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ソウルイーターまた見逃した…
やっぱり深夜版で見ます。

とらじまさんちの壁紙貰いました!
ふふふ〜。はだワイ晴香ちゃん〜。
これ誰かに見られたらヤバいな…。
まぁ、愛にはかなわないがねっ!


今日のは甘いのです。

新婚設定

あなたに桜を贈りましょう。



「…ただいま」

玄関から聞こえた、大好きな声。

洗いものをしていた時の出来事だった。

晴香は急いで泡のついた両手を水で洗い流す。
タオルで拭く時間も勿体無く感じてしまい、エプロンで雑に拭きながら廊下を駆ける。
玄関につく頃には靴を脱ぎ終わった八雲がこちらに足を向けていた。
「おかえりっ!」
八雲の前で急ブレーキをかけた晴香はそう言うと何かをねだるように上目遣いで見上げる。

今は帰ってくると常識になってきたこの行動。

そんな晴香を見て呆れたように溜め息を吐いた八雲。だがその表情はその行動とは逆に幸せそうだった。
「ただいま…」
そう言うと八雲は晴香の唇に軽いキスを落とす。
それだけの事なのに晴香は幸せそうに火照った頬を緩めた。

「今日は君にお土産があるんだ」
「お土産っ!?」
八雲は晴香の頭を少々荒く撫で回しながらそう言う。
お土産…という言葉に反応した晴香の顔がそこにはあった。
晴香はまるで子供のように目をキラキラさせて八雲を見上げている。
しばらくその顔を堪能しようとしたが晴香の瞳に急かされ、しぶしぶ中断する八雲。
「…喜んで貰えるかは分からないんだが…」
そういいながら八雲はコートのポケットを探る。
晴香の視線がポケットに移ると、八雲がその中から長方形の紙切れを出す。
「…しおり?」
「あぁ」
八雲は晴香の手を取るとその中にしおりを収めた。
晴香はしおりを手に取るとじっ、とそれを見つめる。


桃色の厚紙に白色に近い桜の花びら。

それが押し花されたしおり。


「…帰り道にちょうど桜の花びらが散ってるのを見て…。君にプレゼントしたくなったんだ…」
照れ隠しのようにそっぽを向き、寝癖だらけの髪を掻き回す八雲。
その頬が微かに赤く染まっていたのは誰も知らない。
「その…気に入ってくれたか?」
心配したようにおそるおそると八雲が訪ねる。
だがその心配は無用だった。
「うんっ!」
そう答えた晴香の顔は今まで見たなかで一番の微笑みだったからだ。
その微笑みに少々どぎまぎし、固まりながらも八雲は安心したように頬を緩める。
「そうか…」
「でも、どこでこんな作業してたの?」
晴香がそう訪ねると瞬時に歪み、そらされる八雲の顔。
その表情の変化を不思議に思い、首を傾げる晴香。


押し花なのだから、そう数分で出来るわけがない。

作業は最低でも一日はかかるであろう。

それに数日前の雨のせいで桜は散ってしまった。

その後の花びらならば、こんなに綺麗に残っていないだろう。

…と、いうことは。それ以前に作っていたということになる。


「八雲君?」
再び八雲に声をかける。
なかなか答えてくれない八雲にむっ、とした晴香。
八雲の前に入り込むと無理矢理視線を合わせる。
とうとう降参したのか、諦めたように深い溜め息を吐いた八雲。
「…君に隠れて作ってた」
「いつから?」
「………」
「八雲君?」
本日何度目かの首を傾げるポーズをする晴香。
それを見て諦めないな…と思った八雲はしぶしぶ口を開いた。
「ずっと…。ずっと前からだっ!」
八雲がそう言い放つと、晴香が答える暇もなく抱きしめる。
突然の出来事に目を白黒させている晴香をよそに、どんどん力を強める八雲。
「やっ…八雲君っ!」
どうにか顔だけ抜け出せた晴香が声を上げ、八雲を見ようとする。
だがそれに気がついた八雲が阻止しようとますます腕の力を強めた。
「見るなっ!」
「き…きついよ、八雲君…」
「笑いたかったら笑えっ!」
突然八雲がそんな事を言い出す。
その時見えた八雲の耳は何故か真っ赤に染まっていたが、それを指摘する間は無かった。
「へ?…な、何で笑うのよっ!」
どうにかそれだけ言えた晴香は八雲の胸板を押す。
そこでやっと離れてくれた八雲。
予想通り真っ赤な顔をした八雲が目の前にいた。
「だって…。僕に押し花なんて似合わないし…」
すねた子供のように目をそらした八雲がなんだか可愛く見えた晴香。


…そんな事、気にしてたんだ…


「だからって八雲君がしちゃいけないなんて決まってないのよ?」
「………」
晴香はぎゅっとしおりが折れない程度に八雲の手を握る。
突然手を握られて驚いたように目を見開く八雲。
「…また作ってくれる?」
晴香がニコリと微笑みながら八雲にそう訪ねてくる。
少し照れたように頬を染めた八雲だが小さくうなずいたのを晴香は見逃さなかった。
「八雲君、ありがと〜っ」
晴香はそう言うと八雲に力の限りぎゅーっと抱きついた。
「どういたしまして…」
八雲はそれに答えるように優しく抱きしめ返した。



「あ、お返しあげなくちゃね」
ソファーに座って本を読んでいた晴香が思い出したようにそう言う。

もちろん片手には八雲から貰った、桜のしおり。

カーペットに座って新聞を読んでいた八雲がそんな晴香を見上げた。
「…別にお土産なんだからお返しなんていらないぞ?」
「駄目っ!八雲君が良くても私が駄目なのっ!」
晴香はそういうと桜のしおりを本の間に挟むとソファーから立ち上がる。
そして八雲の横にちょこんと座るとその唇に軽いが長いキスを贈る。
「…お返しっ」
嬉しそうにニコニコとしている晴香は赤い顔でそう言う。
その横には晴香と同じく顔を染めた八雲が唇を押さえていた。

「…お返しのお返しだ…」
八雲はそういうと晴香の唇に熱く長いキスをお返しした。


END。



無駄にベタベタさせた作品が書きたい…
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