×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
八雲で婿入りパロディ、婿入り探偵八雲です!
気付いた方もいらっしゃるかと思いますが、最近パロディの更新率が高いです。
どんなお話が好きなのかな、人気なのかなと思ったので!
あとやっていないのは…番長と幼児化?
八雲/婿入り探偵八雲(3話)
気付いた方もいらっしゃるかと思いますが、最近パロディの更新率が高いです。
どんなお話が好きなのかな、人気なのかなと思ったので!
あとやっていないのは…番長と幼児化?
八雲/婿入り探偵八雲(3話)
この地に越してから、今日でちょうど七日。
彼女の実家に婿入りした、そんな生活にも慣れてきたある日。
店仕舞いした店内を、八雲はくまなく掃除していた。
台を拭く腕裁きは手慣れたもの。
今まで掃除をするような環境にいなかったため、初日は手こずった。
けれど七日の成果か。
晴香や晴香の母、恵子とともにしていた掃除を一人で任されるようになった。
接客すらまともに出来ない八雲の仕事は、皿洗いと店内掃除だけ。
けれど八雲はそんな時間が好きだった。
「ん?」
テーブルの真下に付属された棚を布巾で拭いていたとき。
何かがぶつかり、そのまま床に落ちた。
客の忘れ物だろうか。
なんだろうと屈んだ八雲が手にしたものは……
「っ!!」
いわゆる、桃色雑誌だった。
「これ、は…」
忘れ物は、晴香たちに届けることになっている。
今までも何度も届けたことはあるが…
これとそれとでは訳が違う。
渡すに渡せない。というより渡し辛い。
悩みながらも目は表紙の女から離せない。
「………」
…正直に言うと、飢えてる己がいた。
ここに越してきてから、いいやその前から何週間と彼女としていない。
表紙の女が愛する彼女じゃなくても、その顔が彼女のように見えて…
「やぁ!」
「!?」
声を掛けられるのと同時に肩を叩かれ、雑誌を落としそうになる。
振り返るとそこには、店指定の制服を着た晴香の姿。
さすがは看板娘。とても似合っている。
「どうしたの?」
「…どうもしてない」
とっさに雑誌を背中に回す。
「あ、いま何か隠したでしょ!」
どうしてこう言うときだけ気付くんだ。
じりじりとにじり寄る晴香から逃れるように、一歩また一歩と後ろに下がる。
けれどそう広くはない店内。
悲しいことに壁に背中がくっついてしまった。
あぁもう駄目なのか。
そう思い目を閉じたとき。
救いの声が聞こえた。
「晴香ー、ちょっとこっち手伝ってくれるー?」
「どうしたのお母さん?」
厨房から届いた恵子の声に、晴香はじゃあねと言い残し行ってしまった。
ほっと胸を撫で下ろす八雲。
「八雲くーん!」
「!」
「もう上がっていいってー」
「あぁ」
姿は見えないまま厨房から聞こえる声に、適当に返事を返す。
「あと、もう少しで晩ご飯だって」
だが厨房の前を通り過ぎようとしたとき。
ひょこりと顔を覗かせた晴香に驚き、思わず布巾を落としてしまった。
「?…どうしたの?」
「…なんでもない」
慌てて布巾を拾った八雲は、雑誌を背中に店内を後にした。
みしりみしり。階段を踏みしめる度に、板が軋む。
その音に懐かしさを感じながら、八雲は母屋二階。晴香の部屋に向かっていた。
晴香の両親と一つ屋根の下で暮らすと決めた日。
色々と覚悟はしていた。
けれど晴香の実家である蕎麦屋が宿泊施設も兼ねている。
ということに油断していた。
きっと離れの一部屋を貸してくれるだろうと考えていた二人の予想は外れ。
それこそ言葉通り一つ屋根の下。
晴香が使っていた母屋二階の部屋を、新婚の二人は寝室として使うことになったのだ…
まさか結婚早々にこんな問題にぶつかるとは。
「はぁ…」
そんなこともあって、二人は新婚だというのにご無沙汰であった。
部屋の薄い襖を開け、電気を付ける。
迷った挙げ句、八雲は襖を閉めた。
「………」
二人分の布団を敷きながらも、頭に浮かぶは桃色の雑誌。
彼女以外の女になんか全く興味はないのだけれど、さすがに限界が近い。
部屋の隅で、荷物の下に隠したそれを引っ張り出す。
じっと見つめるていると、見ず知らずの表紙の女が晴香に見えてくる。
彼女はこんなことしない!
