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眠い…にゃ
今日は一日のんびりと過ごしてました。
うーん…何かあったとすれば、ハムスターの掃除しましたね。
かわいいかわいい。
あ、初・小説です
うん。頑張った。
実力はどうでもいいとして…ね。
寒い日のお話です。
八晴・微甘・恋人設定
今日は一日のんびりと過ごしてました。
うーん…何かあったとすれば、ハムスターの掃除しましたね。
かわいいかわいい。
あ、初・小説です
うん。頑張った。
実力はどうでもいいとして…ね。
寒い日のお話です。
八晴・微甘・恋人設定
「寒い。」
八雲は誰もいない隠れ家でつぶやいた。
誰もいないのを分かっていてつぶやいてしまうという事はそれほど寒いという事である…と、八雲は考えている。
「はぁ…」
そんな自分に呆れ半分、残りの呆れを分けてやるとすれば…。
八雲は自身の横に居座っているやつを睨みつけた。座っている八雲と同じくらいの高さで、この部屋唯一の暖房器具である…ハロゲンヒーターはその役目をさぼっている。
このハロゲンヒーターは叔父さん…の家からいらなくなり処分に困っていたのを貰ってしまったのだ。
「くしゅっ!」
八雲はコートを引き寄せると丸まった。
だから、いつ壊れるかわからない…。けど、普通こんな日に壊れるか!?普通!!
ここ最近、日本は春を迎える準備を始めている。今週は暖かい日々が続き、外へ出掛ける人を多く見かけた。
なのにこいつが壊れた日に限っての突然の曇り空。
八雲は窓ガラスの外を見つめた。風に吹かれて木々が揺れ、窓も揺れている。空を見ると昨日までの青空はどこへやら…灰色の雲が空と太陽を隠していた。
こんな日に出歩くやつは…いるわけない。最近にぎやかに外で昼飯を食べていたどこかの集団は跡形もなく消えていた。
まるで世界には僕一人…と実感させるかのように…
「はぁ…」
八雲は再び溜め息をつくと、パイプ椅子の上にしゃがみこむようにして足を抱えて丸まった。
あいつに、逢いたい…。
「八雲くーん!」
「!」
そんな声が静けさを保っていたはずの部屋に響いた。八雲が顔をあげると、そこにはドアを開け放っている晴香が笑顔を浮かべながら立っていたのだ。
「君、は…」
八雲は信じられないのか、まるで宇宙人を発見したか科学者のように目を見開いている。
そんな視線に気付いているのかいないのか知らないが、晴香はその笑顔を保ったまま八雲の向かい座ると、手袋を外した。だが八雲を見ると変なものでも見たかのように眉をひそめている。
「何?どうしたの、その格好…」
晴香は八雲の格好を上から下まで見渡すと、すぐにいつもの無防備な顔つきに戻り首を傾げた。
かわいい。
「…寒い」
八雲は一言ボソッと言うと何となく視線を外してしまう。その顔は母親に叱られて拗ねている表情にも似ていた。
実際は照れ隠しであろう。自分に対してではなく、晴香のそんな表情と、先程一瞬でも感じてしまった思いに対してだが。
「そりゃ、暖房付けなくちゃ寒いよ」
晴香は当たり前と言うように呆れ顔でそう言うと八雲の隣に居座りながらも、仕事をさぼっているハロゲンヒーターを指差した。だが八雲は溜め息がつくのを何とかこらえて晴香を横目で見つめる。
「今朝、壊れた」
八雲がそういうと晴香はハロゲンヒーターに視線を向け、眉間にシワをよせて腕を組んだ。
その表情と格好から察して、何か代わりのものでも考えてるんだろう。わかりやすいな。
