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八雲で八晴。
事後でちょっぴり注意です。
八雲/八晴(恋人設定)
事後でちょっぴり注意です。
八雲/八晴(恋人設定)
薄く目を開けてみると、そこは見慣れた部室ではなかった。
しかし見覚えはある。
不安もない。
覚醒しきらない頭を働かせ、視線を動かす。
白い天井。丸い電灯。木製のクローゼット。
今まさに離れていこうとする晴香を見て、八雲はああと声を漏らした。
「お、おはよう」
寝惚けた様子の八雲に声をかける。
意識の半分は眠りの世界にいるのか、羽織ったシャツの裾を掴んできた。
私も無意識のうちに八雲のシャツを引っ張ることが多いが、こんな気持ちなのだろうか。
胸の辺りがむず痒い。
昨夜のこともあって、晴香は今すぐにでも飛び出したった。
そんなことを考えられたのも一瞬。
シャツを引く手に男女の力の差が表れる。
「きゃっ!」
晴香は今起きたばかりのベットにとんと尻餅を着いてしまった。
しかし八雲はそれだけでは済ませない。
腕を掴み、自らの方へ引き寄せる。
「ちょっとちょっと!」
片手だけなのにこんなにも力があるだなんて…
普段、運動という言葉と縁のない八雲のどこに、このような力があるのか。
されるがままに身体の上に乗せられた。
二人の間には布団があるとは言え、恥ずかしい。
逃げ出そうとする晴香の腰を八雲は掴む。
嫌な予感しかしない。
おそるおそる身体を倒して八雲の顔を覗く。
落ちてきた髪を耳にかける。
宙を見つめていた目が動き、視線が交わった。
隠す必要のない赤い瞳が、外の光を取り入れ鮮やかに深さを増す。
白い肌、アシンメトリーな瞳に見惚れてしまう。
「ぼくの」
ドキッと鼓動が速まる。
だが晴香がときめく間はなかった。
何の前触れもなく上半身を起こしてきたのに驚き、咄嗟に仰け反る。
それがいけなかった。
バランスを崩した身体は後ろに倒れていく。
しかし寸のところで八雲に助けられた。
「あ…ありが…」
とう、と続くはずだった言葉が止まる。
いつもは上にあるはずの八雲の顔が、自らの胸元辺りの高さにあるからだ。
立てた膝を寝かせようにも、胡座をかいた八雲の足が邪魔をする。
何も纏っていない半身を見て、かぁっと顔が上気した。
八雲はむすっとした表情でこちらを見上げる。
「僕の」
「えっ」
「それは僕のワイシャツだ」
「……あぁ」
僕の“ワイシャツ”でしたか。そうですか。
肩を落とす。一瞬でも浮かれた自分が恥ずかしい。
「仕方ないでしょ。八雲君、私のパジャマ投げちゃうんだもん」
「………」
逃げられないようになのか、八雲は脱がしたパジャマを投げる。
もちろん部屋の中にだが、取りに行くには寒いし何より八雲がそうさせない。
だから八雲が寝ている間に、少し八雲のワイシャツを拝借して取りに行っているのだが…
今日は見つかってしまった。
恨めしさに睨むも八雲はどこ吹く風。
そんなことあったか?と言いたげに首を傾げた。
「それにもう冬だし、風邪ひいちゃうよ」
早く起きて洋服を着て、少し遅いけれど朝ごはんにしなくちゃ。
「だから離してね?」
なんだか子供を諭しているようだ。
「言っただろ」
「何を」
「それは僕のシャツだ」
「だから?」
「返してもらう」
回した腕に力が入る。
ぐっと腰を引き寄せられ、胸元に顔を埋められた。
寝ぼけていたはずの八雲に、スイッチが入った合図。
「ちょっ…!」
母親にすがる赤子のように、押し付けられる顔。
これが赤ん坊なら可愛いのだが、相手は成人した男。
骨と皮だらけの身体と肉付きの良い脚が触れ合う。
肌と肌が触れる感触にはなかなか慣れない。
膝が折れそうになるも八雲がさせない。
八雲に身体を支えられ、宙に浮いているような感じがした。
「はやいな」
「うるさい!」
くすっと笑う。
八雲の髪をぐしゃぐしゃにしてやろうとしたが、すでにぐしゃぐしゃだった。
どうにかして八雲から離れないと。
身体を捩らせる。
すると八雲が意味ありげに口の端を吊り上げた。
