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お友達から借りました。対価に君と僕。貸しました。
おもしろい…。面白過ぎます!買おうかな…

あ、そういえば…
一年くらい前に休刊になった漫画が復活しました!
わーいわーい!ものすごくマイナーなんですがね。
動物付好きの私にとってはもう最高なんですよ。
ちなみにハムスペという漫画雑誌なんですが…皆さん知りませんよね…
でも結構漫画家さんが変わってしまったなぁ…
新しい人もいいんですが…何年も買い続けていたので違和感が…


さて小説。
晴香にベタ甘な八雲を書いてみたかったシリーズ。ラストです!

「絶っ対に嫌です」

「お前が運転しなくて誰が運転するのかい?」

「…叔父さんが運転すればいいじゃないですか」



後部座席にふんぞり返った八雲は、窓に目を向けている。
「いやいや、免許持ってきてない」
「持ってきてますよね」
言葉の途中でそう言った八雲は、じろりと車外にいる一心を睨みつける。
負けずと一心もまっすぐな眼差しを送るが、諦めたように溜め息を吐いた。
「しょうがない、私の負けだよ」
一心はそう言うと運転席のドアを開ける。
そんな一心を八雲は勝ち誇った顔でニヤリと笑っていた。
「じゃあ、晴香ちゃんは前に座るかい?」
そんな一心の言葉に、思わず顔をしかめる八雲。
「え…」
話を振られた晴香は迷うように一心と八雲を交互に見合わす。
「じ…じゃあ…」
少し迷った晴香は一心のもとへ行こうとする。
だが八雲がすかさず車内から身を乗り出すと、晴香の腕を引っ張った。
そして威圧するような視線を送る。
その視線を受けた晴香は少々渋るが、結局後部座席に座ることにした。
「よし…」
八雲は珍しくニコリと笑うと、一人分の席を開けた。
「じゃあ私はこっちに座る!」
奈緒は嬉しそうにピョンピョン跳ねながら助手席に飛び乗った。
「前の席だ〜っ」
「奈緒ちゃんは前の席の方が好きなの?」
晴香は奈緒が車内に入ってくると、少し身を乗り出して訪ねる。
「うんっ!」
奈緒は大きく首を頷かせると、体を後ろに向けた。
「前の席ってお外が見えるでしょ。それにお父さんのお隣だし!」
「そうだよね〜」


私が小さい頃も同じだったなぁ…

後部座席では見えない景色。
まるで自分が運転しているような感覚。

よくハンドルを回す真似をしたのを覚えてる。

でもなかなか助手席に乗る事が出来なかったのだ。
助手席はシートベルトをしないといけない決まりで、締め付けられるのが嫌だった。

ついでに言ってしまうと助手席は地図が読める人の席…と母に言われたのを覚えている。


そんな事を思い出し、晴香は小さく笑った。
「奈緒、シートベルトを付けないと駄目だよ」
一心は奈緒のシートベルトを付けてやる。
奈緒はシートベルトを睨み、ぷーっと頬を膨らました。
「シートベルト嫌いっ」
「嫌いでもこれは決まりだから仕方ないだろ」
晴香の隣で八雲は腕を組み、偉そうにそう言う。
八雲の言葉に奈緒はしぶしぶといった感じに、大人しくシートベルトを付けられる。
「くすす…」
思わず声を漏らしてしまい、慌てて口を塞ぐ。
「…なに笑ってるんだ?」
八雲の耳に届いたようで、不思議そうな顔を晴香に向ける。
「その、私も小さい頃同じ事言われたなぁ〜って」


ちなみに一心がお母さんとお父さん。
八雲がお姉ちゃんだ。

だが私の場合はシートベルトが嫌で、すぐに後部座席に移動してしまった。
そこだけ奈緒ちゃんと違う。


「ふーん…」
八雲は詰まらなそうにそう答えると、背もたれにもたれる。
「さて、出発しようかね」
一心は自らのシートベルトを付けると、車を出発させた。



「奈緒ちゃん寝ちゃった…」
晴香は前に乗り出した体を戻し、座席に付いた。


高速に入って数十分。

帰りは行きほど迷わず高速に入ることができた。

それは一心が運転していたから…かもしれないと心の隅で思っている晴香。
だがそれを言ってしまえばきっと八雲が拗ねてしまう…と思い、心の奥にしまっておく。


「遠出だったからね。奈緒もはしゃぎ過ぎたんだろう」
一心は運転しながら、横目で幸せそうに眠る奈緒を見てニコリと微笑んだ。
「それに久しぶりに八雲や晴香ちゃんと遊べたからね…」
「…本当は二人っきりのはずだったのに…」
そんな一心の言葉を聞き、ボソッとつぶやく八雲。
その言葉は晴香の耳にも届き、反省しているように肩を落とした。
「ご…ごめん…」
「………」
二人の気まずい空気を察知し、一心は溜め息をついた。
「じゃあ、次は二人っきりで旅館にでも泊まってきなさい」
「り…旅館ですか?」
一心の言葉に晴香は思わず晴香は頬を染め、俯いてしまう。
八雲はというと、少し考えるように車の天井を見上げる。
そしてニヤリと楽しそうに笑った。
「…その時は車、貸して下さいね」
「いいだろう。早く孫の顔も見たいしね」
「ま、孫っ!?」
耳まで真っ赤に染めた晴香が顔を上げる。
ルームミラーから見えた一心の顔は楽しそうにに笑っていた。
晴香は助けを求めるように八雲に視線を送るが、何故かよだれをすすっている。
「や…八雲君?」
「…来週にでも行くか…」
「冗談だよ…ね?」
晴香が顔を引きつらせながら首を傾げると、八雲はニヤリと笑った。
「冗談じゃないぞ?」
八雲はそう言うと、腕を組んで瞼を閉じてしまう。
眉尻を下げた晴香は、うぅ…と唸りながら背もたれに身を任せた。



「…おはよう」
奈緒が小さな声でそう言うと、瞼を擦った。
「おはよう、奈緒」
ルームミラーを見ながら微笑んでいる一心は、そう答える。
そして奈緒に、後ろを見てみなさい…と訴えた。
それに気付いた奈緒は、大きな欠伸をしながら後ろを振り返る。
すると後部座席の二人を見て、驚いたように目をパチパチとさせた。
「寝てる…」

奈緒の視線の先には、晴香が八雲の肩に寄りかかるようにして眠っていた。
八雲はというと、そんな晴香の頭に自らの頬を乗せながら眠っている。

お互いを支え合うように…


奈緒は一心に視線を上げると、ニヤニヤと笑っていた。
「疲れちゃったんだよ。久しぶりにみんなで遊んだからね…」


二人は幸せそうに眠っていた…


END。



二人っきりの旅行編もいつか書きたい…。あ、一様終わりです。
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