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LGで秋直です。

今年ラストの秋直。ちょっぴりあだるちっく。
来年は…原作で秋直拝めれば満足、です…!


LG/秋直(恋人設定)

「俺は年上がすきだったんだ」



私の上に乗りながら、秋山さんがそう言うものだから。


年下の私がなんて返したら良いのかわからなくて。


「そうなんですか」としか返せなかった。






気だるい事後。

重たい身体と腰にかかる酷い痛み。
どうにか起き上がるけれど、パジャマが見つからない。

仕方がないと手身近にあった秋山さんのシャツを羽織り振り返る。

素肌に熱のない布は冷たいだけ。
暖を一心に求めるその身体を、布団の中に潜り込ませた。


「あきやまさん」


酷く嗄れた声。
聞こえなかったのか、返事はない。


「秋山さん」

咳払いを一つして、まだましになった声で秋山を呼ぶ。
今度はさっきよりも、力強く。

それでも返事はなく、痺れを切らした直はその肩を揺らした。

「秋山さん!」

「……ん、なに…?」

これにはさすがの秋山も目を覚まし、もごもごとした口調で返事をした。

「聞きたいことがあるんです」

「んー…」

上を向いていた身体が寝返りを打ってこちらを向く。
無駄のない身体に見惚れている自分に気付き、頭を左右に振った。

そして再び眠りにつこうとしている秋山の頬を叩いた。


「目を、開けて下さい」


ゆっくりと開く瞼。

眩しそうに細められた切れ長の瞳はメデューサ。
私の身体は石のように動けなくなってしまう。


「眠い」

再び閉じ掛けた瞼に慌て、呪いは解ける。

「わ、私だって眠かったのに!秋山さんの、せいで…」

「俺のせい?」

ピクリと眉が動く。

「君も、感じてたでしょ」

シャツの裾で遊びだす指を、直は慌てて退けた。
睨みつけるも余裕たっぷりの涼しい微笑で返されてしまう。

「とにかく、秋山さんのせいで眠れなくなっちゃったんです!」

「…興奮して?」

「ちがいます!」

照れる間もなく全力否定。
苦笑しながらも受け取った秋山は、直に向けて人差し指を立てた。

「じゃあ、もう一回」

「秋山さん」

「冗談冗談」

嘘。目が本気だった。


やっぱり6つも年の差があるからだろうか。

秋山さんには時々、付いていけなくなるときがある。



身体を起こし見下ろす作戦が効いたのか、諦めたように仰向けになった。

「………」

「安心して。もう何もしないから」

「秋山さん」

「なに?」

「一ついいですか」

「どうぞ」



「秋山さんって年上が好きなんですか?」



細い瞳が珍しく、まん丸に開く。
長い長い沈黙の後、少し震えた声が言葉を並べる。


「どうして?」

知ってるの。もしくは、そう思うの。

どちらかが続くであろう文脈。
けれど、待てども待てどもその先は続かない。
途切れた会話を戻すため、直は口を開けた。

「さっき“俺は年上がすきだったんだ”って秋山さんが」

無意識だったのだろうか。
きれいな整った顔は、苦虫を噛んだような表情。

そんな顔をされては、聞かれたくなかったのかと。
言わなければよかったと後悔。

でも、傷つくかもしれないのに聞きたいのは女の悲しい性。

やっぱり良いです。の言葉を飲み込み、返事を待った。

直が引かないことに気付いたのか、溜め息を一つ。
それから、しぶしぶと言った様子で話しはじめた。



「確かに、俺は年上の方が好きだった」

私は、彼より6つも下。


「しかも胸と尻がデカくて腰がくびれた、グラマーな女が好きだった」

胸はあるけれど、寸胴な腰から下。


「大人の女は話もよくわかってくれるし、何より頭がいい」

秋山さんの考えていることなど、ただの女大生である私にはわからない。


「年下なんて面倒くさいとしか思っていなかった」


グサグサと心臓に突き刺さる鋭利な矢。
ひびが入った心は、触れただけで崩れてしまいそうで。
堪えるようにシャツを握りしめた。


「そう、ずっと思ってた」


救いの手が頭を撫でる。

顔を上げるとそこには、起き上がった秋山さん。
裸で笑みを浮かべる姿は一枚の絵画のようだった。


「君に出会って世界は180度変わったんだ」

「…それって」

その先は言わせない。
そう言うかのように、唇を塞がれた。

乾いた唇に、触れるだけの優しいキス。



「今じゃ、年下しか考えられない」

あれだけのキスなのに、息が上がってしまう。


“年下しか考えられない”っていうのもアレな気がするけれど…


口に出したら怒られそうで、胸を押さえ深く息を吸い、秋山を見上げた。


「浮気、しないでくださいよ」

「どうしてそうなる」

「最近の若い子は、かわいい子が多い───」


んです。


と続くはずだった言葉は、秋山の唇に消されてしまった。


話している途中だったため、無防備に開いていた口。

「!」

そこからするりと。
いや、ぬるりと侵入してきた舌は早々に舌を求めてきた。

逃げようにも逃げ場などない。

意図も簡単に捕まってしまい、舌を絡めとられた。
ざらざらと交わる度、そこから熱が生まれる。






「ん、はぁ……あっ」


解放された頃には、口内は秋山さんの味でいっぱいだった。
飲み干せなかった唾液が、口の端を伝い顎へと伝う。


「なん、で……突然こんな…」

「君が疑うから」

「…あんな言い方じゃ、誰だって疑います」

平然と言われ、思わずむっとなる。

「酷いな」

「酷いのは秋山さんです」

「じゃあ、もう一回するか」

いつの間にか押し倒されていたベッドの上。
意地悪な顔が栗色の前髪から覗く。


ここまでされては諦めるしかない。
覚悟を決め目を閉じた。



だが、一向に何かをしてくる様子がない。
不思議に思い目を開けると、きれいな顔が大きな欠伸をしているところだった。

「秋山さん?」

「…眠い」

そういいながら、再び欠伸をする姿は子供そのもの。
なんだかそれがおかしくて、思わず吹き出してしまった。

「…直」

「ご、ごめんなさい!つい…」

口をへの字に歪められてしまい謝る。
けれど、そんな直も釣られるように欠伸をしてしまった。

慌てて口元を押さえるも遅い。


「移っちゃいました…」

欠伸は移ると言うけれど、まさか本当に移るとは。

ちらちらと秋山の様子を窺う。
しばらく睨まれていたけれど、突然ごろりと寝転がった。



「今日のところは寝ようか」

「そうですね」



欠伸をする秋山さんの横顔は、いつも通りにきれいだった。






end.



今年最後の秋直はちょっぴりあだるちーに。

秋山は年上好きなイメージがあります。
けれど、直ちゃんに出会ってから変わったとかだったらすごくいい。
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