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八雲でパロディで、魔法使い猫八雲。
猫の日に上げられなかったので、猫の日週間には意地でも上げようと…!
いつものごとく、憶えている方がいるかはわかりませんが。
最近、パロディばかりで申し訳ないです…orz
過去の魔法使いパロはカテゴリー:パロディにあります。
八雲/魔法使い八雲(パロ)3話
猫の日に上げられなかったので、猫の日週間には意地でも上げようと…!
いつものごとく、憶えている方がいるかはわかりませんが。
最近、パロディばかりで申し訳ないです…orz
過去の魔法使いパロはカテゴリー:パロディにあります。
八雲/魔法使い八雲(パロ)3話
チュンチュンとスズメの囀りが耳に届く。
「うぅん」
晴香は朝日の眩しさから逃れるように、寝返りを一つした。
大の字になろうとした四肢が、だらしなくシーツの上に投げ出される。
……訂正。投げ出されようとした。
「……?」
右の手足だけ触れた、ぺたりとした感触に晴香は眠い目を擦った。
右の手のひらでぺたぺたと確認しながら、重い瞼を開けると…
「きゃぁぁああああっ!!」
そこには、全裸の男の人がいた。
早朝からドンと言う鈍い音が、小沢晴香の家に木霊した。
ベランダの手すりを止まり木にしていたスズメが一斉に飛び立つ。
さっきまでの眠気はどこへやら。
パッチリと見開いた両の目は、壁際に突き飛ばされた男を捉えていた。
「だっ、だだだ誰っ!?」
布団を口元まで引っ張る。
全裸の男はまぬけな格好で瞬きを繰り返し、呆れた表情でため息を吐いた。
「…君は昨日のことももう忘れたのか?」
「昨日のこと…?」
思いだそうとするも脳は起きていないらしく、なかなか思い出せない。
それよりも“昨日のこと”なんて言い方をされると、なんだか卑しくて…
そんな晴香を見て再度ため息を吐く男。
ベッドに手を突いたかと思えば、ぐいと顔を寄せてきた。
鼻と鼻とが触れてしまいそうな距離に、逃げようとするも背中には壁。
逃げ場はない。
胸元で赤い石のネックレスがきらりと輝いた。
下から見上げてくる黒と赤の瞳に、もうだめだとぎゅっと目を閉じたとき。
「にゃー」
場にそぐわない声がした。
「に、にゃあ?」
思わず反芻する。
口にしてみてやっと思い出した。
昨日、雨の中怪我をしていた黒猫を見つけて、家に連れて帰って…
お風呂に入れて、怪我の手当てをしてあげたら……ぼんっ、だ。
そう、黒猫から人間へと変身した。自称魔法使いの…
「やくも、くん…?」
「やっと思い出したか」
晴香の口から出てきた名前に、八雲は鳥の巣のような頭を掻き回した。
そして鼻先まで近付いた晴香の顔から離れる。
「なんで僕が朝っぱらから突き飛ばされないといけない」
「……っ!」
ブツブツと文句を口にする八雲とは裏腹に、晴香の頬は真っ赤に染まっていく。
さっきまではあの距離と、目前まで近付いた八雲に驚き忘れていた。
そう、目の前の男は何も身に纏ってはいなかった…
「きゃぁぁああああっ!!」
本日二度目、八雲は晴香に突き飛ばされた。
八雲はじんじんと痛む頬を、氷嚢で冷やしながら包帯を解いていた。
氷嚢は今朝、晴香に突き飛ばされた分。
包帯は昨夜、晴香が撒いてくれたもの。
「一緒に寝て良いと言ったのはそっちのはずだったが?」
それをぼんやり眺めていた晴香は、じろりと突然睨まれ背筋を立たせた。
「そ、それは猫の姿での話よ!」
これは事実。
昨夜、足元で眠る猫の姿の八雲が可哀想で布団の中に招き入れた。
でもそのときちゃんと「布団の中で人間の姿にはならない」と約束させた。
…約束を破ったのは向こうだ。
包帯を解き終えたのを見計らい、晴香は薬箱とともに八雲に近付いた。
「猫の姿も人の姿も僕なんだ。そう変わらないだろ」
「変・わ・り・ま・す!!」
傷口に消毒をされ、顔をしかめる八雲に一喝。
そして、八雲の陶磁器のような手に包帯を巻きだした。
「しっ、しかも……は、ははハダカ、なんて」
つい包帯を巻く手が速くなる。
それを見た八雲は、にやりと意地悪く笑い耳元で囁いた。
「ハダカの付き合いをした仲じゃないか。はるか……?」
名前を呼ばれただけなのにもかかわらず、ぞくぞくと背筋を走る何か。
思わず包帯から手を離し、言葉と吐息を投げかけられた耳を押さえた。
コロコロと包帯が床を転がる。
「なっ…なに!?」
「感度が良いようでなにより」
にやりと口の端を上げ、早く巻けと包帯を顎で差す。
八雲を睨んでいた晴香だが、鼓動が落ち着きだしたのを見計らい作業を再開した。
「私、八雲君とハダカの付き合いなんてしてません!」
八雲が勝手にハダカになったことは何度かあるけれど。
昨日の今日の間、ハダカの付き合いなどしていない。
「もう忘れたのか?」
「だから……私がいつ」
「風呂」
八雲の口が刻んだ二文字。
最初は何のことかと思ったが、じわじわと思い出す。
「な、ななな…っ」
「意外とあるんだな」
そう言うと、胸に視線が突き刺さる。
そんなことはないのに直に見られているようで、思わず手をクロスさせた。
「僕の身体も洗ってくれたし」
「あれは猫の身体でしょ!やらしい言い方しないで!」
「猫でも人でも僕の身体には変わりない」
まだ言うか!
