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八雲で八晴!

まずはじめに、前回のお話の追記部分(要はお話)がupされていませんでした。
この場をお借りしまして、謝罪申し上げます。すいませんでした…


さて、クリスマスですね!
こう何年も活動をしていると、過去にどんな話を書いたのか。
あれは書かずに妄想仕舞いだったか忘れてしまいます。

もうね。1年目に色々と書き過ぎたんだ…


八雲/八晴(恋人設定)

「メリークリスマス!」


帰宅した八雲を玄関で迎えたのはサンタクロースの格好をした晴香だった。


何て言うのだろう。

これは予想ができた。だから世間一般的な予想外の出来事に驚くことはなかった。

だからこそ予想範囲内の出来事に直面し、呆れて思わず溜め息が出た。


「め、メリークリスマス…!」

反応のない、むしろ思っていた反応とは逆の冷めた視線に晴香はまた声を張る。
微かに震えているのは言うまでもない。

しかし返ってくるのはやっぱり冷めた眼差し。続けて溜め息。

想像だにしてもいなかった反応に晴香は上げた腕をそろそろ下げる。
それから膝上の短いスカートをきゅっと引き下げて八雲を見上げた。


「…あの」

「なんだ」

「おかえりなさい…?」

なぜそこで疑問系なんだ。
聞き返してやろうとしたが目の前の晴香は今にも泣き出しそうで。
とりあえず「ただいま」とだけ返事をしておいた。






すでにお察しであろうが、晴香が着ているのは絵本に出てくるような可愛いものではない。

いや、可愛いと言えば可愛いのだが。
それは純粋な“可愛い”ではなく、いわゆる性的な意味が含まれた可愛さ。

だからと言って僕が性的な興奮を覚えたかと言えば、答えはノー。

共に思いを告げ、付き合いはじめて数ヶ月。
幼い子供の淡い恋とは違い、僕らは立派な大人。
年相応に唇を合わせてもいれば、何度か肌を重ねてもいる。
どきどきしないと言えば嘘になるが、今の姿を見て欲情するということはなかった。

だからこそ軽い輩共がこれを見て涎を垂らすのかと思うと興醒めした。


話が逸れたので戻そう。
とにかくそれはサンタの格好というより、サンタのコスプレという方が正しかった。



「今日はクリスマスだから、ご馳走を用意したの」

そう言う晴香の肩には白色のポンチョ。
露出は減ったがサンタクロースのコスプレにしか見えないのは変わらない。

歩く度に揺れる短いスカートに目が奪われていることに気付き、慌てて首を振った。

「そんな服、どこで買ってきた」

「大通りのディスカウントショップで美樹と選んだんだよ」

「あいつか…」

八雲の脳裏にいまどきメイクをばっちり決めた女の顔が浮かぶ。
そしてなぜ純粋な彼女が男を誘うような格好をしているのか、全てが一致した。

「プレゼントも用意したんだけど…」

下を向き暗い表情をした八雲にフォークを咥えた晴香は首を傾げる。

「…似合わない、かな?」

「似合わなくは、ない」

「本当に!?」

「が」

「が?」

「君はその服の意味をわかっているのか?」


ディスカウントショップ。

無駄に露出の高い服。

コスプレ。


明らかにそれは男女の間で使われるものであろう。

彼女のように純粋にサンタクロースのコスプレを楽しむ者もいるはず。
しかしそれを眺める男はほぼ全員、下心あふれる眼差しで見ている。


「?」


だからこそ、僕だけでも。
あんな服に欲情する輩と一緒にはならない。

そう固く心の中で宣言した。



したつもりだったのだが………



「や、八雲く──」


ん、と続くはずの言葉が八雲の唇によって塞がれる。
逃げるように首を捩る晴香に、八雲は逃がさないと後頭部を押さえた。

堪えきれないと言わんばかりに身体は動くのに頭は至って冷静で。
心の中の傍観者は苦笑いを浮かべている。

何があったのかと言うと自分でもよく分からない。
彼女が用意してくれたご馳走を食べて、勧められるがままに少しだけお酒を飲んで。
気付いたら晴香の胸と脚ばかり見ていた。

