?」
「お前さ……ドラマの見すぎ」
確かに警察にはお世話になったけれど、そんな拳銃でバーンなんてこと…
「でも…やっぱりお守りは持っていた方が良いです…」
あ、これは「今から買いに行きましょう!」に繋がるパターンかな。
そうとなれば面倒だ。
あの人混みの中、仮説テントに行くのにも大変だと言うのに。
どうにかして逃れようと考える秋山に、直は秋山にお守りを差し出した。
「これ、秋山さんに差し上げます!」
「え……」
「今日、付き合って頂いたお礼です!」
「…いいの?」
「はいっ!」
満面の笑みで頷いた彼女こそ、神なんじゃないか。
そう思った秋山は、有り難くもらったお守りに目を向けた…
が、そのお守りの色と刺繍された文字を見た途端、秋山の脳はストップ。
「………」
「秋山さん、もうすぐ三十なんですから、良いお相手が見つかると良いですね!」
その桃色のお守りには、堂々と“恋愛祈願”の文字が書いてあった…
「…なに?婚期を逃すなって言いたいの?」
「はい、その方が天国のお母さまも喜びますよ?」
母さんまで俺の婚期を心配してんのかよ。
「今年こそ、秋山さんに良い奥さんが見つかりますよーに!」
パンパンと鳥居の前で両手を合わす少女。
この隣にいる少女が、俺の奥さんになれば良いのに…
そんなことを思ってしまった自分に、秋山は犯罪じゃないと言い聞かせたとさ。
END.
秋山→直なお話でした。
直ちゃんはまだ秋山に対する恋心に気付かず、まだ頼れるお兄さん〜…
みたいな感情を抱いているような。
…結構年っぽい秋山さんを書くのが楽しいです。老け山さん。
やっぱ年齢差があるカップルなのでね!
その辺りを面白可笑しく書いていきたいです^^
それはそうと踊るシリーズ楽しみです。
和久さんは亡くなったことになるそうですね…(´・ω・`)
毎年毎年、同じことを思い、同じ言葉を口走っているだろう。
神社に参拝しに来た直は、溢れかえる人を眺め息を飲み込んだ。
見渡す限り、人、人、人…
ゲートボール場のように、老いた者だけではない。
テーマパークのように、若い者だけではない。
日雇いの工事現場のように、男性だけではない。
バーゲンセールのように、女性だけではない。
老若男女、全ての人がこの神社に集まっているのだ。
「…よし」
頬をぺちんと叩いた直は勇気を振り絞り、人混みの中に飛び込んだ。
お参りをして、おみくじをして。
末吉だったことにふつうが一番ですよね、と改めて感じて。
昨年一年、お世話になった破魔矢とお守りとのお別れが悲しくて。
涙ながらにお別れをした直は、新たな破魔矢を買うためにとぼとぼ歩いていた。
だが、この人混み。
破魔矢だけは購入出来たが、お守りがまだ買えていない。
お守りを売っている仮設テントに近付いたかと思えば、遠ざかりの繰り返し。
「うーん…困りましたねぇ…」
「おい」
「?」
「こっちだって」
ぐい、と後ろに手を引かれ、慌てて振り返る。
するとそこには、秋山さんがいました。
「秋山さん!」
まさかこんな人混みの中で出会えるなんて!
