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私の学校へ行く道に、今年もツバメが巣を作っています。
しかも巣から雛が落ちても平気なように上から紐でダンボールを吊るしてるんです。

昔は家の近くにも毎年来てたんですが、迷惑だということで巣を壊したんです。
それ以来、来なくなっちゃいました…
ツバメにとっちゃ、こっちが迷惑ですよね。でもどっちもどっちなんだよな…
ツバメって人の住む場所に巣を作るんですよ。外敵が近づかないようにって。
でも今じゃ、人間が敵ってことになってるんですかね?
ツバメって可愛いいですよね。あの赤い模様とか、飛ぶ姿とか。
まぁ、動物はだいたい好きなんで他の鳥も好きなんですがね。
今年も雛が巣立って行くのを毎日楽しみにしています!

あ、エア―マン借りました!ありがとう!後輩君!
お返しに電波ソング・アニソン・キャラソン集を貸して上げました。
ふぃぎゅ@メイトが聴きたいそうで…


お題です。

心霊探偵八雲 お色気同盟さまよりお借りした
『キスで3題』より

恋人未満

01.ファーストキス

太陽は沈み、空には月が浮かんでいる頃のことだった…



日が沈む前に八雲はコンビニに必要最低限のもの買いに行った。

簡単に言ってしまえば、本日の夕飯と明日の朝飯、二リットルのペットボトルの水エトセトラ…

ちなみに本日の夕飯はミートソーススパゲティ。
明日の朝飯はシンプルイズベスト。ハムとレタスとチーズのサンドイッチ。

って…僕は誰に説明してるんだ?

まぁ、それは置いといて。



「ごちそうさまでした…」
1人だと言うのに手を合わせる八雲。

もしも誰かがいたらからかうネタにピッタリだ。
だが誰もいないから良いとしよう。


そんなことを思いながら八雲は立ち上がると、空になったパックをゴミ箱に捨てに行く。


…さて、読書でもしたら眠るか…


八雲は大きく伸びをしてから椅子に座ると、机の隅に放置されていたハードカバーの本に手を伸ばす。

そのとき、勢い良く開く扉。八雲の視線がそちらに移動する。
「八雲君っ!」
何故かそこには晴香がいた。
楽しそうにニコニコと笑っているように見えたのは、目の錯覚だと信じたい。
「とうとう君は時間の感覚まで狂ってしまったのか…」
八雲は可哀想なものを見るような瞳で晴香を見つめると、深く溜め息を吐く。
そんな八雲にむっ、と口を結ぶ晴香。
「別に用がなくて来たんじゃないんだから」
「なら、何をしに来た?」

…こんな時間に
男の部屋に
……襲われたいのか?

そう言おうとしたが口を結ぶ八雲。

そんなことを言って、君に避けられることになったら嫌だ…

「あ、うん。サークルでね、飲み会やってたんだ」
「…で?」
「で、余ったから持ってきて上げたってわけ!」
晴香は何故か胸を張ると手に持っていた、缶ビールの箱を高々と上げる。
八雲の視線がその箱に向かい、そのまま下がって晴香に戻る。
「…酔ってるんじゃないだろうな?」
「失礼ね!八雲君と飲もうと思ったから飲まないで取っておいたのっ!」
…ということは、余ることを前提に飲み会に出場していたわけだ。
この選手は。