と心の中では分かっていても、何故だか抑えられなかった。
「いい湯だったぁ!」
襖が開くと同時に聞こえた声。
八雲の肩がぴくりと動く。
「八雲君?」
そのまま動かなくなった八雲を不審に思い覗き込む。
気まずそうに目を逸らした八雲の手元には、一冊の雑誌があった。
「?」
それを八雲の手から取った晴香は赤面した。
あわあわと口を震わせ、八雲を睨む。
「なっ、なによこれっ!!」
声をあげる晴香。
八雲を見下ろすも返事はなく、膝の上で拳を握っていた。
ときどき何か言いたそうに顔を上げるも、言い訳すら吐かれなかった。
「……すまない」
ただ一言、謝られた。
「晴香ぁ、どうしたのー?」
冷やかすような声が、階段と廊下を抜けて飛んでくる。
晴香は立ち上がり、襖から顔を覗かせて「何でもないから大丈夫ー」と返した。
開けっ放しだった襖を締める。
八雲の隣に戻るなり、ぼそぼそと喋り出した。
「……僕のじゃない」
「知ってるよ」
「………。忘れ物…」
「そんなことだろうと思った」
八雲の口から事実が聞けた晴香はため息を吐いた。
「あとで私が忘れ物入れに置いとくから」
そういうと八雲は小さいながらもコクリと頷いた。
「………」
なんだろうか。この胸のトキメキは。
首まで真っ赤にして縮こまる八雲を見ていると、無性に抱き締めたくなる。
「かわいいっ!」
「っ!?」
気付けば下の階に両親がいるのも忘れ、後ろから飛びついてしまった。
「ばか!八雲君のばか!」
「な、何がだ…!」
飛びつかれた八雲は、離そうともがくも簡単には解けない。
むしろ抱き締める力は増す一方で。
背中に押し付けられた柔らかいものについて考えないので精一杯。
八雲がもがくのを止めたのを見計らい、晴香は耳元に口を寄せる。
「ねぇねぇ、八雲くん」
「…なんだ」
一言一言刻む度、掠める吐息に背筋がぞくぞくする。
「八雲君が中学生のとき、こーいうの見てたの?」
晴香の壮絶な問い掛けに噴く。
「言うわけないだろ!」
噎せながらも返事をする八雲に晴香はまた「かわいい!」と抱き締めた。
抱き締めつつも、嫌がるかなと晴香は顔を覗き込む。
八雲は真っ赤になりながらも嫌がることはなかった。
「?」
不思議に思い正面に回る。
見られたくない八雲は顔を逸らす。
それでも覗き込むのをやめない晴香に、八雲は晴香の体を半回転させた。
「………」
膝の間に閉じ込められ、背中から抱きしめらる。
肩に押しつけられた顔に、晴香は苦笑いを浮かべた。
「欲情しちゃった?」
「……もう1週間以上我慢してたんだ。…仕方ないだろ」
お風呂上がりの火照った首筋に、八雲の吐息がかかる。
ふるりと震えた晴香を見た八雲は、晴香の腰を引き寄せた。
「…いいか?」
「激しいのは、だめだよ?」
「努力はする」
「お母さんたちがいるんだから、努力じゃなくて───」
それ以上は言わせない。
開いた口を、僕は唇で塞いだ。
end.
八雲にしては我慢した方。
彼女の実家に婿入りした、そんな生活にも慣れてきたある日。
店仕舞いした店内を、八雲はくまなく掃除していた。
台を拭く腕裁きは手慣れたもの。
今まで掃除をするような環境にいなかったため、初日は手こずった。
けれど七日の成果か。
晴香や晴香の母、恵子とともにしていた掃除を一人で任されるようになった。
接客すらまともに出来ない八雲の仕事は、皿洗いと店内掃除だけ。
けれど八雲はそんな時間が好きだった。
「ん?」
テーブルの真下に付属された棚を布巾で拭いていたとき。
何かがぶつかり、そのまま床に落ちた。
客の忘れ物だろうか。
なんだろうと屈んだ八雲が手にしたものは……
「っ!!」
いわゆる、桃色雑誌だった。
「これ、は…」
忘れ物は、晴香たちに届けることになっている。
今までも何度も届けたことはあるが…
これとそれとでは訳が違う。
渡すに渡せない。というより渡し辛い。
悩みながらも目は表紙の女から離せない。
「………」
…正直に言うと、飢えてる己がいた。
ここに越してきてから、いいやその前から何週間と彼女としていない。
表紙の女が愛する彼女じゃなくても、その顔が彼女のように見えて…
「やぁ!」
「!?」
声を掛けられるのと同時に肩を叩かれ、雑誌を落としそうになる。
振り返るとそこには、店指定の制服を着た晴香の姿。
さすがは看板娘。とても似合っている。
「どうしたの?」
「…どうもしてない」
とっさに雑誌を背中に回す。
「あ、いま何か隠したでしょ!」
どうしてこう言うときだけ気付くんだ。
じりじりとにじり寄る晴香から逃れるように、一歩また一歩と後ろに下がる。
けれどそう広くはない店内。
悲しいことに壁に背中がくっついてしまった。
あぁもう駄目なのか。
そう思い目を閉じたとき。
