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LGであきなお!

お久しぶりの秋直です! 再映画化記念!
映画になんらかの形で直ちゃんが関わってくることを祈って!

久しぶりに書いたので、秋山と直ちゃんがダレコレ…状態ですが…
読んでもらえれば嬉しいです!

LG/秋直(友人設定)

「お願いします!」

自分より一回りも幼い少女が、深々と頭を下げる姿に秋山は珍しく困惑した。

「どうしても駄目、ですか?」

「別に駄目じゃないけど…良いのか?」

「はい。秋山さんがいいんです」

「……わかった」

「…!ありがとうございます!」

頭を上げた直はきらきら輝く両の目で見上げる。
堪えきれなくなった秋山は目を逸らし、ポケットのタバコに手を伸ばした。
が、直に捕まり叶うことはない。拳の中に、一枚のチラシが握り締められた。

「来週の土日ですから、忘れないでくださいね!」


それは、某女子大文化祭のチラシだった。






直に、彼女が通う学校の文化祭に来ないかと誘われたのは先週のこと。

そういえば彼女は大学生だった。
今まで彼女の生活面にあまり深く関わったことがなく忘れていた。
言葉は悪いが女子大生を連れ回していたと思うと、自らの行いに若干引いてしまう。

「女子大生、ね」

いつもは父親が見に来ていたらしい。
しかし年々悪化していく体調に、今年は無理と判断したのであろう。
話してくれた直は、出会った頃のようにな悲しげな瞳をしていた。

ちょうどその日は日雇いの仕事が休み。
断る理由もない秋山は直に行くことを約束するのであった。


そして当日。

某女子大の正門に立つ秋山は、門から流れ出る慣れない雰囲気に戸惑っているところ。
これが普通の大学ならこんな思いはしなかったであろう。

だが相手は女子大。
生徒はもちろんのこと、見学に来ている高校生も女子とくる。
男と言えば、家族かナンパが目的の軽そうな男ばかり。
そのどちらかに区別されているのだと思うと足が重くなる。

随時垂れ流す女子大独特のオーラに、秋山は帰りたい気持ちで押しつぶされそう。


帰ろうか。引き返そうとする秋山の脳裏にひょこっと直が現れる。
チラシを渡してきたときの、あの嬉しそうな顔。

「ああ、まったく」

がりがりと髪を掻いた秋山は、勇気を振り絞り某女子大の門をくぐるのであった。



女子大の名に相応しく、やはりそこは女の園。女子だらけ。
屋台で店番をするのも女。奥の方で調理をするのも女。奇抜な格好で宣伝するのも女。

際どい格好の女生徒が近付いてくる度、秋山は「またか」とうなだれる。
入って数分の間に、腕には色とりどりに輝くチラシで溢れている。

「ぜひきてくださいね!お待ちしております、ご主人様!」

きゃあ言っちゃったと頬を染め逃げていくメイドに、こっちが逃げ出したくなる。

ふりふりレースが揺れる短いスカートを睨む。
胸元が大きく開いたメイド服に、ふと直の姿がフラッシュバック。

「まさかあいつも…な」
脳裏に浮かんだ疚しい妄想を断ち切るように、直から貰ったチラシに目を通した。

「秋山さぁーん!」


だが、その必要はなかったよう。

顔を上げると、直が店先から身を乗り出して手を振っているのが見える。

彼女は一体、どんな格好をしているのであろう。

ごくりと生唾を飲んだ秋山に、現実は冷めた方向からやってきた。


白の半ズボンから伸びる両足に、足元を飾る動きやすさ重視のスニーカー。
胸元はきれいに隠れ、鎖骨が半分ほど覗く。
秋空の下、オレンジ色のクラスティーシャツが眩しく目立っていた。


