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…はい。本当に名言だと思います。
クマ吉君は本当に良いことを言ったと思ってます。

うぅ…身体測定でした。
何ミリ伸びてるかな?と、思ったら…
2ミリマイナスでした!えぇ…2ミリ縮んだんですよ。
150センチ前半ですよ。
チビですよ。今更ですよ〜だっ(泣)
視力は賭けをしたら眼鏡装着でAでした。
……実際見えてたのは一つなのに…
まぁ、眼鏡屋さんでもやったので…いいよね?

あ、一つ前にバトンUPしました。
しょうみさんから頂きました〜。
楽しかったですよ!


へい、小説。

新婚設定

ソファーの横の机の上。
ガラスの器に盛られた、色とりどりのキャンディ。
そのひとつひとつが綺麗な小袋に包まれている。



ソファーに座り、本を読んでいた晴香は口の中が寂しくなる。
それは先ほどまで舐めていたあめ玉が溶けてしまったから。

晴香は本の間にしおりを挟むと机の上、ガラスの器に手を伸ばす。
あめ玉の上で指を踊らせる晴香。


…何にしようかな?


赤いのと橙色のと黄色いの。
緑に青に紫と白。
虹の色…ではないが、七色が揃っている。

それぞれの味はイチゴにミカンにレモン。
抹茶とブルーハワイとグレープ、みるく。


指先でつついて、ひとつひとつ確認する。


…よし、レモン味。


晴香は黄色いあめ玉を指で拾い上げると包装を破る。
包装を机の上に一時的に捨て、中身の黄色いあめ玉を口に放り込んだ。

レモン味だというのに酸っぱすぎず、どちらかと言うとそれは甘かった。

「…八雲君、早く帰ってこないかな〜」


八雲は朝から後藤に呼ばれ、出掛けてしまった。
電話がかかってきた時は嫌だ、と出掛けようとしなかったのだ。
だが後藤が家に乗り込んできてしまい、しぶしぶ八雲は出掛けていった。


晴香はつまらなそうに溜め息を吐くと、再び本を開いた。



リビングの時計が午後三時を告げ、数十分過ぎた頃。

「…ただいま」
大好きな声がリビングから聞こえ、晴香は勢いよく立ち上がった。
そしてご主人様が帰ってきた犬のように廊下を駆けていく。
玄関に八雲の背中が見えた。
「おかえりなさいっ!」
晴香は声を上げながら勢いよく飛ぶと、その背中に飛びついた。
ふがっ、だか聞いたことのないような声を上げた八雲。
だが晴香は八雲の背中に抱きついたまま離れようとしなかった。
「…帰ってきてそうそう、君はいったい何がしたいんだ?」
呆れたように、だが幸せそうに溜め息を吐いた八雲。
「寂しがったんだよー?」
そう言うのに、その顔は幸せそうなにほころんでいた。
「はいはい」
八雲はそう言うと、晴香を背中に背負うように足に腕を回した。
晴香の足がふわりと浮かび、それが八雲の体に回される。
「おんぶ〜」
晴香はニコニコと笑いながら八雲の胸板にぎゅっと腕を回す。
八雲は小さく微笑むと晴香を背負ったままリビングに向かった。



ソファーに腰を降ろすと晴香を自分の膝に横に座らせる。
八雲はそこでふと机の上に目が動く。
駅前の書店のブックカバーがかかった文庫本。
「本、読んでたのか?」
ひょいとそれを片手に取ると、パラパラとページを捲る。
内容を数行読んだだけですべての内容を理解した。


…僕の知っている本。


「…僕の本…か?」
「うんっ」
晴香は八雲の手からすらりと文庫本を奪う。
八雲はその本を奪い返そうとせず、じっとそんな晴香を見つめていた。

「なんで僕の本なんて読んでいるんだ?」
「………」
「…?」
八雲の問いかけになかなか答えない晴香に、思わず首を傾げた。
耳を済ませると、微かにゴニョゴニョと音が聞こえる。
それが晴香の声だと気付くのにしばらく経った。
「どうした?」
八雲が後ろから晴香の顔を覗き込む。
「っ!?」
晴香が慌てて八雲の顔を離すが、それは少し遅かった。
八雲が見た晴香の顔は、火照ったように赤く染まっていたのだ。
「………」
しばらくポカンとしていた八雲だが、突然ニヤリと口端を上げて笑う。

…晴香いわく、意地悪な笑顔で。

「で?…君はなんでそんな赤い顔をしているんだ?」
八雲は晴香の顎に指を掛けると無理矢理上を向かせる。
晴香の赤い顔が八雲の瞳に映った。


しばらく恥ずかしそうに目をそらしていた晴香だが、おそるおそる口を開く。
「その…八雲君と同じものが読みたかったの…」
ゴニョゴニョと後の方がして聞き取りにくいが、八雲にはしっかりと届いている。
「そうか…」
八雲はそう言い終わるとそのままの態勢でキスをした。

…晴香の唇に。

始めは軽いキスだったが、時がたつにつれてそれは熱いものに変わっていった。


離れた晴香の顔は、予想以上に赤かった。


「…イチゴ?」
「…?」
軽く酸欠状態の晴香は肩で大きく息をし、首を傾げる。

晴香がその意味に気付いたのはしばらくしてから。
八雲が口にしたイチゴとは、机に無造作に散らかったビニールの包み殻。

…そういえば八雲が帰ってくる前に舐めた飴が赤い色…イチゴ味だった。


晴香がチラリと視線を机の上に向けた。
それに釣られるように八雲もそちらに視線を向ける。
「あぁ…。コレ、か」
机に腕を伸ばした八雲がひょいとキャンディを拾う。

晴香が視線を動かして確認する。

…甘い甘いレモン味。


八雲はその包装を開けると、それをひょいと自らの口に放り込む。
息が落ち着いた晴香がそれを見つめている。

しばらくの間、味わうようにじっくりと舐める八雲。

「何してるの?やくもく…」
ん…。まで言えるはずだった。

だがその言葉は八雲の口の中に消えてしまう。

…それがキスだとわかるのにしばらくの時間が必要だった。


晴香は慌てて八雲の胸板を押すが、簡単には離れてくれない。
逆に八雲は晴香の体をソファーに押し付ける。
するとすんなり離れる八雲の体。


「っはぁ…」
一気に肺に空気が入り、思わずせき込んでしまう。
晴香の目の前には天井と八雲の顔で埋め尽くされていた。

そして再び八雲の顔が近付いてくる。
晴香は慌ててそれを阻止しようとすりが、すんなりと避けられてしまう。


…再び触れる唇。


だがそれは、すぐに離れていく。

晴香の口に何かを残して…

それがレモン味のあめ玉だということはすぐにわかった。


ふと視線を感じ見上げるとそこには嫌にいい笑顔の八雲がいた。


「さて、あめ玉を返してもらおうか?」


END。



あめ玉ってエロくないですか?
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