「そっちの方もはやいみたいだな」
「そういうのじゃないってば!」
声を張り上げて否定するが、八雲は聞く耳持たず。
脚を撫で上げられ、思わず背中が反る。
「身体は充分その気みたいだが?」
「それは」
八雲君が急に触るから…
と続くはずだった言葉は、八雲の唇によって塞がれた。
下からのキスなんて初めてで、どうしていいのか分からない。
八雲だって初めてのはずなのに、舌を絡ませ余裕な風。
ワイシャツの中に入ってきた指が、下着のゴムをなぞる。
もう一つの手は膝の裏を爪で引っ掻いてきた。
手の動作の一つ一つに、晴香の身体は敏感に跳ねた。
ごくりと喉元が動く音に晴香は目を見開く。
離れる唇と唇を結ぶように銀の糸が引き、切なそうに切れた。
「なっ、ななな…」
唇を舐める舌が妙に赤く見える。
艶やかに光る唇を曲げ、八雲は怪しく笑った。
「知ってるか?」
「何を」
「ワイシャツの前後が長いのは、下着代わりだった名残なんだ」
「だから何よ」
もう良いでしょ、と八雲の肩を押す。
意外にも素直に離れた八雲だが、脚を撫でる指は断固として離れない。
「つまり、コレはいらない」
すっと小さな衣擦れの音。何故か下腹部が涼しい。
おそるおそる視線を下ろすと、膝元まで下着が降ろされていた。
「ひっ」
突然のことに訳も分からず腰を落とす。
しかしそれが裏目に出た。
足首を掴まれた晴香は、狼に捕まったウサギ。
あっという間に下着を奪われてしまった。
晴香は膝を立たせることも出来ず、ただただ八雲の足の上に腰を落としていた。
「さて、僕のワイシャツを返してもらおうか」
「や、やだ!」
ふぅっと耳に吐息がかかる。
八雲が満足げに笑ったのは言うまでもない。
それを隠すように赤い耳朶を唇で挟む。
「まぁ、たまには着たままも良いかもな」
耳朶に囁くと赤みが増すのが目に見えてわかる。
「君は僕の風邪の心配をしていたが、その必要はない」
背筋を指でなぞるとびくびくと小刻みに身体が震えた。
「君が暖めてくれるんだろ?」
end.
最近寒いですねってお話。
ワイシャツが下着代わりという話を聞いてすぐに「八晴っ!!ガタン」となりました。
しかし見覚えはある。
不安もない。
覚醒しきらない頭を働かせ、視線を動かす。
白い天井。丸い電灯。木製のクローゼット。
今まさに離れていこうとする晴香を見て、八雲はああと声を漏らした。
「お、おはよう」
寝惚けた様子の八雲に声をかける。
意識の半分は眠りの世界にいるのか、羽織ったシャツの裾を掴んできた。
私も無意識のうちに八雲のシャツを引っ張ることが多いが、こんな気持ちなのだろうか。
胸の辺りがむず痒い。
昨夜のこともあって、晴香は今すぐにでも飛び出したった。
そんなことを考えられたのも一瞬。
シャツを引く手に男女の力の差が表れる。
「きゃっ!」
晴香は今起きたばかりのベットにとんと尻餅を着いてしまった。
しかし八雲はそれだけでは済ませない。
腕を掴み、自らの方へ引き寄せる。
「ちょっとちょっと!」
片手だけなのにこんなにも力があるだなんて…
普段、運動という言葉と縁のない八雲のどこに、このような力があるのか。
されるがままに身体の上に乗せられた。
二人の間には布団があるとは言え、恥ずかしい。
逃げ出そうとする晴香の腰を八雲は掴む。
嫌な予感しかしない。
おそるおそる身体を倒して八雲の顔を覗く。
落ちてきた髪を耳にかける。
宙を見つめていた目が動き、視線が交わった。
隠す必要のない赤い瞳が、外の光を取り入れ鮮やかに深さを増す。
白い肌、アシンメトリーな瞳に見惚れてしまう。
「ぼくの」
ドキッと鼓動が速まる。
だが晴香がときめく間はなかった。
何の前触れもなく上半身を起こしてきたのに驚き、咄嗟に仰け反る。
それがいけなかった。
バランスを崩した身体は後ろに倒れていく。
しかし寸のところで八雲に助けられた。
「あ…ありが…」
とう、と続くはずだった言葉が止まる。
いつもは上にあるはずの八雲の顔が、自らの胸元辺りの高さにあるからだ。
立てた膝を寝かせようにも、胡座をかいた八雲の足が邪魔をする。
