忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昨日、給食中の放送でみっくみく流したのは誰だ!
私だっ!

ソウルイーター見ました!
う〜ん、この二人も好きだな〜。
この身長差…出てくる主要メンバーたちは女の子の方が背が高いな。
身長差大好きだから大歓迎!
…はとさんもソウルイーター好きみたいですね〜。
図書館は明日見るんじゃーい!


ラストお題〜!!…新しいお題を探さなくては…

白黒ごっこさまよりお借りした
『斉藤八雲と小沢晴香で8つのお題』より

恋人未満

8・君を守る

後藤に頼まれた事件が無事に解決した帰り道。
あたりは夜独特の暗闇に包まれており、夜風が頬を撫でていく。
月がてっぺんに昇った時間を過ぎており、八雲が晴香を家まで送っていくということになった。
「よかったね。ギリギリ間に合って」
晴香はニコリと微笑みながら隣で歩く八雲の顔を見上げる。
微かな電灯の光に照らされている八雲の顔はどこか神秘的に見えた。
「そうだな…。あの人も関わってなかったようだし…」
「そうだね。っていうか心霊現象でも何でもない事件だったし」
「後藤さんの早とちりも良いところだな」
クスクスと楽しそうに笑う晴香にちらりと目を向ける八雲。
だが晴香がこちらに視線を向けると慌てて目をそらす。
「でもまさか、八雲君が家まで送ってくれるとは思わなかったなー」
「…本当だ。君が勝手について来たっていうのに。…後藤さんが言い張るせいで…」
そう言うと深く溜め息を吐いた八雲。
それを見た晴香はしょぼんと俯いてしまうが、八雲は気がつかない。
「…まぁ、君の事だから帰り道にトラブルを拾って僕のところに持ってくるんだろうな」
八雲は苦笑を浮かべながら空を見上げる。
「あ…」
その声に反応した晴香がそれに真似するようにゆっくり顔を見上げる。

それを見た刹那、晴香の表情も自然と明るくなった。


「…満月だね」


空にはまんまるの月が浮かんでいる。

生憎、曇っているせいで周りの星は見えなかった。

だがそれが神秘的な光を生み出している。
先ほどまで気がつかなかったのは、月が雲の影になっていたからであろう。


「綺麗…」

ポツリと呟いた晴香。
八雲は横でそれを黙って聞いている。
その目はまぶしそうに目を細めていた。

しばらくすると月は雲に覆い被されてしまう。
「あ…見えなくなっちゃった…」
そこで帰るのかと思い、足を動かす八雲。
だがしばらく待っても足音はひとつしか聞こえない。
振り返った八雲が見たのは、いまだに空を見上げている晴香だった。
「行かないのか?」
くるりと方向転換をし、数歩だけ晴香に近付いた八雲。
それでもこちらを振り返らない晴香を見て、思わず足を止める。


二人との距離、三メートル。


「うん…もうちょっとだけ、待ってもらってもいい?」
やっと顔を八雲に向けた晴香。その顔は無邪気な子供のように笑っている。
そんな顔を見てしまい、否定することの出来なかった八雲はしぶしぶ待つことにした。

する事もない八雲は晴香と同じように空を見上げる。
雲があたりをつつみ、空を隠している世界が続いていた。



…何分しても月が現れる気配はなかった。
ちらりと後ろにいる晴香を見返すが、いまだにその目は空を覆う雲に向いている。
しょうがないからもう少し待っていようと思った八雲。
だが自分でもわからないモヤモヤしたものを感じだす。
それを無理矢理かき消すようにズカズカと歩き出した。

「あ、待ってよ八雲君」

その足音に気がついた晴香は慌てて八雲のあとを追う。
だが八雲は歩みを止めることはなかった。

「…あ」

そんな声が後ろから聞こえたかと思うと、バタンと何かが倒れる音。
嫌な感じがした八雲はおそるおそる後ろを振り返る。

そこには予想通り、見事に倒れている晴香がいた。

起き上がる気配はなく、ペタンと顔面から足先まで地面とくっついている。

「だ…大丈夫か?」
八雲は晴香のもとに駆け寄るとしゃがみ込んだ。
「…おい」
もう一度声をかけてみるが反応がない晴香。
心配になり慌てて体を起こすと自身に寄りかからせるように座らせる。
晴香の顔をのぞき込んでみると呼吸をしていることを確認する八雲。


…良かった、呼吸はしてる。


安堵の溜め息を吐いた八雲は晴香の額を弾くようにデコピンを送る。
「いったっ!」
ビクリと跳ねる晴香は涙目になりながら弾かれた場所をさする。
そしてきっ、と八雲を睨む。…涙目で。
「何するのよっ!」
「起こしてやっただけだが?」
八雲はわざとそう言うと首をすくめる。



…別に起きない君を心配していたわけではない。



「それにいつまでもボーっと月を見てた君が悪いんだろう?」



別に君に綺麗と言われた月に嫉妬をしていたわけではない。



「こけた事と関係ないじゃない…」

晴香がすねたように頬を膨らませる。



…可愛いなんて思ってない!



「…もういいっ!」
晴香はそう怒鳴ると立ち上がる。

八雲から離れていく体…
自然と手を伸ばし、晴香の手を握ってしまった八雲。
「っ!?」
晴香は驚いたように目を見開き八雲を見下ろしている。
当の八雲はというと、これからどうしようかと悩んでいた。
だが結局なにもせずにその手を立ち上がるために使う。


そのまま離れていく二人の手。


それを悲しそうに見つめている晴香。
八雲は無言で先を進んでいってしまう。

「八雲君っ!」
晴香は夜だということも忘れて叫んだ。
振り返った八雲の頬が微かに染まっていたのがわかった。

再び現れた月の光のおかげで…

「その…ありがとっ!」

晴香は八雲に本日一番の笑みを送る。
赤い頬は晴香も変わらず、それをお互いに気付いていないのも変わらなかった。


「次に転んじゃった時も起こしてね?」

「嫌だね」

きっぱりと断った八雲に目をパチクリさせ、しばらく静止する晴香。
その間に八雲はスタスタと歩いていってしまう。

「あ、待ってよ!」

晴香は八雲の返答に文句を言うのも忘れてその背中を追う。



…次はない。



「あ!」

「…言ったそばから」

「ありがと…。支えてくれて…」

「もう君は転ばない」

「?」

「僕が…」



君を守る。


END。



シ…シリアス?
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
[63]  [62]  [61]  [60]  [59]  [58]  [57]  [56]  [55]  [54]  [53
カレンダー
09 2025/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
朝田よる
性別:
非公開
ブログ内検索
最新コメント
[05/23 ひなき]
[09/13 murasame]
[07/19 delia]
[06/27 delia]
[05/20 delia]
忍者ブログ [PR]