それからは飼い主が飼い犬を撫でるように。
当たり前と言わんばかりの手つきで脚に触れた。



「───ま、待っ!」

八雲が角度を変えた隙をつき晴香は思い切り俯く。
気付けば晴香はベッドの上にいた。
逃げられた八雲はぽかんと口を開けている。

肩を大きく上下させながら呼吸を整え、恐る恐る顔を上げる。

「酔っちゃった…?」

「………」

八雲は何も言わなかった。いや言えなかった。

酒の勢いでこういうことをしているのが、自らのモラルに反しているから。
その反面、この自身の熱を酒のせいにしたい自分もいる。

「僕があんな服に欲情するはずがない」

言ってからしまったと口を塞いだが、一度口にしてしまったものはどうしようもない。

さっきまでキスをしていた相手。
目の前にいる晴香は、真っ赤な顔で眉を八の字に曲げていた。

「え、えっと…」

口元はにこりと笑っているが目は笑っていない。
困ったような、泣き出しそうな目。

人によっては変な顔と笑うかもしれないが、八雲をその気から遠ざけるには十分だった。

晴香がこんな顔をするのも無理はない。
普段から無表情で色恋沙汰には興味がないを保っている男が、だ。
純粋にクリスマスを楽しもうと買った服に欲情した、だなんて。

彼女からしたら泣きたいのは山々であろう。

言葉にしたら負けとは言うが、これほどまでの絶望感を味わったことはない。
酔いも一気に醒めた。

「…すまない」

それから無性に謝りたくなり謝罪した。
晴香は慌てて両手と首を振る。

ベッドの上で頭を下げて、彼女に大丈夫と諭されるだなんて。
惨め以外のなんでもない。


頭を下げたまま上げない八雲にどうしようと唇を触る。
まだ少し濡れた唇。

嫌ではなかった。むしろそのまま──と思ってしまった自分に気付き、また頬を赤くする。

八雲だって頑張ったんだ。
ありったけの勇気を振り絞った晴香は、膝を立たせそっとスカートの裾を摘んだ。
吹き込んできた冷たい風に思わず目を瞑った。


「…八雲君っ」


呼ばれて顔を上げる。
しかし視線が晴香の顔へと行く途中。
別のものに目が奪われてしまった。

「なっ…!」

膝立ち姿の晴香はスカートの端と端を摘み上げていた。
西洋の貴婦人が挨拶をするときのそれのように。
しかしそこから覗く、真っ赤な下着は清楚な貴婦人とはかけ離れたものだった。

サンタ服の下から現れたのはシースルーの真っ赤なネグリジェ。
布と言うには薄すぎて“隠す”という役割を果たしているようには見えなかった。

「そんなに…見ないで」

「!」

慌てて目を逸らすが見るなというのは間違っている気がする。
そっちが見せてきたわけだし、真正面にあるのだから見るなという方がおかしい。
というより恋人がこんな格好をしていて、見ないやつがどこにいるのだ。

下手をするとまた何か口走ってしまいそうで、八雲はぎゅっと口を結び晴香を見上げた。
目が合った途端、ぴくりと跳ねる。

「これはどうした」

顔だけでなく首まで赤くした晴香が今にも泣き出してしまいそうで。
泣き出したら泣き出したで言いようもない背徳感を味わうこと間違いなし。

色々なことに堪えながら、内側で暴れる本能とは逆に八雲は静かに尋ねた。

「…八雲君に喜んでもらおうと思って美樹に相談したら…」

初めてのクリスマスだから。ぎゅっとスカートを握る。
サンタクロースの服とは違う透けた赤。その先の白にまた目が行きそうになった。

「おっ、おとこのひとには、自分の身体をプレゼントするのが一番って」



───最初から分かっててやっていたということか。


その卑猥なサンタ服も。酒も。わざとらしく見せてきた胸元も。

今回ばかりは彼女の策に気付くことが出来なかった。

そう思うと、なぜか笑い声が漏れた。


「ということは、君は最初からその気だったのか?」

八雲からの問いに震えた晴香は一歩下がる。
今度こそは逃がさない。彼女だってその気だったようだし、容赦もしない。

「早く寝ない、悪い子にはプレゼント…あげないもん」

ここまできてイヤイヤと、晴香は涙を浮かべて首を振る。


「なら、早く寝ない悪い子には僕からお仕置きだ」






end.



黒八雲召喚!
女の子が自分でスカートを捲るというえろげシチュがツボの朝田でした!ε=┌( ・_・)┘
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