新年早々の出会いに感動しながらも、直は思い出したかのように頭を下げた。
「あけましておめでとうございます!」
「あぁ……あけましておめでとう」
「今年もよろしくお願いしますね!」
「あんまり頼られても困るけどね」
「あ、すいません…」
「はははっ、じょーだんだから気にすんな」
「………」
出会えただけでなく、秋山さんの笑顔まで見ることが出来た…
きっとこれで、末吉の運を使い果たしてしまったのでしょうね。
「ところで君、さっきから何してるの?」
「お守りを買いたいんですが…なかなか買えなくて」
「へぇ…」
そう呟くと、秋山は辺りを見渡し苦笑いを浮かべた。
「…理由、知りたい?」
「は、はい!」
コクコクと頷き、頭一つ分大きな秋山を見上げる。
「お前、さっきから抜かされてるの。…気付いてなかったのか?」
「え…?」
秋山に指摘された直は、改めて行列を見直した。
…確かに、並んだときに目の前に居たおじさんが、随分と前にいる。
「き、気付きませんでした…」
私のせいで、後ろに並ぶ人たちも待たされた…
そう思うと罪悪感から涙が込み上げ、直は鼻をすすった。
「ったく……仕方ねーな」
また、ぐいと手を引かれた。
後ろにじゃなくて、今度は前に。
「!」
「俺も一緒に並んでやるから、泣くな」
「はいっ…」
ありがとうございます。
でもすみません。
今度は、嬉しくて泣きそうです。
「今日は本当にありがとうございました!」
深々と頭を下げた直に、秋山は苦笑いを浮かべて答えた。
「別に感謝されるようなことはしてないよ。どうせ、暇だったし」
それは事実。
お参りもしたことだし、帰ろうとしたときに彼女の姿を見つけた。
明らかに抜かされているのも関わらず、まったく気にしない彼女を…
「いえ!あのとき助けてもらわなければ、私はまだあの人混みの中でした!」
上がったかと思った頭は、また下がる。
こんな人がたくさんいる中だ。
少女が青年にペコペコ頭を下げる姿を見た、周りの目が痛い。
いい加減、話を逸らそう。
そう思った秋山は、とあることを思い出した。
「…そういえば、お守り二つも買ってたけど…どうして?」
「あぁ、これはですね…」
そう言いながら、ガサガサと小さな紙袋の中からお守りを出す。
一つは赤い、よく見かける形をしたお守り。
もう一つは…桃色の、オモチャみたいな色をしたお守り。
そして赤いお守りを仕舞い、桃色のお守りを見せてくる。
「これ、恋愛祈願のお守りなんです」
いかにも女の子なお守りを見せた直は、お守りと同じ桃色に頬を染めた。
「恋愛祈願…?」
「この神社、別名愛の神社って言われてるんですよ!」
知りませんでしたか?
「初耳、そんなの初めて聞いた」
「この神社に一緒に来た男女は、永遠に結ばれるそうなんです!」
「へぇ」
どうせ、そんなのはただの噂であろう。
最近じゃ、どこに行っても恋愛祈願のお守りなんて売ってるし。
恋だの愛だの大好きな若者に買ってもらおうと、必死なのが見え見えだ。
その桃色のお守りのデザインを見れば、一目瞭然。
そんな事実を言うか言わないかで迷い、結局言わないことにした。
「というわけで、こっちは何にでも良いお守りなんだそうです」
「ふーん」
赤い方のお守りの説明を終えた直は、二つのお守りを早速カバンにつける。
「そういえば、秋山さんはどんなお守りを?」
「俺?」
「はい!」
「買ってないよ。生憎、神には頼らない方だから」
一応、破魔矢は買ったけど。
「ええぇっ!?」
「………」
そんなに驚くようなことだろうか。
「お守りがあれば、拳銃でバーンと撃たれたときにもへっちゃらなんですよ!?」
「お前さ……ドラマの見すぎ」
確かに警察にはお世話になったけれど、そんな拳銃でバーンなんてこと…
「でも…やっぱりお守りは持っていた方が良いです…」
あ、これは「今から買いに行きましょう!」に繋がるパターンかな。
そうとなれば面倒だ。
あの人混みの中、仮説テントに行くのにも大変だと言うのに。
どうにかして逃れようと考える秋山に、直は秋山にお守りを差し出した。
「これ、秋山さんに差し上げます!」
「え……」
「今日、付き合って頂いたお礼です!」
「…いいの?」
「はいっ!」
満面の笑みで頷いた彼女こそ、神なんじゃないか。
そう思った秋山は、有り難くもらったお守りに目を向けた…
が、そのお守りの色と刺繍された文字を見た途端、秋山の脳はストップ。
「………」
「秋山さん、もうすぐ三十なんですから、良いお相手が見つかると良いですね!」
その桃色のお守りには、堂々と“恋愛祈願”の文字が書いてあった…
「…なに?婚期を逃すなって言いたいの?」
「はい、その方が天国のお母さまも喜びますよ?」
母さんまで俺の婚期を心配してんのかよ。
「今年こそ、秋山さんに良い奥さんが見つかりますよーに!」
パンパンと鳥居の前で両手を合わす少女。
この隣にいる少女が、俺の奥さんになれば良いのに…
そんなことを思ってしまった自分に、秋山は犯罪じゃないと言い聞かせたとさ。
END.
秋山→直なお話でした。
直ちゃんはまだ秋山に対する恋心に気付かず、まだ頼れるお兄さん〜…
みたいな感情を抱いているような。
…結構年っぽい秋山さんを書くのが楽しいです。老け山さん。
やっぱ年齢差があるカップルなのでね!
その辺りを面白可笑しく書いていきたいです^^
それはそうと踊るシリーズ楽しみです。
和久さんは亡くなったことになるそうですね…(´・ω・`)
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