言いたいことはたくさんあったが、八雲に口喧嘩で勝てる気がせず。
晴香はため息を吐き、包帯を巻きだした。
そこでふと疑問に思い、八雲に問いかける。
「怪我くらい魔法でどうにかならないの?」
洋服だって出せるし、姿だって変えられるんだ。
「それは無理だ」
「どうして?」
「僕にだって、…魔法使いにだって出来ることと出来ないことがある」
「ふーん…そういうもの?」
「そういうものだ」
まだ目の前の男を信用した訳ではないが、そんな事実があったとは。
世の中、そんなに甘くないということか。
子供の頃から夢見ていた分、少しショックだった。
「はい、おしまい」
そうこうしている間に包帯も巻き終わり、晴香は救急箱を片付け始めた。
八雲はお礼を言うことなく、腕に巻かれた包帯を眺めている。
だがそれも長くは続かず。
大きな欠伸を一つすると立ち上がり、晴香のベッドにうつ伏せで倒れ込んだ。
「ちょっと!人のベッドで何勝手に…」
「僕は疲れた」
うつ伏せのままそう言うと、右腕を上げ指を鳴らした。
その音が魔法の合図。
ぼんっという音とともに八雲の身体は煙に包まれ。
煙が晴れた頃、ベッドの上には猫が一匹転がっていた。
「にゃあ」
そして解けた包帯をまた巻けと催促するように、猫は右の手を突き出す。
「………」
それを晴香は睨み下ろしていたが、幾分もしないうちにため息を吐いた。
「猫の姿でいるなら、包帯巻く前に言いなさいよね」
晴香はベッドに腰を掛けると、黒猫の前足に包帯を巻き直しだした。
end.
魔法使いの八雲ってえろり人、でしたっけ…?
あれ、普通な八雲だったかもです。
「うぅん」
晴香は朝日の眩しさから逃れるように、寝返りを一つした。
大の字になろうとした四肢が、だらしなくシーツの上に投げ出される。
……訂正。投げ出されようとした。
「……?」
右の手足だけ触れた、ぺたりとした感触に晴香は眠い目を擦った。
右の手のひらでぺたぺたと確認しながら、重い瞼を開けると…
「きゃぁぁああああっ!!」
そこには、全裸の男の人がいた。
早朝からドンと言う鈍い音が、小沢晴香の家に木霊した。
ベランダの手すりを止まり木にしていたスズメが一斉に飛び立つ。
さっきまでの眠気はどこへやら。
パッチリと見開いた両の目は、壁際に突き飛ばされた男を捉えていた。
「だっ、だだだ誰っ!?」
布団を口元まで引っ張る。
全裸の男はまぬけな格好で瞬きを繰り返し、呆れた表情でため息を吐いた。
「…君は昨日のことももう忘れたのか?」
「昨日のこと…?」
思いだそうとするも脳は起きていないらしく、なかなか思い出せない。
それよりも“昨日のこと”なんて言い方をされると、なんだか卑しくて…
そんな晴香を見て再度ため息を吐く男。
ベッドに手を突いたかと思えば、ぐいと顔を寄せてきた。
鼻と鼻とが触れてしまいそうな距離に、逃げようとするも背中には壁。
逃げ場はない。
胸元で赤い石のネックレスがきらりと輝いた。
下から見上げてくる黒と赤の瞳に、もうだめだとぎゅっと目を閉じたとき。
「にゃー」
場にそぐわない声がした。
「に、にゃあ?」
思わず反芻する。
口にしてみてやっと思い出した。
昨日、雨の中怪我をしていた黒猫を見つけて、家に連れて帰って…
お風呂に入れて、怪我の手当てをしてあげたら……ぼんっ、だ。
そう、黒猫から人間へと変身した。自称魔法使いの…
「やくも、くん…?」
「やっと思い出したか」
晴香の口から出てきた名前に、八雲は鳥の巣のような頭を掻き回した。
そして鼻先まで近付いた晴香の顔から離れる。
「なんで僕が朝っぱらから突き飛ばされないといけない」
「……っ!」
ブツブツと文句を口にする八雲とは裏腹に、晴香の頬は真っ赤に染まっていく。
さっきまではあの距離と、目前まで近付いた八雲に驚き忘れていた。
そう、目の前の男は何も身に纏ってはいなかった…
「きゃぁぁああああっ!!」
本日二度目、八雲は晴香に突き飛ばされた。
