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LG13巻発売記念ということで久しぶりのLG更新です。
秋直書き始めた頃の書いて、しばらく未送信メールに眠っていた作品なので…
正直に言うといまいちキャラが掴めていないというかなんというか。
そのへんはまぁご愛嬌ってことで。ごめんね。
LG:秋直
秋直書き始めた頃の書いて、しばらく未送信メールに眠っていた作品なので…
正直に言うといまいちキャラが掴めていないというかなんというか。
そのへんはまぁご愛嬌ってことで。ごめんね。
LG:秋直
日雇い同然労働からの帰り道。
ひゅるりと冷たい風に打たれ、秋山は身体を震わせた。
煙草を吸おうとポケットに手を入れ箱を出す。
だが、箱の中身は空っぽ。
「…コンビニ寄ってくか」
ついでにコンビニ弁当も買ってこう。
夕飯を作る材料も無ければ、作る元気も無い。
今は家に帰ってシャワー浴びて、飯食って寝たい。
コンビニに入ると、そこは天国だった。
暖房が掛かった店内は、春のように暖かい。
つい雑誌でも立ち読みして、長居したくなる。
ちょうど明日は仕事が休みだったし、一晩ここで過ごしたって構わない。
あぁでも、煙草は吸えねーか。
手早く弁当を選び、苦笑を浮かべながらレジに向かった。
アパートに付くと、ドアの前に人影が見えた。
嫌な予感に吸いがらを携帯灰皿に押し込み、静かに近付く。
暗い外廊下に、腹を抱えるように座り込む少女。
俯いているため顔は分からないが、その茶色の髪には見覚えがあった。
寝ているのか、肩が小さく上下するだけ。
顔を上げようともしない。
無視をしようにも、少女はドアを背もたれにしているため無視せざる得ない。
不可能を可能にする奴も、これには驚きであろう。
さて、どうしたものか。
しばらく悩んだが、空腹と寒さに堪えきれず、深い溜め息を吐いた。
「おい」
話しかけてみるも、返事は無し。
「起きろ」
今度はしゃがみ込み、肩を揺らす。
「おい!」
最終手段、ほっぺを摘む攻撃。
自分には無い柔らかさに、鼓動が速くなるのを感じる。
そして、頬の冷たさに胸が締め付けられた。
「…い、いひゃ……い、です」
起きているのか寝ぼけてるのか分からないが、もごもごと口を動かす。
「こら!起きろ」
弁当が入ったビニール袋で、お寝坊さんの頭を小突く。
ゆっくりと上がる、焦点の合わない二つの瞳と目があった。
「あ……お帰りなさい、秋山さん」
「…何してんの?」
「えーと……秋山さんのー…帰り、を待ってました」
大きな欠伸を一つし、にこりと微笑む直。
「いつから?」
「四時過ぎ…でしたかね?」
「…三時間も待ってたの?」
「はい!」
やっと焦点の合った直は、嬉しそうに笑った。
「ったく…」
ポケットから鍵を出し、彼女の頭上にある鍵穴に差し込む。
鍵を目で追う直の間抜け面に、秋山は笑いを堪えていた。
「ほら、そこ退いて」
「あ、すいません」
鞄を大事そうに抱えながら、そそくさと秋山の後ろへとやってくる。
「………」
「………」
「……何、入んないの?」
「いいんですか?」
「用があって来たんだろ」
何もおもてなし出来ねーけど。
「はい!」
大きく頷いた直は、秋山の後を追って家に上がり込んだ。
風呂から上がると、テーブルの前で縮こまる直と目が合った。
けれど、すぐに逸らされてしまう。
「風呂、入ってく?」
「い、いいえ!大丈夫です!」
キッチンに向かい、飲料水と二つのコップを持って直の隣に腰掛ける。
「あっ、秋山さん…」
「ん?」
弁当を出しながら、直に耳を傾ける。
だが、直は俯いたままもごもごと口を動かすだけで、言葉にならない。
「あ、君も食べる?」
「そうじゃなくって!」
「じゃ、何?」
秋山は無表情なのにも関わらず、直の顔は何故か真っ赤に染まっていた。
「その…」
弱々しい声を聞きながら、二つのコップに飲料水を注いでいく。
勇気を振り絞るように聞こえた言葉は…
「…服、着てください…」
「………」
言われて見てみれば、下はジーンズを履き、上は何も纏っていない。
普段通りで違和感はない。
だが、まだ二十歳にもなっていない彼女には刺激が強かったようだ。
耳まで真っ赤に染め、両手で顔を隠していた。
「ふぅん…」
何、あんま男の身体見たこと無いの?
