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タイトルを考えるのがめんどくさいので、前回からお話中の文を使っていますが…
こりゃあ面白い。妄想力がかき乱される。(←

タイトルの通り、四ッ谷先輩が「なに読んでるんすかっ!!」です。
というより、そろそろyamaのeroメーターが暴走しそうなのだよワトソンくん。
帰って来て新たにキャラ作りでもしようと思ったが無理みたい。
結局私の脳内のほとんどはeroいらしい。

ヨツマコ

「暑い」


梅雨も終わりに近付いたというのに、空気はジメジメ蒸し暑い。


珍しくネクタイを緩めた四ッ谷文太郎は屋上に向かって歩いていた。

手には購買部で買ってきた“飲むおしるこ”をもって。

いい加減、冷たい飲み物を買おうと思うのだがこの手はコレを選んでしまう。


苦笑を浮かべながら、屋上へと向かう階段を上がっていたとき。

ふと、視界の隅にゴミが落ちているのに気が付いた。


「またか」


溜め息を吐いた四ッ谷は、足先で空き缶を蹴り倒す。


最近、不良共が屋上前の踊場を溜まり場にしており迷惑極まりない。

空き缶や雑誌、菓子の袋の不法投棄には苛つかせられている。



──踊場の麗子さん。



ゴミを端に寄せる四ッ谷の頭は既に、不良共に聞かせる怪談を創作し始めていた。


…そうだな。

きれい好きな麗子さんは学校を汚す奴が許せず、片っ端から襲っていく。

なんてどうだろう。すばらしい。



「ん?」


そんな中、四ッ谷はゴミ山の中に一際異彩を放つものを見つけた。






「ちわーっす!」


休み時間開始のチャイムからしばらくもしないうち。
太陽照りつける屋上に、いつにも増して元気な中島真がやってきた。

そんな真を一瞥するも、すぐに視線は手元へと戻る。

「何してるんスかー?」

四ッ谷がいる白いチェア、こうもり傘の下をひょこりと覗き込む。

「なっ…!」

だが、四ッ谷が目を向けている正体に気付いた真は絶句し赤面した。


「なに読んでるんすかっ!!」


骨張った手から、真はソレを奪う。



四ッ谷が目にしていたのは、いわゆる官能雑誌。

どうしてそんなものを見ているのだとか、どこで入手したのかとか。
聞きたいことは沢山あるのに、何よりも持っていることがショックだった。

「せ、先輩のえっち!」

わーんと真に桃色表紙で叩かれる四ッ谷は、何故か落ち着いていた。



屋上前の踊場で拾った官能誌。
都市伝説扱いされてたって、これでも男なのだから興味がないことはない。

むしろ、ここのところ周囲をうろつく単細胞のせいで、そういう興味は強くなる一方で。
生まれることはないだろうと思っていた異性への好奇心。

気付いたときには桃色雑誌を開いていた。



「変態!ロリコン!スケベ大魔王!」

事実無実、感情が高ぶった真は罵詈雑言を並べる。

「言っとくがロリコン趣味はないぞ!」

「熟女キラーっ!」

「っ……」

興味があんのも興奮するのもお前だけだッ!
思わず吐きそうになった言葉を飲み込む。

それは、あまりに当てはまり過ぎる事実だったから。


興味本位で開いた官能雑誌だが、その中身に興奮することはなかった。
つまらない小話を読むように視線は右から左へと移動するだけ。

唯一目が止まったのがセーラー服を着た女のページだったことに苦笑した。


要はあれだ。あれなのだ。

悔しいことに俺は目の前の女にしか反応しない身体になっていたのだ。



歯を剥き出しにした真は、威嚇をするかのように眉を上げた。

「お前を抱けない分、これで我慢してるんだ」

そんな幼児体型じゃ無理だろ。
宥めようと口にした言葉だったが、それは逆に真の神経を逆なでてしまったようで。


「なっに言ってるんですか!!」

「ぐはっ」


ボサボサ頭にチョップが降りかかった。

バレー部所属の真チョップは、予想以上に脳に響いく。
ガンガン響く頭をさすり、四ッ谷は涙目で睨みつけた。

「なにすんだコノヤロウ!」

「わかりました」

「なにがだッ」

攻守交代。打って変わって吠えるは四ッ谷。
だが、真は落ち着いた様子で腹の上に跨った。そう、跨った。

「…なにしてる」

四ッ谷は眉を寄せる。
ひらりと風に舞い浮かんだ制服から覗いた白がやけに眩しかった。

「えっちでスケベな先輩にあたしからプレゼントっす」

そういうと唐突に、真はスカートのファスナーに手をかける。
ジジジ、とレールを走る音が、やけにゆっくりと聞こえた。

「ちょ、まてまてまて!」

慌てて制止を求める四ッ谷だが叶わない。
下を向く真の顔に、感じたことのない色っぽさが覗いていた。


「せんぱい」


止める四ッ谷の声も虚しく、スカートは指先を離れていった。

「!?」

四ッ谷はとっさに腕で顔を覆った。

だが、骨と皮とシャツだけの細い腕は完全に視界を覆うことはできず。


バッチリと腕の隙間から見えたのは、予想外にも紺色であった。



「は…?」


四ッ谷は目を瞬かせた。

そこにあったのは清純な白でもなければ誰かが叫んだ緑でもなく。


夏によく見かける紺だった。



「今日からプールなんスよ!」



スクール水着という名の、紺色だった。





「ちょっとあついけど着替えが短縮出来ますしね」

そういうと、水着の裾をピンと張らせる。
まだ発達途中の身体のラインを描く紺。

そんな真に、四ッ谷は拳を震わせた。


「おまえは、小学生、カァー!」

「ギャーっ!」


腹の上に落ちたスカートを無理やり穿かせる。
くすぐったいだの文句を言う真など気にも止めず、腰のフックを止めた。

「い、いくらなんでも小学生はないっス!」

「身体も思考も小学生だろ!」

「あー、やっぱ先輩はロリコンなんですねー!」

「んな身体に発情できっかッ!」


二人の言い争いをかき消すように、休み時間終了のチャイムが鳴り響く。

「あ、五時間目プールだっ」

なんでそんなことを忘れる!
四ッ谷の疑問などものともせず、真は白いチェアから飛び降りた。


揺れるスカートから覗く紺。



「そうだ、先輩」


ドアの前で立ち止まった真は振り返る。
イライラを隠しきれない四ッ谷は、返事を返さない。



「先輩って意外に純情なんですね」


キシシ。真はいたずらめいた笑みを浮かべ屋上を去っていった。

真が去った屋上では四ッ谷は一人、青空には似合わない溜め息を吐いた。





「セーラーに水着はないだろ…」



そう呟いた四ッ谷の顔は柄にもなく真っ赤に染まっていた。






END.



そろそろプールの季節だなって。
真ちゃんは水着とか制服の下から着てきちゃうと思う。
これが許されるのは小学生までだろうか。

真っ赤な先輩が書けて満足。
セーラーにスク水ってどんだけマニアック。
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