「………はあ」

思わず漏れる溜め息。
秋山の横で直は嬉しそうに揺れていた。

「本当に来てくれたんですね」

「……まあ、約束したからね」

「うれしいです」

そう言うと直は口の端をくいと上げる。
メイド姿は見れなかったが、彼女の笑顔が見れた。
秋山にとっては、それだけで充分である。

「そうか」

「あ、秋山さんも食べていきます?」

直は自らが出てきた店を指差す。
あちこちから漂う、食べ物の匂いに、腹が鳴りそう。

「焼きそば?」

「はい。クラスで焼きそば屋さんを出しているんです!」

直は自慢気に胸を張る。
あまり余裕のないティーシャツが、苦しそうに伸びる。

「…じゃあ一つ貰おうかな」

「お買い上げありがとうございます!」

こっちですと直に手を引かれ、列の最後尾に連れて行かれる。
お祭りの代名詞とあってか、それなりに繁盛しているようだった。

「仕事はいいのか?」

「私の担当時間は終わりましたから」

それに、少しでも秋山さんと一緒にいたいですし……

「何か言った?」

「いいえ、なんでもないです」

順番が来るまで、二人は遠くでやっている大道芸を眺めていた。

「あ、荷物取ってきても良いですか?」

会計時、思い出したように直が言う。

「行っておいで」

「すいません」

焼きそばを受け取った秋山は、近くの花壇に腰を下ろす。
膝の上に載せた焼きそばがまだ温かい。
肉が多い方を直にやろうと二つを並べて見比べる。
すると、店の方から直が大股歩きでやってきた。

おかえりと言うが、返事はない。
不思議に思い顔を覗き込むと、言葉通りぷりぷりしていた。

別れるまでは楽しそうにしていた。
となると、店で何かあったのか。

「どうしたの?」

「──……じゃないのに」

「え?」

「お兄さんと間違われたんです!」

珍しく怒りを露わにした直は、秋山から肉の多い方の焼きそばを奪うと自棄になりながら食べ始めた。
まるで子供のような言動に秋山は呆気にとられて動けない。

「君と俺との歳の差を考えれば妥当だろ」

「それはそうですけど…」

父親に間違われなかっただけ、まだ良い。
秋山は出来立ての焼きそばを食べ始める。

「その子、秋山さんのことかっこいいって言ってたんです」

「へえ」

「……紹介してって、言われたんです」

「………」

「どうしましょう」

突然のことに箸が止まる。
これだから女というものは理解できない。

直接言いにくれば良いものを。
そのせいで隣に腰を下ろす少女は深く深く悩んでいるのに。

秋山は大切りされたキャベツを口に放り込んだ。

「お前が嫌だと思うなら断れば良い」

「はあ…」

YESでもNOでもない返事に、困ったように眉を寄せる。
そんな直に秋山は、箸で摘んだ肉片をプレゼントした。

「素直になれ。馬鹿正直の直さんなんだろう?」

「…ありがとうございます!やっぱり秋山さんに相談して正解でした!」

顔を上げた直は、普段のように明るく笑顔を見せていた。
肉に対しての礼なのか、大きなキャベツをプレゼントされた。

「このあとはどうするの?」

「お仕事もないですし、回るお友達もいないので暇です」

なぜ、彼女は悲しいことを平気で言えるのか。
疑問に思ったが、それはすぐに解決する。

ちらちらと視線が焼きそばと秋山の間を行き来する。

なぜ父親が来れなくなった今、俺が誘われたのか。

今になってやっと、真意が読み取れたような気がした。



「一緒に回ろうか」

「はい!」






end.



文化祭にてぼっちな直ちゃん。

直ちゃんの大学でのお話を見てみたいです。

大学で事件が起き、秋山に助けを求める直ちゃん。
しかし女子大、女子大なんですよね……
そんなところに秋山さんが来たら、そりゃもう大変なことになっちゃいますね!

ここは変装が得意という秋山さんに女装をしてもらい「カンザキナオノオネーサンデス」と言ってもらいたい。
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