ふざけ半分にからかうと、ますます小さくなる直。
「ごめんごめん」
随分と下に来てしまった頭をぽんぽんと撫で、服を取りに行く。
溜まった洗濯の中から、綺麗そうなVネックの長袖シャツを着る。
戻ってきた頃には、直の顔の赤は収まっていた。
「それ、食ってて良いよ」
直の前に置かれた弁当を指さしながら、冷蔵庫の中を覗きに行く。
ペットボトルの飲料水に、卵が数個。
「悪いですよ!秋山の夕飯なんでしょ?」
あとは、彼女が来たとき用の小さな容器に入ったミルク。
おかずになりそうなものは、特にない。
「いいよ、そんなに腹空いてないし」
「あ!じゃあ、何か作りましょうか?」
たたたと隣にやって来たかと思えば、冷蔵庫の中を一緒に覗く。
「卵……卵焼き作りますね!」
「おい…」
「あ、ゆで卵の方が良いですか?」
「そうじゃなくって…」
「?」
鍋やらフライパンやら準備を始める直の肩に触れ、制止を掛ける。
「そこまでしてくれなくても良いから」
「駄目です!ちゃんと栄養付けないと、倒れちゃいますよ!」
秋山の制止も聞かず、フライパンを熱していく直。
その姿に、母親の姿が重なったと言うか…
懐かしい景色に、胸が締め付けられた。
けど、悪い気はしなかった…
「玉子焼き…」
「?」
「和風が良いんだけど」
「了解しました!」
びしっと敬礼を決めた少女は、馴れた手つきで料理を始めた。
「やっぱ、こういうところは子供か…」
小さなつぶやきは、油を敷く音にかき消された。
「…なんで、そこまでしてくれるんだ?」
「決まってるじゃないですか」
それはですね。
「秋山さんが好きだからですよ!」
「………」
あぁ、これだから正直者は困る…
「ところで用事って?」
焦げ付いた和風玉子焼きと弁当を食べ終わった秋山は、直に訪ねる。
すると、まだ食べ終わっていない直がにこりと笑って答えた。
「秋山さんに会いたくなっただけです」
「………」
「寒くなると、暖かいものを求めちゃうって本当ですねー」
「何、誘ってんの?」
「何をですか?」
「………」
振り回されっぱなしなのが気に食わず、本気で襲ってやろうかと手を伸ばす。
「あ!指、怪我してるじゃないですか!」
鞄から絆創膏を取り出し、慌てて指に巻き付ける。
「……お前って奴は…」
「?どうしたんですか、秋山さん」
「なんでもない」
END。
友達以上恋人未満…を目指しました。
天然攻め直ちゃんと、へたれ山さん。
天然直ちゃんはすんなり「好き」って言っちゃいそうです。
で、へた山さんは手を付けようにも付けられない…と。
ひゅるりと冷たい風に打たれ、秋山は身体を震わせた。
煙草を吸おうとポケットに手を入れ箱を出す。
だが、箱の中身は空っぽ。
「…コンビニ寄ってくか」
ついでにコンビニ弁当も買ってこう。
夕飯を作る材料も無ければ、作る元気も無い。
今は家に帰ってシャワー浴びて、飯食って寝たい。
コンビニに入ると、そこは天国だった。
暖房が掛かった店内は、春のように暖かい。
つい雑誌でも立ち読みして、長居したくなる。
ちょうど明日は仕事が休みだったし、一晩ここで過ごしたって構わない。
あぁでも、煙草は吸えねーか。
手早く弁当を選び、苦笑を浮かべながらレジに向かった。
アパートに付くと、ドアの前に人影が見えた。
嫌な予感に吸いがらを携帯灰皿に押し込み、静かに近付く。
暗い外廊下に、腹を抱えるように座り込む少女。
俯いているため顔は分からないが、その茶色の髪には見覚えがあった。
寝ているのか、肩が小さく上下するだけ。
顔を上げようともしない。
無視をしようにも、少女はドアを背もたれにしているため無視せざる得ない。
不可能を可能にする奴も、これには驚きであろう。
さて、どうしたものか。
しばらく悩んだが、空腹と寒さに堪えきれず、深い溜め息を吐いた。
「おい」
話しかけてみるも、返事は無し。
「起きろ」
今度はしゃがみ込み、肩を揺らす。
「おい!」
最終手段、ほっぺを摘む攻撃。
自分には無い柔らかさに、鼓動が速くなるのを感じる。
そして、頬の冷たさに胸が締め付けられた。
「…い、いひゃ……い、です」
起きているのか寝ぼけてるのか分からないが、もごもごと口を動かす。
「こら!起きろ」
弁当が入ったビニール袋で、お寝坊さんの頭を小突く。
ゆっくりと上がる、焦点の合わない二つの瞳と目があった。
「あ……お帰りなさい、秋山さん」
「…何してんの?」
「えーと……秋山さんのー…帰り、を待ってました」