そんなことを思っていると、突然晴香が手を叩いた。
「あ、じゃあさ。家こない?」
「!」
突然の晴香の思いつきを満面の笑み付きで八雲に放つ。そんな不意打ちに八雲は目を見開き、頬を微かに染めた。
笑顔が可愛かったのもあるが、その思いつきの内容に、だ。
「別に恋人同士なんだから、いいじゃない。ね?」
返事をしない八雲に晴香から出た、恋人同士という言葉には八雲は耳まで赤く染めて、それを隠すように片肘を付き横を向く。
それから数秒、八雲はチラチラと晴香を盗み見しながら何かを考えていた。そんな八雲に晴香は不思議そうな顔をして首を傾げる。
「……こい」
「へ?」
八雲はボソッと、風の音にかき消されてしまうくらいの音でつぶやいた。
「こっちにこい」
八雲は立ち上がりそういうと、手を伸ばし晴香の腕を掴み引き寄せた。晴香はされるがままに八雲に引かれていたが、突然力強く引っ張られる。
「!?」
気付いた時は八雲の腕の中だ。腰に八雲の手が回され、八雲の頭は晴香の髪に埋まっている。
晴香は反射的に八雲を引き離そうと、目の前にある緑のコートを押し返した。だが逆に八雲の腕の強さは強まるばかりで、一向に弱まる気配はなかった。
「え!ちょっ…やくもくん!?」
みるみるうちに晴香の顔は真っ赤に染まり、そのうち押し返す力も自然と抜けていってしまう。
そして、されるがままに八雲の腕の中に閉じこめられてしまい、頭は晴香の髪からゆっくりと肩へ下がった。
「や、八雲君?」
深呼吸、深呼吸・・・晴香は自分に言い聞かせながら横にいる八雲を視線だけで見る。八雲は少し顔を上げ視線が合ったかと思ったら、逃げるようにそらす。
すると突然体が宙に浮く。
「へ?」
晴香が呟いていると、宙に浮いていたはずの足がすぐに地面についた。そして背中にぬくもり…
「えぇ!や、八雲君!」
せっかく引いた顔の熱さが戻ってきて晴香は目を白黒させ、現状を理解しようとしている。
八雲は椅子に座り、同じ椅子にいつの間にか座らせられていた晴香を後ろから抱きしめていた。肩に手を回してぎゅっと、逃げられないように。
「や…八雲君?」
顔の赤みは消えないが、晴香はもう一度八雲を見ようと視線を横に向る。
一瞬八雲と目が合った気がするが、八雲はすぐに晴香の肩に顔を埋めて聞き取りにくい声で一言。
「寒い」
八雲はそういいながらより一層、晴香をきつく抱きしめた。
「……やっぱ、家おいで?」
「あぁ、そうする……でも」
「でも?」
晴香が訪ねると八雲は少しためらったが、晴香の視線に耐えられずに口を開いた。
「もう少し、このままがいい」
八雲はそういうと一度緩めた力を強めて、肩に顔を埋める。
「うん…いいよ」
晴香はそういうと、にっこりと微笑んだ。まるで母親のように。
END。
最近、暖かかったり、寒かったり大変です。
誰もいないのを分かっていてつぶやいてしまうという事はそれほど寒いという事である…と、八雲は考えている。
「はぁ…」
そんな自分に呆れ半分、残りの呆れを分けてやるとすれば…。
八雲は自身の横に居座っているやつを睨みつけた。座っている八雲と同じくらいの高さで、この部屋唯一の暖房器具である…ハロゲンヒーターはその役目をさぼっている。
このハロゲンヒーターは叔父さん…の家からいらなくなり処分に困っていたのを貰ってしまったのだ。
「くしゅっ!」
八雲はコートを引き寄せると丸まった。
だから、いつ壊れるかわからない…。けど、普通こんな日に壊れるか!?普通!!