救いの声が聞こえた。
「晴香ー、ちょっとこっち手伝ってくれるー?」
「どうしたのお母さん?」
厨房から届いた恵子の声に、晴香はじゃあねと言い残し行ってしまった。
ほっと胸を撫で下ろす八雲。
「八雲くーん!」
「!」
「もう上がっていいってー」
「あぁ」
姿は見えないまま厨房から聞こえる声に、適当に返事を返す。
「あと、もう少しで晩ご飯だって」
だが厨房の前を通り過ぎようとしたとき。
ひょこりと顔を覗かせた晴香に驚き、思わず布巾を落としてしまった。
「?…どうしたの?」
「…なんでもない」
慌てて布巾を拾った八雲は、雑誌を背中に店内を後にした。
みしりみしり。階段を踏みしめる度に、板が軋む。
その音に懐かしさを感じながら、八雲は母屋二階。晴香の部屋に向かっていた。
晴香の両親と一つ屋根の下で暮らすと決めた日。
色々と覚悟はしていた。
けれど晴香の実家である蕎麦屋が宿泊施設も兼ねている。
ということに油断していた。
きっと離れの一部屋を貸してくれるだろうと考えていた二人の予想は外れ。
それこそ言葉通り一つ屋根の下。
晴香が使っていた母屋二階の部屋を、新婚の二人は寝室として使うことになったのだ…
まさか結婚早々にこんな問題にぶつかるとは。
「はぁ…」
そんなこともあって、二人は新婚だというのにご無沙汰であった。
部屋の薄い襖を開け、電気を付ける。
迷った挙げ句、八雲は襖を閉めた。
「………」
二人分の布団を敷きながらも、頭に浮かぶは桃色の雑誌。
彼女以外の女になんか全く興味はないのだけれど、さすがに限界が近い。
部屋の隅で、荷物の下に隠したそれを引っ張り出す。
じっと見つめるていると、見ず知らずの表紙の女が晴香に見えてくる。
彼女はこんなことしない!
と心の中では分かっていても、何故だか抑えられなかった。
「いい湯だったぁ!」
襖が開くと同時に聞こえた声。
八雲の肩がぴくりと動く。
「八雲君?」
そのまま動かなくなった八雲を不審に思い覗き込む。
気まずそうに目を逸らした八雲の手元には、一冊の雑誌があった。
「?」
それを八雲の手から取った晴香は赤面した。
あわあわと口を震わせ、八雲を睨む。
「なっ、なによこれっ!!」
声をあげる晴香。
八雲を見下ろすも返事はなく、膝の上で拳を握っていた。
ときどき何か言いたそうに顔を上げるも、言い訳すら吐かれなかった。
「……すまない」
ただ一言、謝られた。
「晴香ぁ、どうしたのー?」
冷やかすような声が、階段と廊下を抜けて飛んでくる。
晴香は立ち上がり、襖から顔を覗かせて「何でもないから大丈夫ー」と返した。
開けっ放しだった襖を締める。
八雲の隣に戻るなり、ぼそぼそと喋り出した。
「……僕のじゃない」
「知ってるよ」
「………。忘れ物…」
「そんなことだろうと思った」
八雲の口から事実が聞けた晴香はため息を吐いた。
「あとで私が忘れ物入れに置いとくから」
そういうと八雲は小さいながらもコクリと頷いた。
「………」
なんだろうか。この胸のトキメキは。
首まで真っ赤にして縮こまる八雲を見ていると、無性に抱き締めたくなる。
「かわいいっ!」
「っ!?」
気付けば下の階に両親がいるのも忘れ、後ろから飛びついてしまった。
「ばか!八雲君のばか!」
「な、何がだ…!」
飛びつかれた八雲は、離そうともがくも簡単には解けない。
むしろ抱き締める力は増す一方で。
背中に押し付けられた柔らかいものについて考えないので精一杯。
八雲がもがくのを止めたのを見計らい、晴香は耳元に口を寄せる。
「ねぇねぇ、八雲くん」
「…なんだ」
一言一言刻む度、掠める吐息に背筋がぞくぞくする。
「八雲君が中学生のとき、こーいうの見てたの?」
晴香の壮絶な問い掛けに噴く。
「言うわけないだろ!」
噎せながらも返事をする八雲に晴香はまた「かわいい!」と抱き締めた。
抱き締めつつも、嫌がるかなと晴香は顔を覗き込む。
八雲は真っ赤になりながらも嫌がることはなかった。
「?」
不思議に思い正面に回る。
見られたくない八雲は顔を逸らす。
それでも覗き込むのをやめない晴香に、八雲は晴香の体を半回転させた。
「………」
膝の間に閉じ込められ、背中から抱きしめらる。
肩に押しつけられた顔に、晴香は苦笑いを浮かべた。
「欲情しちゃった?」
「……もう1週間以上我慢してたんだ。…仕方ないだろ」
お風呂上がりの火照った首筋に、八雲の吐息がかかる。
ふるりと震えた晴香を見た八雲は、晴香の腰を引き寄せた。
「…いいか?」
「激しいのは、だめだよ?」
「努力はする」
「お母さんたちがいるんだから、努力じゃなくて───」
それ以上は言わせない。
開いた口を、僕は唇で塞いだ。
end.
八雲にしては我慢した方。
PR