大きな欠伸を一つし、にこりと微笑む直。
「いつから?」
「四時過ぎ…でしたかね?」
「…三時間も待ってたの?」
「はい!」
やっと焦点の合った直は、嬉しそうに笑った。
「ったく…」
ポケットから鍵を出し、彼女の頭上にある鍵穴に差し込む。
鍵を目で追う直の間抜け面に、秋山は笑いを堪えていた。
「ほら、そこ退いて」
「あ、すいません」
鞄を大事そうに抱えながら、そそくさと秋山の後ろへとやってくる。
「………」
「………」
「……何、入んないの?」
「いいんですか?」
「用があって来たんだろ」
何もおもてなし出来ねーけど。
「はい!」
大きく頷いた直は、秋山の後を追って家に上がり込んだ。
風呂から上がると、テーブルの前で縮こまる直と目が合った。
けれど、すぐに逸らされてしまう。
「風呂、入ってく?」
「い、いいえ!大丈夫です!」
キッチンに向かい、飲料水と二つのコップを持って直の隣に腰掛ける。
「あっ、秋山さん…」
「ん?」
弁当を出しながら、直に耳を傾ける。
だが、直は俯いたままもごもごと口を動かすだけで、言葉にならない。
「あ、君も食べる?」
「そうじゃなくって!」
「じゃ、何?」
秋山は無表情なのにも関わらず、直の顔は何故か真っ赤に染まっていた。
「その…」
弱々しい声を聞きながら、二つのコップに飲料水を注いでいく。
勇気を振り絞るように聞こえた言葉は…
「…服、着てください…」
「………」
言われて見てみれば、下はジーンズを履き、上は何も纏っていない。
普段通りで違和感はない。
だが、まだ二十歳にもなっていない彼女には刺激が強かったようだ。
耳まで真っ赤に染め、両手で顔を隠していた。
「ふぅん…」
何、あんま男の身体見たこと無いの?
ふざけ半分にからかうと、ますます小さくなる直。
「ごめんごめん」
随分と下に来てしまった頭をぽんぽんと撫で、服を取りに行く。
溜まった洗濯の中から、綺麗そうなVネックの長袖シャツを着る。
戻ってきた頃には、直の顔の赤は収まっていた。
「それ、食ってて良いよ」
直の前に置かれた弁当を指さしながら、冷蔵庫の中を覗きに行く。
ペットボトルの飲料水に、卵が数個。
「悪いですよ!秋山の夕飯なんでしょ?」
あとは、彼女が来たとき用の小さな容器に入ったミルク。
おかずになりそうなものは、特にない。
「いいよ、そんなに腹空いてないし」
「あ!じゃあ、何か作りましょうか?」
たたたと隣にやって来たかと思えば、冷蔵庫の中を一緒に覗く。
「卵……卵焼き作りますね!」
「おい…」
「あ、ゆで卵の方が良いですか?」
「そうじゃなくって…」
「?」
鍋やらフライパンやら準備を始める直の肩に触れ、制止を掛ける。
「そこまでしてくれなくても良いから」
「駄目です!ちゃんと栄養付けないと、倒れちゃいますよ!」
秋山の制止も聞かず、フライパンを熱していく直。
その姿に、母親の姿が重なったと言うか…
懐かしい景色に、胸が締め付けられた。
けど、悪い気はしなかった…
「玉子焼き…」
「?」
「和風が良いんだけど」
「了解しました!」
びしっと敬礼を決めた少女は、馴れた手つきで料理を始めた。
「やっぱ、こういうところは子供か…」
小さなつぶやきは、油を敷く音にかき消された。
「…なんで、そこまでしてくれるんだ?」
「決まってるじゃないですか」
それはですね。
「秋山さんが好きだからですよ!」
「………」
あぁ、これだから正直者は困る…
「ところで用事って?」
焦げ付いた和風玉子焼きと弁当を食べ終わった秋山は、直に訪ねる。
すると、まだ食べ終わっていない直がにこりと笑って答えた。
「秋山さんに会いたくなっただけです」
「………」
「寒くなると、暖かいものを求めちゃうって本当ですねー」
「何、誘ってんの?」
「何をですか?」
「………」
振り回されっぱなしなのが気に食わず、本気で襲ってやろうかと手を伸ばす。
「あ!指、怪我してるじゃないですか!」
鞄から絆創膏を取り出し、慌てて指に巻き付ける。
「……お前って奴は…」
「?どうしたんですか、秋山さん」
「なんでもない」
END。
友達以上恋人未満…を目指しました。
天然攻め直ちゃんと、へたれ山さん。
天然直ちゃんはすんなり「好き」って言っちゃいそうです。
で、へた山さんは手を付けようにも付けられない…と。
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