八雲はじんじんと痛む頬を、氷嚢で冷やしながら包帯を解いていた。
氷嚢は今朝、晴香に突き飛ばされた分。
包帯は昨夜、晴香が撒いてくれたもの。
「一緒に寝て良いと言ったのはそっちのはずだったが?」
それをぼんやり眺めていた晴香は、じろりと突然睨まれ背筋を立たせた。
「そ、それは猫の姿での話よ!」
これは事実。
昨夜、足元で眠る猫の姿の八雲が可哀想で布団の中に招き入れた。
でもそのときちゃんと「布団の中で人間の姿にはならない」と約束させた。
…約束を破ったのは向こうだ。
包帯を解き終えたのを見計らい、晴香は薬箱とともに八雲に近付いた。
「猫の姿も人の姿も僕なんだ。そう変わらないだろ」
「変・わ・り・ま・す!!」
傷口に消毒をされ、顔をしかめる八雲に一喝。
そして、八雲の陶磁器のような手に包帯を巻きだした。
「しっ、しかも……は、ははハダカ、なんて」
つい包帯を巻く手が速くなる。
それを見た八雲は、にやりと意地悪く笑い耳元で囁いた。
「ハダカの付き合いをした仲じゃないか。はるか……?」
名前を呼ばれただけなのにもかかわらず、ぞくぞくと背筋を走る何か。
思わず包帯から手を離し、言葉と吐息を投げかけられた耳を押さえた。
コロコロと包帯が床を転がる。
「なっ…なに!?」
「感度が良いようでなにより」
にやりと口の端を上げ、早く巻けと包帯を顎で差す。
八雲を睨んでいた晴香だが、鼓動が落ち着きだしたのを見計らい作業を再開した。
「私、八雲君とハダカの付き合いなんてしてません!」
八雲が勝手にハダカになったことは何度かあるけれど。
昨日の今日の間、ハダカの付き合いなどしていない。
「もう忘れたのか?」
「だから……私がいつ」
「風呂」
八雲の口が刻んだ二文字。
最初は何のことかと思ったが、じわじわと思い出す。
「な、ななな…っ」
「意外とあるんだな」
そう言うと、胸に視線が突き刺さる。
そんなことはないのに直に見られているようで、思わず手をクロスさせた。
「僕の身体も洗ってくれたし」
「あれは猫の身体でしょ!やらしい言い方しないで!」
「猫でも人でも僕の身体には変わりない」
まだ言うか!
言いたいことはたくさんあったが、八雲に口喧嘩で勝てる気がせず。
晴香はため息を吐き、包帯を巻きだした。
そこでふと疑問に思い、八雲に問いかける。
「怪我くらい魔法でどうにかならないの?」
洋服だって出せるし、姿だって変えられるんだ。
「それは無理だ」
「どうして?」
「僕にだって、…魔法使いにだって出来ることと出来ないことがある」
「ふーん…そういうもの?」
「そういうものだ」
まだ目の前の男を信用した訳ではないが、そんな事実があったとは。
世の中、そんなに甘くないということか。
子供の頃から夢見ていた分、少しショックだった。
「はい、おしまい」
そうこうしている間に包帯も巻き終わり、晴香は救急箱を片付け始めた。
八雲はお礼を言うことなく、腕に巻かれた包帯を眺めている。
だがそれも長くは続かず。
大きな欠伸を一つすると立ち上がり、晴香のベッドにうつ伏せで倒れ込んだ。
「ちょっと!人のベッドで何勝手に…」
「僕は疲れた」
うつ伏せのままそう言うと、右腕を上げ指を鳴らした。
その音が魔法の合図。
ぼんっという音とともに八雲の身体は煙に包まれ。
煙が晴れた頃、ベッドの上には猫が一匹転がっていた。
「にゃあ」
そして解けた包帯をまた巻けと催促するように、猫は右の手を突き出す。
「………」
それを晴香は睨み下ろしていたが、幾分もしないうちにため息を吐いた。
「猫の姿でいるなら、包帯巻く前に言いなさいよね」
晴香はベッドに腰を掛けると、黒猫の前足に包帯を巻き直しだした。
end.
魔法使いの八雲ってえろり人、でしたっけ…?
あれ、普通な八雲だったかもです。
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