溜め息を吐いた八雲は顔を歪め、眉を寄せる。
「…それは喜べばいいのか?」
「もういいですっ!」
晴香はそう怒鳴ると、八雲の正面に音を立てながら座った。
そしてビール缶の入った箱を大ざっぱに破ると、その中から二本ビール缶を取り出す。
「はいっ!八雲君の分」
何故か満面の笑みをした晴香がそれを一本渡すと、自らのプルを開ける。
「…僕が酒を飲めないのを知っての行為か?」
「イエス!だから八雲君がお酒飲めるように特訓よ!」
親指を立てた晴香がそれを八雲に突きつけた。
そんな晴香に呆れ百パーセントで溜め息を吐く八雲。
「ささ、私の奢りだからどんどん飲んじゃいなさーいっ!」
「やっぱり酔ってるだろう。それにそれは君の奢りでも何でもなさそうだが?」
文句を言う八雲を華麗に無視をした晴香はゴクリとビールを一口飲む。
「ぷはーっ。うっまーいっ!」
そう一言呟いたかと思うと、ゴクゴクと残りのビールを飲んでいく。
「…ほどほどにしろよ」
八雲はそう宣言すると椅子にもたれかかる。
晴香が何やら文句を呟いていたが、お返しというように華麗に無視。



数十分…いや、数時間かもしれない。

時も忘れたくなる現実が目の前にある。いる…が正しいだろうか?


「やっくもくーん!」
「………」
八雲は目の前の現実を改めて実感し、深く溜め息を吐く。

もう一度晴香を見上げる。

晴香の頬は照れや怒りとは別の意味で真っ赤に染まっていた。
目はとろんと垂れていて、口はニヤニヤとほころんでいる。



よく考えれば…いや、考えなくても分かっていただろう。

こいつが酒を飲む。イコール、僕にとってこの世の終わり。

少し言い過ぎかもしれないが、今の僕は世界の終わりに立たされた人物に近いであろう。


「なに難しい顔してるのよ〜。そんなんじゃお嫁さん貰えないよ〜」
「…貰わなくてもいい」
「もう〜寂しい人生なんだからぁ」
ゲラゲラと軽快に笑った晴香は何が楽しいのか、机をバンバンと叩いた。

「あ」

その時だった。

阿保が机を叩いていたせいでプルが開いた缶が倒れ、転がっていく。
…もちろん、中身は有。

みるみるうちに机の上に広がる、透明黄色の液体。プラス白い泡。

それは机だけではなく、床にも垂れていく。

「…っ、この馬鹿っ!」
八雲は晴香を一発怒鳴りつけ、説教をしたいところを一時我慢する。
優先順位がこぼれたビールを拭くに移動し、すばやくティッシュを数枚取る。
「あーあー。無くなっちゃった…」
知ったこっちゃないといった様子の晴香は、空になったビールの缶を覗いている。
八雲は机の上にこぼれたビールを拭き終わると、床の方を拭くためにしゃがみ込む。


少しは手伝え…


そう心の中で呟くと、こんな時だけ以心伝心したようだ。
「手伝って上げるよ〜」
晴香は勢いよく立ち上がるとティッシュ箱を片手にしゃがみこむ。


そこまでは良かったのだ。

このままおとなしく拭くのを手伝ってくれたのなら…


…この後起きたことを、僕は一生忘れないであろう。


八雲が怒りを隠しきれない様子で荒々しく床を拭いている。
そんな八雲をじっと見つめている晴香。ちなみに手は止まっている。
「八雲君〜」
「…なんだ」
八雲が呼ばれ、眉間にシワを寄せたまま顔を上げたときだった。

ビール臭に混じってふわりと香った甘い香り。

目の前にある晴香の顔。

…唇に感じる柔らかいもの。


「っ…!」


それが晴香の唇だと気付くのにしばらくの時間が必要だった。
気付いた頃には唇の柔らかいものは消えていた。

「八雲君のファーストキス、貰っちゃった〜」
幸せそうに笑った晴香はそのまま八雲に抱きつく。
柔らかい体だとかいい香りだとか思っている隙などなかった。

「…っ!何してるんだっ!」
八雲が声を上げたときには、晴香は自らの胸で幸せそうに小さな寝息を立てていた。

無言で晴香を寝袋の中に寝かせると、一時椅子に座る八雲。
「………」
八雲は真っ赤な頬を隠すように口元を手で覆う。


まさか、君に奪われるとはな…


END。



晴香ちゃんは覚えていないルートで。
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