何も纏っていない半身を見て、かぁっと顔が上気した。
八雲はむすっとした表情でこちらを見上げる。
「僕の」
「えっ」
「それは僕のワイシャツだ」
「……あぁ」
僕の“ワイシャツ”でしたか。そうですか。
肩を落とす。一瞬でも浮かれた自分が恥ずかしい。
「仕方ないでしょ。八雲君、私のパジャマ投げちゃうんだもん」
「………」
逃げられないようになのか、八雲は脱がしたパジャマを投げる。
もちろん部屋の中にだが、取りに行くには寒いし何より八雲がそうさせない。
だから八雲が寝ている間に、少し八雲のワイシャツを拝借して取りに行っているのだが…
今日は見つかってしまった。
恨めしさに睨むも八雲はどこ吹く風。
そんなことあったか?と言いたげに首を傾げた。
「それにもう冬だし、風邪ひいちゃうよ」
早く起きて洋服を着て、少し遅いけれど朝ごはんにしなくちゃ。
「だから離してね?」
なんだか子供を諭しているようだ。
「言っただろ」
「何を」
「それは僕のシャツだ」
「だから?」
「返してもらう」
回した腕に力が入る。
ぐっと腰を引き寄せられ、胸元に顔を埋められた。
寝ぼけていたはずの八雲に、スイッチが入った合図。
「ちょっ…!」
母親にすがる赤子のように、押し付けられる顔。
これが赤ん坊なら可愛いのだが、相手は成人した男。
骨と皮だらけの身体と肉付きの良い脚が触れ合う。
肌と肌が触れる感触にはなかなか慣れない。
膝が折れそうになるも八雲がさせない。
八雲に身体を支えられ、宙に浮いているような感じがした。
「はやいな」
「うるさい!」
くすっと笑う。
八雲の髪をぐしゃぐしゃにしてやろうとしたが、すでにぐしゃぐしゃだった。
どうにかして八雲から離れないと。
身体を捩らせる。
すると八雲が意味ありげに口の端を吊り上げた。
「そっちの方もはやいみたいだな」
「そういうのじゃないってば!」
声を張り上げて否定するが、八雲は聞く耳持たず。
脚を撫で上げられ、思わず背中が反る。
「身体は充分その気みたいだが?」
「それは」
八雲君が急に触るから…
と続くはずだった言葉は、八雲の唇によって塞がれた。
下からのキスなんて初めてで、どうしていいのか分からない。
八雲だって初めてのはずなのに、舌を絡ませ余裕な風。
ワイシャツの中に入ってきた指が、下着のゴムをなぞる。
もう一つの手は膝の裏を爪で引っ掻いてきた。
手の動作の一つ一つに、晴香の身体は敏感に跳ねた。
ごくりと喉元が動く音に晴香は目を見開く。
離れる唇と唇を結ぶように銀の糸が引き、切なそうに切れた。
「なっ、ななな…」
唇を舐める舌が妙に赤く見える。
艶やかに光る唇を曲げ、八雲は怪しく笑った。
「知ってるか?」
「何を」
「ワイシャツの前後が長いのは、下着代わりだった名残なんだ」
「だから何よ」
もう良いでしょ、と八雲の肩を押す。
意外にも素直に離れた八雲だが、脚を撫でる指は断固として離れない。
「つまり、コレはいらない」
すっと小さな衣擦れの音。何故か下腹部が涼しい。
おそるおそる視線を下ろすと、膝元まで下着が降ろされていた。
「ひっ」
突然のことに訳も分からず腰を落とす。
しかしそれが裏目に出た。
足首を掴まれた晴香は、狼に捕まったウサギ。
あっという間に下着を奪われてしまった。
晴香は膝を立たせることも出来ず、ただただ八雲の足の上に腰を落としていた。
「さて、僕のワイシャツを返してもらおうか」
「や、やだ!」
ふぅっと耳に吐息がかかる。
八雲が満足げに笑ったのは言うまでもない。
それを隠すように赤い耳朶を唇で挟む。
「まぁ、たまには着たままも良いかもな」
耳朶に囁くと赤みが増すのが目に見えてわかる。
「君は僕の風邪の心配をしていたが、その必要はない」
背筋を指でなぞるとびくびくと小刻みに身体が震えた。
「君が暖めてくれるんだろ?」
end.
最近寒いですねってお話。
ワイシャツが下着代わりという話を聞いてすぐに「八晴っ!!ガタン」となりました。
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