ここ最近、日本は春を迎える準備を始めている。今週は暖かい日々が続き、外へ出掛ける人を多く見かけた。
なのにこいつが壊れた日に限っての突然の曇り空。
八雲は窓ガラスの外を見つめた。風に吹かれて木々が揺れ、窓も揺れている。空を見ると昨日までの青空はどこへやら…灰色の雲が空と太陽を隠していた。
こんな日に出歩くやつは…いるわけない。最近にぎやかに外で昼飯を食べていたどこかの集団は跡形もなく消えていた。
まるで世界には僕一人…と実感させるかのように…
「はぁ…」
八雲は再び溜め息をつくと、パイプ椅子の上にしゃがみこむようにして足を抱えて丸まった。
あいつに、逢いたい…。
「八雲くーん!」
「!」
そんな声が静けさを保っていたはずの部屋に響いた。八雲が顔をあげると、そこにはドアを開け放っている晴香が笑顔を浮かべながら立っていたのだ。
「君、は…」
八雲は信じられないのか、まるで宇宙人を発見したか科学者のように目を見開いている。
そんな視線に気付いているのかいないのか知らないが、晴香はその笑顔を保ったまま八雲の向かい座ると、手袋を外した。だが八雲を見ると変なものでも見たかのように眉をひそめている。
「何?どうしたの、その格好…」
晴香は八雲の格好を上から下まで見渡すと、すぐにいつもの無防備な顔つきに戻り首を傾げた。
かわいい。
「…寒い」
八雲は一言ボソッと言うと何となく視線を外してしまう。その顔は母親に叱られて拗ねている表情にも似ていた。
実際は照れ隠しであろう。自分に対してではなく、晴香のそんな表情と、先程一瞬でも感じてしまった思いに対してだが。
「そりゃ、暖房付けなくちゃ寒いよ」
晴香は当たり前と言うように呆れ顔でそう言うと八雲の隣に居座りながらも、仕事をさぼっているハロゲンヒーターを指差した。だが八雲は溜め息がつくのを何とかこらえて晴香を横目で見つめる。
「今朝、壊れた」
八雲がそういうと晴香はハロゲンヒーターに視線を向け、眉間にシワをよせて腕を組んだ。
その表情と格好から察して、何か代わりのものでも考えてるんだろう。わかりやすいな。
そんなことを思っていると、突然晴香が手を叩いた。
「あ、じゃあさ。家こない?」
「!」
突然の晴香の思いつきを満面の笑み付きで八雲に放つ。そんな不意打ちに八雲は目を見開き、頬を微かに染めた。
笑顔が可愛かったのもあるが、その思いつきの内容に、だ。
「別に恋人同士なんだから、いいじゃない。ね?」
返事をしない八雲に晴香から出た、恋人同士という言葉には八雲は耳まで赤く染めて、それを隠すように片肘を付き横を向く。
それから数秒、八雲はチラチラと晴香を盗み見しながら何かを考えていた。そんな八雲に晴香は不思議そうな顔をして首を傾げる。
「……こい」
「へ?」
八雲はボソッと、風の音にかき消されてしまうくらいの音でつぶやいた。
「こっちにこい」
八雲は立ち上がりそういうと、手を伸ばし晴香の腕を掴み引き寄せた。晴香はされるがままに八雲に引かれていたが、突然力強く引っ張られる。
「!?」
気付いた時は八雲の腕の中だ。腰に八雲の手が回され、八雲の頭は晴香の髪に埋まっている。
晴香は反射的に八雲を引き離そうと、目の前にある緑のコートを押し返した。だが逆に八雲の腕の強さは強まるばかりで、一向に弱まる気配はなかった。
「え!ちょっ…やくもくん!?」
みるみるうちに晴香の顔は真っ赤に染まり、そのうち押し返す力も自然と抜けていってしまう。
そして、されるがままに八雲の腕の中に閉じこめられてしまい、頭は晴香の髪からゆっくりと肩へ下がった。
「や、八雲君?」
深呼吸、深呼吸・・・晴香は自分に言い聞かせながら横にいる八雲を視線だけで見る。八雲は少し顔を上げ視線が合ったかと思ったら、逃げるようにそらす。
すると突然体が宙に浮く。
「へ?」
晴香が呟いていると、宙に浮いていたはずの足がすぐに地面についた。そして背中にぬくもり…
「えぇ!や、八雲君!」
せっかく引いた顔の熱さが戻ってきて晴香は目を白黒させ、現状を理解しようとしている。
八雲は椅子に座り、同じ椅子にいつの間にか座らせられていた晴香を後ろから抱きしめていた。肩に手を回してぎゅっと、逃げられないように。
「や…八雲君?」
顔の赤みは消えないが、晴香はもう一度八雲を見ようと視線を横に向る。
一瞬八雲と目が合った気がするが、八雲はすぐに晴香の肩に顔を埋めて聞き取りにくい声で一言。
「寒い」
八雲はそういいながらより一層、晴香をきつく抱きしめた。
「……やっぱ、家おいで?」
「あぁ、そうする……でも」
「でも?」
晴香が訪ねると八雲は少しためらったが、晴香の視線に耐えられずに口を開いた。
「もう少し、このままがいい」
八雲はそういうと一度緩めた力を強めて、肩に顔を埋める。
「うん…いいよ」
晴香はそういうと、にっこりと微笑んだ。まるで母親のように。
END。
最近、暖かかったり、寒かったり大変です。
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